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ペット薬膳管理士、ペット栄養管理士(ペット栄養学会 会員)、APNAペット食育士1級をもつ。犬の手作りごはんの基本に関するお勉強や薬膳、お料理のレッスンを開催。
今回は、電子レンジで簡単に作れるチキンミートローフのレシピをご紹介します。1品でお肉、野菜だけでなく、炭水化物も入った『全部入り』ですので、お出かけ時の栄養補給やお弁当にもおすすめです。
レシピでは、消化器系に効能が届く食材を多く使うと共に、乾燥の季節や寒い季節に影響が出やすい肺や腎も意識して食材を選びました。お野菜苦手なわんちゃんも、細かいみじん切りにしてお肉と一緒にまとめると食べてくれる子も多いので、アレルギーがなければ、ぜひレシピ通りの食材でお試し下さい♪
目次
- 【材料】お肉・野菜・炭水化物全部入りの愛犬用チキンミートローフ
- 【作り方】レンジで8分!愛犬用チキンミートローフ
- 【参考】愛犬用チキンミートローフの1日当たりの給与目安量
- 【栄養】愛犬用チキンミートローフで使用したほうれん草・マッシュルーム・ひじきの効能
- 【高齢犬もペロリ】食いつき抜群の愛犬用チキンミートローフ
【材料】お肉・野菜・炭水化物全部入りの愛犬用チキンミートローフ
<材料>
・鶏ひき肉 150g
・にんじん 20g
・ほうれん草 20g
・マッシュルーム 2ケ(約20g)
・黄パプリカ 20g
・乾燥ひじき ひとつまみ(約1g)
・絹ごし豆腐 50g
・炊いたごはん 35g
★鶏肉にアレルギーがある場合はお好みのお肉で代用してください。
★今回使用した鶏肉は、ささみ50g、むね肉100gを合わせてフートプロセッサーでひき肉にしました。
★ご自宅にある旬のお野菜やきのこなどでお作り頂けます。
★白米のごはんの粘りをつなぎのかわりにしています。雑穀や玄米などを使いたい場合も、白米と混ぜて炊いたものをお使い頂く方がよいと思います。
★大豆アレルギーがある場合は豆腐を入れなくても作れます。
【作り方】レンジで8分!愛犬用チキンミートローフ
事前に乾燥ひじきは水に戻し、ほうれん草は茹でて水にさらした後水気をとっておきます。
野菜類、マッシュルーム、水で戻したひじき、それぞれをみじん切りにします。
チョッパーやフードプロセッサーでみじん切りにすると簡単ですが、茹でたほうれん草とひじきは、包丁でみじん切りにした方がキレイに切れます。
材料全てをボウルに入れて、
粘り気が出て、全体がひとまとまりになるまでよく混ぜます。
ラップに乗せて、直径5センチほどの棒状になるようにギュッとまとめながら包みます。
更に、もう1枚のラップで二重に包みます。空気が入らないようにギュッと力を入れながら包むのがコツです。
少し深みのある耐熱の皿にのせて、電子レンジで600Wで4分、ひっくり返して更に4分加熱します。
(加熱時間は機種によって異なりますので調整してください。)
冷めるまでそのままにしておき、常温まで冷めたらカットして盛り付けて完成です。
今回は茹でたブロッコリーとミニトマトを添えました。
イベントなどの際には、うずらの茹で卵を入れると少し豪華になりますね。
【参考】愛犬用チキンミートローフの1日当たりの給与目安量
今回は作りやすい分量のレシピです。完成量は約240g、カロリーは約265kcalです。
愛犬の体重:1日当たりの最大給与量の目安(避妊去勢済で、健康なわんちゃんの場合)
体重 | 成犬の給与量 |
高齢犬向けの給与量 |
1kg | 51g | 41g |
3kg | 116g | 92g |
5kg | 170g | 136g |
7kg | 218g | 175g |
9kg | 264g | 211g |
11kg | 306g | 245g |
13kg | 347g | 278g |
