農業がオカルトって本当!? 30種のミニトマトを栽培する「ムー」編集長・三上丈晴の奥深い家庭菜園の世界
リンクをコピーしました
PR
目次/ INDEX
都市化が進んで自然環境が少なくなっても、人の生活に欠かせない街路樹や公園の茂みなどの小さな街の緑は、昆虫たちにとっても生活の場。
もしも、自宅の庭や身近な場所でハチが巣作りをしている姿を見たら、どうしたらいいか、戸惑ってしまうのではないでしょうか。
直ちに対応する必要がある危険なケースを見極め、すみやかに安全を確保するために個人でどう対処すればよいのか、社会性ハチの研究で知られる玉川大学農学部の教授、小野正人さんに聞きました。
玉川大学農学部の小野正人教授
ハチは、昆虫綱ハチ目(膜翅目)に分類される昆虫のうち、アリ以外の総称です。世界には約13万種以上、日本には約4000種以上のハチが生息しているといわれています。
これらのハチは、大きく2種類に分けられます。より原始的で単独行動をするハチと、社会性を持ち、集団生活を営むハチです。
単独で行動するハチたちは、家族で営む巣を作りません。メスのハチは幼虫の栄養となる餌を準備した後、その餌に卵を産みつけます。孵化したときには親はなく、親の残した餌から栄養を得て、単独で成虫になります。
一方、社会性を持ったハチは高度に役割分担がされています。繁殖期を除き、群れはメスのみで構成され、子を産むメスの女王バチと、幼虫の世話や餌を集める働きバチがいます。体の小さな働きバチは、すべてメスで女王バチの娘にあたります。
単独性のハチと社会性を持ったハチには、それぞれ狩りをする肉食のハチと、花粉や花の蜜を集める草食のハチがいます。
単独性で肉食のハチの代表的な種は、クモバチやアナバチ、ジガバチ。クモバチは名前の通りクモ、アナバチはバッタやキリギリス、ジガバチはチョウやガの幼虫を狩ります。
ジガバチ
一方、単独性で草食のハチの代表的な種は、ハキリバチ、ヒメハナバチです。餌として花の蜜や花粉を集めます。
葉を切って運ぶハキリバチ
巣を作る社会性のハチのミツバチは草食性に分類され、花の蜜を集めてハチミツを作ることで知られています。トマトなど施設栽培の受粉に使われるマルハナバチもこの仲間です。
ミツバチやマルハナバチは受粉を助ける益虫として、農業用に飼育もされている(撮影:小野正人、玉川大学教授)
そして、肉食の社会性バチに属するのが、スズメバチやアシナガバチ。重大な事故を引き起こす危険があるのは、このカテゴリーのハチたちです。
注意が必要な社会性のある肉食のハチの代表格、スズメバチとアシナガバチ。
どちらもハチ目スズメバチ科に属しており、スズメバチ亜科は17種が、アシナガバチ亜科は11種が日本に生息しているといわれています。北海道から沖縄まで日本全国に分布しています。
なかでも住宅の周りで見られ、攻撃性が高く注意が必要なのがオオスズメバチとキイロスズメバチ、キアシナガバチ、セグロアシナガバチです。
オオスズメバチの体長:40~45mm(女王バチ)、27〜38mm(働きバチ)(撮影:小野正人、玉川大学教授)
オオスズメバチは毒性が強いハチで、体長は世界最大級です。主に、木のうろや土の中などの閉鎖空間に巣を作ります。
キイロスズメバチの体長:25〜28mm(女王バチ)、17~24mm(働きバチ)(撮影:小野正人、玉川大学教授)
キイロスズメバチは全国で最もよく見られるスズメバチです。樹の枝や家の軒下のほか、屋根裏や土中などさまざまな場所に巣を作ります。
コガタスズメバチの体長:25〜28mm(女王バチ)、20〜23mm(働きバチ)(撮影:小野正人、玉川大学教授
コガタスズメバチはキイロスズメバチと並んで最も数が多い種です。樹の枝や家屋の軒下などの開けた場所に巣を作ります。
セグロアシナガバチの体長:21~26mm(撮影:小野正人、玉川大学教授)
セグロアシナガバチは本州でよく見られるアシナガバチです。人家付近や平地に巣を作ります。
キアシナガバチの体長:21〜26mm(撮影:小野正人、玉川大学教授)
キアシナガバチはアシナガバチの中では最も危険度が高い種です。木の枝や人家の軒下に巣を作ります。
フタモンアシナガバチの体長:14~18mm
