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白くかわいらしい花が穂のように咲くアセビ。万葉の昔から親しまれてきた花木で、今もその人気は衰えません。庭木や生け垣、盆栽として日本各地で育てられています。
この記事ではアセビの育て方を解説します。栽培のはじめ方やアセビに適した環境。日々のお手入れや増やし方、病気・害虫についても紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
アセビ(馬酔木)はツツジ科アセビ属の常緑樹です。原産地は日本、中国、台湾。樹高は2~4mほど。2〜4月頃の開花期には、白やピンク色のかわいらしい花を咲かせます。
アセビはとても丈夫な木で、日陰や海の近く、寒い地域でもしっかり育ちます。放っておいても自然に樹形がまとまるため、よく庭木や生け垣、盆栽に使われます。
アセビは葉、茎、花、枝、根の全てに毒が含まれています。その毒性は強く、シラミやウジなどの害虫駆除に利用されていたほどです。アセビを食べた馬が毒によって痺れ、酔ったようにふらついたことから、「馬酔木」と書かれるようになりました。
アセビは強い毒性を持っていますが、触れるだけなら問題ありません。ただ間違って食べてしまうと、嘔吐や下痢に苦しみ、呼吸困難を引き起こすことも。ペットや子どもの誤食には十分注意しましょう。
アセビは基本的に苗から育てます。11月頃からポット苗や根巻き苗が販売されるので、ホームセンターや園芸店などで入手しましょう。葉の色が濃く、茎がしっかりとしている苗を選ぶとよいです。
植え付けの適期は3〜4月頃。新芽が伸び始める前に行います。過ぎてしまった場合は、10〜12月上旬頃でも植え付けできます。日なた~半日陰の肥沃な土壌に植えましょう。
アセビは鉢植えでも地植えでも育てられます。
地植えの場合は、日なたか半日陰に植えましょう。全く日光が当たらない場所は、できるだけ避けてください。植え付けるときは、根を深く埋めすぎないように注意します。植え付け後は水をたっぷり与えましょう。
鉢植えの場合は、アセビの成長を考えて大きめのプランターを用意しましょう。固くなった根をほぐして、用意した土に植えます。植え付け後は、しっかり水やりします。
アセビは日なたでも日陰でも育ちます。ただ、あまり日当たりが悪いと花数が減ってしまうので注意しましょう。生育適温は15~25℃ほど。過度な暑さや乾燥は苦手なため、よく西日が当たる場所や、冷たい風が吹きつける場所は避けた方がよいです。
地植えの場合は、定期的な水やりは不要です。ただ夏に乾燥が続き、土がカラカラに乾いたままだと水切れの危険があります。日が高くない午前中に適度に水を与えましょう。
鉢植えの場合は、土が乾いていたら水やりをします。地植えと同様午前中に、鉢底から水が出るくらいたっぷりと与えてください。
盆栽として育てる場合は、基本的には毎日1回水やりします。水切れも水のやりすぎも、アセビの成長によくありません。土の乾燥具合を見ながら、夏場は1日に2回、冬場は2日に1度と、季節によって調整するとよいでしょう。
アセビは水はけがよく肥沃な土壌を好みます。地植えの場合、水はけが悪い場所は避けて植えましょう。元肥として、あらかじめ腐葉土や緩効性肥料を混ぜておくと育ちやすくなります。
鉢植えの場合は、市販の花木用培養土が手軽でおすすめです。自作する場合は、赤玉土、鹿沼土、腐葉土を1:1:1の割合で混ぜて作ります。元肥として緩効性肥料を混ぜてもよいでしょう。
アセビには春と秋に肥料を与えましょう。春は新芽が伸びる前の3〜4月頃、緩効性化成肥料を株元に置きます。生育期に合わせて多めに与えるとよいです。
秋は9~10月頃、春の半分ほどの量を与えます。花穂(穂のように咲く花)ができ、成長していく時期なので、しっかり栄養を与えて花つきをよくします。
