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目次/ INDEX
見た目は小さな恐竜のようですが、実は人懐っこくてかわいらしいイグアナ。爬虫類愛好家のなかでも人気が高く、最近は一般的なペットショップで見かけることも多くなりました。
イグアナはとても頭が良く、愛情を持って接すればハンドリングができるようになる子もいます。しかし気難しい一面もあり、飼育環境が適切でなければ脱皮不全や「くる病」という病気になってしまう恐れも。そのため、お迎え前にある程度の知識を身につけておくことが大切です。
そこでこの記事では、イグアナの飼い方全般を注意点と共にまとめました。イグアナはどのような環境を好み、何を食べ、飼い主さんのことをどう思っているのか? これからイグアナをお迎えする初心者の方に向けて解説します。
主な生息地 | メキシコやコロンビア、アルゼンチンなどの中南米 |
生活様式 | ・昼行性 ・基本的に樹上棲 |
食性 | 草食よりの雑食 |
性格 | 基本的に温厚 |
寿命 | 10~15年 |
イグアナは有鱗目(ゆうりんもく)イグアナ亜目に分類される爬虫類の総称です。生物学上はトカゲと違いありませんが、強いていえば頭部から背中にかけてのタテガミに特徴がある種類が多いといえます。このことから、イグアナには「タテガミトカゲ」という別名もあります。
主に中南米の砂漠や熱帯雨林に生息しており、昼間に行動します。基本的には木の上で生活する樹上棲ですが、餌を求めて地上に降り立つこともよくあります。
なお、ペットイグアナの代表格であるグリーンイグアナは、1匹のオスが複数のメスを呼び寄せて縄張りを作るハーレム状態で暮らしています。
イグアナは基本的に雑食で、「肉食寄りの雑食」もいれば、「草食寄りの雑食」もいます。ペットとして人気の種類はほとんどが草食寄りの雑食であり、木の葉や花、果実などを食べます。トカゲの飼育にはマウスやコオロギなどの生き餌が必要なこともあるため、そういった生き物の用意が苦手な方には安心といえるでしょう。
見た目とは違い温厚な種類が多く、そこがギャップとなってかわいらしさが引き立ちます。しかし警戒心は強いため、むやみにコミュニケーションを取ると噛みつかれるかもしれません。また、発情期のオスは凶暴で、飼い主さん相手でも容赦なく攻撃してくることがあります。
とはいえ、イグアナを含むトカゲは知能が高く、飼い主さんを特別な存在として認識してくれることが多いです。「イグアナが嫌がることはしない」「近寄ってはならない時期にちょっかいを出さない」など、基本的な配慮さえしていれば、性格の問題で飼育に悩むことは少ないでしょう。
ペットとして飼われる種類の多くは10~15年生きることが多いですが、長生きするか早くに亡くなるかは飼育環境によります。早ければ2年ほどで亡くなる子もいるため、愛情を込めて暮らしやすい環境を整えてあげましょう。
初心者の方でも比較的飼いやすい、またはペットとして人気のあるイグアナを数種類、紹介します。
大きさ | 150~180cm |
性格 | 温厚 |
寿命 | 10~15年 |
値段 | 3,000~1万円 |
単にイグアナといえばグリーンイグアナのことを指すほど、ペットの代表格といえる種類です。流通量・取扱店・飼育者数のいずれも多いため、飼い方のコツや注意点といった情報を入手しやすいのがメリットです。
名前の通り体色のグリーンが特徴ですが、グリーン一色の成体は珍しく、赤褐色や茶褐色などさまざまな色も見られるのが一般的です。そのため、グリーンの割合が多いきれいな個体は高値で販売される傾向があります。
幼体の頃は手のひらサイズですが、成体になるとオオトカゲにも匹敵する2m級のサイズになります。自宅で本当に育てられるのか、飼育スペースを考慮に入れてお迎えしてください。オスよりもメスのほうが小さいため、少しでも小さなサイズをお求めの方はメスを選んではいかがでしょうか。
大きさ | 150~180cm |
性格 | 温厚だがグリーンイグアナより気が荒い |
寿命 | 10~15年 |
値段 | 5~10万円 |
ブルーイグアナは青系のグリーンイグアナをかけ合わせて作出した改良種です。飼い方はグリーンイグアナと変わりませんが、グリーンイグアナよりやや気が荒い傾向があります。
