「最強の定食」の定義から考える。「色」と「方向」重視の定食
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目次/ INDEX
いま使っているダイニングテーブルに少しも不満はありませんか?
私は以前、北欧家具専門店で売られている、自分で組み立てられるテーブルを使っていました。可動式の天板など、機能は良かったのですが、何しろ重い! 素人でも組み立てられる反面、金物が特殊で、破損した時に交換できる部品を見つけられませんでした。
次に購入した2代目のダイニングテーブルは、ひと回り小さくて軽いものの、価格はちょっと高め。使ってみると、今度は「脚の幅」に不満が残りました。椅子を2脚並べると、それで幅がいっぱい。大人2人が腰かけると、テーブルの脚が邪魔になり、家族でテーブルを囲むと、誰かがはみ出してしまうという有様…。
家族に適した理想のテーブルがなかなか見つからず、いいものを見つけたと思うと、価格が予算に適わず。
結論、既製品では自分好みのテーブルは見つからない! それならば、造ってしまおう!
ということで今回は、多用途すぎる「万能テーブル」をDIYしていきます。サイズも自分で設定できるテーブルなので、ダイニングテーブルはもちろん、広めの作業台など、活用の幅は無限大です!
『カフェ板』ってご存知ですか? 2019年度のグッドデザイン賞も受賞した、国産の杉板です。
その製品の仕様を、製造元の中国木材株式会社のホームページから抜粋すると…
「カフェ板」:長さ2,000ミリ×厚さ30ミリ×幅200ミリ(0.4平米)
杉の無垢の乾燥板材であり、無垢材特有の経時変化や長期使用を前提とした耐久性向上を考慮した特殊形状(特許:1607544)デザインを施している。 輸入木材が寡占シェアとなっている国内のDIY市場を、デザインと高品質により国産杉材で奪還中。用途は土足用のフロア材。補助パーツの「リノベ柱」と組み合わせれば、容易に間仕切壁が形成できる。
購入できるのは「全国の大型ホームセンター」と案内されています。もちろん、カインズの売り場にも並んでいました!
これならば、材料の確保も簡単ですね。この『カフェ板』を、テーブルの天板に採用します!
『カフェ板』の寸法は、長さが2,000㎜、幅が200㎜で、厚みが30㎜です。今回、DIYするダイニングテーブルの天板の大きさは1,500×800㎜なので、組み合わせるのは4枚。
余分に長いところはカットしますが、素材の都合で見ると、天板の長さは2mまで対応可能です。
木材購入だけが目的ならば、資材館へ直行。
車を直付けできるし、運搬も店員さんが手伝ってくれますよ!
『カフェ板』は全長2m。
コンパクトカーでもラクラク運搬できます。
テーブルの脚部材には、同じく国産の杉材を使用。60×60㎜・長さ1,820㎜で、規格品として販売されています。
今回、使う材料はこれだけ。まとめると以下のとおりです。
木材選びのコツは、素性の良いものを選ぶ! 素材の節や曲がりは、使い方次第。ねじれているものだけは避けましょう。
購入した資材を並べて、適材適所に振り分けましょう。
割り振りのイメージはこちら。
続いて、今回使用した工具・道具はこちら。
左側から、
以下、参考までに。
今回、外径190㎜の丸ノコを使用する理由はここ。60㎜の資材を一発で切り分けられます!
