リンクをコピーしました

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • もっと見る

木工職人が教えるDIYにおすすめ木材用塗料5選|ホームセンターで購入可能

ユーザー

斉藤 直斗

斉藤 直斗

住宅メーカーの元現場監督で、ものづくりをやりたい想いから、木工職人に転職した現役の職人さん。仕事の合間でDIYや家づくりに関してのWebライターとしても活動しています。ここでは主にDIYに関してタメになる内容をお伝えしています。記事に使われている画像は自宅の作業部屋で撮影。作業部屋を作るほどDIYが大好きです!

DIYでつくった作品は、最後に塗装をして仕上げると完成度がグッと上がります。

ですが、木材用の塗料だけでもたくさんの種類があり、何を買えばいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。

今回は、現役木工職人でDIYアドバイザーとしても活動している筆者が、ホームセンターに売っている木材用塗料の中から「これはいい!」と思ったおすすめの塗料を紹介します。

おすすめの木材用塗料5選

プロおすすめのDIY塗料

おすすめする木材用塗料は、以下の5つです。

  1. ワトコオイル
  2. ビンテージワックス VINTAGE WAX
  3. オイルステイン
  4. Kumimoku アンティークカラーズ
  5. アイアンぺイント

ここからは各塗料の特徴や塗り方を、4種類の木材に塗ったサンプルとともに解説し、比較します。

ホワイトウッド、ヒノキ、杉、ラワン

木材の種類は上の画像で左からホワイトウッド、ヒノキ、杉、ラワンの順番です。よくDIYで使用される木材を選びました。

塗料によっては木材の種類で浸透量や色付きに違いが出てくるので、ぜひ木材別の違いも参考にしてください。

1.ワトコオイル

ワトコオイル

ワトコオイルは、木の質感を残したい方におすすめの塗料です。

1-1.ワトコオイルの特徴

  • 塗膜をつくらない艶消しの浸透性塗料
  • 木目が残り、質感や風合いを活かせる
  • 木の呼吸を妨げず、調湿効果が残る
  • 塗りやすく、誰でも上手く塗れる
  • 濡れ色でただただ美しく仕上がる!

ワトコオイルはニスなどと違い、塗装した面に塗膜をつくらず浸透する塗料です。

そのため、質感を損なうことなく、木の良さを最大に活かせます。仕上がりの色合いも良いので、個人的にぜひ使ってほしい塗料No.1です。

1-2.ワトコオイルの塗り方

ワトコオイルの塗り方

ワトコオイルは塗りムラが出にくく、DIY初心者でも簡単に塗れます。

塗る手順は以下の通りです。

  1. サンドペーパーで塗装前の研磨
  2. 1回目の塗布
  3. 15〜30分放置
  4. 塗料を拭き取り、1時間乾かす
  5. 2回目の塗布
  6. 耐水ペーパーでウェット研磨
  7. 放置と拭き取り
  8. 24時間以上の乾燥

ワトコオイルは二度塗りが基本です。浸透性塗料なので厚く塗る必要はなく、薄塗りで仕上げましょう。

詳しくは下記の記事でワトコオイルの塗り方を解説しています。

1-3.ワトコオイルを木材別に比較

ワトコオイルは、ナチュラルとミディアムウォルナットの2色を塗ってみました。

まず下の画像がナチュラル色で塗った状態です。

ワトコオイルを塗った木材
ナチュラルはクリア塗装とほぼ同じで、塗ると濡れ色感(水に濡らした時の色が濃くなる状態)が強くなり、塗っていない時よりもグッと締まった色合いになります。特にラワンなどの色の濃い色ほど、濡れ色感が強くなります。

下はミディアムウォルナット色で塗った木材です。

ワトコオイルを塗った木材
ナチュラルに比べて、全体的に自然な茶色の風合いが出ています。

この状態は1回塗りなので、2度塗りするとより濃くなります。

1-4.ワトコオイルのこんなところがおすすめ!

ワトコオイルで塗った木材

ワトコオイルは、木材に塗るとヌメっとしたオイルだけにしか出せない質感に仕上がります。特に二度塗り後のサンドペーパーで磨いた触り心地は、凄く良いです!

