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多用途すぎる最強DIYテーブル! 寸法も高さも自由自在

クリエイター

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二見 武馬

二見 武馬

首都高などのインフラから匠の家までも造る一級建築士の大工。1級土木施工管理技士、コンクリート診断士、コンクリート主任技士など建設関連の資格を多数保有。「方眼ノート×土木・建築」メソッドで多くの難問を解決!DIYerに分かりやすいように、プロのノウハウやアイディアを提案していきます。その他、フォーク・ユニック・ユンボなど特殊車両の操作。玉掛け・溶接・丸ノコなど、各種技能もお任せあれ!

多用途なテーブルをDIYする方法

いま使っているダイニングテーブルに少しも不満はありませんか?

私は以前、北欧家具専門店で売られている、自分で組み立てられるテーブルを使っていました。可動式の天板など、機能は良かったのですが、何しろ重い! 素人でも組み立てられる反面、金物が特殊で、破損した時に交換できる部品を見つけられませんでした。

次に購入した2代目のダイニングテーブルは、ひと回り小さくて軽いものの、価格はちょっと高め。使ってみると、今度は「脚の幅」に不満が残りました。椅子を2脚並べると、それで幅がいっぱい。大人2人が腰かけると、テーブルの脚が邪魔になり、家族でテーブルを囲むと、誰かがはみ出してしまうという有様…。

家族に適した理想のテーブルがなかなか見つからず、いいものを見つけたと思うと、価格が予算に適わず。

結論、既製品では自分好みのテーブルは見つからない! それならば、造ってしまおう! 

ということで今回は、多用途すぎる「万能テーブル」をDIYしていきます。サイズも自分で設定できるテーブルなので、ダイニングテーブルはもちろん、広めの作業台など、活用の幅は無限大です!

国産の杉・無垢の厚板、『カフェ板』を活用

『カフェ板』ってご存知ですか? 2019年度のグッドデザイン賞も受賞した、国産の杉板です。

その製品の仕様を、製造元の中国木材株式会社のホームページから抜粋すると…

「カフェ板」:長さ2,000ミリ×厚さ30ミリ×幅200ミリ(0.4平米)
杉の無垢の乾燥板材であり、無垢材特有の経時変化や長期使用を前提とした耐久性向上を考慮した特殊形状(特許:1607544)デザインを施している。 輸入木材が寡占シェアとなっている国内のDIY市場を、デザインと高品質により国産杉材で奪還中。用途は土足用のフロア材。補助パーツの「リノベ柱」と組み合わせれば、容易に間仕切壁が形成できる。

テーブルDIYに使うカフェ板

購入できるのは「全国の大型ホームセンター」と案内されています。もちろん、カインズの売り場にも並んでいました!

カインズの売り場に並んだカフェ板

これならば、材料の確保も簡単ですね。この『カフェ板』を、テーブルの天板に採用します!

『カフェ板』の寸法は、長さが2,000㎜、幅が200㎜で、厚みが30㎜です。今回、DIYするダイニングテーブルの天板の大きさは1,500×800㎜なので、組み合わせるのは4枚。

ダイニングテーブルの設計図

余分に長いところはカットしますが、素材の都合で見ると、天板の長さは2mまで対応可能です。

資材の調達・購入

木材購入だけが目的ならば、資材館へ直行。

車を直付けできるし、運搬も店員さんが手伝ってくれますよ!

カインズ資材館の外観

『カフェ板』は全長2m。

コンパクトカーでもラクラク運搬できます。

買った木材をコンパクトカーに積み込む

テーブルの脚部材には、同じく国産の杉材を使用。60×60㎜・長さ1,820㎜で、規格品として販売されています。

今回、使う材料はこれだけ。まとめると以下のとおりです。

  • カフェ板(杉) 2m×4枚
  • 60×60(杉) 1.82m×5本

木材選びのコツは、素性の良いものを選ぶ! 素材の節や曲がりは、使い方次第。ねじれているものだけは避けましょう。

ダイニングテーブルの設計図2

資材の割り振り・使用する工具

購入した資材を並べて、適材適所に振り分けましょう。

購入した材料を並べたところ

割り振りのイメージはこちら。

割り振りのイメージ

続いて、今回使用した工具・道具はこちら。

使用した工具・道具

左側から、

  • 丸ノコ(ノコ刃外径:190㎜)
  • 差し金
  • 定規(スタッフ・コンベックス)
  • 玄翁(大・小)
  • ノミ(36㎜)
  • ハタガネ
  • 鉋(平鉋・面台鉋)
  • 手ノコ
  • 丸のこ定規(大・中・小)
  • インパクトドライバー(キリもみ用)
  • 木工用ボンド
  • ステンレス釘(60㎜・75㎜)
  • 毛引き

以下、参考までに。

使用した工具・道具の参照図

脚部の切り出し

今回、外径190㎜の丸ノコを使用する理由はここ。60㎜の資材を一発で切り分けられます!

