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目次/ INDEX
エキゾチックショートヘアは、1960年代にペルシャのブリーダーがペルシャと短毛種を交配してできた、比較的新しい種類の猫です。
バーミーズ、アメリカンショートヘア、ブリティッシュショートヘアなど、さまざまな短毛種との交配の歴史があり、被毛の色も多様です。丸い頭部に平たい顔、低い鼻に丸い目と、愛嬌のある顔つきをしていて、日本でも人気です。
今回は、そんなエキゾチックショートヘアの特徴から飼い方、性格、食べる餌や気をつけたい病気までをご紹介します。
エキゾチックショートヘアは、中型の猫です。
ビロードのような被毛が体表から立つように密生しているため実際よりも大きく見えますが、体重はオスが3.5~7kg、メスが3~5.5kgほど。丸みをおびたボディと短く太い四肢や首が、ずんぐりした印象を与えます。
ペルシャの特徴を引き継いだ、典型的なコビー体型です。
毛色は、ブラック、ブルー、チョコレート、レッド、ホワイトなど、ほぼ全ての色のエキゾチックショートヘアがいます。模様のパターンも豊富で、ソリッド、タビー、バイカラーやキャリコも多いです。
また、毛色や模様と同様、目の色もカッパー、ブルー、グリーンなどさまざま。オッドアイが生まれることもあります。
エキゾチックショートヘアの平均寿命は、10~13歳前後です。平均的な猫の寿命が15歳前後なので、比較的短命と言えるでしょう。
もっとも、適切な食事やスキンシップによる病気の早期発見に努めることで、できるだけ長く一緒に過ごすことができます。次項からは、エキゾチックショートヘアの性格と飼い方について詳しく見ていきましょう。
エキゾチックショートヘアは、ペルシャから受け継いだ温厚な性格と、短毛種の社交的で遊び好きな性格を併せ持っています。
のんびり屋で静かな気質の個体が多く、子猫のうちから比較的落ち着いています。一方で、人懐こさや従順さも見られ、中には活発で遊び好きな個体もいます。
基本的に、他の猫種と比べて運動量は少ないほうです。肥満に注意して、意識的に遊ばせたり食事量を調節したりしましょう。
遊ぶ時間は、1日に10~15分ほどが理想的です。飽きやすいので、複数回に分けて遊ばせると良いでしょう。お気に入りのおもちゃを見つけて、室内でも適度に運動できるようにしてあげてください。キャットタワーなどを使った上下運動も効果的です。
エキゾチックショートヘアは人懐こく愛情深い猫で、飼い主の膝の上など柔らかい場所でくつろぐのを好みます。
ベッドは必ずしも必要ありませんが、ふかふかした狭い場所があると落ち着きます。来客時やストレスのかかりそうな場面に備えて、人通りの少ない場所にベッドを用意しておくと良いでしょう。
ケージも必須ではありませんが、入院時や災害時に備えてケージに慣れさせておくと安心です。
子猫やシニア猫向けには高さ1.2m以下のケージ、成猫用には高さ1.2m以上、幅1m以上のケージを確保しましょう。折り畳み式のものもありますので、部屋のスペースやケージの機能を踏まえて検討してみてください。
エキゾチックショートヘアのもととなったペルシャは長毛種で、ゴージャスな見た目である分、日々の手入れも手間がかかります。
一方、ペルシャの特徴を引き継ぎつつも短毛で手入れがしやすいエキゾチックショートヘアは、「パジャマ姿のペルシャ」「怠け者用のペルシャ」などと呼ばれます。
ブラッシングやシャンプーも、ペルシャと比べて手間がかかりません。
エキゾチックショートヘアの被毛は、短毛種にしてはやや長めで、オーバーコートとアンダーコートのダブルコートが密生していますが、ブラッシングの頻度は週1、2回で十分です。
もっとも、夏と冬とで毛質や毛量が異なるため、3月頃と11月頃の換毛期には抜け毛が非常に多くなります。換毛期には週3回を目安にブラッシングしてください。
ブラッシングは、毛球症(もうきゅうしょう)の予防や皮膚病の早期発見にもつながります。毛玉のできない短毛種でも、定期的に行ってください。
おすすめの猫用ブラシ
エキゾチックショートヘアは、シャンプーをしなくても被毛の汚れが目立つことはありません。
