コリドラス飼育の注意点! 混泳はできる? 種類や餌、水槽の大きさを専門家が解説
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目次/ INDEX
全国のメダカ好きの皆さん、こんにちは。メダカとドリアンを育てることを生きがいにしているライターの菊地です。これからとなりのカインズさんで、メダカについて記事を書いていくので、皆さんどうぞよろしくお願いいたします。
さて突然ですが、みなさんはメダカ生活、楽しんでいますか? もうすぐ産卵のシーズンですね。朝起きたときにメダカの卵を見つけたワクワクを感じられる季節が、すぐそこまできています。
「メダカってあのメダカ? 」とメダカの魅力に気づいていない、そこのあなた。ぜひこの記事を読んでメダカ沼の扉を開いてみませんか。
初心者の方のためにメダカについて、簡単におさらいしておきましょう。
近年、人気を高めているメダカは、小さなヒレをパタパタさせながら泳ぐ姿が愛らしく、いつまで眺めていても飽きない観賞魚です。
新潟市水族館マリンピア日本海 提供 「キタノメダカ」
メダカと聞くと、「絶滅危惧種に指定されているんじゃないの? 飼っていいの?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。現在、絶滅危惧種に指定されているメダカは、野生のミナミメダカやキタノメダカと呼ばれる種です。
ヒメダカと黒メダカ
ホームセンターで販売されているヒメダカや黒メダカなどの突然変異種とは異なります(そのため、ヒメダカや黒メダカを自然の川や池に放流することは禁止されています)。
サファイア。背中にラメがのりキラキラと輝いている(堀切めだかInstagramより)
現在、人気を集めているのは、写真のように美しい品種改良されたメダカです。品種改良メダカの人気は、2004年に楊貴妃(ようきひ)、2007年に幹之(みゆき)が発表されたことによって、急激に加速しました。
紅帝。金魚のように赤い体色が魅力(堀切めだかInstagramより)
この2品種によって品種改良がさらに進み、色鮮やかで美しい個体が続々と誕生。年を重ねるごとに数は増え続けて、今や500〜1,000におよぶと言われています。その品種の多さは、改良メダカの大きな魅力となっています。
野生メダカとヒメダカ、楊貴妃(品種改良メダカ)とフナ、ヒブナ、和金の対比イメージ。ヒブナや和金が放流禁止なように、ヒメダカや楊貴妃も同じ
またメダカの魅力といえば、その繁殖のしやすさも人気のひとつです。メダカは丈夫で繁殖力も高く、簡単に増やすことができます。水温と日照時間(室内灯でも可)さえ管理すれば、メダカはいつでも産卵するため、年間を通して繁殖を楽しめるのです。
毎日のように卵を産み続ける健気さと、生まれてくる針子(はりこ)と呼ばれるメダカの稚魚の愛らしさを知ったら、きっとあなたも虜になるはず。
というわけで前置きが長くなりましたが、今回は、僕がメダカにハマった瞬間でもある「メダカの繁殖・産卵」ついて勉強していきましょう。
兵頭 秀一(ひょうどう しゅういち)
株式会社ちかなり代表取締役・堀切めだか創業者。アクアリウム歴15年以上の経験とビジネスシーンで得たロジカルシンキングを活かし、独自の視点でメダカの養殖・販売を行う。プロのカメラマンとしても活躍。
今回は、1日に4桁に上る卵を採卵することもあるメダカのプロフェッショナル、堀切めだかの代表 兵頭さんにお話を伺いました。
神々しい姿をしているメダカ、神龍(堀切めだかInstagramより)
繁殖の魅力は、人によってさまざまです。目の前で生命が誕生する瞬間に立ち会うことに魅力を感じる人もいれば、孵化した稚魚を育てて販売したいと考える人もいるでしょう。
僕は、朝起きてメダカが卵を付けて泳いでいる姿を見た瞬間にはまりました。
そういった方も多いですね。ほかにも、品種の異なるメダカ同士をかけ合わせて、新しい品種を作ることを魅力に感じている人もいます。新しく誕生した品種には、自分で名前をつけられるんですよ。
それは面白いですね! 自分のつけた名前のメダカが全国のお店に並んでいるとか、想像しただけでワクワクします。でも最近、自宅のメダカたちがなかなか卵を産まなくて・・・メダカに卵をいっぱい産んでもらうためには、どうしたらよいでしょうか。
その前に菊地さんは、1匹のメスが産卵期にどのくらいの卵を産むかご存じですか?