もっとも大きな違いは価格で、5~10万円ほどで販売されていることも珍しくありません。また、ブリーダーの繁殖具合によっても変動します。
大きさ | 150~180cm |
性格 | 温厚だがグリーンイグアナより気が荒い |
寿命 | 10~15年 |
値段 | 5,000~1万円 |
ブルーイグアナと同じく、グリーンイグアナから生まれた改良種です。鮮やかな赤やオレンジ色をしており、茶褐色が強い個体もいます。
ブルーイグアナとは違って流通量が安定している傾向にあるため、5,000~1万円ほどでお迎えできることが多いでしょう。
飼い方はグリーンイグアナと変わりませんが、やはりグリーンイグアナよりやや気が荒い個体が多いようです。
大きさ | 40~50cm |
性格 | 温厚 |
寿命 | 8~10年 |
値段 | 5,000~1万5,000円 |
サバクイグアナは中央アメリカの砂漠地帯に生息するイグアナです。丸い頭と凹凸の少ない顔がチャームポイントで、白、グレー、茶色、淡いピンクなどさまざまな体色が見られます。また、成体でも40cmほどまでしか成長しないため、小型のイグアナを飼いたい方や、広い飼育スペースの確保が難しい方におすすめできます。
砂漠出身の分、暑さと乾燥には強いですが、寒さには弱いため温度調整への気配りは重要です。なお、基本的には草食ですが、幼体のうちは成長を促すためにコオロギなども与えるとよいでしょう。
大きさ | 50~60cm |
性格 | 温厚 |
寿命 | 10~15年 |
値段 | 1万~1万5,000円 |
コーンヘッドイグアナは、名前の通り頭の形がコーンのように伸びているイグアナです。
体長は最大でも60cmほどと小柄で、体格もスリムなことから、小さなイグアナを求めている方におすすめできます。きれいなグリーン色をしており、頭と体にグレーの筋模様が見られるのも特徴です。
熱帯雨林のような高温多湿の環境を好むため、温度・湿度調整には気を配る必要があります。また、木の上が大好きなので、登り木を組み合わせて動き回れるようなレイアウトにしてあげると喜びます。
大きさ | 30~40cm |
性格 | 温厚 |
寿命 | 10~15年 |
値段 | 1万~1万5,000円 |
マダガスカルミツメイグアナは、マダガスカルに生息している体長30cmほどのイグアナです。トカゲや両生類、魚類などが持つ「頭頂眼」が、成体になっても明瞭に残っているのが特徴です。
頭頂眼は普通の眼球と同じく水晶体、硝子体、網膜、視細胞、視神経で構成されており、物を見ることはできませんが、色や明るさの感知は可能です。マダガスカルミツメイグアナはこの「第三の目」を使い、太陽の位置を確認しているといわれています。
特徴的な見た目と能力を有していることから人気が高いわりに、販売価格は1万円前後とお迎えしやすい値段といえるでしょう。
大きさ | 約50cm |
性格 | 温厚 |
寿命 | 10~15年 |
値段 | - |
ハガクレカメレオンイグアナは、森林に住むカメレオンに似たイグアナです。見た目も生態もカメレオンのようで、左右の目を別々に動かすこともできます。また、木登りが得意であり、長い尾を器用に枝に巻きつけたり、アクロバティックな動きを見せたりしながら素早く移動します。この様子から、英名では「モンキーリザード」と呼ばれています。
性格が温厚なので接しやすく、慣れればハンドリングもできるようになるでしょう。しかし流通量が安定しておらず、爬虫類専門店に行かないと出会いないかもしれません。
大きさ | 約40cm |
性格 | 温厚 |
寿命 | 10~15年 |
値段 | 1万~2万円 |
キタチャワクラはアメリカ合衆国の南西部に生息している、体長40cmほどの小型のイグアナです。丸くずっしりとした肥満にも見える体型をしており、特に身を護るときは体を大きく膨らませる習性があります。
体躯に加え、鎧のような鱗から凶暴で強そうに見えますが、性格は穏やかな個体が多く、初心者の方でも触れ合いやすいでしょう。ただし、砂漠出身なことから、温度管理には特に配慮してあげる必要があります。
大きさ | 60~70cm |
性格 | 臆病 |
寿命 | 約10年 |
値段 | 5,000~1万円 |
