角度によって色が変わる「色の三原色ゼリー」を作って色の美しさを味わう
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「今日も今日とて推しのぬいぐるみをかわいく撮影するぞ〜」
「あれっ……」
「ダサい、ダサい……。どう撮ってもダサい……」「映える背景がどこにもない……」
「推し活をおしゃれにしたいでござる!!!!!!!!!!!!!!!!!」
不覚……。いつもの口癖“ござる”が出てしまったでござる……。
推しを映えさせられない失意を抱え、見慣れぬ街まで歩いてきた。ふと顔をあげると、そこにはパッと目を引くカインズの看板が。
入り口前の園芸コーナーは、いかにも「ザ・ホームセンター」な雰囲気だが、店内へ入ると落ち着きのある洗練された空間があった。兎にも角にも、おしゃれに飢えた私の目に飛び込んできたのは、ワゴンで華やぐドライフラワーたち。
「っこ、こんなに映える材料がたくさんあるでござるか!?」
「……これは、推しの撮影スポットを作るチャンス〜〜〜!??」
こんなところに……あんなところに……。
カインズには推し活に使えそうな物がたくさん!!
1階を十分に満喫したら、次は上の階だ。エスカレーターで2階へと向かうころ、すっかり日は落ちていた。住宅には白や橙の色が灯り、暗くなった空をじんわり温めている。
色やデザインで印象が変わることは、私に衝撃を与えた。映えない背景を恨めしく思っていた数時間前。DIYコーナーの商品には木材の温かみがあり、落ち込んでいた心もすっかり前を向きだしていた。
「ワシの家の冴えない壁もこうなるのでござるか!?」
「木は癒しの効果があるのでござろう」
「壁紙が違うだけで雰囲気も変わるでござる!!」
「これ、ぜ~んぶカインズで揃っちまったでござる☆」
戦利品たち。
・ドライフラワー
・ミニパレット
・木の板
・壁面両面テープ
・壁紙(100cm)
買い揃えた荷物を抱え、バス停へと向かう。途方に暮れていたとはいえ、長く感じる1日になったものだ。「いい巡り合わせがあるかも」。1位だった今朝の星座占いが、頭の中に浮かんでくる。その相手がまさか、カインズだったとは。眩いライトがこちらを照らし、目の前で停車した。カサカサと音を鳴らす袋から見える材料らを何度ものぞき、冷たい窓に身をゆだねた。
「まずは木の板に合わせて壁紙をちょきちょきでござる」
「板に沿って壁紙を折り……」
「む、余白が思ったよりも多い。不器用さん出ちゃったでござる」
「表から見れば結構いい感じに見えなくもないでござる!」
「木のパレットの上ににぬいぐるみを置いたらバッチグーでござるな♪」
「飾りをつけて、完成……!!!」
「できた〜〜〜! どこでも映えスポット! でござる!」
「次はもっとこだわりたいゆえ、定期的に開催されるワークショップに参加するのもアリでござるな」
「可愛すぎるでござる!! こんなに可愛いなんてワシ心配になるくらいの可愛さ!!」
「殺風景な教室前で撮っているとは思えない“映えっぷり”でござる」
「ロッカーでもぱちりでござるー!」
「どんどん撮りまくるでござるよ!」
「きゃっ」