鉢植えで栽培している場合、アセビの成長に合わせて植え替えを行いましょう。ずっと同じ鉢で育てていると、なかなか大きく成長できません。2年に1回ほどの頻度で、ひと回り大きな鉢に植え替えます。適期は植え付けと同じ3~4月頃、もしくは10~12月上旬頃です。
地植えの場合、植え替えの必要はありません。ただ木と木の間隔が狭く、成長が阻害されているようなら植え替えましょう。
アセビはゆっくり成長するので、放っておいても樹形はほとんど崩れません。ただ全く剪定しないと枝が飛び出てしまいますし、病害虫の被害に遭う危険もあります。アセビを健康的に育てるためにも、定期的に剪定を施しましょう。
剪定の適期は花が咲き終わった4〜5月頃です。6月以降に剪定すると、新しくできた花芽を切ることになり、翌年の花つきに影響するので注意しましょう。
伸びた枝が飛び出ているときや、枝や葉が茂りすぎているときは切り戻しをします。まず飛び出た枝を短く切り詰め、次に内側の混みあった枝葉を間引いていきましょう。太い枝を切ったときは、切り口に癒合剤を塗ると回復が早くなります。
アセビを生け垣として育てているときは、刈り込みを行いましょう。希望の横幅や高さに合わせて樹形を整えていきます。切り戻しと同様、混みあった枝葉も間引いてください。
アセビの花が咲き終わったら花がら摘みをします。花がらをそのままにしておくと、実をつけるために栄養が使われ、樹勢を弱めてしまいます。アセビをよく成長させるためにも、花がらは見つけ次第こまめに取り除きましょう。
アセビは挿し木で増やせます。挿し木とは、枝などを切り取り土に植えて増やす方法のこと。若い枝を10〜15cmほどの長さで切り取り、先端の葉2〜3枚を残して下の葉は取り除きましょう。土に植え、根が出るまで適度に水やりしてください。適期は6〜7月頃です。
アセビは取り木でも増やせます。取り木とは、枝や茎を傷つけて発根させる方法です。アセビを取り木で増やすときは、傷を水ゴケで覆って発根させる「高取り法」を使います。適期は6〜7月頃です。
まずアセビの枝に切り込みを入れ、樹皮を剥ぎ取ります。次に剝いだ部分に水でふやかした水ゴケをたっぷり巻きつけましょう。巻きつけた部分をビニールで覆い、ひもなどでしっかり固定します。
その後、発根するまでは日光が当たらない場所で保管してください。ときどき様子を見て、水ゴケが乾燥していたら水を与えましょう。1~2ヶ月ほどで発根します。発根したら、取り木した箇所を親木から切り離して土に植えます。植え付けは春に行ってください。
アセビはとても丈夫な木で、病気にはほとんどかかりません。ただ木が弱ったり高温多湿が続いたりすると、褐斑病(かっぱんびょう)にかかる危険があります。適切に剪定を施して日当たりと風通しをよくし、アセビを健康的に育てるようにしましょう。
アセビにつきやすい害虫はハマキムシです。幼虫が葉を丸めて巣をつくり、株中の葉を食害します。放っておくとすべての葉が食いつくされてしまいます。不自然に丸まった葉を見つけたら、葉ごと取り除いて駆除してください。
グンバイムシもアセビにつく害虫です。葉に群生して栄養を吸い取ります。被害にあった葉は白くしおれてしまいます。春から秋にかけて、特に乾燥した時期に発生しやすい害虫です。大量発生することも多いので、見つけたら速やかに駆除しましょう。薬剤の散布も効果的です。
アセビは庭木や生け垣、盆栽と様々な場所で活躍している花木です。強い毒性を持っていますが、触ったり眺めるだけなら大丈夫。常緑樹なので一年中緑の葉が茂り、春には白くかわいらしい花を楽しめるでしょう。
とても丈夫で育てやすく、お手入れも簡単で、初心者の方にもおすすめの花木です。ぜひこの記事を参考にして、アセビを育ててみてくださいね。