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誰でもできるダンゴムシの飼い方! 必要なものや意外と知らない注意点とは

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監修者:UNLOVED代表 河合 上総

監修者:UNLOVED代表 河合 上総

サソリ、タランチュラ、ダンゴムシなど、世間一般から忌み嫌われる"UNLOVED"達を販売する専門ショップの代表。"LOVE THE UNLOVED"という言葉をモットーに、UNLOVEDがLOVEDになるべく努める日々。タランチュラやサソリ、ダンゴムシといった奇蟲をメインとしながら、その他の爬虫類や哺乳類も少数取り扱う。

公園など身近な場所でよく見かけるダンゴムシ。触るとクルッと丸まるところがかわいいと子どもたちに人気です。「持って帰りたい!」「飼ってみたい!」という気持ちが芽生えるお子さんもいるのではないでしょうか。

そこで今回は、ダンゴムシの飼い方を詳しく解説します。必要なもの、上手な育て方、弱らせないようにする注意点などを幅広く紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ダンゴムシってどんな生き物?

ダンゴムシってどんな生き物?

ダンゴムシは「虫」と呼んでいますが昆虫ではありません。エビやカニと同じ甲殻類の仲間であり、ワラジムシ目に分類されています。

人家の周辺や公園内の土などでよく見かけるのは「オカダンゴムシ」という種類で、ヨーロッパ原産の外来種です。明治時代に舟の積荷にまぎれてやってきたといわれています。一方、日本固有の種には「コシビロダンゴムシ」の仲間や「ハマダンゴムシ」の仲間がいますが、コシビロダンゴムシは森林、ハマダンゴムシは海浜域に住むため、あまり知られていません。

見た目の特徴

ダンゴムシの体の構造

ダンゴムシは14の体節(胴体を形づくるブロック)からなり、一つ一つの節は甲羅のようなもので覆われています。脚は、幼体のうちは左右合わせて12本ですが、数度の脱皮を経て14本に増えます。

頭部には複眼を持ちますが、数はさほどないため視力が良いとはいえません。空間感知は二つの触覚が担っており、私たちが肉眼で確認できるのは第2触角と呼ばれるほうです。第1触角は非常に小さく、虫メガネを使ってようやく観察できるほどのサイズです。

子どもや昆虫好きの方には人気者ですが、気持ち悪いと感じる方も多く、屋内に侵入して栽培中の植物を食べて荒らすこともあるため、「不快害虫」「農業害虫」のレッテルを貼られがちです。しかし、ダンゴムシは枯れ葉や昆虫の死骸などを食べて土に帰す「分解者」の構成員であり、豊かな土壌を作るのに一役買っています。

エサや寿命などの主な生態

オカダンゴムシは分解者であるため、基本的には雑食です。枯れ葉を食べることが多いですが、動物や昆虫も死骸のほか、地面に落ちた果実なども食料としています。

一般的には夏頃から秋にかけて繁殖し、寒くなると石や落ち葉の下に潜り込んで冬眠します。交尾後のメスは、お腹の中にある保育嚢(ほいくのう)という器官内で卵を育てるのが特徴。一度に生まれる赤ちゃんダンゴムシは100匹前後で、ある程度まで大きくなると外に出ます。

成虫になるまで7回ほど脱皮を繰り返して大きくなりますが、幼虫時の死亡率は高いといわれています。脱皮の失敗、あるいは外敵による捕食のせいなのか、詳しい原因や死亡する割合はよくわかっていません。

約1年間かけて成虫になり、その後は3~5年生きるといわれています。寿命を全うしたダンゴムシの死骸はカビに分解され、自然の生命を育む一部となります。

ダンゴムシはなぜ丸くなるのか?

ダンゴムシが団子のように丸くなるのは自己防衛のためです。弱点である頭やお腹を守るために、丸まってガードしています。

どうしてあのように丸まれるのか?という疑問は、前述した体節というブロックで構成されているからであり、それらがキャタピラーのように滑らかにつながっているためです。

なお、もしダンゴムシを驚かしても丸まらない場合は「ワラジムシ」という別種である可能性が高いです。

河合 上総さんプロフィール画像

河合さん

ただし、実は丸まるのが苦手な種類のダンゴムシもいます。

ダンゴムシの採集は簡単!

