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セッコクの育て方 栽培に適した環境やお手入れの方法などを紹介

スタッフ

株式会社カインズ グリーン・ガーデン部【公式】

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ホームセンター・カインズのグリーン・ガーデン部が、お花・野菜・観葉植物・多肉植物・家庭菜園・庭造り・畑作りなどに関する専門知識や栽培方法、ノウハウなどを解説します。

セッコクは、日本・中国・朝鮮半島などに自生している小型の着生ランです。日本では、本州の東北地方から九州に分布しています。

主な開花時期は5〜6月頃の初夏で、茎(バルブ)の先端あたりにある節から花茎を出して1〜3輪の花を咲かせます。花色は白か淡い紅色で、ほのかに香りがある点が特徴です。その可愛らしさや香りから人気を集めています。

ここでは、セッコクの栽培方法について詳しく解説していきます。栽培に適した環境やお手入れについても紹介していくので、セッコクを育てるためにぜひ参考にしてみてください。

セッコクはどんな植物?

セッコクはラン科セッコク属の植物で、岩や木に根を張り付かせて自生する着生ランです。日本におけるセッコクの歴史は古く、日本最古の薬物辞典「本草和名」にも登場します。江戸時代になると「長生草」という名前で栽培されていたそうです。

茎に見える部分は「偽鱗茎」と呼ばれるものであり、一般的には「バルブ」と呼ばれています。茎の先端あたりの節から花茎を出して1〜3輪の花を咲かせます。花の大きさは3〜4cmで、ほのかな香りがある点が特徴です。

日本での分布は、本州の岩手県以南から四国・九州となっています。ホームセンターなどで野生ランとして多く販売されているため、自宅でも気軽に栽培することができるでしょう。

セッコクの栽培のはじめ方

白い花を咲かせるセッコク

基本的には「苗」から育てる

セッコクは苗から育てることをおすすめします。というのも、セッコクは発芽しにくいからです。種から育てることも不可能ではないものの、成功率が低いためおすすめできません。

セッコクの苗は4〜6月、もしくは9月中旬〜10月中旬を目安に植え付けます。苗はホームセンターや花屋などで購入可能です。

「鉢植え」と「地植え」のどちらでも育てられる

セッコクは、鉢植えと地植えのどちらでも育てられます。鉢植えの場合は、通気性の良い素焼き鉢を用意しましょう。着生する土台を作ったら、根を固定してから鉢に植え付けます。

地植えの場合は、苔の生えた石や大木に着生させます。木に着生させる場合は、「ネルソル」という粘着質の土を使用するのがおすすめです。ネルソルを水で溶き、着生させたい場所に塗っておきます。着生させた後は、水苔などで覆っておきましょう。

セッコクを育てる環境

日陰で咲くセッコク

セッコクが好む日当たり・温度

セッコクは、日当たりと風通しが良い場所を好みます。春から秋にかけては日当たりの良い場所で育てるほうが望ましいでしょう。

ただし、真夏の直射日光に当てると葉が黄ばんでしまうことがあります。葉が黄ばんでしまった場合は、日陰に移動させてしばらく様子を見ましょう。

温度管理に関しては、日本の環境であれば元気に育ってくれます。セッコクは耐寒性が強い植物なので保温も不要です。ただし、霜や寒風には注意する必要があるため、冬は室内や軒下などに避難させたほうが良いかもしれません。

セッコクの水やり

セッコクは、水苔などの植え込み材料が完全に乾いてから水やりをします。セッコクは多湿に弱いため、1年を通して乾燥気味に育てるのがポイントです。乾燥には強いため、多少乾燥しても枯れることはありません。

なお、石や大木に着生させた場合は乾きが早いため、乾燥した状態となったら水に浸してしばらく吸水させると良いでしょう。セッコクは葉や茎からも水を吸収するため、なるべく全体に水をかけてあげます。

セッコクの土と肥料

下向きのセッコク

セッコクを育てるのに適した土

セッコクは、通気性と水はけが良い土質を好みます。鉢植えの場合、水苔が手頃で扱いやすくおすすめです。他にも、5〜10mm程度の硬質鹿沼土、軽石、洋ラン用の培養土が向いています。

