ニチニチソウの寄せ植えに合う花は? おしゃれな配置や管理方法を解説
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目次/ INDEX
初夏に黄色い小さな花をたくさん咲かせるキングサリ。大きな房についた花は、まるでチェーンのように連なって見えることからこの名が付きました。細やかなお手入れや病害虫の心配がないため、初心者でも比較的育てやすい植物です。
ここでは、キングサリの育て方を詳しく解説していきます。キングサリが好む環境や、水やりの頻度、適した用土や肥料、剪定の仕方や増やし方についても触れていきますので、最後までご覧ください。
キングサリはヨーロッパ中南部を原産とする、マメ科キングサリ属の落葉生高木です。同じマメ科の藤の花にも似ていることから、「キバナフジ」という別名を持ちます。漢字で「金鎖」と書くように、黄色い花がチェーン(鎖)のように連なっているのが特徴です。
品種にもよりますが、木は6mほどに生長し、房の大きさは30~70cmになります。花期は5月頃から初夏にかけてで、蝶のような花びらと鮮やかな黄色が魅力です。満開になるとたくさんの花が連なり、とても美しく咲き誇ります。
枝が柔らかいので、フェンスやアーチに誘引して仕立てられるのも魅力のひとつ。細やかな手入れや病害虫の心配は特にないので、初心者でも育てやすい植物です。お庭を明るく彩りたい人にもおすすめですよ。
キングサリは苗木を購入して育てるのが一般的です。「地植え」でも「鉢植え」でも育てられます。
地植えの場合、霜の心配がない3~4月または10~11月の暖かい日に植え付けます。寒さに当たると枯れてしまうことがあるため、植え付けは暖かい日を選びましょう。
キングサリは植え替えを嫌うので、場所選びは慎重に行いましょう。よく耕したところに、苗より大きい穴を掘って植えます。根は非常に繊細なので、傷付けないように気をつけてください。やや高植えにすると水はけがよくなります。
鉢植えの場合は大きめの鉢を選び、鉢底にはネットと鉢底石を敷いて水はけをよくしましょう。樹高が高い植物なのであまり伸びないように定期的に剪定をし、根詰まりを起こしたら植え替えをします。
どちらも根付けが成功すると、枝葉が茂っていくため折れやすくなります。はじめのうちは、支柱を立ててあげると折れずに真っすぐ生長しますよ。
キングサリは日当たりのいい、明るい場所を好みます。高温多湿の環境下には弱いので、午前中は日が当たり、午後は日陰になるところに置いてあげるのがベストです。直射日光や、夏の西日が強いところは避けましょう。
地植えの場合、1日の日照時間に注意して植える場所を決めます。日が強く当たる場合は、遮光ネットなどを使って日よけ対策をします。鉢植えの場合は、時間帯で移動してあげるとよいでしょう。
耐寒性があるので、寒さには強い植物です。寒冷地での栽培に向いており、暖かい地域よりも大きく立派に育ちます。落葉樹なので冬になると葉が落ちますが、春にまた美しい花と葉をつけますよ。
地植えで育てる場合、根付くまでは土を乾燥させないように気をつけましょう。土の表面が乾いてきたら水やりをします。根付いてからは、水やりの必要はありません。降雨だけで大丈夫ですが、あまりにも雨が降らない日が続くようなら様子を見て与えてください。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いてから水やりをします。鉢底から水が溢れてくるくらい、たっぷり与えましょう。
キングサリは水はけのいい土を好みます。水はけが悪くじめじめした場所は、キングサリが傷んでしまう原因です。土質は特に気にしなくて構わないので、水はけには注意しましょう。
用土は市販の培養土を使います。自作する場合は、赤玉土と腐葉土を2:1の割合でブレンドするのがおすすめです。
おすすめの土