ダンゴムシの捕獲は簡単!

ダンゴムシを取り扱うペットショップもありますが、海外産の珍しい種類を望んでいないのであれば、自分で捕まえにいくほうが早いでしょう。動きが遅く、驚かせると丸くなって動かなくなるので簡単に採集できるでしょうが、効率よく捕まえるコツもあります。

ダンゴムシがよくいる場所

ダンゴムシは暗くジメジメした場所が大好きです。植木鉢や落ち葉の下、石の裏、ブロック塀の隅っこなど、湿気が多そうなところを探しましょう。

ダンゴムシを捕まえるのにあると便利なもの

素手でも捕まえられますが、直接触りたくないという方は、市販のお弁当などに付いてくる使い捨てのスプーンがおすすめ。ダンゴムシを見つけたら優しくすくい、虫カゴに入れます。

虫カゴがない場合は、プラスチック容器やペットボトルなどで代用しても構いません。ただし、密閉すると酸欠になる恐れがあるので空気穴は確保してあげましょう。

ダンゴムシは夜行性

ダンゴムシは夜行性なので、日没後のほうが簡単に採集できます。ただし、夜は歓迎していないほかの虫も活動的になるのが難点です。ムカデといった危険な虫に遭遇する可能性もあるため注意しましょう。

ダンゴムシを飼うために必要なもの

ダンゴムシを飼うために必要なもの

ダンゴムシを手に入れたら、快適に生活できる環境を用意してあげましょう。必要なものは次の通りです。

  • 飼育ケース
  • 落ち葉や木の枝、石など
  • エサ
  • 水分

飼育ケース

飼育ケースはプラスチック容器、ペットボトル、紙パックなどでも飼いまいません。しかし、せっかくペットとして飼うのですから、じっくり観察できるケースをおすすめします。下記は、大きなフタで中身が観察しやすい点が特徴です。

ダンゴムシの採集は簡単!で紹介したひも付きのケースがある場合は、そのまま飼育ケースとして使えます。

土はダンゴムシを見つけた場所の土で十分ですが、なかには勝手に掘ってはダメな場所もあります。また、感染症を媒介する虫など、歓迎しない生き物が紛れ込むケースもゼロではありません。

そこで役立つのが、昆虫用に販売されている腐葉土です。目の荒いもののほうが、ダンゴムシが潜りやすくておすすめ。

なお、植物用の土でも構いませんが、農薬が入っている場合があるためよく確認しましょう。

落ち葉や木の枝、石など

ダンゴムシの隠れ家として、落ち葉や木の葉、枝、小石などを入れてあげます。これらは、ダンゴムシを見つけた場所で採集しても構わないでしょう。

落ち葉や木の葉は土の乾燥を防ぐ効果があるほか、ダンゴムシの食料にもなります。どんどん食べられて数が少なくなったら補充してください。適当なものが見つからない場合は専用の商品も販売されています。

フジコン 木の葉のかくれが

フジコン 木の葉のかくれが

エサ

ダンゴムシは雑食で、基本的に何でも食べます。落ち葉も食べますし、野菜くずなども食べてくれますが、好き嫌いもあるようです。いろいろ与えてみて好みを把握するのも、ダンゴムシを飼う楽しみの一つでしょう。

野生のダンゴムシは虫の死骸も食べているため、動物性タンパク質やカルシウムも与えたい場合は、にぼし、鰹節、チーズなどが定番です。ほかに、栄養価の高い食料として金魚のエサを与える方もいます。大量に与える必要はないので、ペットボトルのキャップなどをエサ皿にし、少しだけあげるとよいでしょう。

水分

ダンゴムシはじめじめとした場所が好きなので、乾燥は大敵です。飼育ケージ内が乾かないよう、床材の土を湿らせておきましょう。霧吹きを使うと便利ですが、落ち葉などが舞い上がらないよう、近くで噴射しすぎないようお気をつけて。