着色したくない方は、ナチュラル色を選ぶのがおすすめです。

2.ビンテージワックス VINTAGE WAX

ビンテージワックス VINTAGE WAX
ビンテージワックスは、深みのある質感が好きな方にぴったりの固形ワックスです。

2-1.ビンテージワックスの特徴

  • 木に塗り込むタイプの塗料
  • 自然素材のため、体に害がない
  • 木の質感を活かしビンテージ感を出せる
  • 塗りムラが少ない
  • 色移りの可能性がある

木材の質感を活かす点などは、ワトコオイルと似ています。

主な違いはオイルは艶消し、ワックスは艶ありの質感に近いので見た目に違いがあります。またワックスならではの古い風合いが出せるのも、ビンテージワックスの特徴です。

2-2.ビンテージワックスの塗り方

ビンテージワックスの塗り方
ビンテージワックスは、塗るというより擦り込むように塗装をします。

  1. サンドペーパーで塗装前の研磨
  2. ブラシなどで角から塗る
  3. 全体を塗る
  4. 30分以上乾燥させて拭き上げる
  5. 24時間乾燥させる

ビンテージワックスは固形なので角が塗りにくく、先行してブラシなどで塗ってから全体の塗装に進むといいでしょう。

色移りを防ぐため余分なワックスは入念に拭き、24時間以上しっかりと乾燥してから使用してください。

2-3.ビンテージワックスを木材別に比較

ビンテージワックスを塗った木材
ビンテージワックスのウォルナット色を使用しました。

一番左の杉が一番濃く色が出ているのが分かります。

2-4.ビンテージワックスのこんなところがおすすめ!

ビンテージワックスで塗装したインテリア
ビンテージワックスは、独特の渋い風合いを出すことができるのが最大のおすすめポイントです。

ビンテージワックスは色が4色と限定的なので、もし他の色がよければブライワックスやオールドウッドワックスといった別商品を使ってもいいでしょう。(上の画像は杉材にブライワックスを使用しています。)

3.WOOD LOVE オイルステイン

オイルステイン
オイルステインは、木材を濃く着色するのが得意な塗料です。

3-1.オイルステインの特徴

  • 木材への着色性が高い
  • 木材を濃い色で塗るのに適している
  • 仕上がりがきれい
  • 乾くのが早い
  • 保護性能はほぼない

オイルステインは木材への着色力が非常に高く、しっかりと木材に浸透させて色付けするのに向いています。厚く塗ったり、二度塗りをすることで濃さの調整もできます。

ただし、ステインは着色材なので、保護性能はほとんどありません。

3-2.オイルステインの塗り方

オイルステインの塗り方
オイルステインは濃さを意識して塗るのがポイントです。

  1. サンドペーパーで塗装前の研磨
  2. オイルステインを塗る
  3. 拭き取り、乾燥
  4. 重ね塗り
  5. 仕上げ塗装

オイルステインはなるべく均一に塗らなければムラになりやすいので気をつけましょう。塗りすぎたところがあれば、ハケで伸ばすかウエスで拭いてください。

一度塗りで好みの色合いが出ていれば、二度塗りは不要です。ステインのみだと色移りの可能性や保護性能がないので、ニスなどで上塗りをして仕上げます。

3-3.オイルステインを木材別に比較

オイルステインのエボニーブラック色を使ってみました。

オイルステインを塗った木材
見ての通りオイルステインは、これまでの塗料の中で一番濃く塗れています。特にホワイトウッドは他の塗料だと色が付きにくいですが、オイルステインなら問題なく着色できています。

エボニーブラック色のオイルステインを使った、飾り棚のつくり方を公開しているので、参考にしてみてください。

3-4.オイルステインのこんなところがおすすめ!

オイルステインのポイント
オイルステインはどの塗料よりも着色性が高いので、濃い色にしたい時におすすめです。

表面を保護したい場合は、オイルステインを使用してからオイルやニスを上に重ねます。木の質感を残したいならワトコオイル、塗膜をつくりたいならウレタンニスを塗るといいでしょう。

4.Kumimoku アンティークカラーズ

Kumimokuアンティークカラーズ
4つ目はCAINZのオリジナル塗料である「Kumimoku アンティークカラーズ」を紹介します。

4-1.Kumimoku アンティークカラーズの特徴

  • 木目を見せず、マットな仕上がり
  • 多色展開でアンティークな色が多い
  • チョークで文字が書ける
  • 鉄やコンクリートなどにも使える
  • 屋外でも使える

Kumimoku アンティークカラーズはこれまで紹介してきた塗料とは違い、木の質感が残らず塗料の膜をつくるタイプです。

マットな質感でアンティーク風な仕上がりになり、塗装した面には黒板のようにチョークで文字や絵を書けます。

4-2.Kumimoku アンティークカラーズの塗り方

Kumimoku アンティークカラーズの塗り方

  1. ハケで通すように塗る
  2. ハケやスポンジで叩くように塗る

Kumimoku アンティークカラーズは粘度の高い塗料なので、一度塗りでもしっかり塗れます。事前の研磨で下地を整えておけば、あとは木目に沿って塗るだけなので、工数がかかりません。

粘度が高いためハケの跡が付きやすく、端から端まで通すように塗るときれいに仕上がります。水性塗料なので、塗りにくいと思ったら水で薄めて使いましょう。

4-3.Kumimoku アンティークカラーズを木材別に比較

Kumimokuアンティークカラーズを塗った木材
モカブラウン色を塗ってみました。

Kumimoku アンティークカラーズは木材の木目がほとんど目立ちません。気になる方は、さらに二度塗りをすれば、しっかりとカバーができますよ。

4-4.Kumimoku アンティークカラーズのこんなところがおすすめ!

