植物と一緒にお互い無理なくシンプルに生きる方法を考えてみた。
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目次/ INDEX
みなさんは、お持ちの「GORE-TEX(ゴアテックス)」をちゃんとお手入れできていますか? 今やアウトドアに限らず、タウンユースのウェアや靴などにもゴアテックス素材が使われています。防水透湿性能に優れているのがゴアテックスの特性ですが、汚れたままにしておくとその機能が低下してしまうんです。
そこで今回は、夏山登山でゴアテックスを使い倒した私が、日本ゴア合同会社に教えていただいた「自宅でできるゴアテックスのお手入れ方法」をご紹介! ヘタに自分で洗って失敗するのは避けたい…! そう思っている方に向けて、洗剤選びのコツや、実際に私が使用した洗濯アイテム、洗濯時の注意点もお伝えします。
洗濯をする前に、ゴアテックスを本当に家で洗濯して大丈夫なのか、いまだにギモンが残りますよね。ゴアテックスに関することは、ゴアテックスを作っている会社に聞くのが一番でしょう! というわけで、まずは、日本ゴア合同会社(以下:ゴア社)に、ゴアテックスの洗濯についてお話を伺いました。
──そもそもですが……ゴアテックスは自宅で洗濯できるものでしょうか? 決して安くないものなので、自分で洗うのに抵抗感があります。
「ゴアテックスは、ほとんどの場合ご自宅で洗濯できます。洗濯で汚れを落とすことで本来の機能を発揮でき、快適に使用できるだけでなく、製品を長持ちさせることにも繋がります。長期保管する前にも、ぜひ洗ってキレイにしてから保管してください」
──ゴア社では洗濯を推奨しているんですね!
「ただし、洗濯前には必ずお手持ちの製品についている洗濯表示を確認し、それに従っていただくよう注意してください。
私たちゴア社はゴアテックスの「生地」を提供していますが、みなさんがお持ちのウェアや靴は、各メーカーで企画・製造されたもの。ゴアテックスの生地以外にもたくさんの部材が使われています。製品ごとに使われている部材が違うため、ゴアテックスの生地は洗濯OKでも、一緒に使われている部材が洗濯NGの場合もあるんです。ぜひ表示に従ってお手入れし、快適に長く製品をご愛用くださいね」
──ちなみに、ゴアテックスのウェアはどのくらいの頻度で洗えばいいのでしょうか?
「普段着ているTシャツなどと同じイメージで“使ったら洗う”をおすすめします。雨や泥による外側の汚れに加え、袖口や襟首などの見えにくい箇所にも、皮脂汚れや汗がたまっていることが多いです。
このような汚れをしっかり落とすことで、製品の機能性が十分に発揮されて快適に使用でき、長持ちにも寄与します。長期保管する前にも、ぜひ洗ってキレイにしてから保管してください」
──汚れが気になるときにしか洗っていなかった……。やはり見えないところにも汗や皮脂汚れがたまっているんですね。
──ゴアテックスのウェアの洗濯には、粉末洗剤ではなく、液体洗剤を使用したほうが良いそうですね。その理由は何でしょうか?
「生地の表面に、粉末洗剤 の溶け残りやすすぎ残しがあると、撥水性に影響が出てしまうので、液体洗剤をおすすめしています。粉末洗剤で洗濯する場合は、粉末をよく溶かしてから使用することを心がけてください」
──液体洗剤を選ぶときのポイントはありますか?
「蛍光剤や香料などの洗浄成分以外の成分がなるべく入っていない液体洗剤をおすすめしています。蛍光剤や香料などは、生地の表面に成分を残すことでそれぞれの効果を発揮するものが多いようですが、ゴアテックスの撥水性は、生地表面になるべく何も残っていないほうが発揮されます。すすぎを十分に行い、洗剤の成分をしっかり落とすこともポイントですよ」
──なるほど、生地の表面に洗剤の成分を残さないことが大切なんですね。いろいろ教えてくださり、ありがとうございました。
それではゴア社からの回答を参考に、実際にゴアテックスのウェアと靴を洗濯してみます!
私がゴアテックスのウェアと靴を洗濯するのに使用した商品はコチラ。すべてカインズのオンラインショップで購入できました!
成分表示を見て、蛍光剤や香料がなるべく入っていない液体洗剤を選びました。また、ゴアテックスを洗濯する際、柔軟剤や漂白剤、シミ抜き剤は一切使いません!