貯水できる便利アイテムとして、水苔を入れるのもよいでしょう。

ダンゴムシの上手な飼い方と注意点

ダンゴムシの上手な飼い方と注意点

必要なものがそろったところで、ダンゴムシを上手に育てる飼い方を注意点を併せて解説します。

以下は、本土でよく見られるオカダンゴムシの飼育法です。種類によって飼育法が異なりますので注意してください。

土の深さは3~5cmが目安

飼育ケースに土・腐葉土をセットします。土の深さは1cmほどでも構いませんが、多いほうがケース内の環境が変化するのを抑えられます。

河合 上総さんプロフィール画像

河合さん

なるべく分厚く敷いたほうがよいでしょう。

霧吹きで2~3日に1回は保湿する

ダンゴムシにとって乾燥は大敵です。ダンゴムシを入れる前に、霧吹きなどで飼育ケース内を濡らしておきましょう。ダンゴムシを捕まえた環境のように、しっとりとする程度で構いません。

飼育ケースの置き場所によってはすぐに乾燥する場合もあります。最低でも2~3日に1回は土の状態をチェックし、乾燥していたら霧吹きをかけてあげてください。

ダンゴムシに水を直接かけない

湿度が大事だからといって、あまりに水浸しにしたり、ダンゴムシに水を直接かけたりするのはNGです。ダンゴムシが息を吸うお腹部分に水が入ると溺れる恐れがあります。

虫カゴ以外の飼育ケースには空気穴を

飼育ケースに瓶やタッパー、発泡スチロールといったフタ付きの入れ物を使う場合は、フタに空気穴を開けておきましょう。ダンゴムシが酸欠になる恐れがあります。ラップ等でフタをする場合も同様です。

「フタをしなければよいのでは?」と思うかもしれませんが、フタなしでは乾燥を早めてしまいます。また、ケースの素材によってはダンゴムシが登れ、脱走につながります。

こまめに掃除する

ダンゴムシは手のかからないペットですが、たまには飼育ケース内を掃除してあげないとカビが発生します。

フンは、ある程度なら分解されますが、飼育ケースが狭いとフンだらけになり、見た目もよくありません。こまめに取り除いたほうがよいでしょう。

食べ残しのエサはさらに要注意です。エサはこまめに交換する、小皿に入れ、直接土と触れないようにするなど工夫すれば、カビの発生を予防できます。

触りすぎない

触ったり突いたりすると丸くなる姿はかわいらしいものの、ダンゴムシ本人は命の危険を感じています。構いすぎはダンゴムシを弱らせる原因になるため、ほどほどにしてあげてください。

もっと知りたい! ダンゴムシの飼い方Q&A

もっと知りたい! ダンゴムシの飼い方Q&A

ダンゴムシの飼い方についてよく頂く質問をQ&Aにしてまとめましたので、役に立ちそうであればぜひ参考にしてください。

Q.ワラジムシとの違いは何ですか?

A.ワラジムシはダンゴムシの親戚のようなもので、ごく親しい仲間です。住処・見た目・自然界での役割なども非常に似ており、見分けがつきにくいでしょう。

手っ取り早く違いを確認したい場合は、刺激を与えてみることです。丸まったらダンゴムシ、丸まらずに足早で逃げたらワラジムシです。ワラジムシが丸まらない理由は、外敵から身を守る手段として「逃げ足を磨くこと」を選び、進化したためだといわれています。ただし、前述のように、丸まるのが苦手な種類のダンゴムシもいます。

Q.子どもが青いダンゴムシに興味を示しているのですが、どうやったら飼えますか?

