八百屋歴10年のプロが指南。新鮮でおいしい産直野菜を選ぶコツ
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日本酒を初めて飲む方に向けて日本酒の選び方やおすすめ商品、相性の良い料理をご紹介します。
純米酒や吟醸酒、本醸造酒などの種類ごとの違いや辛口・甘口の見極め方なども詳しく解説するので、日本酒にこれから初めて挑戦される方は参考にしてみてください。
日本酒とは米、米麹、水を原料に日本特有の製法で作られたお酒です。
日本酒は別名「清酒」とも呼ばれており、原料や精米歩合によって吟醸酒や純米酒、本醸造酒などの種類に分けられます。厳密には、清酒のうち、原料の米に日本産米を用いて日本国内で醸造したもののみのことを日本酒と定義します。
なお、精米歩合とは、お米をどれだけ削ったかを表す指標です。例えば、精米歩合70%の日本酒と書かれた日本酒ではお米を30%削っているという意味になります。
一般的な目安として日本酒作りに使われている精米歩合は70%前後といわれています。
基本的には地酒と日本酒は同じものと考えて差し支えありません。
地酒の定義には様々な説があるため、一概に明確に定義することはできませんが、一般的には特定の地域で作られた日本酒のことを指します。
日本酒のように法律で定められた正式な名称ではないため、ときにはワインや焼酎も含めることがあります。
近年では生産地周辺のみで販売されている地酒が数多く登場しており、高い人気を集めるようになっています。
近年の日本酒ブームのきっかけとなったのは山口県産の純米大吟醸でした。
精米歩合23%という米の磨きにこだわったこちらの日本酒は雑味のない、すっきりとした味わいをワイングラスで楽しむという切り口は、国内外で爆発的な人気を集めました。
以来、精米歩合の低い日本酒がブームとなり、様々な酒蔵から多くのヒット商品が誕生するようになりました。
自分に合った日本酒を選ぶために、まずは日本酒の基礎を押さえておきましょう。
日本酒には特定名称酒や普通種などの種類に加えて、辛さ・甘さを示す日本酒度といった用語もあります。ここではそれぞれの用語について簡単に解説していきます。
日本酒は大きく分けて特定名称酒と普通酒に分られます。
特定名称酒は原料や精米歩合などの一定の条件を満たした日本酒に与えられる名称です。
特定名称酒には大きく分けて純米酒、吟醸酒、本醸造酒の三種類があります。
純米酒は米、米こうじ、水のみを原料として作られた日本酒です。3等以上に格付けされた玄米を使用しており、お米の旨みを味わえるのが特徴です。純米酒の米を磨く割合が増えると、純米吟醸酒や純米大吟醸酒に名称が変化します。
本醸造酒と吟醸酒は米、米こうじ、水、醸造アルコールを原料として作られた日本酒です。
本醸造酒と吟醸酒の違いは製法と精米歩合にあります。
本醸造酒が精米歩合70%以下で作られた日本酒であるのに対し、吟醸酒は精米歩合60%以下で「吟醸造り」という製法で作られています。
本醸造酒は香りが控えめですっきりとした辛口なのに対し、吟醸酒はフルーティーで華やかな香りが楽しめるのが特徴です。
そのほか、特別な製法によって作られた日本酒を特別純米酒や特別本醸造酒といいます。
特定名称酒の条件に当てはまらない日本酒のことを普通酒といいます。「普通」と名前に付いてはいますが、品質が特定名称酒に劣っているというわけではなく、あくまで分類上の名称です。
商品にもよりますが、普通種は米、米こうじ、醸造アルコール、酒粕などを原料に作られており、淡い味わいのお酒が豊富なのが特徴です。
市販されている日本酒の多くが普通酒に該当し、普段使いとして楽しめるものから特別な日の贈り物として使えるものなど幅広い種類のものが豊富に揃っています。
