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山で50kgオーバーの荷物を運ぶ仕事!? 「歩荷」快適な旅のコツを聞いてみた

クリエイター

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秋本真宏

秋本真宏

1991年生まれ、静岡県沼津市出身。多いときは年間300日を山で過ごした山のプロフェッショナルであり、山での困りごとを何でも請け負う<株式会社山屋>の代表。歩荷の他、山岳での調査や作業、メディア・クリエイターのサポートなど山に関する幅広い活動を展開中。現在は山岳チームでアニメ映画の監修も担当している。

歩荷デビューは突然に

河川敷

──つきましたね、河川敷。

秋本さんの顔画像

秋本さん

とりあえず買った荷物を広げてみましょうか。

充実のカインズ購入品たち。秋本さんの膝の上に乗せている背負子だけは私物。

充実のカインズ購入品たち。秋本さんの膝の上に乗せている背負子だけは私物。

──まずは何から説明していきましょうか。

秋本さんの顔画像

秋本さん

そうですね、やはり歩荷のマストアイテム、「背負子」(しょいこ)から説明するのが良いですかね。

秋本さんは自身で7台の背負子を持つ「背負子マニア」でもある。秋本さんのX(旧Twitter)をチェックすると、そのマニアぶりがあらわに見えるので、おすすめです。

秋本さんは自身で7台の背負子を持つ「背負子マニア」でもある。秋本さんのX(旧Twitter)をチェックすると、そのマニアぶりがあらわに見えるので、おすすめです。

秋本さんの顔画像

秋本さん

細かく説明すると止まらなくなっちゃうので、簡単に説明しますね(笑)。背負子の基本構造は、荷物を積むためのフレームと背面システムに分かれます。フレームは材質によって耐荷重が変わるため、運ぶ荷物に応じて背負子を使い分けたりします。背面は一般的な登山リュックと同じで、紐やパッドを調整して持ち運びやすくできます。背負子自体は意外にも登山用品メーカーで取り扱っているので、ぜひ調べてみてください!

──この背負子に荷物を載せていくわけですね。

秋本さんの顔画像

秋本さん

そうです。今回は重量物として水を用意させてもらいました。これをコンテナに詰めて、荷物を積んでいきましょう。

2Lの水が8本入ったコンテナ。歩荷の練習時には、このように負荷をかけて山を登ることがあるそう。登っている途中で限界が来た場合には、中身を捨てることができる

2Lの水が8本入ったコンテナ。歩荷の練習時には、このように負荷をかけて山を登ることがあるそう。登っている途中で限界が来た場合には、中身を捨てることができる

──これって、基本はさっきの旅行用パッキングと同じで「重いものは上に」ですかね?

秋本さんの顔画像

秋本さん

そのとおりです! 今回は水が入ったコンテナと空のコンテナを積んでいきます。水入りコンテナを上に置くことで、重心を上に保ちます。ただ、今回はここに秘密兵器を追加します。

使い道が一切不明だったブロックがようやく登場

使い道が一切不明だったブロックがようやく登場

秋本さんの顔画像

秋本さん

現場の荷物量によっては、肩辺りまで荷物が届かないことがあります。こういうときには、軽くて丈夫な発泡スチロールブロックを一番下に積んでおくことで、かさ増ししつつ重心を上げることができます。これは歩荷の先輩が発明した技術の一つです(笑)

発泡スチロールブロックを一番下に積んでおく

コンテナを積んでいく

テキパキと荷物を積んでいく秋本さん。水が入った容量22L のコンテナが上に位置し、重心が肩甲骨あたりに来る美しい仕上がり。

テキパキと荷物を積んでいく秋本さん。水が入った容量22L のコンテナが上に位置し、重心が肩甲骨あたりに来る美しい仕上がり。

秋本さんの顔画像

秋本さん

次は荷締めベルトですね。縦方向に荷物を抑えていきます。

荷締めベルトを手に持つ秋本さん

秋本さんの顔画像

秋本さん

あっ! これみてください!

──どうかしましたか?

秋本さんの顔画像

秋本さん

コンテナの縁にめちゃくちゃ引っ掛けやすい凹みがあります!!