うーん。メダカの産卵期って、4月から10月ですよね。うちの場合、卵をつける日とそうでない日があるので、どれくらいなんだろう・・・。考えたこともなかったです。
健康なメダカは毎日30個近い卵を産むので、1シーズンで2,000個以上にもなります。過去には、1匹のメダカが6,000個の卵を産んだという記録もあるそうです。メダカの寿命は飼育下では1〜3年。年を取るにつれて産卵量は減っていきますが、それでも毎年採卵すればかなりの数になりますよね。
1シーズンで2,000個!? 採卵した卵が全部孵ったら、尋常じゃない数の水槽が必要になりますね・・・。
そうなんですよ。だから「何を目的に卵を産んでもらうのか」を明確にした方がいいですね。私のように販売が目的なら、できるだけメダカにたくさんの卵を産んでもらい、少しでも孵化率を上げてロスを減らす方法にするべきです。ただ、自宅で観賞するなら、育てたいメダカの数だけ孵化させてあげればよいと思います。
なるほど。たしかに増えすぎるのも困りますね。川や池に放流するのは絶対にダメだけど、飼えないからといって殺すわけにもいかないし。どうしよう・・・。
堀切めだかでは、飼えなくなったメダカを引き取っているので、増えすぎたら私に連絡していただけたら大丈夫です。病気や奇形のメダカは引き取れませんが、健康なメダカはいつでも大歓迎ですから。その辺は安心してください。
少し安心しました。でも、まずは自分の飼育できるメダカの数を把握することから始めたほうがよさそうですね。まあ、今僕の家にいるメダカは卵を産んでいないので、いらぬ心配ですが・・・。
じゃあ、菊地さんの家のメダカが卵を産まない理由を考えてみましょうか。まず飼育環境を教えてください。
僕は室内飼育で、10L水槽に4匹のメダカを飼っていて、エアーレーションとプラスチックの水草を入れています。カインズで購入した「はじめての金魚/めだかセット」を購入して、そのまま使っている感じですね。
なるほど。よくわかりました。では菊地さんは、メダカに卵を産んでもらうために必要な条件をご存じですか?
(堀切めだかInstagramより)
メダカに卵を産んでもらうには、日照時間と温度が重要です。逆に言えば、この2つを押さえれば、1年中でも繁殖を楽しめます。繁殖には、1日に13時間以上の日照時間と20〜28℃の水温が必要です。菊地さんの家の水槽は何度くらいですか?
水温は24℃前後ですね。僕の場合、水槽にヒーターは入れていないのですが、エアコンを28℃に設定している部屋に置いています。
それなら水温は問題なさそうですね。私の感覚では、水温が23℃を超えたあたりから、産卵しやすくなります。
ヒーターを入れることも検討したのですが、水温が上がりすぎてメダカが死んじゃったらイヤだなと思い、断念しました。
水槽専用のヒーターは、設定温度以上にはならないので安心してよいと思います。仮に水温が設定温度より上がったとしても33℃までなら、死ぬ可能性は低いと思います。ただ、水温が上がると水中に含まれる酸素量が減っていくため、酸欠を起こしやすくなります。注意が必要ですね。
では、僕のメダカが卵を産まない理由は、日照時間にあるのかも。室内で飼っているので、日光が当たっている時間は3〜4時間くらいなんですよね。 室内飼育なら、太陽光に近い光の出るライトや光度の強いものを使用した方がよいのでしょうか。
メダカに卵を産んでもらうことを目的にするなら、実は部屋で使用しているようなライトでも問題ありません。夜に部屋からこぼれでる微弱な光でも日照時間に含まれるんです。
部屋から漏れた明かりによって10月になっても卵を産み続けたメダカのケース
というのも、うちのビルの屋上にある養殖場では、日照時間が短くなる10月になっても、この周辺のメダカだけ卵を産み続けていたんです。ライトも設置していないので不思議だったのですが、実は部屋から漏れた明かりがケースを照らしていたんですよ。
そんな微弱な光でも日照時間に含まれると。
そうですね。だから特別な明るい光や特殊なライトは必要ないと思います。ただ、メダカは金魚や熱帯魚と比べると、太陽光依存度が非常に高い魚です。太陽光がないと、メダカが病気になりやすくなるので注意してください。
菊地
部屋のライトでも産卵に必要な日照時間はクリアできるけど、メダカに健康でいてもらうためには、太陽光が必要というわけですね。「日照時間」と「温度」のほかに気にすべき点はありますか。
当たり前ですが、メダカに卵を産んでもらうためには、元気でいてもらうことが大切です。
(堀切めだかInstagramより)
菊地さんは、メダカに元気でいてもらうために必要なことは何だと思いますか?