フタモンアシナガバチ本州で最もよく見られるアシナガバチです。人家付近に巣を作ることが多く、性格は比較的おとなしいのが特徴です。
コアシナガバチの体長:11~17mm
コアシナガバチは他のアシナガバチに比べて小さいですが、攻撃性は高いのが特徴です。反り返った形の巣を作ります。
スズメバチとアシナガバチに代表される危険なハチを見極める簡単な方法は、見た目と音での識別です。黒と黄色の縞模様を持っていることと、いずれも2センチ以上と体長が長く、低くて大きな羽音を響かせて飛びます。
オオスズメバチは巣の近くに敵が近づくと、「カチカチ」いう警戒音を出して威嚇することがあります。これは攻撃の前兆なので、この音を聞いたら姿勢を低くし、直ちに後退しないと危険です。
なお、黒と黄の縞模様を持つハチの仲間は、草食性の社会性バチのミツバチもいます。
ミツバチには胸に体毛がある(撮影:小野正人、玉川大学教授)
ミツバチにはフワフワした体毛があり、いずれも体長は2センチ以下。大きさで見分けることが可能です。
黒と黄の縞模様を擬態するハナアブ
また、ハナアブのようにハチではないけれど擬態して捕食者から身を守っていると考えられる種もいます。
社会性で肉食のハチのなかには、黄色と黒のストライプ模様を持たない種や、体長2センチに満たない種もいます。
全身が白黒模様で体長が最大1.5センチ程度のクロスズメバチや、腹が黒一色のチャイロスズメバチ、オレンジとこげ茶黒のツートンカラーのツマグロスズメバチなどです。
クロスズメバチの体長:15mm前後(女王バチ)、10〜12mm(働きバチ)(撮影:小野正人、玉川大学教授)
クロスズメバチは攻撃性も低く、毒の量も少ない種です。地中や屋根裏、木のうろなどの閉鎖空間に巣を作ります。「ジバチ」や「ヘボ」と呼ばれることも。
チャイロスズメバチの体長:28〜30㎜(女王バチ)、21〜28mm(働きバチ)(撮影:小野正人、玉川大学教授)
チャイロスズメバチはキイロスズメバチやモンスズメバチの巣を襲って乗っ取る「社会寄生」という性質を持っています。
ツマグロスズメバチの体長:25〜28mm(女王バチ)、20〜23mm(働きバチ)(撮影:小野正人、玉川大学教授)
ツマグロスズメバチは日本では沖縄にのみ生息している種です。木の枝や草むら、軒下などの開けた場所に巣を作ります。
ところで、ハチたちはなぜ人間を刺すのでしょうか。
単独性の狩りバチは、獲物を動けなくさせ、腐らないように生かしたまま我が子の餌とするために毒液を使います。あくまで獲物の虫に対して使う武器のため、積極的に人間を襲う機会は、ほとんどないといえます。
彼らが人を襲う例があるとしたら、それは子のために用意した獲物を引きずって運んでいるとき。このときに、獲物を取り上げようとするなどの邪魔をすると、餌を取られるとみなされ、刺す場合があります。
獲物を捕まえるジガバチ
また、単独性であれ、社会性を持ったハチであれ、草食性のハチであるハチたちも身を守るための毒針を持っています。
毒針は、メスが持つ産卵管が変化したもの。どの種類のハチであってもメスであれば、原始的なハバチを除き、握ったり押し潰したり、ハチが身の危険を感じるような刺激を与えれば、刺すことがあります。
一方、スズメバチやアシナガバチが人を刺すのは、「巣を守るため」です。彼らは巣にとって危険だとみなすと、捨て身で相手を襲い、しつこく攻撃します。同じ社会性バチでも、草食性のハチにはこのような激しい特徴はありません。
巣を守るために集団で命懸けの攻撃をしかけてくる。それが、人間にとって危険である理由です。
しかし、巣の近くで刺激を与えない限り、スズメバチやアシナガバチであっても、積極的に人を襲うことはありません。
小野さん
スズメバチとアシナガバチに刺される事故は、ほとんど巣の近くで起きています。餌を探して飛んでいるハチの前を普通に人が通った程度では襲われないので、落ち着いて飛び去るのを待ちましょう。
スズメバチが活動を始めるのは4月下旬、ゴールデンウィークのはじめごろです。
細かい時期の差は、ハチの種類や地域によって異なりますが、本州では冬を越した女王バチが姿を現し、樹皮や枯れ木を材料に、巣作りを始めます。