荷締めに便利な縁の凹み。安定度が格段に高まった

荷締めに便利な縁の凹み。安定度が格段に高まった

秋本さんの顔画像

秋本さん

これは非常に便利ですね。もはや歩荷仕様のコンテナと言っても過言ではありません。荷締めがバッチリ完了しました。

全力で揺さぶってみてもびくともしない。荷積みが完了。

全力で揺さぶってみてもびくともしない。荷積みが完了。

秋本さんの顔画像

秋本さん

それでは、私が一度背負ってみますね

座りながら荷物を背負う秋本さん

座りながら荷物を背負う秋本さん その2

立った状態で荷物を背負う秋本さん

慣れた様子で立ち上がる秋本さん。立ち姿からは荷物の重さが全く伝わってこない

慣れた様子で立ち上がる秋本さん。立ち姿からは荷物の重さが全く伝わってこない

秋本さんの顔画像

秋本さん

とても、とてもいい背負い心地です。今回はカインズさんで買った膝サポーターもつけてみましたが、これもいい仕事しています。

負担がかかる関節部分は普段からしっかりサポートしているとのこと

負担がかかる関節部分は普段からしっかりサポートしているとのこと

──荷物を持ったときの歩き方にも何かコツがあったりするんですかね?

秋本さんの顔画像

秋本さん

そうですね。意外かもしれませんが、全身が脱力している状態は体に負担がかかりやすく、疲れやすいことが多いです。特に「スマホ首」や猫背の姿勢は、首や背中に負担がかかり、結果的に疲労感が増してしまいます。良い歩き姿勢のポイントは、おへその下に軽く力を入れて、背中をまっすぐ立ち上げることと、目線を上げること。意識的に前傾姿勢を防ぐようにすると自然と楽に歩けるようになりますよ。

体を立ち上げ、腕を組んで重心を中心に寄せる歩荷の基本姿勢。これが一番疲れずに歩けるんだそう

体を立ち上げ、腕を組んで重心を中心に寄せる歩荷の基本姿勢。これが一番疲れずに歩けるんだそう

──今回は水をたっぷり積みましたがどれくらいの重さでしょうか?

秋本さんの顔画像

秋本さん

今回の重さは、背負子などを含めて約30kgくらいだと思います。平地なら、鍛えていない人でも普通に持てる重さのはずですよ。それでは、交換して背負ってもらいましょうか!

──忘れていませんでしたか……。

ぬるっと登場したライターの狩野。この日が背負子デビュー。気を抜くと後ろにひっくり返りそうで、笑顔の裏で必死に耐えている

ぬるっと登場したライターの狩野。この日が背負子デビュー。気を抜くと後ろにひっくり返りそうで、笑顔の裏で必死に耐えている

──これ……腹筋めちゃくちゃキツイですね。

秋本さんの顔画像

秋本さん

そうなんです! 荷物の重さで後ろに引っ張られるので、腹筋でずっと耐えるような状態になるんですよ。それが1日8時間とか続くので、かなりキツイんです。僕も歩荷しているときは、頻繁に腹筋ローラーとかで鍛えていましたね。

──あと、降ろすとめちゃくちゃ体が軽く感じますね〜。

秋本さんの顔画像

秋本さん

とんでもなく軽く感じますよね。どこまでも行けそうなこの感覚は、歩荷をやってみないと味わえないと思います。狩野さんもハマってしまうかもしれませんね(笑)。

──この荷物を背負って山を登る自信がありませんね……(笑)。

結束バンド、多用途補修テープなど、この日は使用しなかったアイテムもあった。いずれも歩荷をする際に荷物として持っておくと活躍する道具たち

結束バンド、多用途補修テープなど、この日は使用しなかったアイテムもあった。いずれも歩荷をする際に荷物として持っておくと活躍する道具たち

秋本さんの顔画像

秋本さん

ちなみに、使用しなかったアイテムも少し紹介すると、荷締めの際に使えるロープや雨の日に荷物に被せるアルミシートなどを購入していました。ここまで揃うとは思ってもみなかったです!

​​山のプロも唸らせるカインズ。さすがの品揃えでした。背負子とやる気さえあれば、歩荷デビューは可能と判明した今回(背負子は秋本さんからの貸与の可能性あり)。歩荷に興味を持たれた方は、近所の低山で軽めの重量から試してみてはいかがでしょうか。

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