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カインズ熊本宇土店
九州本土にカインズは、熊本宇土店と福岡新宮店の2店舗しかありません。
熊本市の中心部から車で30分ほどの場所に位置するカインズ熊本宇土店は、生活雑貨やインテリア用品などの生活面に力を入れた「ライフスタイル特化型店舗」として、2017年にオープンしました。
「ライフスタイル特化型」の言葉通り、カインズ熊本宇土店で特に人気を集めているのは日用品関連です。特にPB商品(プライベートブランド)の人気が高く、全国のカインズの中でもPB売上はトップクラス。家事や掃除のひと手間を楽にしてくれる便利グッズが揃っているため、土日祝日は遠方からの訪問客も多く、宮崎、鹿児島から訪れる人もいるほどです。
グリーンやインテリア雑貨が多く、40代女性がメイン客層になっている
また、生活に必要な道具がすべて揃ったホームセンターは「地域のインフラ」「災害時のライフライン」としての役割も備えています。
カインズ熊本宇土店では2017年のオープン以来、2020年7月の熊本豪雨への支援や、2020年初頭から始まった新型コロナウイルス感染拡大に伴う消毒液・マスク需要への対応などを行ってきました。
有事の際、地域のホームセンターとしてカインズ熊本宇土店はどのような役割を果たしてきたのでしょうか? 災害時の熊本宇土店の対応について、熊本宇土店の下元宣弘店長、中村亮太副店長、九州・中国・兵庫エリア広報の相嶋彩恵子に話を聞きました。
左から熊本宇土店の下元店長、中村副店長、九州・中国・兵庫エリア広報の相嶋
2020年4月、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、全国に緊急事態宣言が出されました。カインズはいち早く「新型コロナウイルス対策本部」を設置。メンバーの安全確保を大前提にした上で、地域のインフラとして地元民の生活を支えるべく営業継続を宣言しました。
この頃、全国的に消毒液やマスクの需要が急増しており「どこへ行っても手に入らない・売り切れ」という状況で、カインズ熊本宇土店では丁寧なアナウンスをした整理・販売を行ったことからお客様からの感謝の声が本部へ寄せられました。
中村副店長。取材時に対応してくれた3人のメンバーの中では唯一2020年の熊本宇土店で働いていた
「毎朝マスクや消毒液を求めて、200人近いお客さんが開店前から並ぶことが続いていました。そこで毎朝並んでいるお客様に、その日ご提供できる数をお伝えするアナウンスを徹底して行いました」(中村副店長)
「有事の際に大切なのはお客様に負担がないように対応すること」だと中村副店長は言います。その日に提供できるマスクや消毒用品の数を都度お伝えすることで、お客様の時間を無駄にしないよう心がけました。
カインズでは緊急時・災害時用の対応マニュアルがありますが、全店共通で決まっていたわけではありません。コロナ禍でのこの対応は、熊本宇土店のスタッフメンバーたちが現場でお客様と向き合う中で、やれることを必死にやった行動でした。
その時の対応が丁寧だったと評判で、カインズ熊本宇土店をリピートしてくれるようになった方もいます。
「私たちカインズの人間も、一般消費者の立場になるときがあるので、困ったときに何をしてほしいかがわかります。その気持ちを大切にしたからこそ、お客様に寄り添った対応ができたのではないかと思います」(広報・相嶋)
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて宇土市の飲食店が困っていた際には、市から「テイクアウトをカインズの駐車場でできませんか?」と打診がありました。
そこで熊本宇土店では、駐車場を無償で提供して2週間ほど開放。いろんな飲食店が集まり、テイクアウト営業をしてもらう取り組みをしました。
また、2020年の熊本は「100年に一度」と言われるほどの集中豪雨が発生した年でもありました。7月3日から続いた豪雨に伴い、球磨川や支流は氾濫し、各地で土砂崩れが多発。人吉市街地では3~5メートル浸水するなど、熊本は大きな被害を受けました。
カインズ熊本宇土店では、自衛隊からの要請を受けて必要物資を提供しています。
「窓口はカインズ本部の総務です。このような災害の際には、まずカインズ本部に県庁などから連絡・協力要請があります。その後、本部から各店舗に用意すべき商品リストと、自衛隊のトラックが取りに来る日時の連絡があるので、それを用意して待ちました」(中村副店長)
熊本豪雨発生後の要請だったため、「被害を防ぐための用品」よりは「被害に対処するためのもの」や「日用品」がメインでした。
「一番量が多かったのはトイレットペーパーです。あとは、コロナ対策で消毒に使うキッチンハイターや洗剤、使い捨て手袋など。それ以外には、着替えのTシャツや赤ちゃんのオムツ、おしりふき、離乳食、割りばし、紙コップなどでした。物資の行先を具体的に聞いていないのですが、おそらく避難所で必要とされる物資に近いものでした」
また、個人的に支援を行う人が物資を買いにくることも。
「個人で片付けを手伝う方が、高圧洗浄機やデッキブラシ、スコップ、掃除用品など買われていました。でも何よりも、災害が起こってすぐに必要になるのは水です。命に直結するので。お店に水の在庫は結構あったんですが、すぐになくなり、追加発注をかけて対応しました」(中村副店長)
高圧洗浄機
「2011年東日本大震災の際も、カインズ店頭から水はすぐになくなって、全国から東北へ水が動きました。熊本県内では人吉に個人的に送ったり持っていったりする人たちがいて、明日から行くという方もいました」(下元店長)
カインズ熊本宇土店店長の下元さん。2021年1月から勤務。
カインズには「有事の際はメンバー個々の判断で行動してよい」という共通認識があります。その判断基準は「カインドネス」であるということ。
「カインズは現場で何がベストなのか考えながら動ける人間が多い会社だと思います。でも、全員が全員動いてもばらばらになってしまいますよね。そこでしっかりとリーダーシップをとれるように、我々マネージャーを含めた管理側の人間で、『こういう時はこういう行動をしよう』と、現場・メンバーの安全を確保しつつ動ける用意をしています」(下元店長)
カインズには「安全対策室」があります。災害時の対応マニュアルが完全整備されており、それを踏まえた上での各店舗オリジナルの動きをします。熊本宇土店の場合、水害は最大浸水3メートルを想定。メンバーの安全確認がなされた後は、自分の安全を最優先に動きつつ、ペットコーナーの生体を避難させるなどの対応を行います。災害は、水害、地震、火事を特に想定している。
「地域とカインズは運命共同体でもあります。協力して街を盛り上げていきたいという思いがあります。私の中で大事にしているのは、有事の際に最優先でオープンさせること。災害は避けられません。そうした時に、生きていくために必要な物はほぼ全部そろっているホームセンターは強いです。だからこそ、ここを開けることが私のやるべきことだと思います」(下元店長)
カインズは創業以来、「商業を通して社会の発展に貢献する」を使命と考え、地域の人の暮らしに寄り添ってきました。2021年には一歩進んだ「くみまち構想」を策定。これは、カインズの店舗やメンバーがハブとなり、地域における困りごとやニーズに丁寧に耳を傾け、暮らしに携わる様々なステークホルダーと協力してくことで、よりよいまちづくりを目指す構想です。
くみまち構想のイメージ
熊本宇土店ではコロナ禍や熊本豪雨の際には、「自分だったらどうしてほしいか」「お客様のために今何ができるか」に真剣に向き合い、その時できることを全力で対応してきました。また、普段から梅雨や台風時期の水害、強風に備えた商品など、地域の有事に備えた商品を常備しています。いざという時は、カインズ熊本宇土店を頼ってください。
※内容は取材時の2021年11月時点のものです。