外径190㎜の丸ノコ

まず、丸ノコの切削深さを設定します。

資材に直接当てると、調整もラクチン。素材から、刃が少しだけ下に出るように設定しましょう。

振り分けのコツは「曲がっている資材は、短く使う部材に」。大きな節がある場合は、加工のない部位に振り分け、一気にカットしていきましょう。

丸ノコの直角定規は必須です! 実際に使用する寸法よりも、5~10㎜くらい長めにカットします。

実際に使用する寸法よりも、5~10㎜くらい長めにカット

さあ、切り出せましたか? 漏れ・忘れがないかを確認するためにも、すべての資材を並べて確認しましょう。

すべての資材を並べて確認

上から、

  • 貫×2本
  • 桁×2本
  • 脚×4本
  • つなぎ梁×1本

脚部の加工

脚は4本、桁と貫が2本、つなぎ梁が1本。それぞれの加工の仕方は、基本的に同じです。

脚部の設計図

同じ部材は、まとめて墨付け・加工をします。そうすることで、部材間のズレを防げます

ハタガネでまとめ、同じ部材はまとめて墨付け・加工する

向きを合わせ、ハタガネでまとめて墨付けをします。

今回は、テーブルの高さが750㎜なので、天板の厚み分を引いた720㎜でカット。部材の長さも、最初に揃えて切ってしまいましょう。

部材の長さも、最初に揃えて切る

同様に桁・貫も、同じ部材を組み合わせて加工していきます。

桁・貫も、同じ部材を組み合わせて加工

切ったら、実際の配置へと並べ、位置を間違えないように印をつけます。「右左」でも「数字」でも、自分の分かる印でOKです。

切ったら、実際の配置へと並べ、位置を間違えないように印をつける

並べられましたか?

今度は、お互いに組み合わさる部分の墨付けをしていきます。

お互いに組み合わさる部分の墨付けをする

実際に、組み合わさる部材同士で寸法を取ることで、それぞれの部材による寸法誤差が出にくくなります

組み合わさる部材同士で寸法を取ることで、それぞれの部材による寸法誤差が出にくくなる

製材時に60×60㎜に加工されているはずですが、あくまで木材は自然のもの。

ものによっては、寸法に誤差があるのでご注意!

ものによっては、寸法に誤差があるので注意する

参考までに比べてみると、やはり微妙に寸法が違いました。

加工する位置を墨付けできたら、加工の深さは「毛引き」で墨付け。

「毛引き」で墨付け-1

「毛引き」で墨付け-2

これもすべての部材に、一気に引いていきます。それにより、誤差や間違いを回避できます

すべての部材に、墨を一気に引いて、誤差や間違いを回避する

加工も一気に行いましょう! 丸ノコの刃を一定の深さにセット。

丸ノコの刃を一定の深さにセット

丸ノコ定規を使って、墨に合わせて切り込みを入れていきます。

丸ノコ定規を使って、墨に合わせて切り込みを入れる

ここで注意してほしいのが、加工の際に墨を全部消さないということ。

理想は、墨(線)を半分のところでカット(杉材は軟らかいので、墨の幅1/3カットでもOK)。

部材の縁部分に加工がある場合には、丸ノコの刃厚分だけ端部に切り込みを入れると、後で行う「ノミ立て」がラクになります

丸ノコの刃厚分だけ端部に切り込みを入れる

この切り込みも、一気に終わらせてしまいましょう!

手戻りないよう、段取りよく進めます。

手戻りないよう、段取りよく進めたところ

さあ、いよいよノミの出番です。よく切れるノミを準備してくださいね!

加工の際は、木材の切り落としを裏側に置いておくと、刃も傷みにくいうえ、部材の欠けも防止できます。

加工の際は、木材の切り落としを裏側に置いておく

ザックリ取ったら、底を平らに仕上げます。

底を平らに仕上げる

端部も同様に、ノミ立てして仕上げていきます。

端部もノミ立てして仕上げる

はい、これで加工は一丁上がり!