Kumimoku アンティークカラーズで塗装した椅子
アンティークな風合いと、木目を見せずマットな質感が出るので、雑貨などに使うのがおすすめです。

屋外にも使用できるので、ガーデニング好きの方にもぜひ!

5.アイアンぺイント

アイアンぺイント
アイアンペイントは、木材を金属の質感にする、とても魅力的な塗料です。

5-1.アイアンぺイントの特徴

  • 塗るだけで金属のような質感に
  • 金属のザラっとした風合いも再現されてる
  • 木材以外の塗料にも使用可能(要プライマー)
  • DIYで扱いやすい水性塗料

アイアンペイントの一番の特徴は、木材でつくった物も金属でつくった風合いに仕上げられるところです。金属の切断や溶接は木材よりも作業が大変なため、木材を使って金属の質感を出せるのは魅力的です。

カラーバリエーションが豊富で、王道のアイアンブラック色からブラウンやゴールド、シルバーなど、全部で8種類あります。

5-2.アイアンぺイントの塗り方

アイアンぺイントの塗り方

  1. ハケで通すように塗る
  2. ハケやスポンジで叩くように塗る

アイアンペイントは、主に2種類の塗り方があります。一つは、通常の塗料と同じく木目に沿ってハケを端から端まで通すように塗るやり方。もう一つは、ハケやスポンジなどで叩きながら塗る方法です。

後者のやり方は表面がデコボコに見えるため、より金属の質感を表現できます。薄く塗ると下地が見える可能性があるので厚めに塗るか、もしくは二度塗りをするといいでしょう。

5-3.アイアンぺイントを木材別に比較

アイアンペイントを塗った木材
アイアンペイントをハケで通すように一度塗りました。

Kumimoku アンティークカラーズと同じく、アイアンペイントも木目の主張が抑えられ、どの木材に塗ったのかわからない仕上がりになりました。

アイアンペイントで塗装した木材
よく見るとザラ付いた質感もわかります。

5-4.アイアンペイントのこんなところがおすすめ!

アイアンペイントを塗装した箱
金属のような質感になるところがなんと言っても最大の魅力でおすすめのポイントです。

棚などの骨組みなどに使用するとメチャメチャカッコいいので、ぜひ使ってみてください!

木材別で各塗料をチェック

木材別に各塗料を塗った状態も見てみましょう。

ホワイトウッド

塗装したホワイトウッド

ヒノキ

塗装をしたヒノキ

塗装をした杉

ラワン

塗装をしたラワン
木材によって色付きに違いがあるのがわかると思います。

左からオイルステインまでが木目が残る塗料で、右2つのKumimoku アンティークカラーズとアイアンペイントは塗りつぶしの塗料です。

ワトコオイル、ビンテージワックスは木材の保護成分を含んでいて、オイルステインは着色のみの効果があります。それぞれ色だけでなく特徴にも違いがあるので、今後塗料を選ぶときの参考にしてみてください。

おすすめ塗料のまとめ

職人おすすめのDIY塗料

ホームセンターで購入できる木材用の塗料を5つご紹介しました。各塗料の特徴を簡単にまとめるとこんな感じです。

・ワトコオイル
木材の質感を活かしたまま、独特の濡れ感が出る

・ビンテージワックス
若干の艶とビンテージ感が出る

・オイルステイン
しっかりと浸透させて濃い色付けができる

・アインティークカラーズ
マットな仕上がりで、チョークが使えるアンティーク塗料

・アイアンペイント
金属の風合いを出す個性的な塗料

それぞれ特徴が違うので、自分のつくった作品の仕上がりイメージに合わせて塗料を選んでみてくださいね。

ということで、今回は「木工職人が教えるDIYにおすすめ木材用塗料5選」でした。

それではよいDIYを楽しんでください。

loading

関連するキーワード

となりのカインズさんをフォローして最新情報をチェック!

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Instagram
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

RELATED関連する記事

POPULAR人気の記事

  • Daily
  • Weekly

広告掲載について

NEWS LETTER ニュースレター

Webライター・イラストレーター募集

取材のご依頼や情報提供はこちらから