まず、丸ノコの切削深さを設定します。
資材に直接当てると、調整もラクチン。素材から、刃が少しだけ下に出るように設定しましょう。
振り分けのコツは「曲がっている資材は、短く使う部材に」。大きな節がある場合は、加工のない部位に振り分け、一気にカットしていきましょう。
丸ノコの直角定規は必須です! 実際に使用する寸法よりも、5~10㎜くらい長めにカットします。
さあ、切り出せましたか? 漏れ・忘れがないかを確認するためにも、すべての資材を並べて確認しましょう。
上から、
脚は4本、桁と貫が2本、つなぎ梁が1本。それぞれの加工の仕方は、基本的に同じです。
同じ部材は、まとめて墨付け・加工をします。そうすることで、部材間のズレを防げます。
向きを合わせ、ハタガネでまとめて墨付けをします。
今回は、テーブルの高さが750㎜なので、天板の厚み分を引いた720㎜でカット。部材の長さも、最初に揃えて切ってしまいましょう。
同様に桁・貫も、同じ部材を組み合わせて加工していきます。
切ったら、実際の配置へと並べ、位置を間違えないように印をつけます。「右左」でも「数字」でも、自分の分かる印でOKです。
並べられましたか?
今度は、お互いに組み合わさる部分の墨付けをしていきます。
実際に、組み合わさる部材同士で寸法を取ることで、それぞれの部材による寸法誤差が出にくくなります。
製材時に60×60㎜に加工されているはずですが、あくまで木材は自然のもの。
ものによっては、寸法に誤差があるのでご注意!
参考までに比べてみると、やはり微妙に寸法が違いました。
加工する位置を墨付けできたら、加工の深さは「毛引き」で墨付け。
これもすべての部材に、一気に引いていきます。それにより、誤差や間違いを回避できます。
加工も一気に行いましょう! 丸ノコの刃を一定の深さにセット。
丸ノコ定規を使って、墨に合わせて切り込みを入れていきます。
ここで注意してほしいのが、加工の際に墨を全部消さないということ。
理想は、墨(線)を半分のところでカット(杉材は軟らかいので、墨の幅1/3カットでもOK)。
部材の縁部分に加工がある場合には、丸ノコの刃厚分だけ端部に切り込みを入れると、後で行う「ノミ立て」がラクになります。
この切り込みも、一気に終わらせてしまいましょう!
手戻りないよう、段取りよく進めます。
さあ、いよいよノミの出番です。よく切れるノミを準備してくださいね!
加工の際は、木材の切り落としを裏側に置いておくと、刃も傷みにくいうえ、部材の欠けも防止できます。
ザックリ取ったら、底を平らに仕上げます。
端部も同様に、ノミ立てして仕上げていきます。
はい、これで加工は一丁上がり!
仕上げた部材を全部、並べてみましょう。
脚部は、2セットできあがります。それぞれの組み合せで並べ、仮り組みをします。
ここで、前述した「墨半分の加工」をしていると…
入りそうで入らない、でも押し込めば入るかも。そのくらいの、キツめの寸法が理想です。
さて、ここで「気殺し」をします。
部材を組み合わせて、接するところを叩いて縮めます。玄翁の膨らんだほうで叩くと、傷がつきにくいです。
すると…
気殺し前
気殺し後
すっぽり入りました! この作業を、1組分の全部材に施します。
組み立て直前には、墨を消しておきます。組み立ててからだと消しにくい箇所が出てくるので、このタイミングで行いましょう。
さて、ここまできたら早く組み立てたい! そんな気持ちを抑えつつ、大事な加工を行います。
その加工とは「面取り」です。「面取り」をピッチリ行っておくだけで、その製品の質がワンランクアップします。
「面取り」とは、部材の角を落とすこと。普通の平鉋だけでもできますが、今回はそれ専用の面台鉋を使用します! まずはザックリと、平鉋で角を取りましょう。
仕上がりがこちら。
続いて面台鉋で、仕上がり幅を約4㎜に設定して仕上げます。
仕上がりがこちら。
すべての部材の面を取ったものがこちら。桁の上面は、天板が乗っかるので面を取りません。
ここまでできたら、組立てに着手しましょう。
部材同士が組み合わさるところを、濡れ雑巾で湿らせます。これをすることによって、かみ合わせがスムーズになり、ボンドのはみ出しも処理しやすくなります。
かみ合わせの、どちらの部材も湿らせます。
ボンドをまんべんなく塗布。
これも部材の両側に、多めに塗布します。
ボンドを濡ったら組み立て開始! 部材を組み合せて、当て木をしながら叩き込みます。
隙間がなくなり、ボンドがはみ出してくるまで叩きます!