日本酒の味には辛口と甘口の二種類があります。辛口はキレのあるサッパリとした味わいで、甘口は濃厚でコクがあるのが特徴です。
日本酒の商品ラベルには「日本酒度」という項目が設けてあり、辛口と甘口の度合いを数値で見ることができます。プラスになるほど辛口で、マイナスになれば甘口です。
日本酒は温度に変化をつけることで味の変わるお酒でもあります。日本酒のキレを感じたいなら辛口の銘柄を冷やして、香りを楽しみたいなら甘口の銘柄を温めて飲むのがおすすめです。
また、酒器にこだわるのも通な楽しみ方です。升の中にグラスを置き、グラスから溢れさせて飲む「盛りこぼし」という飲み方ができれば、立派な日本酒ファンといえるかもしれません。
様々な飲み方を楽しむ場合は一緒に「和らぎ水」を用意しておくのもおすすめです。和らぎ水とは日本酒の合間に飲む水のことで、口の中をリセットしたり、深酔いを防止したりするのに役立ちます。
ここからはカインズでおすすめの辛口の日本酒を8選ご紹介いたします。
山田錦を45%まで磨いて仕込み、粗越ししたもろみを瓶詰めしたお酒です。
シャンパンでも珍しい「ナチュレ」製法で作られた純米大吟醸のスパークリングです。純米大吟醸ならではの華やかな香りに、米の甘みや炭酸の爽やかさがある日本酒です。
杜氏(とうじ)とは酒造り職人の長という意味であり、商品名にはその職人の想いが込められている逸品です。
コクとキレを重視した重量感ある飲み応えに爽やかな香りの辛口の味わいです。価格もリーズナブルでご自宅で楽しむのにちょうどいい日本酒です。
お酒作りのために作られた好適米の「華吹雪」を使用した地酒です。マスカットのほのかな香りに旨口のコクがあり、飲み飽きしないすっきりとした味わいの日本酒です。
青森日本酒ランキング1位、全国ランキング44位に輝いた一本です。
清酒酵母の発酵を高める五段仕込みを採用した、キレのある辛口酒です。
黄桜独自の酵母「黄桜辛口酵母」を使用することで、すっきりとしたキレの良い口当たりと、さらりとした旨みを両立しました。料理とも組み合わせやすいので、食事中に飲める日本酒をお探しの方におすすめです。
飲み飽きしない芳醇辛口の定番酒です。しっかりした味わいと飲み応え抜群のキレのある辛口の絶妙なバランスを持つ新潟地酒です。45℃付近の上燗がおすすめです。
淡麗辛口の味わいと口に含んだときの深い旨みが揚げ物や煮物におすすめです。
飲み飽きしないやわらかな味わいと爽やかな酔い心地で、米の旨みを引き出したまろやかな味わいが特徴です。
燗してよし、冷やしてよしの一本です。おでんやピザと合わせられるお酒をお探しの方におすすめです。
山田錦を55%使用した純米酒です。丸みのある酸味と豊かなコクがのびやかに広がっていきます。
軽やかですがしっかりした芯のあるお酒です。
創業1659年、350余年の歴史を持つ「菊正宗」。その正宗の印を冠した冷用酒が「正宗印・冷用酒」です。菊正宗自慢の辛口清酒に樽詰め貯蔵酒をブレンドしたオリジナル冷用酒です。
冷やすほどに旨みとキレが調和し、隠し味の樽貯蔵酒が口中でほどけるように花開く、菊正流自慢の冷用酒です。
続いては辛口と甘口の中間程度のものから甘口のものをご紹介します。
酒処京都伏見で伝統の酒造りを守り続け、本物の旨さを追求した黄桜の代表的な日本酒です。
やわらかく上品な甘さを感じさせる香り、調和のとれた飲み口のやわらかく、ふくらみのある旨みが特徴です。
昔ながらの手作り麹仕込みで、米の旨みをしっかり残した、昔懐かしい、深い味わいの日本酒です。
甘口でコクがあり、まろやかで口当たりの良い味わいが特徴です。
新酵母「キクマサHA14酵母」により発酵させた、華やかでフルーティーな香りと純米酒らしい旨みが楽しめます。