中央アメリカの熱帯雨林に生息するグリーンバシリスクは、体長約60cmの小型のイグアナです。頭・背中・尻尾に大きく広がった帆を背負っている姿は恐竜のようで、イグアナ愛好家から人気が高いです。また、足の皮膚にある「ふさ」をうまく使うことで水上を走れるという特殊能力を持つことから、「キリストトカゲ」という別称もあります。
性格は臆病で警戒心が強く、飼い主さんは時間をかけてコミュニケーションを取る必要があります。手塩にかけて育ててもハンドリングするまでには至らないかもしれませんが、鑑賞性が高いことから初心者の方にも人気です。
初めてイグアナをお迎えする方は、種類のほかに「健康かどうか」にも注目することをおすすめします。初めから病気がちな個体はお迎えしてからも元気がないことが多く、平均寿命より早くお別れが来るかもしれません。
こうした点をじっくり観察したうえで、気になることがあれば必ずスタッフに確認しましょう。
ここでは、グリーンイグアナを飼育するケースを基本例に、イグアナを飼う場合に必要な道具を解説します。必要な道具一覧は次の通りです。
飼育ケージは、イグアナがくつろげる広さと、登り木を設置できる高さのあるものを用意しましょう。幼体であれば60cmほどの飼育ケージでも育てられますが、グリーンイグアナの成体は150~180cmにまで成長します。しかもすぐに大きくなるため、最初から大きな飼育ケージを導入するほうが合理的といえます。
とはいえ、特大サイズの飼育ケージは商品化されていないことが多く、特注や自作の道を選ぶ方が一般的です。あるいは、飼育ケージは用意せず、イグアナ専用の部屋やスペースを作って放し飼いをする手もあります。
なお、餌やりや掃除の際に飼育ケージ内に手を入れることになりますが、上から手を入れる作りだとイグアナを緊張させてしまう可能性が高いです。爬虫類用ケージでよく採用されている、扉開きや引き戸のケージのほうが懐きやすくなるでしょう。
イグアナは基本的に樹上棲のため、登り木は必須です。上下運動をすることで運動不足の解消にもなります。
高さや枝のある登り木を1本用意するか、数本を組み合わせてアスレチックができるような環境を作ってあげるとよいでしょう。
放し飼いをしている場合は、高さのあるタンスやラックを置いてあげると、その上に登って遊びます。ただし鋭い爪を引っ掛けながら登るため、家具に傷がいくことは覚悟してください。
水飲み場として、または水浴び場として水容器が必要です。体が浸かるぐらいの深さのある容器がおすすめです。
イグアナに限らず、昼行性の爬虫類は紫外線を浴びることで骨の育成に必要な成分を作っています。紫外線不足だと骨が軟化する「くる病」になってしまうため、紫外線ライトは必須アイテムです。イグアナが自由に避けられる、あるいはライトを直視しないようなところに設置してあげましょう。
また、イグアナが寒さを感じたときに温まれるよう、バスキングライトでホットスポットを用意してあげてください。日中は30℃前後、夜間は25℃程度に設定するのが目安です。登り木の上に設置してやるとよいでしょう。
床材は必須ではありませんが、ペットシーツや新聞紙を敷いておくと、フンや餌の食べ残しなどで汚れた際に手間なく交換できます。
グリーンイグアナの主食には野菜を与えてください。飼い主さんがよく選んでいるのは、コマツナ、水菜、チンゲンサイ、ニンジン、カボチャなどです。
白菜やレタス、ホウレンソウ、タマネギなど、主食には適さないとされる野菜もありますが、飼育経験を積まないとわからない部分もあるため、さまざまな野菜を食べさせるのがポイントです。単品ではなく、野菜セットを作ってあげましょう。
また、栄養バランスが偏よらないよう、副食として果物やイグアナ用の人口フードを与えるのもおすすめです。
引き続き、グリーンイグアナを代表例とした飼い方を紹介します。初心者の方でも簡単にできることばかりなので、ぜひ参考にしてください。
餌は前述のとおり野菜を主食とします。カルシウムが多く含まれている野菜を選びましょう。万が一のカルシウム不足を補うために、野菜の上にサプリメントをまいたり、イグアナ用の人口フードも一緒に混ぜておいたりすると安心です。
餌の量は「一度に食べ切れるくらい」という指標にならない言葉になりますが、人間でもそうであるように、個体によって食事量が異なります。はじめは大皿やタッパーが埋まるほど盛るなど多めに与え、徐々に食べ切れる量を見極めるとよいでしょう。なお、食べ残した野菜は痛みやすく、イグアナのフンや尿が付いている場合もあるため廃棄してください。