いっぱい餌をあげることでしょうか。
それも正解ですが、実は水質も非常に重要となります。
水質・・・?
そうです。ここでキーとなるのが「アンモニア」「亜硝酸」「硝酸」の存在です。
(堀切めだかInstagramより)
アンモニアは、メダカのフンや餌の食べ残し、エラから排出されます。少量であれば問題ありませんが、ある一定の量を超えると生物の細胞に悪影響を与える毒となります。
自然界であれば、アンモニアを分解するバクテリアがいるので、亜硝酸、硝酸という順番に分解されて毒性が軽減されていきます。しかし水槽では、バクテリアがいないため生物濾過が働かず、水中のアンモニア量が増えていってしまうんです。
前日まで元気に泳いでいたメダカが急に死んでしまうのは、もしかしてアンモニアのせいだったのかも。
その可能性は大いにありますね。だから水槽での飼育には定期的な水替えが必要になるわけです。
では水替えは、どのくらいの頻度で行えばよいのでしょうか。
水量やメダカの数にもよりますが、最初のうちは2〜3日に1回のペースが理想です。ただ、このペースで水替えをするのは大変なので、最低でも1週間に1度、全体の1/3〜2/3程度を交換することをおすすめします。
それなら忙しい社会人でも無理なくできそうです。できるだけ水が汚れないようにしないとなぁ。メダカが餌を食べ残さないように、これからは餌の量を気持ち少なめにしようと思います。
メダカにしっかり卵を産んでもらえるようにするなら、餌はちゃんとあげたほうがいいですよ。食べ残しを恐れて、餌を少なめにあげている人もいるかと思いますが、「どうせ水替えするから」と割り切ってたくさんあげたほうが成長も早いし、体格も良くなります。
実際、この桶にいるメダカは、毎日、食べきれないほどの餌をあげて、水変えを毎日行っています。まだ生後2ヶ月前後ですが、卵を産んでもおかしくないサイズにまで成長しています。
今日も餌をよく食べて元気に泳いでいて、体調を崩す素振りもありません。水替えのしやすさを優先しているので少し殺風景ですが、デメリットは特にありませんね。
砂利や水草、エアーレーション、フィルターなどを一切入れずに、この桶のような環境でメダカを飼育するのも方法のひとつですね。
水替えの頻度を減らせるように環境を整えるか、水替えをしやすい環境に振り切るか。メダカの飼育環境もそれぞれなんですね。
水槽に浮かべて使う卵キャッチャー。メダカが卵を産みつけてくれる
さっき、売り場で卵キャッチャーというアイテムを見つけたのですが、もしかしてアレがないから僕のメダカは卵を産まないのでしょうか。
卵キャッチャーをはじめとする産卵床は、採卵をしやすくするものであって、メダカが産卵するかどうかには影響しません。産卵床がなければ、卵を産みつけずに下へ落とすだけですから。
なるほど。それにしても一口に産卵床といっても色々な種類があるんですね。産卵床の種類によって何か違いはあるのでしょうか。
人によっては足の長い産卵床の方が、メダカは卵を産みつけやすいと言いますね。ただ私個人としては、あまり差は感じません。それぞれ適した環境で使えばよいと思います。
例えば、この足の長い産卵床は、水深の浅い環境では足が底についてしまうので使えませんよね。でも足の短い産卵床なら、問題なく水面に浮いてくれます。
個人的には、このもじゃもじゃしている産卵床の方が、メダカは卵を底に落とすことなく産みつけてくれる印象ですね。よく見ると卵がついていることがわかると思います。
本当だ! かなりの数の卵がついてますね。というか、メダカってバケツで飼育しても産卵するんですね。
そうなんですよ。温度と日照時間さえ確保できれば、バケツでも全く問題ありません。
では僕のように産卵の環境が整っているのに、卵を産まないのはなぜでしょうか。
メダカのことなので、正解はわかりませんが、人間と同じでペアの相性もあるかと思いますね。卵を産まないのであれば、別の個体同士を合わせてみるのもひとつの手です。ただ、2ヶ月間まったく卵を産まなかったペアが、急に産卵し始めたケースもあるので、こればっかりはメダカの気持ち次第ですね。