仕上げた部材を全部、並べてみましょう。

仕上げた部材を全部、並べる

脚部の組み立て準備

脚部は、2セットできあがります。それぞれの組み合せで並べ、仮り組みをします。

それぞれの組み合せで並べ、仮り組みをする

ここで、前述した「墨半分の加工」をしていると…

入りそうで入らない、でも押し込めば入るかも。そのくらいの、キツめの寸法が理想です。

入りそうで入らない、でも押し込めば入るかも、くらいのキツめの寸法が理想

さて、ここで「気殺し」をします。

部材を組み合わせて、接するところを叩いて縮めます。玄翁の膨らんだほうで叩くと、傷がつきにくいです。

部材を組み合わせて、接するところを叩いて縮める

すると…

気殺し前の部材

気殺し前

気殺し後の部材

気殺し後

すっぽり入りました! この作業を、1組分の全部材に施します。

組み立て直前には、墨を消しておきます。組み立ててからだと消しにくい箇所が出てくるので、このタイミングで行いましょう。

組み立て直前には、墨を消しておく

さて、ここまできたら早く組み立てたい! そんな気持ちを抑えつつ、大事な加工を行います。

その加工とは「面取り」です。「面取り」をピッチリ行っておくだけで、その製品の質がワンランクアップします

「面取り」とは、部材の角を落とすこと。普通の平鉋だけでもできますが、今回はそれ専用の面台鉋を使用します! まずはザックリと、平鉋で角を取りましょう。

専用の面台鉋を使用して「面取り」する

仕上がりがこちら。

「面取り」後の仕上がり

続いて面台鉋で、仕上がり幅を約4㎜に設定して仕上げます。

面台鉋で、仕上がり幅を約4㎜に設定して仕上げる

仕上がりがこちら。

面台鉋の仕上がり

すべての部材の面を取ったものがこちら。桁の上面は、天板が乗っかるので面を取りません。

すべての部材の面を取ったもの

ここまでできたら、組立てに着手しましょう。

脚部の組み立て-1

部材同士が組み合わさるところを、濡れ雑巾で湿らせます。これをすることによって、かみ合わせがスムーズになり、ボンドのはみ出しも処理しやすくなります

部材同士が組み合わさるところを、濡れ雑巾で湿らせる

かみ合わせの、どちらの部材も湿らせます。

かみ合わせの、どちらの部材も湿らせる

ボンドをまんべんなく塗布。

ボンドをまんべんなく塗布する

これも部材の両側に、多めに塗布します。

部材の両側に、ボンドを多めに塗布する

ボンドを濡ったら組み立て開始! 部材を組み合せて、当て木をしながら叩き込みます。

部材を組み合せて、当て木をしながら叩き込む

隙間がなくなり、ボンドがはみ出してくるまで叩きます!

隙間がなくなり、ボンドがはみ出してくるまで叩く

余分なボンドをふき取りましょう。

余分なボンドをふき取る

反対側も、よく確認。やはり薄くはみ出していますね、これもキレイに取りましょう!

反対側も確認して、はみ出したボンドをふき取る

釘など、尖ったものを使うとキレイにふき取れます。

釘など、尖ったものを使ってキレイにふき取る-1

はみ出したボンドを残してしまうと、乾いてからそこだけ光り、格好悪く仕上がるので要注意!

釘など、尖ったものを使ってキレイにふき取る-2

仮り組みができたら、部材間の「直角の確認」をします。

差し金を当てて、全体のバランスを見ましょう。直角が悪いまま進めてしまうと、手直しができなくなります!

差し金を当てて直角の確認

もし直角が悪い場合、必ずどこかに原因が潜んでいます。

  • 溝の加工が直線ではない
  • 加工の幅が狭すぎる
  • 部材の曲がり

などなど。それぞれの接合箇所をよく確認して、その要因を取り除いてから再度組み立てましょう。

直角の確認ができたら、釘止めをします。キリで下穴を開けてから、75㎜のステンレス釘で打ち付けます。

直角の確認ができたら、釘止めする

1ヵ所に、対角で2本の釘を打ち付けます。

1ヵ所に、対角で2本の釘を打ち付ける

4ヵ所すべて、うまく打てましたか?