餌の頻度は1日1~2回が目安です。しかし、これもイグアナの年齢やそのときの気温、体調などによって異なります。定期的に体重測定をし、体重の増減が激しければ量・頻度を調節してください。
ご飯タイムは飼い主さんが堂々と(?)コミュニケーションを取れる時間です。たまには野菜を口の前に持っていってあげるなどし、信頼関係を築きましょう。
スキンシップするうえで大切なことは、絶対にストレスを与えないことです。四六時中、観察したり、上から突如つかんだりすると嫌われる可能性が高いでしょう。イグアナを気遣い、優しく話かけながら、ゆっくりとした動作で触れ合うようにしましょう。
慣れてくれれば抱っこすることも、散歩することもできます。抱っこをする際は鋭利な爪が腕や肩に食い込むことがあるため、定期的に爪切りすることをおすすめします。ただし、発情期のオスは気性が荒く、触れ合えません。
散歩は、いきなり外に連れ出すのではなく、まずは室内からはじめてください。飼育ケージの外の世界にある程度慣れてから連れていくと、イグアナがパニックになる確率を下げられます。なお、外の散歩では胴輪とリードは必須です。
イグアナのような大型のトカゲは排泄物が大きく、放っておくとあっという間に飼育ケージ内が不衛生になります。自分の排泄物と同居するのはイグアナにとっても大きなストレスになるため、こまめに掃除してあげましょう。
清潔を心がけるのは飼い主さんの健康にとっても大切です。イグアナなどの爬虫類はサルモネラ菌を保菌している恐れがあり、人間が感染すると嘔吐や下痢などの中毒症状が出ることもあります。イグアナを触った後や、イグアナの飼育ケージを掃除した後はよく手を洗いましょう。念には念を入れ、室内散歩でイグアナが歩き回ったところも消毒しておくと安心です。
イグアナはとても賢く、根気よくしつければトイレの場所を覚えるといわれています。トイレをしつけるコツは、トイレをさせたい場所に排泄物を持っていき、においを覚えさせることです。
また、イグアナはきれい好きなため、足や尾が汚れないきれいな場所を作ってやると、そこを好んで用を足すことがあります。トイレにして欲しい場所にはきれいな新聞紙やペットシーツを引いてあげるとよいでしょう。
ただ、トイレを覚えるかどうかは個体差によることが多いです。どうしても覚えてくれない子もいますが、だからといって叱りつけるのは止めてあげてください。
野生のイグアナやトカゲは、水浴びしたいときにいつでもできる環境で暮らしています。飼育下では大きめの水容器がその役割を果たしますが、飼育下ならではのケアとして使われるのが、ぬるま湯(30~35℃程度)での温浴です。
温浴をすることでイグアナがリラックスし、体がきれいになり、食欲も上がり、活発になります。脱皮を促進させる効果もあるため、最低でも週に1度くらいは温浴をさせてあげてください。
時間は5~10分、長くても15分程度が目安です。ただし、なかには温浴を嫌がる子もいるため、無理やりさせるのはNGです。
ライト類は朝起きたら点灯してください。イグアナの飼育適温は30℃前後なので、バスキングライトのほか、エアコン、保温球、ヒーターなどを補助的に用いて過ごしやすい温度を保ってあげます。バスキングライトで作る局所的に温かい場所(ホットスポット)は37~40℃程度で問題ないでしょう。また、天気の良い日は窓際やベランダで日光浴をさせてあげるのもおすすめです(ただし脱走に要注意です)。
温度だけでなく、湿度に気を配ることも大切です。湿度の目安は50~70%といわれています。飼育ケージ内を霧吹きで濡らしたり、週に数度の温浴をさせてあげたりし、多湿の環境を保ってあげましょう。予算が許せば加湿器を導入するのもおすすめです。
上手な飼い方とも関連しますが、ここでは注意点という視点からイグアナの飼育方法を解説します。特に病気関連は、知っていないと「調子が悪いだけかな?」と軽く考えがちなので要注意です。
イグアナのオスは縄張り意識が強いため、同じ空間で飼育すると大喧嘩する可能性が高いです。多頭飼育がしたければメスをお迎えしましょう。
雌雄の区別は生後から約一年経たないと見分けにくいですが、チェックポイントとしては以下の点が挙げられます。
ペット数や種類を全体で見ると、イグアナを飼っている方は多いとはいえません。ペットとして1番人気のグリーンイグアナでさえマイナーといえ、診察してくれる動物病院も限られます。イグアナをお迎えする前に、アクセスしやすい場所に動物病院があるかを確認しておきましょう。