(堀切めだかInstagramより)
では、オスとメスの比率はいかがでしょう。うちでは、オスとメスが2匹ずつ入っているのですが、メスの割合を増やすことで産卵しやすくなるとかありますか? お店によってはオス1匹に対してメス2匹をセットにして販売している場所もありますよね。
たしかに、堀切めだかでは、過去にオス1匹に対してメス5匹の水槽で、すべてのメスが卵をつけていたこともあります。
ー夫多妻が過ぎるな・・・。
ただ、オスとメスが1匹ずつの水槽で仲睦まじく産卵していたのに、メスを1匹追加したら急に産卵をやめてしまうこともあるので、これもメダカの気分次第ですね。そればかりか、あとからやってきたメスが、最初にいたメスを追いやってしまうこともあります。
略奪愛ですか。なんだか昼ドラみたいですね・・・。
水槽の中でドロドロな展開が繰り広げられているのを見るのは悲しいですよね。やっぱり観賞魚ですから、仲睦まじく泳いでいる光景を見たいものです。だから個人的には、オスとメス一匹ずつの飼育をおすすめしています。
なるほど。僕も水槽を分けてオスとメス1匹ずつにして様子を見てみようと思います。
(堀切めだかInstagramより)
では、水槽のなかで卵を見つけたら、どうやって採卵すればよいでしょうか。卵を産んだときのために、予習しておきたいなと。
一般的には、産卵床についた卵を産卵床ごと別水槽に移動させる方法と、逆に親メダカを移動させる方法があります。卵を抜くか親メダカを抜くかのどちらかですね。
親メダカを卵と同じ水槽に入れておくと食べちゃうからですか?
実は、親メダカが卵を食べるケースはほとんどないんですよ。ただ、水中を浮遊している卵を餌と勘違いして食べてしまうことはあります。なぜ別々にするかというと、孵化した瞬間に親メダカが稚魚を食べてしまうからなんですよ。
だから、卵を見つけてもすぐに抜く必要はありません。卵から稚魚が孵化するまでに移動させればいいので、数日間卵を付けてもらってから移動させるのも手ですね。
卵を抜くのと親メダカを抜くのは、どちらが良いのでしょうか。
親を抜くメリットとしては、底に落ちている卵も孵化する可能性がある点です。特にソイルや赤玉土を敷いている水槽では、底に落ちている卵を救出するのは難しいですから。
たしかに、あの小さな卵を探し出すのは骨の折れる作業ですね。
逆に卵を抜くメリットは、水槽の数やスペースを取らない点ですね。卵キャッチャーが入るサイズの容器にカルキ抜きをしていない水道水を入れて、そこに浸けるだけで良いわけですから。
なぜ卵は水道水につけた方がよいのでしょうか。
カルキを抜いていない水道水には、水カビを防止する効果があります。卵にとって水カビは天敵なので、孵化率をあげたいなら水カビが発生しづらい環境を作ることをおすすめします。
せっかく卵を産んでくれたのなら、孵化率をあげたいなぁ。
それでは堀切メダカで実践している採卵方法もご紹介しておきましょう。
まず卵キャッチャーに産みつけられた卵を発見したら、手に取って指先でコロコロとほぐし、有精卵を一つひとつ分けてメチレンブルー※の入った別容器に移していきます。
※メダカの病気の治療にも使われる治療薬
有精卵と無精卵はどのように見分けたら良いのでしょうか。
有精卵は、数の子のように硬いので触ればすぐにわかります。また、無精卵と比べて光沢があり、黄色くキラキラしているのも特徴ですね。
逆に色が白濁していたり、摘まんでつぶれてしまったりする卵は、無精卵なので取り除きましょう。無精卵は孵化することなく、水カビも発生しやすいので捨ててしまって問題ありません。
いざ手で触るとなると勇気がいりますね。もしつぶしてしまったらと考えると・・・。
有精卵は思った以上に硬いので、つまんだくらいではつぶれません。それに自分の手で触って観察するのは、とても大切なことなんです。卵の状態から親メダカの健康状態を知ることもできます。健康状態のよいメダカの卵は硬くて少し大きい。そして光沢やツヤがあってキラキラしています。
