リュックの洗い方は? 洗濯機・手洗いで洗う方法と注意点
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目次/ INDEX
オキザリスは日本ではカタバミと呼ばれ古くから親しまれているほか、園芸品種などで帰化植物となったものもあります。
花屋の店先では「クローバー」と名前がつけられて並んでいることもありますが、クローバーはマメ科、オキザリスはカタバミ科で別の植物です。庭のあちこちからいつの間にか生えてくるなど、生命力がとても旺盛。それにあやかろうというのか、日本では家紋にもなっています。
オキザリスOxalisは「酸」を意味するoxysに由来します。実際に噛んでみるとわかりますが、オキザリスの葉や茎はちょっと酸っぱいのです。これはシュウ酸を含んでいるためで、日本でも酢漿の字が当てられ、酢漿草とも呼ばれます。
日本ではカタバミ(オキザリス)の茎の酸を利用して鏡を磨くことがあったため、「鏡草(かがみぐさ)」と呼ばれることも。庭に生えているカタバミの茎で10円玉をこすると、ピカピカになるのでぜひ試してみて下さい。
日本国内で園芸植物として楽しまれているものの多くは中央〜南アメリカや南アフリカ原産。日本に自生するものと同様、球根(鱗茎、根茎)を作り、一年性のものも多年性のものもあります。
園芸店などでよく見かけるのはクローバーのような三枚葉の花を楽しむ品種ですが、観賞価値の高い変わった形をした葉を持つタイプや、多肉植物に近いようなタイプもあります。ここでは、ガーデンや鉢植えで花を楽しむタイプを中心に紹介していきます。
オキザリスには秋〜冬咲きのボーウィー、白花の花弁の裏側に赤いストライプが入るヴァーシカラー、大ぶりな紫の葉が美しいトライアングラリスなどのほか、以下のような種類があります。
・オキザリス・ロバータ(秋咲き)
・オキザリス・プルプレア(冬咲き)
・オキザリス・ヒルタ(秋咲き)
・オキザリス・ペンタフィラ(秋咲き)
・オキザリス ‘桃の輝き’(冬咲き)
・オキザリス ‘パルマ’(秋咲き)
・オキザリス ‘スプリング・チャーム’(春咲き)
大きく分けて春に植えつけるタイプ、夏〜秋に植えつけるタイプがあります。各タイプのおおよその生育サイクルは以下のようなものです
このほかに、四季咲きタイプなどもあります。開花期や植えつけ適期を迎えている品種が園芸店やホームセンターに出回ります。通年花が咲きやすいトライアングラリスを中心に、冬咲きや春咲きの品種を寄せて植えておくと、一年を通じてオキザリスの花が楽しめるコーナーを作ることもできますよ。
オキザリスは、花を楽しむ一般的な品種であれば、合った場所に適切に植えつければ、毎年花を咲かせてくれます。とても強い植物なので多くの場所で育てることができますが、ここだけは避けようというシチュエーションをご紹介します。
オキザリスはよく日が当たる戸外で育てます。冬に生育・開花するタイプは比較的寒さに強いですが、霜が当たると傷んでしまいます。春から秋に咲くタイプは、南向きの軒下や木の下など、上に霜よけになるものがある場所で育てましょう。
オキザリスの多くはとても丈夫でどんなところでも育ちますが、庭に植えても枯れてしまう場合は土が湿りすぎな可能性があります。そうした場合は、土に1㎡あたり10〜15ℓ程度軽石や川砂を混ぜておくのがおすすめです。ブロックやレンガなどで囲んだ中に土を入れ、植え場所を高くして、水はけをよくした花壇やレイズドベッドに植えつけるのもよいでしょう。庭のくぼんだところに植えてしまうと、雨水が溜まって過湿になるので、そうした場所は避けましょう。
オキザリスは比較的乾燥に強い植物なので、あまり頻繁な水やりは必要ありません。鉢植えは鉢土が乾いてから1〜2日待ってから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。過湿な環境が苦手なので、水のやりすぎには要注意です。
