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目次/ INDEX
古くから日本の冬を彩る葉ものとして親しまれてきたハボタン。近年はサイズも大小さまざま、葉の形もさらにバリエーションが増えてますます楽しめるようになってきています。
一株でも冬花壇に大輪の花が咲いたような華やかさを添えてくれるハボタンの性質や育て方、使いこなしのコツをご紹介します。
ハボタンは西ヨーロッパから地中海にかけて、石灰質土壌に自生するヤセイカンランの一種です。ヤセイカンランはキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、などのもとにもなっている植物。
ケールも同じ仲間で、ハボタンは英語圏では観賞用ケールを意味する「オーナメンタルケール」と呼ばれることもあります。ケール同様に食用にすることもできますが、日本国内で流通するハボタンは野菜としてではなく、観賞用の花卉類用の農薬を使って栽培されているので食用には適しません。
以前は直径30cmを超えるような大型の品種が多かったのですが、近年は品種改良によって直径15cm程度の品種が増えています。さらに、株をコンパクトに抑える矮化剤を使って小さく育てられた株が3号(直径9cm程度、1号=約3cm)のポリポット植えで流通しています。
温暖地では夏にタネまきし、晩秋からの寒さに当てて美しく発色したものを観賞します。
ハボタンは温暖地では11月ごろから出回るようになります。タネも流通しているので実生※で育てることもできます。
タネまきの適期は7〜8月です。秋になって気温が下がると発色がよくなり、観賞期を迎えます。4月ごろになると花が咲き、花茎のつけ根で切ると、切ったところから新しい茎が伸長するので、そのまま育てるとくねくねとしたく城之崎にはボタンがついた踊りハボタンに仕立てることも可能です。
※みしょう。タネまきで株を育てること。
ハボタンを育てるには、秋以降に店頭に並ぶ回株を手に入れるのが一般的でしょう。タネも市販されているので、タネまきをして苗を作って育てることもできます。
タネは7〜8月にタネまき用土などの肥料分がない土に一粒ずつまいていきます。セルトレイまきであれば本葉が2〜3枚出たところで3号(直径約9cm)のポリポットに鉢上げします。
3号のポリポットに直接まく場合や、セルトレイまきした苗をポットに鉢上げしたものは、鉢底から根がちょっと見えるくらいになったら花壇に植えつけたり、寄せ植えの素材として使ったりすることができます。
茎が長くなり背が高くなる切り花用の品種は、苗づくりの時に株同士を寄せて密植の状態にしておくとより腰高に育ちます。
日当たりがよい場所で育てます。寒さには比較的強いのですが、たびたび氷点下を下回るような環境だと傷むことがあるので、寒風が吹き抜けない場所の方が適しています。
鉢植えであれば5〜7号程度(直径15〜20cm程度)の鉢に市販の草花用培養土などで植えつけます。すでに株が成熟して大きくなっているのであれば、葉が触れるくらいに密植してもかまいません。
用土を自分で配合する場合は小粒赤玉土6:腐葉土4などの用土でもよいでしょう。ハボタンはアルカリ性土壌を好むので、ひとつまみ程度の石灰か苦土石灰を土に混ぜ込んでおきましょう。
水切れのよい土を好むので、赤玉土を使う場合は中粒、大粒を3〜4割程度混ぜ込んでおくのもおすすめです。
庭植えにする場合は、深さ30cm、直径30cm程度の植え穴を掘って、ひとつかみ程度の石灰か苦土石灰を土に混ぜ込んでおきましょう。
鉢植えは、植えつけ直後は鉢土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えます。根づいて生育が始まったら、やや乾かし気味に管理します。
夏は高温多湿で根が傷むのを避けるため、与えすぎに注意しましょう。水をたっぷり与えない状態で強い日ざしに当てると葉が傷むので、直射日光が当たらない明るい場所に移動させましょう。
冬は鉢土の表面が乾いたら、鉢の土の植え1/3が湿る程度に控えめに水を与えます。
庭植えは植えつけ時にたっぷり水やりをし、以降は水やりは必要ありません。
タネまきで苗を作る場合は、本葉が開いたら9月いっぱいは、月に1回緩効性化成肥料を、週に1回1000倍程度に薄めた液体肥料を与えます。
気温が下がってくると葉が色づき始めますが、肥料がありすぎると発色が今ひとつになってしまうので、10月になったら液体肥料のみに切り替え、気温がグッと下がってきたら肥料を与えるのをやめましょう。
株を夏越しさせる場合は、5月と6月に緩効性化成肥料を与え、最高気温が30℃を切るようになったら再び肥料を再開します。
下の方の葉が老化で黄色くなってきたら摘み取ります。そのままにしておくとカビや病気の発生の原因となるので気をつけましょう。
ハボタンは挿し芽(さしめ)でふやすことができます。挿し芽に適しているのは5〜6月です。咲き終わった花茎を切った後から出た枝の先に新しくできた株を使う場合は、茎を10cmほどつけて枝を切りましょう。
腰高になった株を仕立て直したい場合は、茎を5cmほどつけて切ります。切り口は鋭利なカッターナイフなどで斜めにきれいに切り直し、30〜60分程度水につけておきます。
あらかじめ市販の挿し木/挿し芽用の土など清潔な用土を湿らせておき、株がぐらつかないように茎を挿していきましょう。挿し穂がグラグラしていると根が出にくいので、土を入れた鉢や容器の縁に立てかけるなどするのがおすすめです。
直射日光が当たらず、風などで挿し穂が揺れない場所で管理してください。エアコン室外機の上は意外と振動があるので、置き場所に向きません。わき芽が伸び始めるまで、土が乾き切らないように管理しましょう。
「そろそろ根が出るかな?」と挿し穂を抜いて確認したりするのは失敗の原因なのでやめてましょう。
4月に花茎が伸びてきたら切ります。タネをつけさせれば、タネを取ることもできます。
キャベツの仲間なので、アオムシやヨトウムシが発生することがあります。見つけたら随時取り除きましょう。アブラムシも新芽などに集まってきます。ホースの水流で流すか、オルトランを土にまいておくことで駆除することができます。
オルトランは水に溶けて根から植物に吸収され、虫が葉などを食べると効き目を現す浸透移行性というタイプの薬剤です。土にまいておくと自然と食害が減ります。
ハボタンは多年草なので、春以降もちゃんと管理していれば次の冬にも楽しむことができます。春に花が咲いたら花茎のつけ根から新しい枝が出てくるので、そのまま育てるもよし、切って挿し木にして新しい株を作るもよし、です。
そのまま育てれば、くねくねとした枝の先にハボタンがついた「踊りハボタン」にすることができます。挿し木にする場合は、茎を短く切れば一般的なハボタンの株に。茎を長めに残して挿し木にすれば腰高な株になりますが、花壇の背景に使うなど、よく流通している株とは違った使い方が可能です。
また、腰高な株を作ったら、茎が地面と平行になるように株を寝かせて植えつけると、茎の途中からたくさんの株が出てきます。
一般的な植物は株の上の方の芽が盛んに伸びる「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」という性質がありますが、株を寝かせることでこの性質が崩れ、茎の途中の芽が伸び始めるために起きる現象です。これを利用すると、一株のハボタンで花壇の広い範囲を彩ることができます。
ハボタンは、少し前は大型で丸い葉のものが多く見られましたが、近年は小降りで繊細な葉を持つ品種が次々に登場し、冬のおしゃれなようせうえに欠かせない植物になってきています。
単体で観賞しても美しい品種も多く、育てやすいのも嬉しいところ。そんなハボタンを、ぜひ楽しんでみてください!