無色透明の有精卵を見つけたら、親の日照時間が足りていないという記事を読んだことがあります。光をちゃんと浴びた親メダカから生まれた有精卵の色は、黄味がかっているそうですね。
そうですね。私も一時期、孵化率が低くて悩んだこともありましたが、この方法にしてから各段に上がりましたね。
なるほど。少し手間がかかりますが、どうしても孵化率が上がらないときには挑戦したい方法ですね。そういえば以前、卵キャッチャーについていた卵のまわりに、白いモワモワが生えていたことがあるのですが・・・
それは水カビですね。かびた卵と健康的な卵を同じ場所に置いておくと、水カビが移ってしまうので注意が必要です。
だから、堀切めだか流の採卵方法では、卵を一つずつ分けているんですね。
その通りです。あとは毎日ケースをチェックして、孵化していたら水槽や飼育用のケースに移してあげればOKです。
プロはメダカを観察する際、より近くで見ようと写真のようなポーズになるとのこと。決して二日酔いではない。
卵の孵化には豊富な酸素が必要と聞いたことがあるのですが、堀切めだか流の採卵方法では、エアーレーションをかけていませんよね。問題なく孵るのでしょうか。
実は、卵の孵化に酸素は必要ありません。実際、ネット販売でメダカの卵を購入すると醤油さしなどの小さな容器に入って届きます。これは酸素が必要なら成立しない方法ですよね。
たしかに! 僕も一度ネットオークションで卵を買ったことがあるのですが、密閉された小さな容器に入って届きました。そのあとも問題なく孵化して元気な稚魚が生まれたので、卵自体には酸素は必要ないのかも。
卵の孵化に酸素が必要だという説は、「①エアーレーションを入れることで水流を作り、水の鮮度を保つため」「②孵化した直後の針子への配慮」によるものかもしれませんね。
兵頭さんは、「メチレンブルーを入れることで水の鮮度を担保」、「毎日、卵から稚魚か孵化しているか確認、孵化していれば別容器に移す」ことで①と②をクリアしているわけですね。
(堀切めだかInstagramより)
以前、自宅で飼っていたメダカに、いつまでも卵をお腹につけたまま産み落とさない子がいたのですが、そういう時はどうしたらよいのでしょうか。
私の場合は、親メダカを網で掬って採卵しますね。ただ、これは私がビジネスでメダカを繁殖させていて、少しでもロスを減らすためにやっていることです。親メダカにストレスがかかってしまうので、趣味で育てているのであれば、そのまま様子を見るのもひとつの方法ですね。
拡大したメダカの稚魚
卵を孵化させるためには、どうしたらよいでしょうか。
卵を孵化させるうえで大切なのは積算温度です。メダカの場合、積算温度は250℃と言われているので、25℃の水温であれば10日、30℃の水温であれば、8日前後で孵化する計算になります。
早く孵化さたい場合は、高い温度に設定すればよいのですね。
ただ、高温すぎると死んでしまったり奇形が産まれたりする可能性があります。
堀切めだかの店内は、24時間エアコンを稼働させ、水温を25℃前後にキープしている
それ以外にも、何か見えない問題が起きる可能性もあります。以前テレビ番組で「人間は、母親のお腹のなかに10ヶ月もいるから頭蓋骨が大きくなって賢くなった」と聞いたことがあります。もしかしたら、メダカも同じように卵のなかにいる期間が長い方が賢くなるかもしれませんね。
メダカのIQを測るわけにもいかないし、真相は闇のなかですね・・・。
孵化までの日数が長いほど孵化率が下がるという話もあるので、やっぱり25℃前後がよいかと思いますね。
卵から孵った稚魚(針子)の生存率が低いことに悩んでいる人が多いと思うのですが、生存率を上げるコツや方法はありますか。
稚魚の主な死因は餓死です。生まれたばかりのメダカは、お腹に栄養の入った袋(ヨークサック)をつけていて、そこから必要な栄養を摂取します。だから生まれてから2日間は問題ないのですが、餌を食べるのが苦手なので、それ以降は餓死しやすくなりますね。
餌を食べるのが苦手って自然界で生きていくの難易度高すぎません・・?