また、病気かどうかを見抜くために、イグアナがかかりやすい病気の知識を身につけておくことも大切です。基本的にはトカゲと同じですが、代表的なものをいくつか紹介します。
脱皮がうまくいかず、古い皮が残ります。放っておくと血行障害の原因になり、最悪の場合は細胞が壊死します。温浴などで皮膚をふやかし、ピンセットで優しく取ってあげるなど飼い主さんが脱皮を手伝ってあげる方法もありますが、自信がなければ獣医師に相談しましょう。
手足が腫れたり、歩き方に異変が見られたりしたら、骨疾患の疑いがあります。多くは紫外線不足や運動不足、あるいは栄養不足など、不適切な生活環境の結果です。後遺症が残る恐れがあるため、速やかに獣医師に診せましょう。
多頭飼いでの喧嘩を起こさなくても、イグアナがけがをすることはあります。たとえば、脱出を試みて頭部周辺をぶつけたり、家具の角などで体が傷ついたり、あるいは飼い主さんが尾を踏んでしまったりなどのケースです。
たとえ外傷を負ってもトカゲならではの再生能力で治癒できますが、厄介なのは内部で炎症を起こしているケースです。やがてそれは腫瘍とあり、筋組織を傷つけるほか、骨に悪影響を及ぼすかもしれません。
何らかの原因で寄生虫に感染し、脱水やショック症状に陥ることがあります。寄生虫がいるかどうかは外見上ではわからないため、様子がおかしければ早急に動物病院を受診しましょう。
なお、国内の飼育個体から中南米原産の寄生虫が発見された例はあり、沖縄県・石垣島に定着した野生のグリーンイグアナの体内からも発見されています。人体に影響があるかは定かではありませんが、イグアナに触れた後はよく手を洗うなど、飼い主さんも細心の注意を払ってください。
小さな子どもならではの好奇心が、イグアナにとってストレスの素になりかねないシーンがあります。たとえば、イグアナにとって嫌なところを触られたり、そっとしておいて欲しいときに近寄ってきたり……。不機嫌になったイグアナが攻撃に転じると、鋭い爪と歯で子どもがけがをしてしまう可能性が高いです。
事故を未然に防ぐためにも、イグアナが飼育ケース外にいる場合は、小さな子どもを近づけないようにしましょう。なお、もしイグアナが子どもを攻撃してしまっても、イグアナに罪はないので叱らないでください。
イグアナを部屋で放し飼いする場合は、背の高いタンスやラックなど、イグアナが登りたくなる場所を作ってあげてください。そこに紫外線ライト・バスキングライトを置き、水飲み場も設け、イグアナがくつろげる空間を演出します。高い場所にアクセスしやすくなるネットを張ったり、簡易スロープを作ったりと、イグアナが自由に移動したくなる場にすることがポイントです。
ただし、イグアナが家具や壁紙などを傷つける可能性は大いにあります。また、部屋に固形物のゴミなどが落ちていると、それを口にして消化不良を起こすこともあります。
窓がある部屋では、必ず鍵を締めることもお忘れなく。イグアナはとても賢く器用で、窓を開けられることがわかると脱出を試みる可能性が高いためです。
イグアナの放し飼いはケージ内よりものびのびした生活を送れますが、飼い主さん側で注意・管理する点が増えることを頭に入れておきましょう。
イグアナは非常に頭が良く、飼い主さんを認識し、飼い主さんの感情も理解するトカゲです。犬や猫ほど感情を表す生き物ではありませんが、長く一緒にいるほど感情の機微などがわかるようになり、ますますかわいらしく見えてくるでしょう。
トカゲに付き物といえる、生きた昆虫や冷凍マウスを与えるハードルの高さもありません。野菜や果物だけですくすくと育ち、お皿に持った餌をおいしそうに平らげてくれます。
こまめに掃除していればにおうこともなく、抜け毛もなく、鳴くこともないため、「ペット飼育応相談」の集合住宅でも交渉しやすいでしょう。
今回はグリーンイグアナを中心に上手な飼い方を紹介しましたが、ほかの種類でも基本的な飼い方は同じです。大きさ、見た目のカッコ良さ、販売価格など、お迎えするイグアナを選ぶポイントはさまざまありますが、ぜひこの機会にイグアナとの生活をスタートさせてみてはいかがでしょうか。
※専門家・有識者のみなさま
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