キングサリは肥料がなくても十分育ちますが、与えることで花後の回復が早くなります。地植えと鉢植えのどちらも、植え付け時に底に緩効性の化学肥料を元肥として入れておきましょう。
地植えの場合、1月に寒肥として株元に有機肥料を与えます。寒肥とは、春に備えて与える肥料のことです。生長を休めている冬に肥料を与えることで、春先に栄養が植物全体にいきわたり生長を促します。
花が咲き終わったら追肥をしましょう。咲き終えた後に肥料を与えることで、翌年もたくさん花を咲かせますよ。
鉢植えの場合は、3月に化成肥料を株元に追肥します。地植えと鉢植えのどちらも、肥料はチッソの少ないものを選びましょう。チッソは花付きが悪くなるので、リン酸やカリを主体としたものがおすすめです。
おすすめの肥料
キングサリは自然と形が整う植物のため、剪定はあまり必要ありません。葉や枝が混み合っていたり、絡み合っていたりする場合は、通気性をよくするために剪定を行いましょう。
木が若いうちは、株元からよく伸びる枝や、幹の途中から間延びしている枝を早めにカットします。ただし、春の花期前の大きな剪定はキングサリの負担になります。また、花芽は春に伸びた枝に開花するので、夏以降の剪定も避けましょう。
キングサリは植え替えに向いていない植物です。大きくなってからの植え替えは、根を傷める原因になります。根付きもよくないので、地植えの場合はよく考えてから植える場所を決めましょう。
どうしても植え替えをしたい場合は、5~6年までの若木のうちに行います。根を傷付けないよう、慎重に行いましょう。
鉢植えの場合、根詰まりを起こしていたらひと回り大きい鉢に植え替えます。根を傷めないよう土は落とさずに、根鉢ごと植え替えましょう。
キングサリは、挿し木と種まきで増やせます。挿し木は3月の暖かく晴れた日に行いましょう。去年生長した健康的な枝を、10~15cmほどカットします。剪定したものを使用するのもいいでしょう。
【挿し木での増やし方】
用土は枝の切り口から雑菌が入らないよう、無菌のものがおすすめです。枝の切り口には発根促進剤をつけると、発根しやすくなりますよ。直射日光を避けた明るい場所で育てましょう。
キングサリはマメ科の植物なので、種まきでも増やせます。秋に種を採取して保存しておき、翌年の3月中旬以降に撒きましょう。はじめはポットなどに撒くのがおすすめです。発芽したら苗の大きさに合わせてポットも大きくしましょう。
ただし、種にはアルカロイド系の毒が多く含まれており、注意が必要です。口にしなければ大丈夫ですが、小さい子どもやペットがいる家庭では誤って口にしないよう気をつけましょう。
キングサリは病気にかかりにくく、害虫も付きません。種に毒があるのと同様、葉や花にも同じ成分が含まれているため害虫被害が少ないのが特徴です。
ただし、剪定のしすぎや太い枝を切ったことが原因で「胴枯れ病」になることがあります。胴枯れ病とは、切り口から雑菌が入り込み、株が枯死してしまう病気です。頻繁な剪定は控え、切った際は切り口に殺菌剤を塗ると予防できますよ。
キングサリは地植えと鉢植えのどちらでも育てられます。明るく日当たりのいい場所を好みますが、暑さには少し弱いので直射日光は避けましょう。細やかな剪定は必要なく、通気性をよくする程度で大丈夫です。自然と形が整うので、株が乱れることもありません。
じめじめしたところを嫌うので、湿気には注意しましょう。水はけのいい土であれば、上質な用土でなくても大丈夫です。地植えの場合、水やりは必要なく降雨のみで育ちます。鉢植えの場合は、土の表面が乾いていたら水やりをしましょう。
垂れ下がる枝にたくさんの可憐な花が咲くキングサリ。満開に咲いた姿はまるで黄色いカーテンのように美しく、明るく華やかな景色が広がります。花言葉の「相思相愛」のように、たくさんの花が仲良く連なる姿を、ぜひお庭にも取り入れてみてください。