着生させる場合は、樹木、ヘゴ板、庭石などがおすすめです。セッコクは気に寄生しているわけではないため、宿った木の養分を奪うことがありません。そのため大切な庭木に着用させることも可能です。

おすすめの水苔

セッコクに与える肥料

セッコクは肥料なしでも育ちますが、新芽が伸びてくる6〜7月頃に液体肥料を与えると充実した株に育ちます。薄めた液体肥料を週3回程度、水やり代わりに与えると良いでしょう。

夏以降の肥料は不要です。秋になると矢が成熟して花芽を作り始めますが、この時に矢に栄養が残っていると花付きが悪くなります。

おすすめの肥料

セッコクの手入れ

ピンクのセッコク

セッコクの植え替え

鉢植えの場合、鉢の中で根がからまりやすいため、2年に1度ほどのペースで植え替えを行いましょう。植え付けは4〜6月頃に行います。水苔は腐敗しやすいため、植え替えと同時に新しいものと取り替えてください。

セッコクの根は細いため、植え替え作業時に切れないように注意しましょう。なお、庭木や庭石などに着生させたものは植え替え不要です。

セッコクの増やし方

たくさんの花をつけるセッコク

株分け

セッコクの増やし方で最もおすすめなのが株分けです。4〜6月頃、植え替えのついでに行うと良いでしょう。バルブの間をハサミなどで切り分けていきますが、バルブを5本以上つけて切り分けるのがポイントです。

株分けの予定が決まったら、2〜3週間水やりを控えておくことをおすすめします。乾燥させておくと鉢から抜きやすくなるため、株分け作業がスムーズにできます。

高芽とり

高芽とは、花芽にならなかった節のことです。日当たりが悪い、多湿、ナメクジにかじられたなどの理由が考えられます。

高芽は発根して株として生長するため、セッコクを増やしたい時に活用できます。生育期前の2月頃になったら高芽を外し、吸水させた水苔に包んで育てます。

矢伏せ

セッコクのバルブは「矢」ともいい、水苔の上などに横に伏せておくと新芽が出てきます。この性質を活用した増やし方が矢伏せです。

バルブを付け根から切り取り、湿らせた水苔の上に横向きに埋めましょう。芽が発生するまで湿り気味に管理してください。茎が伸びてきたら、後は高芽とりと同じ手順で増やしていきます。

セッコクの病気・害虫

セッコクがかかりやすい病気

セッコクがかかりやすい病気は、ウイルス病と黒斑病です。ウイルス病は、葉にモザイク模様が現れます。ウイルス病は治療法がない上に他の株にも伝染するので、残念ですがすぐに処分してください。

黒斑病は、葉に黒い斑点ができる病気です。他の株に感染する可能性があるため、株を隔離して専用の殺菌剤で対処しましょう。他の株にも広がっていくようなら処分も検討します。黒斑病は、通気性を良くすることである程度は予防できます。

セッコクにつきやすい害虫

セッコクには、ハダニ・カイガラムシ・アブラムシなどの害虫が発生することがあります。風通しの良い場所で育てることが予防策です。

害虫が大量に発生した場合は、見た目が悪い上にウイルス病の原因となることもあるため早めに殺虫剤を散布して対処します。カイガラムシは成虫になると殺虫剤が効きにくいため、ブラシなどで駆除すると良いでしょう。

おすすめの殺虫剤

まとめ

日本で古くから愛されてきたセッコク。「ラン科の植物は栽培が難しそう」「上級者向けなのでは」というイメージを持っている方もいるでしょう。しかし、セッコクは耐寒性が強く、水やりや肥料に関しても注意点はほとんどありません。

株分けや高芽とりで手軽に増やせるため、庭をセッコクでいっぱいにしてみてはいかがでしょうか。園芸好きの友達がいるなら、株分けしてあげても喜ばれるかもしれませんね。

この記事を参考に、自宅でセッコクの栽培を始めてみてください。

※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。

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