4ヵ所すべて、うまく打てたか確認

釘を打って、脚が1セット組み上がりました。

ここで再び「面取り」をしておきましょう。鉋で取りにくいところは、ノミで面取りします。

ここで再び「面取り」をしておく

脚部の下面も面取りします。ここの面は、少し大きめに取りましょう!

脚部の下面も面取りする

ここでは、約8㎜の面を取っています。

約8㎜の面を取ったところ

さあ、これで1セット完了。

この工程をもう1セット分、行います!

脚部の組み立て-2

脚が2セット組み上がったら、つなぎ梁で一体化させましょう!

脚が2セット組み上がったら、つなぎ梁で一体化させる

広い空間を準備して、実際にテーブルが設置できるだけのスペースを確保します。

部材の組み合せには、もう慣れましたか? 要領は、先ほどの作業とほとんど同じです。

「仮組み」をした後、直角の確認

「気殺し」をして、「仮組み」をした後、「直角の確認」も忘れずに。

部材を湿らせてからボンドを塗る

部材を湿らせてからボンドを塗って、「キリもみ・釘止め」。

脚部の骨組みは完成

さあ、これで脚部の骨組みは完成です!

天板の設置

脚部の上に、天板を仮並べします。

節や反り、割れや抜けなど、全体を見て、最適なバランスに整えます。

脚部の上に天板を仮並べして、最適なバランスを見る

天板の配置が決まったら、位置を決めていきましょう!

「仕上がり寸法」と「桁」の長さを逆算して、端部の1枚を仮止めします。

「仕上がり寸法」と「桁」の長さを逆算して、端部の1枚を仮止めする-1

幅の出は、逆算すると約50㎜。

「仕上がり寸法」と「桁」の長さを逆算して、端部の1枚を仮止めする-2

長さの出は、逆算すると約95㎜。

天板は、65㎜のステンレス釘で固定する

天板は、65㎜のステンレス釘で固定します。ハタガネで仮固定しながら、平行・直角を確認しましょう。

ハタガネで仮固定しながら、平行・直角を確認する

釘は全部打ち込まずに、頭を残した仮打ちで止めておきます

釘は全部打ち込まずに、頭を残した仮打ちで止めておく

『カフェ板』4枚を仮止めしたら、定規(スタッフ)で、釘打ち箇所のバランスを見ます。

『カフェ板』4枚を仮止めしたら、定規(スタッフ)で、釘打ち箇所のバランスを見る

ここが一番目立つところ。

釘の通り・間隔などを一定にすると、美しく仕上がります。

釘の通り・間隔などを一定にして、美しく仕上げる

さあ、完成までもう一歩!

完成までもう一歩

天板のカット

釘止めが終わったら、仕上がり寸法にカットします。はじめに揃えた端部の直角を確認してみましょう。

端部の直角を確認

ここで、『カフェ板』自体の直角がよくないと、全体の直角にも影響を及ぼします。

いま一度、直角を出して一気にカット。これで端面が決まります。

直角を出して、一気にカット

そのカットした端部から、仕上がり寸法で墨出しをします。理論的には、ここも直角に仕上がるはずです。

カットした端部から、仕上がり寸法で墨出しをする

位置が決まったら一気にカット。

位置が決まったら一気にカットする

天板が、仕上がり寸法どおりに仕上がりました。やはりここも、面を取っておきましょう!

天板も、面を取っておく

平鉋で軽く面を取ってから、面台鉋で仕上げます。

平鉋で軽く面を取ってから、面台鉋で仕上げる

これで、多用途すぎるテーブルの完成です!

諸々うまくいきましたか?

多用途すぎるテーブルの完成-1

無垢材のままでも構いませんが、用途によっては塗装を施しましょう。

屋外使用ならば水性塗料、屋内での使用ならばオイルステインなどの浸透性塗料が適しています!

多用途すぎるテーブルの完成-2

丈夫で軽い、オーダー寸法の多用途テーブルDIY。ぜひ、挑戦してみてくださいね。

ところで、今回の造作で「切り落とし」が出ませんでしたか?

今回の造作で出た「切り落とし」

この「切り落とし」を有効に使って、何かテーブルに関連するものを造ってみましょう!

ということで次回は、切り落としで簡単に造れるスツールのDIYを披露します。

ちなみに、仕上がりはこんな感じです。

切り落としで簡単に造れるスツール

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