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目次/ INDEX
DIYでつくった作品は、最後に塗装をして仕上げると完成度がグッと上がります。
ですが、木材用の塗料だけでもたくさんの種類があり、何を買えばいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は、現役木工職人でDIYアドバイザーとしても活動している筆者が、ホームセンターに売っている木材用塗料の中から「これはいい!」と思ったおすすめの塗料を紹介します。
おすすめする木材用塗料は、以下の5つです。
ここからは各塗料の特徴や塗り方を、4種類の木材に塗ったサンプルとともに解説し、比較します。
木材の種類は上の画像で左からホワイトウッド、ヒノキ、杉、ラワンの順番です。よくDIYで使用される木材を選びました。
塗料によっては木材の種類で浸透量や色付きに違いが出てくるので、ぜひ木材別の違いも参考にしてください。
ワトコオイルは、木の質感を残したい方におすすめの塗料です。
ワトコオイルはニスなどと違い、塗装した面に塗膜をつくらず浸透する塗料です。
そのため、質感を損なうことなく、木の良さを最大に活かせます。仕上がりの色合いも良いので、個人的にぜひ使ってほしい塗料No.1です。
ワトコオイルは塗りムラが出にくく、DIY初心者でも簡単に塗れます。
塗る手順は以下の通りです。
ワトコオイルは二度塗りが基本です。浸透性塗料なので厚く塗る必要はなく、薄塗りで仕上げましょう。
詳しくは下記の記事でワトコオイルの塗り方を解説しています。
ワトコオイルは、ナチュラルとミディアムウォルナットの2色を塗ってみました。
まず下の画像がナチュラル色で塗った状態です。
ナチュラルはクリア塗装とほぼ同じで、塗ると濡れ色感(水に濡らした時の色が濃くなる状態)が強くなり、塗っていない時よりもグッと締まった色合いになります。特にラワンなどの色の濃い色ほど、濡れ色感が強くなります。
下はミディアムウォルナット色で塗った木材です。
ナチュラルに比べて、全体的に自然な茶色の風合いが出ています。
この状態は1回塗りなので、2度塗りするとより濃くなります。
ワトコオイルは、木材に塗るとヌメっとしたオイルだけにしか出せない質感に仕上がります。特に二度塗り後のサンドペーパーで磨いた触り心地は、凄く良いです!
着色したくない方は、ナチュラル色を選ぶのがおすすめです。
ビンテージワックスは、深みのある質感が好きな方にぴったりの固形ワックスです。
木材の質感を活かす点などは、ワトコオイルと似ています。
主な違いはオイルは艶消し、ワックスは艶ありの質感に近いので見た目に違いがあります。またワックスならではの古い風合いが出せるのも、ビンテージワックスの特徴です。
ビンテージワックスは、塗るというより擦り込むように塗装をします。
ビンテージワックスは固形なので角が塗りにくく、先行してブラシなどで塗ってから全体の塗装に進むといいでしょう。
色移りを防ぐため余分なワックスは入念に拭き、24時間以上しっかりと乾燥してから使用してください。
ビンテージワックスのウォルナット色を使用しました。
一番左の杉が一番濃く色が出ているのが分かります。
ビンテージワックスは、独特の渋い風合いを出すことができるのが最大のおすすめポイントです。
ビンテージワックスは色が4色と限定的なので、もし他の色がよければブライワックスやオールドウッドワックスといった別商品を使ってもいいでしょう。(上の画像は杉材にブライワックスを使用しています。)
オイルステインは、木材を濃く着色するのが得意な塗料です。
オイルステインは木材への着色力が非常に高く、しっかりと木材に浸透させて色付けするのに向いています。厚く塗ったり、二度塗りをすることで濃さの調整もできます。
ただし、ステインは着色材なので、保護性能はほとんどありません。
オイルステインは濃さを意識して塗るのがポイントです。
オイルステインはなるべく均一に塗らなければムラになりやすいので気をつけましょう。塗りすぎたところがあれば、ハケで伸ばすかウエスで拭いてください。
一度塗りで好みの色合いが出ていれば、二度塗りは不要です。ステインのみだと色移りの可能性や保護性能がないので、ニスなどで上塗りをして仕上げます。
