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挿し木(挿し芽)とは? 土の選び方、挿し木できる植物などを紹介します

スタッフ

株式会社カインズ グリーン・ガーデン部【公式】

株式会社カインズ グリーン・ガーデン部【公式】

ホームセンター・カインズのグリーン・ガーデン部が、お花・野菜・観葉植物・多肉植物・家庭菜園・庭造り・畑作りなどに関する専門知識や栽培方法、ノウハウなどを解説します。

挿し木(挿し芽)とは、植物の一部分を切り取り発根させて増やす方法のこと。球根や種で増やしにくい観葉植物や多肉植物を増やしたい場合に用いられることの多い方法です。

挿し木は手間やテクニックが必要と思われがちですが、実はコツさえつかめば初心者でも失敗なく増やすことができます。また、植物によっては挿し木の方法が違ったり、挿し木できないもの、失敗しやすい植物もあるので、事前に確認する必要があります。

ここでは、挿し木について詳しく解説します。挿し木に必要なものや、詳しい手順、挿し木ができる代表的な植物などにも触れていくので、どうぞ最後までご覧ください。

挿し木・挿し芽とは?

植物の一部を切り取る

挿し木とは、種で増やせない植物で、多肉植物や観葉植物などを増やす目的で用いられます。植物の一部(茎や枝など)を切り取って、適切な手順で管理をすることで、発根して増やすことができる方法です。

初心者でも手間なく増やせる反面、無菌状態の土や細胞を壊さないハサミなど、挿し木に必要なものを用意する必要があります。

挿し木・挿し芽に適した時期は?

挿し木・挿し芽は、その植物の生育期の少し前に行います。生育期とは、植物がよく生長する時期のことで、植物によって時期が異なりますが、気候の安定する4月中旬〜10月に行うものが多いです。

また、湿度の高い梅雨や、休眠や生長が鈍化する冬の時期は避けた方が良いでしょう。

挿し木・挿し芽をするときに必要なもの

鉢植えのなかの土

挿し木・挿し芽で必要なものを紹介します。

小さめのプランターや鉢

大きいものだと過湿状態になったり、土が流れやすいため、挿し木・挿し芽には小さめのプランターや鉢を使います。5〜6号のものが良いでしょう。ただし、一度にたくさんの挿し木を行う場合は、大きめのプランターでも大丈夫です。

鉢底石や鉢底ネット

鉢底穴から土が流れたり、虫が侵入しないように、鉢底石や鉢底ネットを入れましょう。特に鉢底石は、通気性や排水性を高めてくれるのでおすすめですよ。

ハサミやカッター

挿し木・挿し芽に使うハサミやカッターは、鋭利で清潔なものを用意しましょう。刃の部分が欠けたり、錆びたりしていると、細胞を傷つけてしまい上手く発根しなくなります。

また、樹木などの太い枝を切るときは、剪定ばさみが良いでしょう。

ピンセット

挿し木・挿し芽を挟んで持つほか、土に穴を開ける際にあると便利です。こちらも清潔なものを用意してくださいね。

挿し木に使う土

挿し木に使う土とは

挿し木・挿し芽には無菌状態で保水性の高い土を使います。

無菌状態の土とは、雑菌はもちろん、肥料や養分が含まれていない土のことです。赤玉土や鹿沼土は無菌であり、さらに排水性にも優れているためおすすめです。

また、排水性だけが高いと土が乾燥しやすいため、保水性も十分にある土も使いましょう。ピートモスやバーミキュライトが該当します。

土は、赤玉土4:鹿沼土4:ピートモス1:バーミキュライト1の配合でブレンドしましょう。初心者や配合土を作るのが面倒な人は、ホームセンターなどで挿し木用の土を購入するのもおすすめです。