同じ社会性のミツバチは、拡張しながら何年も同じ巣を使いますが、スズメバチもアシナガバチも、巣は毎年新しいものを作り、群は毎年1匹の女王バチからスタートします。
つまり、この時期は女王バチしか存在しません。
巣作りに適した場所を探し、良さそうな場所が見つかると、1匹で材料を集め、巣を作りながら、卵を産み、餌を集めます。働きバチが誕生し、産卵に専念できるようになるまでの期間は1カ月〜1カ月半。その間は完全な“ワンオペ育児”です。
キイロスズメバチの女王蜂と作り始めの巣(撮影:小野正人、玉川大学教授)
女王バチは、前年の秋にオスからもらった一生分の精子を受精嚢に貯めており、少しずつ卵にかけて使います。そのため、たった1匹でも次々と受精卵を産むことができるのです。
女王バチ自身で精子をかけて誕生した個体はすべてメス。オスが生まれるのは次の女王バチが誕生するのと同じ秋で、このときだけ一部の卵に精子をかけずに無精卵を産みます。無精卵からはオスが発生します。
女王バチがたった1匹で作り始めた巣は、働きバチの数が増えてくる夏に一気に大きくなります。大きさはスズメバチの種類によりますが、キイロスズメバチの場合、大きなものは直径50センチ以上に達し、秋には数十から数百匹の新女王バチが巣立ちます。
フタモンアシナガバチの巣(撮影:小野正人、玉川大学教授)
アシナガバチは、働きバチの数も巣の大きさもスズメバチほどではありませんが、市街地でよく見られるセグロアシナガバチの場合、育房数は最大で300~400房、働きバチは50匹以上になる例もあります。
スズメバチもアシナガバチも、冬越しして翌年まで生きることができるのは秋に生まれた新女王バチたちのみ。大きくなった巣も役目を終えます。どんなに立派な巣でも、一度使われた巣が、他のハチによって使われることはありません。
ハチたちは夏に一気に個体数を増やし、注意が必要な存在になります。素人が個人で駆除するなら、このワンオペ育児の女王バチ1匹のときがベストです。
巣作りが始まったばかりで働きバチが1匹もいない状態であれば、駆除に伴う危険もほとんどありません。
一部の種を除いてハチは昼間に活動するので、夜に殺虫剤を吹きつければ簡単に駆除することができます。
キアシナガバチの初期の巣作りの様子(撮影:小野正人、玉川大学教授)
働きバチの出入りが見られるようになる6月半ばより前に、作業を完了しましょう。
スズメバチやアシナガバチは雨風がしのげる場所に巣を作る傾向があります。
これらのハチが一度巣を作った場所は、再び巣が作られる傾向があるので、一度駆除した場所は、二度と巣作りされないように対策をすることが重要です。
分電盤ボックス内のキイロスズメバチの初期巣(撮影:小野正人、玉川大学教授)
効果的なのは、毎年4月末ごろにパトロールし、作られた実績がある場所や、軒下やベランダ、庭木や生垣、天井裏や床下など、巣を作られそうな場所に残効性のある殺虫剤を噴霧しておくことです。
スズメバチやアシナガバチの巣作りの場所が定まる6月くらいまで、1週間おきくらいに定期的に見回り、殺虫剤を吹き付けてください。
小野さん
巣は初期であればあるほど安全に駆除できます。病気と同じく予防と早期発見が重要です。特に一度作られたことがある場所は、見回りを毎年の習慣にしましょう。
ハチの巣を駆除すると決めたなら、何をすればよいのでしょうか。
小野さん
女王バチのみであれば、殺虫剤だけで大丈夫です。しかし、働きバチが活動を始めた後に駆除する場合は、必ず安全対策が必要です。
専用の防護服がなければ、虫除けネットを帽子につけ、ハチがつかまることができないツルツルの服と厚手のゴム手袋を着用して万一の反撃に備える必要があります。
ゴム手袋は、水仕事で使われる、厚手で密着しないタイプが望ましい。
また、殺虫剤の準備も重要です。ハチ用の殺虫剤は、コバエなど小さな虫のための広がるタイプの噴霧口と異なり、照射角が狭く、ライフルのように遠くから狙い撃ちできるように設計されています。
近づかずに噴射できることで安全が確保しやすいのですが、離れすぎても、的をハズしやすくなってしまいます。
勢いがある分中身がなくなるのも早いため、必ず予備として2〜3本新しいものを用意し、噴霧するときは、休まず一気にハチに吹きつけます。なくなったら直ちにスペアの殺虫剤を追加し、動かなくなるまで噴射し続けてください。