オイルステインのエボニーブラック色を使ってみました。
見ての通りオイルステインは、これまでの塗料の中で一番濃く塗れています。特にホワイトウッドは他の塗料だと色が付きにくいですが、オイルステインなら問題なく着色できています。
エボニーブラック色のオイルステインを使った、飾り棚のつくり方を公開しているので、参考にしてみてください。
オイルステインはどの塗料よりも着色性が高いので、濃い色にしたい時におすすめです。
表面を保護したい場合は、オイルステインを使用してからオイルやニスを上に重ねます。木の質感を残したいならワトコオイル、塗膜をつくりたいならウレタンニスを塗るといいでしょう。
4つ目はCAINZのオリジナル塗料である「Kumimoku アンティークカラーズ」を紹介します。
Kumimoku アンティークカラーズはこれまで紹介してきた塗料とは違い、木の質感が残らず塗料の膜をつくるタイプです。
マットな質感でアンティーク風な仕上がりになり、塗装した面には黒板のようにチョークで文字や絵を書けます。
Kumimoku アンティークカラーズは粘度の高い塗料なので、一度塗りでもしっかり塗れます。事前の研磨で下地を整えておけば、あとは木目に沿って塗るだけなので、工数がかかりません。
粘度が高いためハケの跡が付きやすく、端から端まで通すように塗るときれいに仕上がります。水性塗料なので、塗りにくいと思ったら水で薄めて使いましょう。
モカブラウン色を塗ってみました。
Kumimoku アンティークカラーズは木材の木目がほとんど目立ちません。気になる方は、さらに二度塗りをすれば、しっかりとカバーができますよ。
アンティークな風合いと、木目を見せずマットな質感が出るので、雑貨などに使うのがおすすめです。
屋外にも使用できるので、ガーデニング好きの方にもぜひ!
アイアンペイントは、木材を金属の質感にする、とても魅力的な塗料です。
アイアンペイントの一番の特徴は、木材でつくった物も金属でつくった風合いに仕上げられるところです。金属の切断や溶接は木材よりも作業が大変なため、木材を使って金属の質感を出せるのは魅力的です。
カラーバリエーションが豊富で、王道のアイアンブラック色からブラウンやゴールド、シルバーなど、全部で8種類あります。
アイアンペイントは、主に2種類の塗り方があります。一つは、通常の塗料と同じく木目に沿ってハケを端から端まで通すように塗るやり方。もう一つは、ハケやスポンジなどで叩きながら塗る方法です。
後者のやり方は表面がデコボコに見えるため、より金属の質感を表現できます。薄く塗ると下地が見える可能性があるので厚めに塗るか、もしくは二度塗りをするといいでしょう。
アイアンペイントをハケで通すように一度塗りました。
Kumimoku アンティークカラーズと同じく、アイアンペイントも木目の主張が抑えられ、どの木材に塗ったのかわからない仕上がりになりました。
よく見るとザラ付いた質感もわかります。
金属のような質感になるところがなんと言っても最大の魅力でおすすめのポイントです。
棚などの骨組みなどに使用するとメチャメチャカッコいいので、ぜひ使ってみてください!
木材別に各塗料を塗った状態も見てみましょう。
木材によって色付きに違いがあるのがわかると思います。
左からオイルステインまでが木目が残る塗料で、右2つのKumimoku アンティークカラーズとアイアンペイントは塗りつぶしの塗料です。
ワトコオイル、ビンテージワックスは木材の保護成分を含んでいて、オイルステインは着色のみの効果があります。それぞれ色だけでなく特徴にも違いがあるので、今後塗料を選ぶときの参考にしてみてください。
ホームセンターで購入できる木材用の塗料を5つご紹介しました。各塗料の特徴を簡単にまとめるとこんな感じです。
・ワトコオイル
木材の質感を活かしたまま、独特の濡れ感が出る
・ビンテージワックス
若干の艶とビンテージ感が出る
・オイルステイン
しっかりと浸透させて濃い色付けができる
・アインティークカラーズ
マットな仕上がりで、チョークが使えるアンティーク塗料
・アイアンペイント
金属の風合いを出す個性的な塗料
それぞれ特徴が違うので、自分のつくった作品の仕上がりイメージに合わせて塗料を選んでみてくださいね。
ということで、今回は「木工職人が教えるDIYにおすすめ木材用塗料5選」でした。
それではよいDIYを楽しんでください。