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レタスの水耕栽培は家庭でも簡単にできる? 失敗しない育て方を解説

クリエイター

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監修者:国吉純

監修者:国吉純

園芸家、レモン研究家。大学卒業後、企業に勤め、退職後に植物を育てる楽しさを知り園芸家として活躍する。「身近な暮らしの中での園芸」を 園芸教室や講演会やメディア等を通じて紹介。園芸専門学校等での講師をはじめ、保育園幼稚園、 小学校、行政、集合住宅、高齢者施設などで「楽しく簡単に華やかに育てる」をモットー に年齢や場所に関係なく植物と触れ育て楽しめる園芸の基本、植物選び、庭づくり、メンテナンス法などを伝える。 また国産レモンの拡大普及にも注力し、現在は国産レモン 一番の生産地と言われている広島尾道市の観光大使としても活躍中。

毎日の食卓で活躍するレタスは、家庭で栽培することができます。特に、土を使わない「水耕栽培」であれば、広々としたスペースも不要なため、家庭菜園初心者の方でも比較的手軽にレタスを育てることが可能です。

そこで今回は、レタスの水耕栽培の方法を解説。種から育てる方法と、苗から育てる方法がありますので、それぞれの手順を見ていきましょう。併せて、レタスの水耕栽培で注意すべきポイントも詳しくご紹介します。

水や養液を使って植物を育てる水耕栽培

ペットボトルで水耕栽培

水耕栽培とは、水や養液を使って野菜・植物を育てる方法です。土は使わず、与える水や養分を調節しながら栽培していきます。

ペットボトルやトレーを使い、手軽に育てられる花や野菜を栽培するのも水耕栽培の一種です。

水耕栽培は家庭菜園初心者におすすめ

水耕栽培イメージ

家庭菜園と聞くと、畑を借りたり、庭やプランターや植木鉢を使って本格的に野菜を育てる方法をイメージする方も多いかもしれません。プランターなどを使った菜園は「土耕栽培」の一種で、家庭菜園でも広く用いられる方法です。

水耕栽培では土を使わないということで、土耕栽培よりも難度が高いのではと不安に思う方もいるでしょう。しかし、水耕栽培は土耕栽培と比べて野菜が病気にかかったり、虫に見舞われるリスクが抑えられる上、雑草などを処理する手間も省ける栽培方法です。家にあるアイテムで栽培をスタートできる野菜や植物も多いため、家庭菜園初心者の方にはおすすめの栽培方法といえるでしょう。

レタスの水耕栽培は難しい?

水耕栽培で最も簡単に育てられるのは、ヒヤシンスやニンニクなどの球根作物です。球根作物は根の中に養分が溜まっており、新鮮な水を与えるだけで成長するため、大きな手間がかかりません。水耕栽培の入門にもおすすめの作物といえるでしょう。

その点、レタスは種の中には発芽に必要な分の栄養素が含まれていますが、発芽後は液体肥料で養分を与える必要があります。球根作物と比べると液肥を与える手間は増えますが、水やりの手間も少なく、容器の水が少なくなったときに足す水に溶かして与えればよいので手軽に育てられます。

液肥の与え方を工夫することでレタスの味の完成度も高くなるため、育てがいも実感できるのではないでしょうか。また、水耕栽培ならキッチンなどの限られたスペースでも育てることができます。

レタスの水耕栽培を始める前に

みずみずしいレタス

レタスの水耕栽培を始める前に、種まきのタイミングや栽培方法について確認しておきましょう。

まず、レタスの水耕栽培で種まきをする時期は、3~4月頃か、10~11月頃がおすすめですが、15~20℃の気温をキープできる環境であれば、この時期以外でも失敗するリスクを軽減することが可能です。

また、レタスの水耕栽培には、「種から育てる方法」と「苗から育てる方法」の2種類があります。それぞれの水耕栽培の手順については、下記で詳しくご説明していきます。

レタスを種から水耕栽培する手順

ニュータイプガーデンレタスミックスの水耕栽培

レタスを種から水耕栽培する場合、特別な道具は必要なく、家庭にある物で簡単に始めることが可能です。ここでは、レタスを種から水耕栽培する準備する物と手順をご紹介します。

<準備する物>

    • スポンジ(キッチン用のスポンジでも可)
      スポンジは種をまく場所となります。やわらかい部分のみ使うため、スポンジの硬い部分は、あらかじめ包丁やナイフで切り落としておきます。