A.狙って捕まえるのは難しいでしょうが、青いダンゴムシは鳥が多くいそうな海に近い公園や防風林などでよく見られるようです。また、通常のダンゴムシよりも日向を好むため、明るい場所を探してみてはいかがでしょうか。

ちなみに……青いダンゴムシは、鳥のフンを食べて「イリドウイルス」という病原体に感染した病気の個体です。明るい場所に出ていくのはウイルスによって行動を支配されているからで、外敵に捕食されることでウイルスの勢力が拡大するという仕組みです。なお、たとえ食べられずに済んでも、病気が進行して1~2か月で死ぬともいわれています。

イリドウイルスは人間に感染することはありませんが、ダンゴムシ同士では感染することがあるため、同じ飼育ケースで飼う場合は注意してください。

Q.ダンゴムシを繁殖させるコツを教えてください

A.同じ飼育ケースでオスとメスを複数匹飼えば、特別な管理をしなくても交尾・繁殖してくれるでしょう。

オスとメスを見分ける方法ですが、本土で一般的に見られるオカダンゴムシであれば、まず背中を観察します。オスは背中が真っ黒で、メスはやや金色を帯びているのが一般的です。ただ、色には個体差があるため、より正確に判別するには生殖器を調べましょう。お尻の裏側を見て、白く縦に伸びる管のようなものがあればオス、何もなければメスです。交尾後のメスはすでに黄色い卵を持っていることもあります。

ダンゴムシのメス

メス

ダンゴムシのオス

オス

エサや寿命などの主な生態でも述べましたが、赤ちゃんはメスのお腹にある保育嚢の中で育ち、頃合いになれば皮を破って出てきます。体は真っ白で、脚の数もまだ12本です。脱皮を繰り返して徐々に大きくなっていきます。食べ物は大人と変わらず、落ち葉や野菜くずなどで構いません。

ダンゴムシに限らず、赤ちゃんは育てるのが難しいものです。残念ながら途中で死んでしまう個体もいますが、それは自然下でも同じこと。「エサを絶やさない」「乾燥させない」「掃除を怠らない」など、基本的なお世話をしながら成長を見守ってください。

国内外のさまざまなダンゴムシ

紹介したオカダンゴムシ以外にも、国内外にはさまざまなダンゴムシがいます。ここでは、その一部を簡単に紹介します。

ネッタイコシビロダンゴムシ(サウザンリュウキュウグレー)

ネッタイコシビロダンゴムシ

  • 原産:南琉球の各島々
  • 飼育難易度:易しい
  • 繁殖難易度:易しい

ネッタイコシビロダンゴムシは、南琉球に分布するコシビロダンゴムシの仲間です。南琉球の島々ではこの種に近いものが発見されており、特に八重山諸島に生息するものは頭に「ヤエヤマ」とつけて呼ばれています。

飼育難易度は易しく、紹介したオカダンゴムシと同様の飼い方で問題ありません。繁殖スピードも非常に早いです。ただし、オカダンゴムシより乾燥には弱いので保湿をしっかりしましょう。

トナキネッタイコシビロダンゴムシ(トナキパープル)

トナキネッタイコシビロダンゴムシ(トナキパープル)

  • 原産:渡名喜島
  • 飼育難易度:易しい
  • 繁殖難易度:易しい

同じくネッタイコシビロダンゴムシの仲間で、渡名喜島に分布する種類です。前述のネッタイコシビロダンゴムシ(サウザンリュウキュウグレー)とよく似たグレー系の体色を持ちますが、本種はやや紫色が強いことから、トナキパープルとも呼ばれています。また、ネッタイコシビロダンゴムシが尾肢がオレンジ色になるのに対し、トナキネッタイコシビロダンゴムシは尾肢にオレンジ色が入らない個体が多いです。

飼い方はネッタイコシビロダンゴムシとほぼ同じですが、樹上性の傾向が強いため、木片を多めに入れてあげることをおすすめします。繁殖させる場合は、初期導入の匹数を多めに入れるとスムーズにいきやすいでしょう。

フチゾリネッタイコシビロダンゴムシ(イリオモテンシス)

フチゾリネッタイコシビロダンゴムシ(イリオモテンシス)

  • 原産:八重山諸島
  • 飼育難易度:易しい
  • 繁殖難易度:易しい

八重山諸島に分布するフチゾリネッタイコシビロダンゴムシは、甲羅の辺縁がやや反り返っているのが特徴です。体色には個体差があり、全身がグレーのものもいれば、胸部第1関節および尾部がオレンジに発色する個体もいます(なお、八重山諸島にはヤエヤマネッタイコシビロダンゴムシもいます)。