鉢受け皿に残った水はそのままにせず、毎回捨てるようにしましょう。庭植えは、植えつけ直後は葉が萎れかけてきたら水を与えますが、植えつけて2〜4週間して根が張ったら水やりは基本的には不要です。
オキザリスを育てるのにそれほどたくさんの肥料は必要ありません。オキザリスは過湿が苦手な植物ですが、湿り気が多いところに肥料分まで多いと球根や根が傷みやすくなってしまいます。
肥料を与えるなら土の湿り具合を見ながら加減ができる液体肥料がおすすめです。生育期や開花期に2週間に1回ほど1000〜5000倍に希釈した液体肥料を与えましょう。
土の上に置くタイプの肥料を追肥で与えてしまうと、長雨のときに肥料分が溶け出しすぎて根を傷めることがあります。固形肥料は3〜4月に一度与えたら、次に与えるのは9月下旬。固形肥料を肥料が多すぎると株が大きくなるばかりで花が咲きにくくなるので、肥料のパッケージに書かれている量の半分を目安に与えます。
オキザリスは水はけのよい土壌を好みます。市販の草花用培養土でもよいですが、2割ほど川砂か軽石を混ぜ込んでおくと水はけがよくなります。
自分で配合する場合は、赤玉土6:腐葉土2:軽石(または川砂)2などの用土がおすすめです。庭に植える場合は、1㎡あたり10ℓ程度の腐葉土か牛ふん堆肥をすき込み、ひとつかみ程度の苦土石灰を混ぜ込んでおきましょう。
自分で配合した用土を使う場合や、庭に植える場合は緩効性化成肥料を混ぜ込むのも忘れないで下さい。混ぜ込む肥料の量は、肥料のパッケージで確認しましょう。
鉢はどのようなものでもかまいませんが、釉薬をかけた陶器鉢やプラスチックの鉢に比べると、素焼きやテラコッタなどの釉薬をかけていない焼き物の鉢の方が早く土が乾きます。水をたくさん与えがちな人はテラコッタや素焼きの鉢を、水やりの間隔が開きがちな人はプラスチックの鉢がおすすめです。
球根が混み合ってきたら株分けをすることができます。花が咲く直前のお彼岸ごろに掘り上げ、株分けをしましょう。タネができるものはタネまきで府屋空くこともできますが、オキザリスは増えやすいので、庭の外に広がってしまわないように気をつけましょう。
ポット苗を鉢に植える場合は、5〜7号(直径15〜20cmほど)の鉢に植えつけます。鉢に鉢底網と鉢底石を入れた鉢に1/3ほど土を入れ、その上にオキザリスの苗を入れてみて、苗の土が鉢の縁から2〜3cmほど低くなるよう、土の量を調整します。植えつける高さが決まったら苗のポットを外し、鉢に入れます。あとはポット苗の根鉢が埋まるまで土を入れ、鉢底から流れ出すまでたっぷりと水を与えたら完成です。
プランターも同様の手順で植えつけていきます。60cmプランターであれば2〜3株程度植えるのが適量です。
庭植えは、あらかじめ土作りをしておき、株間を20〜30ほど取って植えつけましょう。
鉢植えやプランター植えは植えつけ後は午前中だけ日が当たる場所などで養生し、1週間ほどしたら日なたに出します。
庭植え、鉢植えのいずれも、葉が萎れてきたら水を与えます。そのほかは、これといった作業はない、手のかからない花です。
過湿を嫌うため、長雨が続く梅雨時などは雨が当たらない場所に移動させるのがおすすめ。しかし、葉に雨がかからないと株が乾燥してハダニが発生することがあります。適用のある薬剤で駆除できますが、普段から、水やりとは別に株をサッと濡らす葉水(はみず)をしていると発生が予防できます。
ホームセンターなどで手に入るオキザリスは難しい手入れをしなくてもよく育ち、たくさんの花を咲かせてくれます。クローバーを思わせる三枚葉は緑のほかにも紫のタイプもあり、花が無い時期にもカラーリーフとして楽しむことができます。気軽に、カジュアルに楽しめるオキザリスをぜひご自宅で育ててみてくださいね。