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フィンランドといえば、ムーミン、サウナ、オーロラなどを思い浮かべる人が多いかもしれません。確かに、それらもフィンランドならではの魅力! ですが、実はDIYが盛んな国でもあるんです。
「ものを修復しながら大切に使い続ける」というサスティナブルな精神が根付いており、自宅やサマーハウス(別荘)でのDIYは当たり前のように行われているとか。長期休暇が取りやすい夏には、家族総出でDIYを楽しむこともあるようです。
そこで、日本在住のフィンランド人としてメディアにも登場する機会が多く、DIYにも慣れ親しんできたというアンティ・クンナスさんに取材。北欧在住経験のあるライター・小林香織が、「フィンランド人に受け継がれているDIY精神」について聞きました。
——アンティさんは、これまでどんなDIYをしてきましたか?
「僕は、フィンランド南部のヴィフティという、やや田舎の町で生まれ育ち、広い一軒家に住んでいました。自宅の敷地内に、90年近く前に建てられた鉄道の車庫をリノベーションした倉庫や庭があり、父や私は日常的にDIYをしていました」
——鉄道の車庫? すごいですね!
「父は銀行員でしたが、壊れたところを修理したり、荷物を整理するための棚を付けたり、当たり前にDIYをしていましたね。僕も幼い頃から庭に穴を掘って池を作ったり、コーヒーを飲むためのスペースを作ったりしていました。
特に車庫は昔の建物なので、定期的に手入れをしないと傷んでしまいます。『あえてDIYをする』というより、傷んできたタイミング、気分を変えたいタイミングで自然にDIYをする感覚ですね」
——となると、アンティさんのDIYのルーツは自宅のリノベーションですか?
「子どもの頃に習っていたボーイスカウトの影響も大きいと思います。フィンランドでは、ボーイスカウトは人気の習い事のひとつで、男女別、あるいは混合など、さまざまなグループがあります。
僕は7歳からボーイスカウトを始めて、15年間ほど活動を続けました。週末には森に行き、火を起こしたり、ナイフで木を切ったり、テントを立ててキャンプをしたり。ボーイスカウトの活動は、自分で何かを作らないと始まらないことが多くて、まさにDIYの連続なんです。幼い頃は年上の経験者からスキルを学び、自分がリーダーになってからは、年下のメンバーに教える。こういった経験から、『自分の手で何かを作る』という習慣やスキルを身に付けられた気がします」
——日本に移住されてからも、DIYを続けているんですか?
「日本では持ち家がないので、大規模なものは難しいのですが、簡単なDIYならしますね。小さな木材を使ってキッチンを使いやすくしたり、テレワーク用に作業しやすいデスクスペースを作ったり」
——リモートワークの普及に伴って、地方へ移住したり、自宅をリノベーションしたりする人が増えているようですね。
「私も昨年、自宅環境を大きく変えました。2010年に日本に移住し、大阪、東京、千葉などに住んできましたが、2021年10月に茨城県に引っ越しました。どうしても自然が近い場所に住みたくて。今は、徒歩1分の距離に鳥のさえずりが聞こえる森があって、とても気に入っています。
でも、やっぱりもっと緑がほしいのが本音。今よりも都心から離れた田舎に築100年ぐらいの古民家を購入して、大規模なDIYをしたいなって。できれば森付きで購入できる家が希望で、家の中には囲炉裏を作りたい。ですが、妻に『虫が出るから嫌だ』と反対されています(笑)」