逆に、シャンプーをしすぎることで油分が落ちて被毛のパサつきや皮膚病の原因になる恐れもあります。ただし、換毛期などに年1、2回の頻度でシャンプーすると、ほどよく抜け毛を防げます。
エキゾチックショートヘアのシャンプーのポイントは、予めスリッカーブラシで全身をブラッシングして、抜け毛と汚れを落としておくこと。ぬるま湯で全身を濡らしてシャンプーで洗ったあとは、シャンプーが皮膚に残らないようしっかりとすすいでください。
すすぎ後はタオルでよく拭き、ドライヤーをあてて完全に乾かします。水やドライヤーを嫌う猫も多いので、シャンプー前に爪を切っておくと安全です。
また、ドライヤーはコームでとかしながら乾かせるよう、2人がかりで行ったりスタンドを用意したりして工夫してみてください。
エキゾチックショートヘアが食べるものは、成長ステージによって異なります。
生後4~6週までは猫用ミルク、続いて離乳食専用の缶詰から子猫用フードをふやかしたものへと移行し、3カ月以降の成長期からは比較的高カロリーの子猫用フードを与えます。1歳以降は成猫用のフードに切り替え、7歳以上になったらシニア用フードを与えましょう。
フードを選ぶときのポイントは、動物性タンパク質が豊富なことと、炭水化物が少なめであること。
エキゾチックショートヘアは、愛嬌のある見た目とはうらはらに、ボディは筋肉質です。この筋肉を維持するために、動物性タンパク質を多く必要としています。「総合栄養食」と記載されているキャットフードの中でも、タンパク質が35%以上含まれているものを選ぶと良いでしょう。
また、キャットフードにはトウモロコシ粉や小麦粉など含まれることが多いのですが、猫は本来穀物を食べず、そもそもあまり炭水化物を必要としません。穀物は猫の肥満やアレルギーの原因にもなりやすいため、穀物不使用の「グレインフリー」のキャットフードを選んでおくと安心です。
おすすめのキャットフード
エキゾチックショートヘアの食事の量は、キャットフードのパッケージの表示と体重をもとに、1日に与える総量を決めます。
もっとも、エキゾチックショートヘアは比較的運動量が少なく、肥満になりやすい体質です。1歳を過ぎて体格が安定してきた頃の体重を目安に食事量を調節して、肥満の予防を心がけましょう。
食事の回数は、生後3カ月頃までは一日3~4回、生後4か月頃から1歳までは2~3回、1歳から7歳頃までは1~2回、7歳以上のシニア期には2~3回を目安に与えましょう。
エキゾチックショートヘアがかかりやすい病気は、多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)です。
多発性嚢胞腎症とは、ペルシャに多く見られる遺伝性疾患です。エキゾチックショートヘアはペルシャを起源とする猫ですので、この遺伝性疾患が引き継がれています。
多発性嚢胞腎は、腎臓を構成するタンパク質をつくる遺伝子の異常によって、腎臓に小さな袋のようなものができる病気です。
多飲多尿、食欲不振などの症状が見られる場合は、多発性嚢胞腎の疑いがあります。完治方法は見つかっていませんが、早期に受診して内服薬の投与などで症状を抑えるようにしましょう。
エキゾチックショートヘアは、流涙症(りゅうるいしょう)にも注意が必要です。
流涙症は、短くつぶれた鼻の猫種に発症しやすい病気です。エキゾチックショートヘアも例外ではありません。
流涙症は、涙管が詰まって涙が目の外へとあふれ出る病気です。治療法としては、点眼薬の投与や涙管の洗浄、手術などがあります。
命にかかわる病気ではありませんが、放置すると涙の痕が変色したり、角膜の病気を併発したりします。獣医師に相談の上、治療を検討してみてください。
また、エキゾチックショートヘアの顔は、平たい顔から目がやや飛び出したような構造をしているため、目にほこりがたまりやすく、目ヤニなどが出やすくなっています。目の周りのケアをしっかり行ってください。
ずんぐりした体型と愛嬌のある顔立ちが特徴的なエキゾチックショートヘアは、平均的な猫種よりも数年寿命が短いものの、おっとりした性格で家族にもよく懐く可愛らしい猫です。
スキンシップを心がけ、肥満や病気のサインに注意して大切に育ててあげてください。