小野さん
一発で狙った場所に当てられなければ返り討ちに遭う危険も高まるので、的に当てられるか事前に練習しておくといいですね。
なお、香水や食べ物など、強い匂いはハチを刺激する恐れがあります。また、スズメバチやアシナガバチは黒い色に反応しやすいため、どちらも身につけないようにしましょう。中途半端な駆除行動は、大変危険です。万全を期して行動してください。
女王バチ1匹であれば、個人でも簡単に駆除できる一方、一旦働きバチが増えてしまうと、個人駆除は難しくなります。
特に巣の全体が見えず、何匹のハチがいるのか、殺虫剤が巣の隅々まで届いたか確認ができない木の空洞や土の中に営巣しているケースでは、働きバチの出入りが確認できた時点で、プロに依頼するのが賢明です。
キアシナガバチの巣の様子(撮影:小野正人、玉川大学教授)
個人駆除できる目安は、ハチの種類によって異なります。アシナガバチは開放型の巣を作るため、巣の様子から何匹いるのかが一目で確認が可能です。働きバチが5〜6匹までなら、適切な安全対策の上、個人でも駆除することができます。
スズメバチの場合は、中は見えませんが直径10〜15センチくらいまでなら、個人で駆除が可能です。
またスズメバチのなかでも、コガタスズメバチは特徴的な巣の形から、働きバチの有無の確認することができます。
コガタスズメバチ初期の巣(画像左)と、働きバチ誕生後のコガタスズメバチの巣(画像右上)。働きバチが誕生後は筒状の部分が削られ、球状になった巣からは1匹の女王バチと5匹の働きバチが確認された(撮影:小野正人、玉川大学教授)
一輪刺しを逆さまにしたような細長い筒状の口のついた形状であれば、働きバチの羽化前といえます。働きバチが誕生すると、働きバチは複数のハチの出入りには不都合な長いトンネル状の巣門をかじり落して巣の形が球状になってきます。数も5、6匹になっているので、要注意です。
すでに個人駆除の限界を超えているコアシナガバチの巣の様子(撮影:小野正人、玉川大学教授)
地域やハチの種類によっても前後しますが、働きバチが活動するようになると、巣もどんどん大きくなるため、遅くても7月中旬が個人で対処しうる限界といえます。
なお、昼間に駆除作業をすると、駆除中に戻って来たハチに襲われたり、巣を探して戻りバチが飛び回ってしまったりすることも引き起こしかねず、危険です。
駆除作業は必ず夜に作業してください。ただし、取り逃がしてしまうと飛び出したハチは光に集まるので、家の中に飛び込んでこないように留意しましょう。
準備万端で臨んでも、万一刺されてしまったらどうすればよいのでしょうか?
小野さん
まずは、一目散にその場から離れましょう。
スズメバチの毒には、仲間に敵がいることを知らせる警報フェロモンが含まれています。
このフェロモンのにおいを嗅ぎつけた仲間が集まる前に、その場を離れないと集団で襲われ、さらに刺されてしまう恐れがあるため大変危険です。
まずは20m以上離れ、ハチが追ってこないことが確認できたら、ポイズンリムーバーで毒を吸い出してください。
ポイズンリムーバー使用のイメージ
ポイズズンリムーバーがなければ指で押さえながら毒を搾り出しましょう。このとき、きれいな冷たい水で洗い流しながら行うと効果的です。
小野さん
ポイズンリムーバーは他の虫に刺されたときや、棘抜きなど、アウトドアの他のシーンでも役立つので、ぜひ準備しておくといいですね。
刺された後、蕁麻疹や息苦しさ、吐き気などの全身症状が現れた場合には、ショック症状が起きている可能性があります。必ず皮膚科やアレルギー科のある病院を受診してください。
駆除で最も危険なのは、駆除しそこねたときに起きる二次被害です。駆除のために殺虫剤を吹きかけることは、ハチの防御行動を引き起こす最も強い刺激。失敗すれば反撃されてしまいます。
夜の作業で殺虫剤から逃れた個体が、明かりに引き寄せられて部屋に入ってしまうケース、全滅させる前にスプレーの中身がなくなり、返り討ちに合うケースなど、個体数が増えれば、生き残るハチが出る可能性も高まるため、周りに被害が及ぶリスクも高まります。
