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ケイカル肥料は、70年以上前から水稲用として使われてきた資材で、現在でもお米を育てるのには欠かせない肥料です。最近では、野菜作りにも良い効果があることが実証され、多くの畑でケイカル肥料が使われています。
また、20kg入りで500円前後で購入できる手頃さも魅力のひとつです。ここでは、土壌改良に効果を発揮し、美味しい作物を作る手助けをするケイカル肥料を紹介します。水田でも畑でも使えるケイカル肥料を使って、美味しい作物を育ててみませんか?
ケイカル肥料は、ケイ酸・石灰(カルシウム)・苦土(マグネシウム)で構成される肥料です。
もともとは、鉄や金属を作るときの不純物が原料で、この不純物を「鉱さい」といいます。不純物である鉱さいは、ケイカル肥料として生まれ変わったり、セメントや路盤材などにリサイクルされています。
これだけ聞くと「安全な肥料なの?」と心配になりますよね。でも大丈夫です。ケイカルは、肥料取締法で成分が決められ、有害ではない安全なものだけがケイカル肥料として認められているのです。
原料によって成分量に多少の違いはありますが、ケイ酸が30%、石灰が40%、苦土が10%、残りはマンガンや鉄などの微量要素となっています。
ケイカル肥料は、粒の大きさや形によって以下のように分類されています。
粒状ケイカルは、砂状や粉状に比べて散布しやすいのが特徴で、ブロードキャスターと呼ばれる機械での散布も可能です。特に水稲では大量のケイカルを散布する必要があり、粒状ケイカルは重宝されます。
畑では、砂状も粒状も使うことができますが、雨に流されにくい、風に飛ばされにくい、肥料効果が長く続く、などの理由から粒状が使われることが多いです。
ケイ酸は、ケイ素・酸素・水素が結合した化合物で、本来であれば土壌中に豊富に含まれている成分です。
しかし、同じ水田や畑で作物を作り続けていると、ケイ酸は徐々に減ってきます。そのため、ケイカル肥料を散布してケイ酸を補給する必要があるのです。特に水稲では、収量の増加や食味向上に大きく影響するため、ケイカルを利用した土づくりが重要とされています。
一般的な作物が好む土壌環境は、pH5.5〜pH7.0の弱酸性から中性です。しかし、日本は酸性の雨が多く降るため、土壌が酸性に傾きやすく、そのままでは作物がうまく育ちません。
そんな酸性土壌を中和できるのがケイカル肥料です。ケイカル肥料は、消石灰や苦土石灰と比べるとアルカリ分が少なめで、中和するまでに時間がかかりますが、その分効果が長く続きます。
ケイカル肥料は、ケイ酸以外にも、石灰やリン酸、鉄、ホウ素などの栄養素を豊富に含んでいます。
石灰やリン酸は、植物が生きていくうえで欠かせない「必須元素」で、鉄やホウ素は、植物を育てるための補助的な役割の「微量要素」となります。微量要素は、多すぎても少なすぎても生育に悪い影響がでるため、適切な管理が大切です。
特に、毎年同じ畑で作物を栽培している場合は、雨で流れ出たり、作物に吸収されたりして微量要素が減っていくため、ケイカル肥料で補給してあげると良いです。
ケイ酸は植物に吸収されると、植物の細胞をコーティングします。このコーティングされた細胞を「ケイ化細胞」と呼び、葉を物理的に硬くすることで、植物を害虫の食害から守ります。
また、ケイ化細胞によって硬くなった茎や葉は非常に丈夫で、茎折れや葉折れも大幅に少なくなります。
ケイ酸をたくさん吸収した植物は病気にも強いです。通常であれば病気にかかった植物は、その箇所だけを自力で治そうとします。
一方、ケイ酸を多く含んだ植物は、一箇所が病気になると植物全体で集中的に治そうとします。その結果、病気が蔓延することなく病気の広がりを抑えられるのです。
イチゴやキュウリに多い「うどん粉病」や、ウリ科の作物に多い「つる割れ病」には特に効果があります。
植物は光合成によって生命活動を維持していますが、葉っぱに元気がなく、下を向いているようではうまく光合成ができません。
ケイカルに含まれる成分は、作物の光合成に重要な「葉緑素」を作り出す働きがあります。
ケイ酸を多く取り込んでいる作物は、葉っぱがピンと立っていて、太陽の光を効率よく吸収できます。太陽の光を一身に受けた作物は、美味しい実を実らせることができるのです。
ケイカル肥料がもっとも活躍するのは、米作りです。稲は生育初期から収穫期まで長期にわたりケイ酸を必要とします。そのため、丈夫な稲を育てるには、基肥(元肥)としてケイカル肥料をたっぷり与える必要があります。
また、ケイカル肥料は、水田で発生する病気への抵抗を強める働きがあります。特にイモチ病が発生する水田や、砂質の水田にはケイカル散布が効果的です。散布時期は田植えの2週間前で、10アールあたり120kg〜200kgほどを散布しましょう。
ケイカル肥料は、水田で多く使われる肥料ですが家庭菜園でもさまざまな効果を得られます。
効果のうちのひとつに、チッ素過多を和らげる効果があります。ケイカルにはチッ素を吸着する働きがあり、チッ素肥料を与えすぎてしまった土壌にケイカルを散布すると、チッ素を吸着してチッ素過多を和らげます。
また、ケイカルにはリン酸の流出を防ぐ効果もあります。リン酸は、作物の実つきを良くする大切な成分です。この効果によって、ダイコンやニンジンなどの根菜類、トマトやナスなどの果菜類は、品質向上や収量アップが期待できます。
与え方は土壌にパラパラと撒いてよく耕すだけです。その後3週間ほど放置し、ウネを立てて作物を植えましょう。
ケイカル肥料は主に水稲用として使われてきた肥料で、家庭菜園ではあまり知られていないかもしれません。
しかし、微量要素を豊富に含んでいたり、チッ素過多を緩和してくれたりと、野菜栽培にもたくさんのメリットをもたらしてくれます。価格も安く、散布も簡単なケイカル肥料を使って作物の食味向上にチャレンジしてみてくださいね。