飼育・繁殖ともに難易度は低く、乾燥に注意すれば問題なく飼育を楽しめるでしょう。

オキナワネッタイコシビロダンゴムシ(オキナワタイガー)

オキナワネッタイコシビロダンゴムシ

  • 原産:沖縄本島
  • 飼育難易度:普通
  • 繁殖難易度:普通

沖縄本島には、体節が淡いイエローと濃いブラウン、背中のオレンジで構成されるオキナワネッタイコシビロダンゴムシが分布しています。模様が虎のように見えることからオキナワタイガーと呼ばれていますが、九州本土や奄美大島にも似た種類が確認されています。

乾燥には特に弱いため、飼育の際には水で浸るくらいの多湿状態にしてください。飼育環境さえ整えば、繁殖はさほど難しくありません。

ミヤコネッタイコシビロダンゴムシ(ミヤコオレンジ/イラブオレンジ)

ミヤコネッタイコシビロダンゴムシ(ミヤコオレンジ / イラブオレンジ)

  • 原産:宮古諸島
  • 飼育難易度:普通
  • 繁殖難易度:普通

ミヤコネッタイコシビロダンゴムシは、宮古島を中心に分布している希少種です。「ミヤコオレンジ」とも呼ばれる鮮やかなオレンジの体節端が特徴ですが、個体差が激しく、グレーやブラックの個体もいます。伊良部島に分布するものを「イラブオレンジ」と呼び、宮古島の個体とは違うような印象を与えますが、大差はないといえます。

希少種のため採集は控えたいところですが、飼育するとすれば、乾燥には要注意です。雨が降った後のような、水で浸るくらいの環境でちょうど良いくらいです。なお、繁殖力はやや弱いため、殖やしたいなら初期導入の匹数を多めにしましょう。

コクヨウコシビロダンゴムシ(ニライカナイ)

コクヨウコシビロダンゴムシ(ニライカナイ)

  • 原産:宮古島
  • 飼育難易度:難しい
  • 繁殖難易度:難しい

宮古島の限られた場所にしか生息しない希少種です。体色はブラックを基調としながら、所々に見られる蛍光色のグリーンやオレンジが映えます。非常に美しいと評判であり、生息地と相まって「コクヨウコシビロダンゴムシ」よりも「ニライカナイ(沖縄の来訪神信仰からくる理想郷)」と呼ばれることのほうが多いです。

飼育難易度は高く、多湿でありながら通気性が良い環境が必要です。また、繁殖力も強くありません。そもそもかなりの希少種のため、野外採集は控えましょう。

アンバーダッキー

アンバーダッキー

  • 原産:タイ
  • 飼育難易度:易しい
  • 繁殖難易度:普通

ネッタイコシビロダンゴムシの仲間で、タイの洞窟などに生息しています。宝石の琥珀のように美しいことから「アンバー(Amber)」、アヒルのようなかわいらしい顔つきをしていることから「ダッキー(Dukkey)」と名づけられました(一部のダンゴムシ愛好家では寿司ネタの玉子とも呼ばれています)。

体色は個体差が激しく、黒い節の数が違ったり、節の中にオレンジやブラックが混ざっていたりする個体が多々います。イエロー部分が白い改良品種は「アンバーダッキーホワイト」、黒い部分が消失した改良品種は「ゴールデンダッキー(ホワイトチークダッキー)」と呼ばれています。

飼い方は特に難しくありませんが、成長スピードや繁殖スピードは遅いといえます。殖やしたい場合は初期導入時にたくさんの匹数をお迎えするとよいでしょう。

ジュピター

ジュピター

  • 原産:タイ
  • 飼育難易度:やや難しい
  • 繁殖難易度:難しい

「木星」を意味するジュピターは、タイ原産の人気種です。中心部は黒く変色しており、体色はイエローが基調。しかし微妙な個体差があり、基調色の違いによって「ジュピターオレンジ」「ジュピターイエロー」「ジュピターホワイト」と区別することもあります。別種というわけではなく、あくまで個体差です。基調色は餌の種類によって変わることも確認されています。