7月半ばになるとハチの数も爆発的に増え、巣も急激に大きくなります。数は種によって異なりますが、日本で最もよく見られるキイロスズメバチの場合、ピーク時の8月には、働きバチは最大で1000匹以上になることもあります。
軒下の高い部分など、作業が難しい場所に作られた場合には、無理は禁物(撮影:小野正人、玉川大学教授)
また、手が届かない高所など、作業が困難な場所に巣がある場合の個人駆除は大変危険です。一発で駆除し切れない状態であれば、早めにプロに依頼しましょう。
スズメバチやアシナガバチが巣作りする5月ごろ、ミツバチの大群が庭木や公園、信号などにボールのように丸まって取りついている姿が見られることがあります。
大量のハチが1カ所に集まっているので、見た目はちょっと怖いですが、これは巣作りではなく、ミツバチの「分蜂」と呼ばれる現象。
スズメバチやアシナガバチの繁殖期は秋ですが、ミツバチの繁殖期は春。ミツバチは春になると大きくなった群の女王バチが、約半分ほどの働きバチを引き連れて巣を離れ、新たな場所を求めて引っ越しを始めます。
セイヨウミツバチの分蜂群。分蜂は一時的なもので、ここに巣が作られるわけではない(撮影:小野正人、玉川大学教授)
その引っ越し先が決まるまでに一時的な滞在をしているのが、この姿なのです。
小野さん
ハチたちは行き先が決まれば直ちに飛び立つので、通常数時間から数日で自然といなくなります。放っておいても騒ぎにならない場所であれば、そのまま見守っても大丈夫です。
もし、通学路など子どもが刺激を与えてしまう場所であれば、自治体に連絡をいれて対応してもらいましょう。
温厚なミツバチであっても、思いつきで吹きかけた殺虫剤に驚いて飛び回り、服の中に入ってしまったところを捕まえようとすれば、刺されることもあり得ます。
これも、中途半端な対処によって起きる二次被害のひとつです。誰かが不用意に刺激しないように手を打つことが肝要です。
刺されると危険なスズメバチとアシナガバチ。巣を生活の場に作られないためには、予防と早めの対処を心がけましょう。
スズメバチは巣の大きさが15センチ未満、アシナガバチは働きバチが5〜6匹までは、防虫ネットと台所用のゴム手袋、ツルツルの服を着用し、十分に注意した上で、夜間に駆除することが可能。
ただし、殺虫剤は複数本用意し、事前に噴射の練習をすると安心です。
巣の大きさが分かりにくい、作業しにくい場所に巣があるなど、完璧に駆除できる自信が持てない場合は、プロに駆除を依頼すること。
一番のポイントは、できるかぎり早期に巣を発見して、働きバチが活動する前にすみやかに取り除くことと、ハチを取り逃がすような中途半端な対処を絶対に避けることです。
「巣を守る」ことが、人間を刺す理由だからこそ、万全を期して駆除するようにしましょう。
人が生き物である以上、生活の場に自然はつきもの。好きな花だけ、好きな木だけあればいいということではなく、自然環境のメンバーの一員としてさまざまなハチたちがいることを理解しましょう。
虫たちがいなくなれば、虫を食べに来る鳥もいなくなるだけでなく、花粉の媒介もできなくなり、花粉の媒介ができなくなれば、果物も野菜も実や種子を結べなくなり、それらを食べる動物も生きることが難しくなるでしょう。すべての生き物は、目に見えないところでつながっているのです。
スズメバチもアシナガバチも被害がセンセーショナルに取り上げられがちな昆虫ですが、彼女たちは人を刺すためにこの世に生まれてきたわけではありません。
スズメバチもアシナガバチも、巣で育てている子どもたちを捕食者から守るために毒液を進化させてきました。巣が危険にさらされていると感じなければ、彼女たちも人間を刺さずにすみます。
私たちも、なぜハチが人を刺すのか、理由を知ることで不適切な行動を減らし、身を守ることができます。
同じ生き物としての理解を深めながら、お互いの安全な暮らしを守っていけたらいいですね。
※ご紹介した商品は一部店舗ではお取り扱いがない場合がございます。また価格は変更される可能性があります。ご了承ください。
小野さん
ハチが人間を刺す理由は、社会性バチと、単独性のハチとでは異なります。ただしどちらも、蚊やアブのように、産卵に必要な栄養として血を吸うためではありません。