埼玉県平野部なぜ暑い? 熊谷地方気象台と熊谷市長に聞いてみた
リンクをコピーしました
目次/ INDEX
善いおこないをしようとするとき、悪いたくらみがよぎるとき、そんな時々に「じゃん!」と頭の周りに現れるのが、おなじみ天使と悪魔である。
進路に迷ったとき、天使と悪魔が交互にささやく。そしていったい、どちらの進言を聞き入れるのか?
誰しも、数え切れないほど日々そういった選択を迫られる場面があると思う。そんなとき、実際に導いてくれるような装置があったらどうだろう。頭の上で回る、天使と悪魔のルーレット、みたいな。
念のため、どんなものを作るつもりなのか、ラフを描いてみたいと思う。はい。
我ながら描いてあきれた。この絵から今回の工作を始めようってんだから自分でもビックリだ。続ける。
この絵をたずさえ、うちからいちばん近い、町田のカインズへと買い出しに行ってきた。カインズのネットでも買い物できるわけだが、この雑なラフからどんな材料が必要になるかほぼ想像できないので、実際の陳列棚を回るほうがイメージしやすいと思ったのだ。
資材館は、平気ででかい板や鉄骨、ブロックが山と積んである、プロの集う魅力的な空間だった。そこで天使と悪魔帽を作れそうな材料を調達。申し訳ないような気持ちでいっぱいになった。
ヘルメットとベアリング、テグス、プラ板などをとりあえず購入。およそ天使界や悪魔界と関係なさそうな材料だが、とにかくあのラフのとおり、工作を始めてみよう。
ヘルメットの頭頂部にネジ付きベアリングを取り付け、そこからプラ板を竿のように渡し、両端に天使と悪魔をぶら下げようと思う。すばらしくアナクロな設計である。
ヘルメットにドリルで穴を開け、黄色いままではアレなので、ちょっと絵を入れて塗装してみよう。白スプレーが家にあったのでまずそれを吹き付け、雲型にマスキングしたら黒スプレーで染めていく。
もうお分かりだろう、「ほわんほわん…」と空想の吹き出しが頭から出ているようにしたいのである。この原稿、書けば書くほど幼児退行ぎみだけど大丈夫か。
さて問題は天使と悪魔の人形である。ここで材料選びを失敗すると一層まずいことになるので、慎重に検討し、粘土でもぬいぐるみでもなく3Dプリンタで出力することにした。
3Dスカルプトソフトで、ざっくりとした天使と悪魔を描く。目の前の画面で見ると目を覆いたくなるデキだが、6cmくらいの大きさにするので、たぶんアラは誤魔化せるだろう。
もうこれが限界だ。いそいそとデータを3Dプリンタに移動させ、約7時間後…
よかった…! ここで失敗すると、また7時間かかるところだったのでありがたい。そんなこんなで天使も成功したので、わからないなりに色を塗る。天使の髪の色とか悪魔の目の色なんてわからないっすよ。
この方々を、テグスで吊るのだ。テグスの使い始めのたわみは、ドライヤーでできるだけ真っ直ぐに伸ばした。
首を通すと生々しいので、羽根の後ろから優しく糸を通す。
強力接着剤でプラ板をベアリングに接着して……「あっ!」。
これではヘルメットにねじ込めない…ネジ穴をプラ板で塞いじゃったや。
ということは、竿をベアリングにスポッとはめるための部品を作らねばならない。撮影日の前日、泣きながら速攻でプリントアウトした。
移動時に持ち運びしやすいよう、取り外せる設計にしたのだ。「ヘルメットにベアリング」くらいで設計って言っちゃった。
このベアリングに、竿をカパッと…
はい、これにて「天使と悪魔に決めてもらう帽」、完成です。
頭に装着して、彼らを舞わせてみましょう。
さすがベアリング、非常によく回る。善悪の判断が頭上を高速回転している。すごい勢いで悩む人だなこりゃ。
これを被って、さあ街へ出てみよう。世間は選択の連続で成り立っているのだ!