    • レタスの種子は、ホームセンターや園芸店で購入できます。さまざまな種類のレタスの種子がありますが、おすすめはリーフレタスやベビーリーフです。リーフレタスは、生育初期に安定感があって育てやすい品種のため、初めて水耕栽培をする場合も失敗するリスクを抑えられます。
  • 種まき用の容器
    レタスの種を発芽させ、苗を育てるために使うのがプラスチック製の食品容器やバットなどの容器です。育てたいレタスのボリュームを踏まえて、容器の大きさを決めましょう。多めに育てたい場合は、少し大きめのアルミ製のバットが向いています。ペットボトルや牛乳パック、プラスチックの使い捨てカップなどの容器を使う場合は水換えのための穴を別途上部にあけておくと水の交換がしやすくなります。
  • 種栽培用の容器
    このペットボトルや牛乳パック、プラスチックの使い捨てカップなどは、レタスの種が苗に育った後の本栽培用の容器です。育てるレタスの苗1株につき1つ用意しておきましょう。

  • レタスの水耕栽培に使用する水は、基本的には水道水で問題ありません。濾過させた水のほうがいいのではと思う方もいるかもしれません。しかし、濾過させた水は、季節や気温によっては腐りやすく、水が腐ると水耕栽培は失敗してしまいます。
    水道水には人体や植物に害がない程度のカルキが含まれており、このカルキが水の腐敗を防ぐ役割も果たします。水耕栽培初心者は、水道水を使うのがおすすめです。
  • 肥料
    レタスの種子には発芽のための最小限の養分しか入っていません。水耕栽培で上手にレタスを育てるためには、肥料が必要です。 おすすめは、水耕栽培において広く使われているハイポニカ液肥や野菜用の液体肥料です。長期間安定した養分を供給できるため、初心者でも使用することが可能です。

<ポイント>

1. スポンジを容器に入れて湿らせる

最初にスポンジをしっかりと水に浸します。その際、スポンジが水に完全に浸かってしまわないように注意が必要です。容器に入れた際のいつもの水量の目安は、スポンジの高さの3分の1から半分程度が水に浸かるくらいです。

2. 種まき

スポンジを2~3cm角に切り分けます。面倒でもスポンジを小さく切り分けてから種を植えておくと、その後、栽培用の容器に定植をするときに便利です。また表面に十字で1mmほど切り込みを入れ、小さく切り分けたスポンジ1つにつき、2個ずつくらい切り込みにレタスの種を置いていきます。 その際に爪楊枝を使うとまきやすくなるでしょう。

国吉純さんプロフィール画像

国吉さん

ここで、レタスの発芽を成功させるためのちょっとしたテクニックを。レタスの発芽適温は、18〜23℃と低温を好みます。まきどきの温度が高いと発芽しにくいため、あらかじめ種をキッチンペーパーの上に並べ、半日ほど水に浸して吸水させてから、冷蔵庫で低温処理をしてからまくと発芽を促進します。

スポンジを容器に入れて湿らせる

3. キッチンペーパーを被せて霧吹きで水やりをする

種を植えたスポンジの上にキッチンペーパーを被せて、種が飛ばないように上から優しく霧吹きで水を吹きかけます。種をまいた容器は明るい場所で管理しましょう。日光が発芽のスイッチになります。ただし、スポンジが乾燥しないようにしばらくは気を配ってください。

4. 発芽したら乾燥に気をつける

レタスの種子はまいてから数日で発芽する

レタスの種子はまいてから数日で発芽します。まいた種がほぼ発芽したら、スポンジが乾燥しないように気をつけましょう。また、直射日光を避け、風通しの良い明るい場所で育てましょう。

水は、まだ気温の低い春・秋には1週間に1回程度、夏の暑い時期であれば3~4日に1回の頻度で交換します。

5. 本葉が複数枚になったら本栽培用の容器に移す

発芽して、2週間程度で本葉が2~3枚程度になります。ここまで育ったら、本栽培用の容器に移します。また、水に液体肥料を加えて、引き続きスポンジの底が水に浸るように気をつけましょう。根が伸びてきたら、根の先だけ水が浸るように気をつけてください。