15kg | 387g | 309g |
※ここでは高齢犬とは小型犬は10歳前後~、大型犬は8歳前後~と考えます。
成犬の手作りごはん1食分の摂取目安量は、頭のサイズと同じくらいの器一杯ほどです。どんなレシピでも、普段のごはんの量やわんちゃんの体調などで量を調節してください。特に高齢犬は同じ体重でも個体差が激しい為、おうちの子の状況をよく見て与えましょう。
【栄養】愛犬用チキンミートローフで使用したほうれん草・マッシュルーム・ひじきの効能
★ほうれん草
ほうれん草は冬に旬を迎えるお野菜です。
緑黄色野菜の中では抜群に栄養価が高いと言われます。鉄分を非常に多く含み、その吸収を促進してくれる葉酸も豊富な為、貧血にとても効果があります。また、肝機能強化や視力に関係する栄養素であるβカロテンやビタミンB2、ビタミンC、αリノレン酸、ルテインなども豊富です。
薬膳的には、血を作り、肝臓の働きを正常にしてくれる働きがあります。根には体を潤し、渇きを止める働きがある為、乾燥した季節には、よく洗って根の部分まで一緒に調理して食べましょう。
栄養は非常に豊富ですが、シュウ酸を多く含む食材です。必ず熱湯で3分ほどしっかり茹でて、水にさらしてから使いましょう。シュウ酸は水溶性の為、この下拵えで半分以下に減ると言われます。ただし、現在シュウ酸カルシウム結晶のある子には食べさせない方がよいでしょう。その場合は他の緑のお野菜で代用してください。
★マッシュルーム
マッシュルームの旬は秋で、10月~12月に多く出回ります。ブラウン、ホワイト、クリームの3種がありますが、その成分はほとんど変わりません。
主な栄養素はカリウム、リン、胴、ビタミンD、ビタミンBなどで、その他グルタミン酸や、免疫力を強化するβグルカン、整腸作用のある食物繊維などを含みます。マッシュルームに含まれる食物繊維は不溶性で、水分を吸収して便の量を増やすことで便秘を改善し、有害物質を吸着して便と一緒に体外へ排出してくれる働きがあり、解毒の効果もあります。
薬膳的には、胃や小腸・大腸、消化器系の機能を高めてくれます。また、体に溜まった不要な水分を排出する働きもあります。
★ひじき
生のひじきの旬は春ですが、乾燥ひじきは年中手に入ります。わんちゃん用には乾燥のままミルで粉末にしてしまうと、いちいち水に戻して使う必要がなく、消化もしやすくなって便利です。以前は鉄窯で茹でられていた為、非常に鉄分が豊富でしたが、現代ではステンレス窯で茹でられているものがほとんどで、含む鉄分量は1/10ほどになりました。
その主な栄養素はカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、βカロテンなどです。ミネラルが豊富で、特にカルシウムの含有量は海藻の中でトップの為、リンを多く含む肉類などと一緒に食べさせてあげるとよいでしょう。その他活性酸素を取り除く成分や抗酸化作用のある栄養素も含みます。
薬膳的には、しこりや腫瘍を排除する働きがあると言われています。また、血を補い、心臓の働きを正常に導いてくれます。体を冷やす力が強い為、寒い季節には体を温める食材と合わせるとよいでしょう。
【高齢犬もペロリ】食いつき抜群の愛犬用チキンミートローフ
今回はレンジにお任せでできてしまうチキンミートローフをご紹介しました。みじん切りは面倒ですが、これもチョッパーやフードプロセッサーに任せてしまえば、一瞬ですね。
簡単な割には、わんちゃんが喜んでくれること間違いなし!我が家のショコラ(12歳)もあっという間に試食を平らげ、おかわり要求をしていました。
食材の色は栄養を表しています。彩り豊かなごはんには、見た目に楽しいだけでなく、それだけ多くの栄養素が含まれているということ。レシピに食べられない食材がある場合も、ぜひ同じ色味の食材で代用するとよいでしょう。