稚魚にとっては、常に口元に餌がある状態が望ましいです。だから、植物プランクトンが豊富なグリーンウォーターでの飼育や、ゾウリムシ、光合成細菌を与えるのをおすすめしています。
稚魚用の餌を与えるのはどうでしょうか。
もちろん、市販されている細かい粉末になった稚魚用の餌をあげてもよいと思います。ただ稚魚の間は水替えが難しいので、食べ残さず餓死しない適量をあげる必要があります。
(堀切めだかInstagramより)
あと大切なのは、できるだけ近いサイズの稚魚同士を同じ水槽で育てることですね。稚魚に限らずですが、サイズの違うメダカを同じ水槽に入れると、大きい個体ばかりが餌を食べてしまい、小さい個体が成長せずに餓死する恐れがあります。
水槽の数がどんどん増えていきそうですね・・・。ある程度成長したら親メダカと同じ水槽に入れても問題ないでしょうか。
親メダカの口に入らないサイズになれば、混浴させることは可能です。ただ、サイズが違う個体を入れることになるので、餓死には注意しましょう。今は同じ容器の中を区分けできるグッズも販売されているので、工夫次第では水槽を増やさなくても大丈夫かと思います。
あと、稚魚の水槽にはエアーレーションを入れない方がよいと聞くのですが、本当でしょうか。
小さいケースや水槽で稚魚を飼育するなら、エアーレーションは入れない方がよいですね。メダカは流れに逆らって泳ぐ習性があるので、水流が生まれると運動量が増えて衰弱してしまう可能性があります。
(堀切めだかInstagramより)
稚魚に限らず、メダカにとってエアーレーションが必要なのかどうかは専門家でも意見が大きく分かれている問題です。エアーレーションを入れたことで水流が生まれ、メダカの運動量が増えて瘦せてしまう可能性もある。逆に運動させることで、メダカが健康になるという意見もあります。
ビル屋上にある養殖場。日当たりも風通しもよく、元気なメダカが育つ。(堀切めだかInstagramより)
ちなみに屋上にある養殖場では、エアーレーションを入れていないケースで飼育しているメダカの方が元気で体格もよい気がします。これが一概にエアーレーションの有無が関係しているのかは不明ですが、何か関係しているかもしれませんね。
ただ、相手も生き物なので正解はないんですよ。メダカの飼育環境は人によって異なりますから、一概に言えることは、ほとんどありません。そして今日お話ししたことは、あくまで私の経験と知識に基づいた意見です。
たしかに、人によってメダカを飼育する環境は違いますね。
だから、もし今回の方法で上手くいかなかったら、ほかのブリーダーや専門家の意見も参考にすることも大切です。いろいろな方の意見を聞いて、納得したものを取り入れる。それを繰り返していって、最終的に自分の意見を作り上げていくのがよいと思います。正解のない奥の深い世界だからこそ、メダカは面白いんですよ。
ありがとうございます! 僕もいろいろな知識をインプットして、自分にあった方法を模索してみます。今日はありがとうございました!
今回は、メダカの産卵や採卵、孵化のさせ方について兵頭さんにお話を伺いました。 メダカが卵を付けて泳いでいる姿を見つけると、ワクワクとした気持ちになるものです。あなたもこれを機に、メダカ沼にハマってみませんか?
まず、メダカの繁殖の魅力を教えてください!