レタスを苗から水耕栽培する手順

水やりする少年

続いては、苗からレタスの水耕栽培をする方法を見ていきましょう。レタスの水耕栽培用の苗は、ホームセンターなどで購入することができます。

レタスを苗から水耕栽培する場合は、種まきに比べると時期にこだわる必要はあまりありませんが、15℃以上を保てる環境が必要です。

<準備する物>

  • レタスの苗
  • バーミキュライト
  • ザルなど(水捌けの良い容器)

バーミキュライトとは、ガーデニング用に加工された天然鉱物の資材です。保水性と排水性のバランスが良く、通気性と耐熱性にも優れています。また、無菌であるため病害虫のリスクが低く、中性の性質を持つので植物に悪影響を与えにくいという利点があります。

レタスの苗を購入する場合は、ホームセンターや園芸店で本葉や株もとがしっかりとしている元気な物を選ぶことが大切です。

<ポイント>

1. 水耕栽培用の容器に苗を植える

水耕栽培用の容器にバーミキュライトを入れて、購入した苗を植えます。

2. 液体肥料を混ぜた水を入れる

苗を植えたら水耕栽培用の容器に、液体肥料を混ぜた水を入れましょう。

3. 水を取り替える

1週間に1回を目安に、液体肥料を混ぜた水を交換します。水は根の3分の1程度が浸かる程度で十分です。

4. 収穫

レタスの葉が15枚から20枚程度に増えてきたら、収穫のタイミングです。外側の葉から収穫していきましょう。内側の葉を残して収穫すると残った葉が長生きして、長期間収穫を楽しめます。また、株もとに枯れた葉がある場合には、清潔に保つよう適宜取り除きましょう。

収穫の際は、レタスの根を傷つけないように気をつけてください。

レタスの水耕栽培で失敗しないためのポイント

レタスを手に持つ女性

レタスを水耕栽培する際には、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。おいしく食べられるレタスを育てるためにも、下記の6つのポイントに注意しましょう。

種は多すぎず少なすぎない量をまく

レタスの種をまく際は、多すぎず少なすぎない量を心掛けましょう。2~3cm四方に2つ程度が適量です。種が多すぎると間引きに手間がかかり、少なすぎると欠株のリスクが高くなるためです。

有機質由来の肥料は使わない

水耕栽培では、原則として有機質由来の肥料を使わないようにしましょう。有機質肥料には、土の中の細菌のエサとなることで、土の生物性を改善するという効果があります。養分としての効果も期待できますが、その効果が発揮されるのは土耕栽培でも半年程かかるという側面もあるのです。

水耕栽培はそこまで長期間かけて栽培する方法ではない上、水の中に有機物を入れると水の腐敗リスクも高くなってしまいます。

液体肥料の量を守る

商品パッケージなどに、栽培する作物ごとの肥料の量が記載されているため、与える肥料の量は必ず確認しましょう。

肥料が少なすぎると成長が阻害されて、しっかりとレタスが育ちません。一方、肥料が多すぎると窒素過剰によって植物が無駄に大きくなってしまい、味も損なわれてしまいます。水に溶けた栄養分は吸収しやすいので、薄めに入れておくことが大切です。

日があたる場所で育てる

レタスを水耕栽培する際は、日があたる場所に容器を置きます。日光の差し込む窓際や、簡易ビニールハウスなどがおすすめです。1日に3時間以上、日にあてて育てましょう。

また、レタスの苗に直接強い風があたらないようにすることも大切です。

水を腐らせない

水耕栽培で使用する水は、絶対に腐らせないように注意が必要です。土耕栽培において作物は良い土で育つとおいしくなるように、水耕栽培でも良い状態の水で育てることで味が良くなります。

特に夏場は水が腐敗しやすいため、こまめに容器の中をチェックして水を交換します。

密植を避けるために間引きをする

基本的に、レタスは外側の葉から収穫をしていきます。しかし、2株以上のレタスを水耕栽培している場合は、密植を避けるために1株分の間引きが必要です。余分な株にはハサミを入れて、根本から切って収穫してしまいましょう。

家庭菜園初心者の方にもレタスの水耕栽培はおすすめ!

レタスを手に持つ少年

レタスの水耕栽培は専門的な知識や技術は必要なく、土耕栽培と比べて手順も簡単です。水をこまめに交換して育てることで、泥臭さや渋みのほとんどない、おいしいレタスを収穫できます。

家庭菜園初心者の方も、レタスの水耕栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。

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