飼育難易度はやや難しく、特に繁殖には苦労するかもしれません。殖やしたい場合は、若い個体を多めにお迎えすると成功率が上がるでしょう。

レモンブルー

レモンブルー

  • 原産:タイ
  • 飼育難易度:やや難しい
  • 繁殖難易度:難しい

縁がレモン色で中心部が黒がかったブルーをしている種類です。ジュピターと同様、基調色には個体差があります。たとえば、胸部第1関節が完全にレモン色の色素変異個体は「イエローフォーヘッド」、全体的に色素が薄い「ホワイト」、中心部の黒がかったブルーが薄い「ブラウン」、体長の1/3がホワイトの「ワンサード」などがいます。体色は餌によって変わる傾向もあるため、いろいろと与えて色の変化を調べてみるのもよいかもしれません。

ワンサード

ワンサード

飼育難易度・繁殖難易度ともにジュピターと同等です。特に繁殖能力は低いため、初期導入の数には気を配ってください。

マンゴースティッキーライス

マンゴースティッキーライス

  • 原産:タイ
  • 飼育難易度:難しい
  • 繁殖難易度:難しい

タイの伝統料理の名がついた人気種。全身が淡いオレンジで、所々に黒点が見られます。飼育難易度は難しく、成長スピードも遅めです。繁殖能力も低いため、初期導入の引数を多くするなどし、確率を上げるとよいでしょう。

ラバーダッキー

ラバーダッキー

  • 原産:タイ
  • 飼育難易度:易しい
  • 繁殖難易度:普通

お風呂に浮かべるゴム製アヒルの名がつけられた人気種。ダッキー系の特徴である、反り返った頭部節がチャームポイントです。

体色の基調は、頭部節および胸部第1節・腹部節端・尾部がイエローで、その他はブラックです。ただし本種は分布域が広く、地域差によってさまざまな体色の個体群がいます。たとえば下記は、尾部がオレンジ色になる「ブロンドダッキー/ラバーダッキーブロンド」です。さまざまなカラーの個体をお迎えするのも、ラバーダッキーを飼育する楽しさの一つといえるでしょう。

ブロンドダッキー

ブロンドダッキー/ラバーダッキーブロンド

飼育方法は多湿状態を保つという、一般的なやり方で問題ありません。繁殖スピード・成長スピードは早いとはいえませんが、初期導入の匹数を多くすることで成功率を上げられます。

ホワイトタイガー

ホワイトタイガー

 

  • 原産:マレーシア
  • 飼育難易度:難しい
  • 繁殖難易度:難しい

胸部第5節および尾部のホワイトが特徴的なマレーシア原産の人気種。全体的にはホワイトが基調ですが、明暗には個体差があります。

飼育・繁殖難易度は「難しい」としましたが、中級者以上の方であればそれほど大変なわけではありません。ただ、初心者の方は苦労するかもしれないため、販売ショップのスタッフにも相談しながら適切な環境を整えてあげてください。

まとめ

ダンゴムシの飼い方まとめ

本土で一般的にみられるオカダンゴムシの飼い方はそう難しくありません。用意するものは飼育ケース、土、エサ、落ち葉や小石といった隠れ家になるもの、そして水分です。ダンゴムシは乾燥に弱いため、霧吹きで飼育ケース内を濡らすなどし、じめじめとした環境を維持してあげましょう。

オスとメスを同時に飼えば自然に繁殖します。ダンゴムシは3~5年は生きるため、大切にお世話すれば子ども、孫、そのまた孫と超大家族(?)を築くことも可能です。

なお、さまざまな事情で飼えなくなるケースがあっても、元にいた場所以外で放すのは絶対に止めてください。犬や猫といった大型のペットと同じく、一度お迎えしたら最期まで面倒を見てあげるのが原則です。

※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。

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