吟醸酒の香りをご自宅で手軽に楽しみたい方におすすめです。
特撰純米の味わいを引き出した、旨さと辛さを併せ持つ、飲み飽きしないバランスの良さが特徴です。
冷やから燗まで幅広い温度で楽しめるので、様々な飲み方を楽しみたい方におすすめです。香りもふくよかで、あん肝とも良く合います。
創業寛永十四年より酒づくり一筋で培ってきた月桂冠伝統の技で、上撰をベースに大吟醸をブレンドした華やかでフルーティーな香りのするお酒です。
サワークリームのように爽やかな酸味と甘みが口に含むと完熟メロンのような芳醇で甘い香りに変化していきます。
最高級酒米「山田錦」を伝統ある「きもと系山廃酒母」を用いて、2ヶ月かけて発酵させました。山田錦独特の気品ある香りと力強い旨みのある日本酒です。
おでんと食べ合わせの良いお酒をお探しの方におすすめです。
ふくよかな香りと、さらりとした口当たりに、すっきりとした喉越しの日本酒です。そのままでも、お燗をしても美味しくお飲みいただけます。
最高峰の酒米「兵庫県産山田錦」を100%使用した特別純米酒です。
吟醸造りで知られる酒造好適米『山田錦』を全量で使用しており、しっかりとした膨らみのある麹の旨みを引き出した山田錦ならではのコクとキレが特徴です。
日本酒は温度の変化をつけることで味わいの変化するお酒でもあります。
ここでは温度ごとの日本酒の美味しい飲み方を紹介します。
冷やした日本酒を「冷酒」といいます。
日本酒を冷やすと味がシャープになり引き締まります。
本醸造酒など軽快で滑らかな爽酒や吟醸酒や大吟醸酒などの香り高い薫酒は冷酒で味わうのがおすすめです。
冷酒は温度によって以下の通りに分けられます。
常温の日本酒を「冷や」といいます。
20度から25度の温度で冷酒とぬる燗・熱燗の中間の味わいを楽しむことができます。純米酒の風味や旨みを味わいたいときは冷酒よりも冷やがおすすめです。
40度以下の温度まで温めた日本酒を「ぬる燗(かん)」といいます。
日本酒を温めると日本酒独特の豊かな香りを際立たせます。ぬる燗はまろやかな香りと旨みを楽しめるので純米酒にマッチします。
ぬる燗は温度によって以下の通りに分けられます。
50度前後まで温めた日本酒を「熱燗」といいます。
日本酒を熱すると、米の旨みと甘みが膨らみ、個性のある風味を醸し出します。熱燗は日本酒の香りがシャープになるため、キレのいい辛口酒におすすめです。
熱燗は温度によって以下の通りに分けられます。
日本酒は料理と一緒に楽しむことでさらに美味しく楽しむことができます。ここでは日本酒に合う料理やおつまみをご紹介します。
大吟醸酒や吟醸酒は高級な料理からフランクな料理まで合わせやすく、刺身や天ぷら、アサリの酒蒸しなどがおすすめです。
本醸造酒は、爽やかでしっかりした味わいがあり、香りが穏やかなので、冷奴やそばなどのあっさりした料理に良く合います。
純米酒は、旨みやコクが強いので、お酒と同等のしっかりとした味付けのある料理がおすすめです。マグロのユッケや牛すじと大根の煮物などと良く合います。
そのほか、日本酒には塩辛やクリームチーズなどのおつまみも良く合います。特にクリームチーズはワインとの食べ合わせも良いので、これから様々なお酒に挑戦される方は一つ用意しておくのがおすすめです。
日本酒は米、米麹、水などを原料に作られる、日本伝統のお酒です。
清酒や地酒など様々な呼ばれ方をすることもありますが、基本的にはこれらはすべて日本酒と捉えて差し支えありません。自分に合った日本酒を選ぶときには、純米酒や吟醸酒などの種類に加えて好みの飲み方や日本酒度などを参考にしてみてください。
また、一度飲んだことのある日本酒でも飲み方を変えることで新たな発見があります。きめ細やかに温度の変化をつけ、自分に合った最高の飲み方を探してみましょう。