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【プロが直伝】木材をぶつけてへこませた時の直し方とは? 魔法のような修復方法を伝授

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斉藤 直斗

斉藤 直斗

住宅メーカーの元現場監督で、ものづくりをやりたい想いから、木工職人に転職した現役の職人さん。仕事の合間でDIYや家づくりに関してのWebライターとしても活動しています。ここでは主にDIYに関してタメになる内容をお伝えしています。記事に使われている画像は自宅の作業部屋で撮影。作業部屋を作るほどDIYが大好きです!

DIYをしている時、ちょっとした不注意で木材をぶつけてしまった経験はありませんか? 木材はぶつけると案外簡単にへこんでしまいます。

今回はぶつけてへこましてしまった木材を、ある方法を使って元に戻す方法をお伝えします。この方法は実際に職人が木工所でも使う方法なので、「プロ直伝の裏技」です!

事前にへこました木材を準備

へこんだヒノキの木材

今回は検証するために、事前にヒノキの木材をトンカチで叩いてへこましておきました。ちょっとしたへこみならすぐに直るのですが、かなり強めに叩いてしまったので完全に直るかどうかと言ったところ…

写真を見てわかる通り、普通にDIYをしていてここまでへこますことはないと思いますが、このボコボコに叩かれている木材がどこまで綺麗に戻るのかと、このまま読み進めていただければ幸いです。

木材のへこみを直すのに必要な道具

アイロンと木材

  • アイロン
  • タオル(捨ててもいいもので)
  • サンドペーパー

木材のへこみを直すのに必要な道具が、上記4点です。

アイロン、水、タオルはだいたいの家にはありますし、DIYをやるならサンドペーパーも持っているでしょう。アイロン、水、タオルをどう使うのかはこの後詳しく説明するので、ここでは省略します。サンドペーパーは中仕上げ程度の粗さで#180〜#240を準備しておいてください。

木材のへこみの直し方

へこんでいる木材

それではこのへこんでいる木材の直し方を解説していきます。やり方は2つあり、1つ目が比較的簡単にできる方法で、2つ目がよりしっかりと直すことができる方法になります。

木材に水を掛ける

まず、1つ目が木材に水を掛ける方法です。

「えっ! それだけ!!」と思う方もいるかと思いますが、木材に水を掛けるだけでちょっとしたへこみならほぼ元に戻ります。

へこみが少し浮いてきた木材

ただ、今回は強く叩きすぎたのであまり直っていません。でも写真だとわかりにくいですが全体的にへこみが少し浮いてきています。もしこの段階である程度へこみが直っていたら、最後にサンドペーパーでサンディングをして完了になります。

ただ、今回のようにガッツリ強くぶつけてしまった時は水を掛けるだけでは直しません。そんな時は次の方法をお試しください。

より強くぶつけた木材のへこみを戻すやり方

アイロン

次の方法はより効果のある方法です。

実際に木工職人として働いていて、制作途中でぶつけてしまった時などでもやる方法です。とはいっても、特別な道具が必要ということはなく「アイロン」を使用した方法です。

アイロンは服のシワを伸ばす効果がありますが、木材のへこみを直すためには、アイロンの熱が必要となってくるのです。

やり方の手順がこちらになります。

  1. へこんだ部分を水に付ける
  2. 濡らしたタオルをへこみの上に掛ける
  3. タオルの上からアイロンを押し付ける
  4. よく乾かす
  5. サンドペーパーで研磨

この手順です。思ったより簡単な作業内容だと思います。それでは実際にやりながらの解説です。

木材を水で濡らす

まずは、先程と同じく木材を水で濡らします。ポイントはへこんだ部分に水をよく浸透させること。

タオルをへこんだ部分の上に敷く

次に、タオルをへこんだ部分の上に敷きます。このタオルは事前に濡らしておく、もしくは敷いた後に水を掛けておきます。この後アイロンを使用しますが、シワがないように置いておく方がいいですね。

木材の上に敷いたタオルの上からアイロンを押し付ける

木材の上に敷いたタオルの上からアイロンを押し付けます。温度は一番高くて問題ありません。不安であれば弱から少しずつ強くしてみてもいいでしょう。

アイロンはドライとスチーム、2種類の機能が備わっている商品が多いのですが、ドライにしておいてください。やり方としては、しっかりと熱したアイロンをタオルの上からジューーと押し付けます。こうすることによって、タオルの水分と木材に浸透した水分が蒸発します。

そして、ある程度押し付けたらこの通り。

ほとんどへこみが消えた木材

この写真だけだといまいちわかりにくいので、下の直す前の状態と見比べてみてください。

へこみを直す前の状態

手前の大きなへこみはかなり強くトンカチで叩いたのでそこは若干まだ残っていますが、他はほとんどへこみが消えているのがわかるのではないでしょうか。

この後いったんしっかりと乾燥させて浸透した水分を飛ばします。時短の技としては、木材が焦げないように注意しながらアイロンを掛けるといい感じに水分を飛ばしてくれます。

サンドペーパーで木材を研磨

しっかり浸透した水分が飛んだら、仕上げにサンドペーパーで研磨をします。水を付けたことで、表面が荒れてしまっていたり、若干残っているへこみも研磨をすると綺麗に仕上がります。

今回使用しているサンドペーパーは空研ぎペーパーの#180です。

空研ぎペーパー

そして、全ての工程が終わった状態がこちらです。

いかがでしょうか? 元はかなりトンカチで叩いたヒノキの板でしたが、水やアイロンを利用することでほぼ元通りの状態になっています。

なぜ木材のへこみが戻るのか

先程のやり方だけ見れば、とりあえずはへこみの対処法がわかります。

最後になぜ、水を付けてアイロンを当てることで木材のへこみが元に戻るのかの「原理」をお伝えしようと思います。このやり方を知って、「なんでへこみが戻るんだ!」と興味を持った方はこのまま読み進めてください。

「木材は呼吸をする」と何となくでも聞いたことがあると思います。木材は顕微鏡で拡大して見ると、繊維質のような作りになっていて、その繊維には空洞があります。この空洞に水が染み込んだりするから湿気を吸ったり吐いたりするので呼吸をすると言われています。この空洞は叩いたら潰れるようにへこみます。

今回の直し方はへこんだ位置に水を付けました。この時木材はへこんだ周辺に水が浸透しています。水だけ付けても、へこんだ空洞に水が染みることで空洞が元に戻る動きをするので、へこみが戻るというわけです。

さらにここから面白いのが、アイロンを当てると木材に浸透した水が「蒸発」をします。アイロンを当てた時に聞こえる「ジューー」という音が蒸発の音です。

空洞が潰れた木材の繊維に水が浸透し、アイロンを当てて一気に蒸発をさせることで、一度へこんだ空洞が再度水蒸気と一緒に元に戻ろうとするんです。

これが、へこんだ木材に水を付けてアイロンを当てると元に戻る原理になります。金属やコンクリートにはない木材の特性を活かした小技といったところです。

ご理解いただけたでしょうか?

水とアイロンで木材のへこみを直そう

今回はDIY中に誤ってへこましてしまった木材の直し方をお伝えしました。

DIYなのでへこみをそのままにして味と捉えてもいいでしょう。ただ、どうしても傷やへこみを付けたくないこだわりの作品であれば、いちから作り直さず水とアイロンを使用して直してみるといいでしょう。

ぜひ今後のDIYをやる時に試してみてください。

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