【菓子盆選手権】キャンプを盛り上げる最強お菓子チョイス王は誰だ!?
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今や、空前のキャンプブーム。コロナ禍の今、密を避けられるレジャーとして一気に浸透し、今春、初めてのキャンプにチャレンジする方もいるのではないだろうか。
キャンプで楽しむべきは、非日常的なムードとDo It Yourself。自らサイトを設営し、食事を作り、一日の締めくくりには、炎の揺らめきに見惚れる焚き火。食事を作るにも、焚き火を楽しむにも欠かせないのが火起こしだが、これが初心者には容易ではない。
そこでおすすめしたいのが、薪に変わる燃料として注目される『モミガライト』だ。火起こしの初心者にも扱いやすく、長期保存しやすく、さらには地球環境に配慮した、バイオマス燃料という側面も持つ。
こうした利点を兼ね備える理由は、『モミガライト』の原料にある。その原料とは名前にも冠されたとおり、100%もみ殻だ。
もみ殻と聞いてピンとくる人は、そう多くないかもしれない。しかし、製品の特性はもちろん、製造の背景にあるストーリーを知れば、きっと使ってみたくなる。お話を聞かせてくれるのは、『モミガライト』の製造を手がけるグリーンファーム清里の保坂亮介さんだ。
新潟県上越市を拠点とするグリーンファーム清里の皆さん。後列中央、青いハチマキが保坂さん(取材はオンラインにて実施)
もみ殻とは、稲の実を覆う外皮のこと。稲の実とはつまり、私たちの主食である米だ。稲の実からもみ殻を取り除いたものが玄米となり、玄米から糠(ぬか)や胚芽を取り除いたものが白米となる。
米どころでないと、なかなか目にする機会のないもみ殻
誤解を恐れずに言えば、もみ殻は、米の生産過程から生じる産業廃棄物。『モミガライト』の製造者である保坂さんも、農業従事者のひとりだ。保坂さんが勤めるグリーンファーム清里は、米どころとして知られる新潟県上越市の清里区を拠点に、約150ヘクタールもの田んぼを管理している。
「全国的に農家の担い手不足が叫ばれるなか、新潟県上越市では、人手が少なくとも効率的に米作りを進めるため、農地の集約化と大規模化が積極的に行われています。私たちが管理している田んぼは約150ヘクタールですが、地元の農業法人や農家さんからの作業受託などを含めると、その処理量は約300ヘクタールになります。300ヘクタールの田んぼから出るもみ殻は相当な量です」
1ヘクタールの田んぼから出たもみ殻。これで約1トン分
その量は年間約300トン。大型のダンプカーにして、600台以上の荷台がいっぱいになるほどのもみ殻が出るという。しかしながら、日本における稲作の歴史は長い。縄文時代後期には大陸から稲作の技術が伝来し、以降、私たちの主食は米だ。
すると長きにわたり、もみ殻の処理に悩まされてきたかというと、それは少し違う。家庭の燃料や畜産の敷物として使用するなど、農業従事者は自らの経験により、もみ殻が肥料となることを知っていた。古くから日本各地で行われていたのが野焼きだ。
「秋に米の収穫を終えると、稲刈り後の田んぼでもみ殻を燃やします。すると土に残っていた稲や雑草まで一掃され、土壌をリセットできるんです。翌年には、きれいにリセットされた田んぼで米作りができるわけですが、もみ殻は土壌を肥沃にするケイ素が豊富。その灰もまたケイ素を多く含み、土壌改良にも期待できます」
だが、それも今は昔。煙によるニオイや大気汚染、防火などの観点から野焼きは法律で禁止され、農業従事者の多くが、もみ殻の処理に苦慮することとなったのだ。
田舎の秋の風物詩だった「野焼き」も、現在は法律で禁止されている
そこで保坂さんが目を付けたのが、もみ殻の再利用だ。当初は灰化したもみ殻を肥料として再利用する「もみ殻燻炭」の製造を考えたものの、灰化するには結局のところ、燃やさなければならない。頭を悩ませた結果、たどり着いたのが『モミガライト』だった。
「無許可にもみ殻を燃やしてしまうと野焼きと変わらず、許可申請をするにも莫大な投資が必要です。再利用の目的であっても、もみ殻を燃やすことは難しい。それが、燃料として再利用する『モミガライト』なら、燃焼するという行為そのものが商品価値になります」
特別な製造機が必要になるものの、『モミガライト』の製造方法は至ってシンプルだ。もみ殻を細かくすり潰し、圧力を掛けながら筒状に成型。約300℃のヒーターにより、表面を炙ると完成する。炙る工程は必要だが、許可申請は不要。製品1本につき、約800グラムのもみ殻を消費できる。