挿し木におすすめの土

挿し木・挿し芽のやり方

挿し芽

手順1.挿し穂を作る

挿し木は新しく柔らかいものではなく、組織が充実して固まった新芽を使います。枝を7〜10cm(3〜4節程度)に切り取り、下部分の葉は取り除きましょう。

切り口部分から水分を吸収しやすいように、カッターなどで斜めに切り整えます。その後、水に1〜2時間ほど浸けておき、発根剤があればここで切り口に塗り付けます。

手順2.挿し木を用土に挿す

用意した鉢やプランターに用土を入れたら、ピンセットや指で穴を開け、1節以上埋まるよう挿し穂を挿します。

このとき、切り口が傷つかないように優しく挿してください。

手順3.水をたっぷり与え、日陰で保管する

挿し穂を用土に挿したら、水をたっぷり与えましょう。全体が湿ったら、土と枝が密着するように手で優しく押さえてください。

水やりが終わったら、直射日光の当たらない風通しの良い半日陰に移し、土が乾燥しないように気をつけながら根が出るのを待ちます。

発根させやすくするコツとは?

「発根剤」を使うと、挿し木・挿し芽の成功率が上がります。発根剤には粉末や液体、ジェルなど様々な形状のものがありますが、粉末または液体がおすすめです。

粉末タイプは切り口にまぶすか、ペースト状にしたものを練りつけましょう。液体タイプは切り口につけるか、水で薄めて挿し穂をしばらく浸けておきます。

挿し木におすすめの発根剤

発根するまでの日数はどのくらい?

植物によって発芽までの期間は異なりますが、しっかり発根するまでおおよそ3〜5週間ほどのものが多いです。

小さい鉢やプランターの場合、3週間を過ぎたくらいから少し掘り起こしてみるか、鉢底を裏返して根が伸びているか確認すると良いですよ。

挿し木できる代表的な植物を紹介

パキラ

パキラ

手を広げたような大きな葉が特徴のパキラは、手入れが簡単でポピュラーな観葉植物です。

パキラの挿し木は5〜9月に行いましょう。気温が上がるこの時期は、パキラの生育期になるため、挿し木の成功率が上がります。

3節くらいの長さに切り取ったら、最低限の葉を残して切り落とし、水分の蒸発を防ぐために、残した葉も1/2〜1/3ほどの大きさにカットします。風通しの良い半日陰で保管しておけば、10日〜2週間ほどで発根しますよ。

ガジュマル

ガジュマル

コロンとしたシルエットが特徴的なガジュマル。丈夫で育てやすく、縁起も良いことから、贈り物としても人気があります。一見、幹が太く、挿し木は難しそうに見えますが、生命力に溢れたガジュマルは挿し木で簡単に増やせます。

ガジュマルを切ると、切り口から白い樹液が出ます。樹液を水で綺麗に洗い流したら、切り口を2〜3時間水に浸けましょう。環境が整っていれば2〜3週間で発根するので、観葉植物用の土を入れた鉢に移し替えたら完了です。

モンステラ

モンステラ

モンステラは、熱帯アメリカに生息するツル科の植物で、切れ込みや穴のある葉がエキゾチックな印象を与える観葉植物です。

挿し木にするには、気根のついた茎を切り取って、葉を2〜3枚残し、葉から水が蒸発しないように葉を1/2〜1/3ほどの大きさにカットしましょう。

1ヶ月ほどで発根するので、葉が3〜4枚増えたタイミングで新しい鉢に移し替えます。

オリーブ

オリーブ

オリーブは食用油や食用として利用されている実が有名ですが、銀色に輝く葉がおしゃれと、庭木や観葉植物としても大変人気があります。

オリーブは、2月に太く成熟した古い枝を使う「休眠枝挿し」と、5〜7月の初夏に生長の止まった若い枝を使う「緑枝挿し」の2つの方法があります。どちらも挿し木の手順は変わりませんが、休眠枝挿しが一般的です。