撥水スプレーには「霧吹きタイプ」と「スプレー缶タイプ」があります。また、「フッ素系」と「シリコン系」の成分がありますが、ゴア社によると透湿素材に対応可能であればどちらを使用してもOK。スプレーに記載されている「使用できる素材」に、洗濯する製品が適合しているかを確認して選びましょう。私はフッ素系で速乾性のあるスプレー缶タイプを用意しました。
靴ブラシは、やわらかい豚毛で靴を傷めにくいものを選びました。
食器用のスポンジは、靴の汚れを落とす際に使用します。手になじむサイズでやさしく洗えるので、靴を洗う際にもおすすめです。
今回洗濯するゴアテックスのレインウェアは、購入して5年以上経つもの。今までは汚れたらなんとなく洗濯機で洗っていましたが、最近、撥水性が落ちてきた気がして、日頃のお手入れがちゃんとできていなかったと反省。ゴア社に教えていただいた方法でしっかりと汚れを落とし、撥水性を復活させます!
ポケットの内側にあった洗濯表示のタグをチェック。私が持っているレインウェアは、自宅で洗濯できることを確認しました。次に、ウェアのファスナーとポケットをすべて閉じた状態にします。収納式フードがあれば出し、袖口やフードに付いているドローコードは緩めてください。
ウェアを軽くたたんで洗濯ネットに入れ、洗濯機で洗います。洗剤の量は少なめに。ウェアの表面に洗剤が残らないよう、すすぎは2回しっかりと行いました。
日陰に干してしっかりと乾かします。
洗濯表示に「乾燥機OK」の表示があれば乾燥機も使えます。高温だと生地が傷むので「中温以下」が適しています。
ゴアテックスの撥水性を回復させるためにアイロンで熱処理をします。「低温」「スチームなし」で、あて布をしてやさしく加温していきましょう。
さらに撥水性を高めるために、撥水スプレーをかけて乾かせば完了です!
撥水スプレーが乾いたあとに、霧吹きで水をかけてみました。
見よ! この水のはじき具合!!
ゴアテックスの撥水性能が見事に復活しました。これで来シーズンもまた活躍してくれそうです。
ちなみに、アイロンの代わりにドライヤーで温風を当ててもよいのでしょうか? ゴア社に聞いてみたところ、「ドライヤーでも効果はあると思われますが、生地やドライヤーの種類によって効果・ダメージは変わってくるため、積極的にはおすすめしていません。使用される場合には、生地の温度が上がりすぎないようにご注意ください」とのことでした。
続いて、ゴアテックスの登山靴もキレイに洗濯していきますよ!
この登山靴も、今年の夏の登山で大活躍してくれた私の相棒です。雨でぬかるんだ登山道を歩いたせいで泥汚れがついてしまって、かなり汚れた状態なので、どのくらいキレイになるか楽しみです。
まずは中敷きと靴ひもを取った状態に。靴の中のゴミや靴底にはさまった小石などは、あらかじめ取り除いておきます。
表面をブラッシングしていきます。靴ブラシを使用し、やさしく土やホコリをはらいましょう。
ゴアテックスの靴のほとんどは洗濯機NG。ぬるま湯を使って手洗いするのが基本ですが、メーカーの洗濯表示も必ず確認しましょう。ウェアに使ったものと同じ洗剤を少しだけスポンジに付けて、表面や靴の中を洗います。その後、洗剤が残らないようしっかりすすぎましょう。
新聞紙やタオルなどを中に詰めて乾燥させます。濡れたまま放置したり、ドライヤーで熱を当てて急激に乾かそうしたりするのはNG! 靴は乾きにくいですが、直射日光をさけ、風通しの良い場所で2〜3日陰干しして、じっくり乾かしていきましょう。
乾燥したら、最後に撥水スプレーをまんべんなくかけて完了です。泥汚れが完全に落ちたとまではいえませんが、表面はだいぶキレイになり、撥水性も復活しました! これからは靴の汚れは放置せず、その日のうちに洗うように心がけたいと思います。
長期保管する場合はどのような状態で保管するのがいいでしょうか?
ゴア社によると「キレイな状態で風通しの良いところに保管しておくのが基本。高温多湿になる場所、直射日光の当たる場所は避けてください。ウェアとセットになっているスタッフバッグに小さく畳んで入れて保管する方も多いかと思いますが、移動時のみに使用することをおすすめします」とのこと。今まで正解がわからず自己流でしたが、さっそくこの方法でウェアを保管しようと思います。
ゴアテックスのウェアや靴は機能的で高価だからこそ、正しくお手入れをして長く使いたいもの。
「家で洗うよりクリーニングに出したほうがいいんじゃ……」
「あまり洗わないほうがいいのかも」
そう思っていた方も多いかもしれませんが、普段着と同じように、使用したら自宅でこまめに洗うのが正解です。
世界的に「サステナブル」がキーワードになっているいま、良いものを丁寧に長く使うことは環境に負担をかけないためにも大切です。私もゴアテックスのウェアや靴を正しくメンテナンスしながら、大切に長く使っていこうと思います。みなさんもぜひこの記事を参考に、ゴアテックスのお手入れをしてみてくださいね!