余分なボンドをふき取りましょう。
反対側も、よく確認。やはり薄くはみ出していますね、これもキレイに取りましょう!
釘など、尖ったものを使うとキレイにふき取れます。
はみ出したボンドを残してしまうと、乾いてからそこだけ光り、格好悪く仕上がるので要注意!
仮り組みができたら、部材間の「直角の確認」をします。
差し金を当てて、全体のバランスを見ましょう。直角が悪いまま進めてしまうと、手直しができなくなります!
もし直角が悪い場合、必ずどこかに原因が潜んでいます。
などなど。それぞれの接合箇所をよく確認して、その要因を取り除いてから再度組み立てましょう。
直角の確認ができたら、釘止めをします。キリで下穴を開けてから、75㎜のステンレス釘で打ち付けます。
1ヵ所に、対角で2本の釘を打ち付けます。
4ヵ所すべて、うまく打てましたか?
釘を打って、脚が1セット組み上がりました。
ここで再び「面取り」をしておきましょう。鉋で取りにくいところは、ノミで面取りします。
脚部の下面も面取りします。ここの面は、少し大きめに取りましょう!
ここでは、約8㎜の面を取っています。
さあ、これで1セット完了。
この工程をもう1セット分、行います!
脚が2セット組み上がったら、つなぎ梁で一体化させましょう!
広い空間を準備して、実際にテーブルが設置できるだけのスペースを確保します。
部材の組み合せには、もう慣れましたか? 要領は、先ほどの作業とほとんど同じです。
「気殺し」をして、「仮組み」をした後、「直角の確認」も忘れずに。
部材を湿らせてからボンドを塗って、「キリもみ・釘止め」。
さあ、これで脚部の骨組みは完成です!
脚部の上に、天板を仮並べします。
節や反り、割れや抜けなど、全体を見て、最適なバランスに整えます。
天板の配置が決まったら、位置を決めていきましょう!
「仕上がり寸法」と「桁」の長さを逆算して、端部の1枚を仮止めします。
幅の出は、逆算すると約50㎜。
長さの出は、逆算すると約95㎜。
天板は、65㎜のステンレス釘で固定します。ハタガネで仮固定しながら、平行・直角を確認しましょう。
釘は全部打ち込まずに、頭を残した仮打ちで止めておきます。
『カフェ板』4枚を仮止めしたら、定規(スタッフ)で、釘打ち箇所のバランスを見ます。
ここが一番目立つところ。
釘の通り・間隔などを一定にすると、美しく仕上がります。
さあ、完成までもう一歩!
釘止めが終わったら、仕上がり寸法にカットします。はじめに揃えた端部の直角を確認してみましょう。
ここで、『カフェ板』自体の直角がよくないと、全体の直角にも影響を及ぼします。
いま一度、直角を出して一気にカット。これで端面が決まります。
そのカットした端部から、仕上がり寸法で墨出しをします。理論的には、ここも直角に仕上がるはずです。
位置が決まったら一気にカット。
天板が、仕上がり寸法どおりに仕上がりました。やはりここも、面を取っておきましょう!
平鉋で軽く面を取ってから、面台鉋で仕上げます。
これで、多用途すぎるテーブルの完成です!
諸々うまくいきましたか?
無垢材のままでも構いませんが、用途によっては塗装を施しましょう。
屋外使用ならば水性塗料、屋内での使用ならばオイルステインなどの浸透性塗料が適しています!
丈夫で軽い、オーダー寸法の多用途テーブルDIY。ぜひ、挑戦してみてくださいね。
ところで、今回の造作で「切り落とし」が出ませんでしたか?
この「切り落とし」を有効に使って、何かテーブルに関連するものを造ってみましょう!
ということで次回は、切り落としで簡単に造れるスツールのDIYを披露します。
ちなみに、仕上がりはこんな感じです。