休眠枝挿しの場合、剪定で切り取った枝を乾燥させないよう冷蔵庫で保管し、挿し木の際に取り出します。休眠枝挿しは1ヶ月ほどで萌芽し、およそ3ヶ月で発根しますよ。

ユーカリ

ユーカリ

ユーカリはオーストラリア、タスマニア島原産の常緑高木で、その種類は500種類ほどあると言われます。ウッディで清涼感のある香りと涼しげでおしゃれな見た目でインテリアとしても人気が高いです。

ユーカリの挿し木は春に挿し木を行う方法もありますが、ユーカリは寒さが苦手なので初心者や挿し木に慣れていない人は、6〜7月に行います。

約2〜3ヶ月で発根や新芽が見られるので、茎がグラつかず安定したら新しい鉢に植え替えましょう。

セダム

セダム

セダムは和名で万年草と呼ばれ、日本にも自生する多肉植物です。丈夫で地植えであれば水やりもほとんど要らないので、庭を覆うグランドカバーとしても用いられています。

セダムは葉肉の厚いものは葉挿し、薄いものは挿し木を行います。

挿し木の場合、先端から3〜7cmほどの長さのものを使います。余分な葉を切り落としたら、用土に挿して風通しの良い場所で保管しましょう。

葉挿しの場合、付け根からもぎ取った葉を、風通しの良い日陰で1週間ほどかけて切り口を乾燥させます。切り口からヒゲのような根が確認できたら、土の上に置いて根を定着させましょう。

セダムは繁殖力が旺盛なので、挿し木・葉挿しともに成功率が高く、初心者にもおすすめできます。

ブルーベリー

ブルーベリー

ブルーベリーは虫が付きにくく、低木で樹形もコンパクトなため、地植えだけでなく鉢植えでも育てやすい小果樹です。挿し木は1年を通して可能ですが、7〜8月または11〜12月がもっともおすすめです。

切り取ってすぐに挿し木すると、発根率が高く、成熟しやすいと言われています。すぐに挿し木ができない場合は、新聞紙やキッチンペーパーに包んで、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保管しておきましょう。

バラ

バラ

「花の女王」と呼ばれるバラも、挿し木をすることができます。挿し木の適期は5月〜7月もしくは9月〜10月。特に、気温が20℃〜30℃で湿度の高い梅雨の時期がおすすめです。

枝の上下を間違えないように注意して、発根するまで水を切らさないようにしましょう。1ヶ月ほどで発根しますよ。

あじさい

あじさい

梅雨の時期に青や紫、赤色の清涼感のある花を咲かせてくれるアジサイ。庭木だけでなくコンパクトな鉢植えタイプもあります。繊細な見た目とは裏腹に、丈夫で初心者でも育てやすいアジサイは、挿し木も失敗が少ないです。

挿し木は6月〜7月に剪定した枝で行います。7〜8cmに切り整えたら、葉を2枚ほど残して残りは切り落とします。2〜3時間ほど水に浸けたあと、用土に挿してたっぷりの水をあげましょう。

はじめ3日間は毎日水を与え、その後は茎が腐らないように注意して、土が乾き始めたタイミングで与えます。上手くいけば1ヶ月ほどで発根しますよ。

挿し木できない植物とは?

多くの植物は挿し木で増やすことができますが、中には挿し木が難しい植物もあります。

根よりも葉の生長の方が早いものや、菌に弱く病気にかかりやすいもの、茎が枝のように固く木質のもの、節がないものが挙げられます。

ただし、これらの特徴以外のものでも、植物によっては成功しにくいものもあるので、事前に調べておくと良いですよ。

まとめ

挿し木とは、球根植物ではない種で増やせない植物を増やす目的で、一般的に用いられている方法です。

一見、技術を持った人でないと難しいと思われがちですが、実はとても簡単で初心者でも失敗が少なく、自宅で栽培している植物を増やしたいすべての人におすすめできます。

とはいえ、正しい方法で行わないと、発根せずに腐ることや、枯れてしまうことがあるため、手順や注意点をしっかり知っておく必要があります。このページの内容を参考に、ぜひ、挿し木にチャレンジしてみてください。

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