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【簡単DIY】椅子の作り方の基本を木工職人が解説

クリエイター

斉藤 直斗

斉藤 直斗

住宅メーカーの元現場監督で、ものづくりをやりたい想いから、木工職人に転職した現役の職人さん。仕事の合間でDIYや家づくりに関してのWebライターとしても活動しています。ここでは主にDIYに関してタメになる内容をお伝えしています。記事に使われている画像は自宅の作業部屋で撮影。作業部屋を作るほどDIYが大好きです!

DIYでよく作る家具のひとつに椅子があります。他の家具に比べて、椅子は実際に人が座って使うので、安全面などの観点からも正しい作り方を知っておきましょう。

今回は椅子をDIYで作ろうと思っている方向けに「椅子作りの基本」を現役の木工職人が解説します。DIY初心者向けにわかりやすい内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。

椅子作りDIYの基本

手作りの椅子

まずは椅子作りをするために、椅子に関して簡単に学んでみましょう。何も知識がないままDIYをスタートすると失敗の原因にもなるので最低限知っておいた方がいいことをまとめておきます。

椅子の各名称を知る

背もたれ有りの椅子

椅子の各部位の名称を知っておきましょう。

大きくは3つだけなので簡単です。

座面

椅子の座面

座面は座るところのことです。座面をどの素材にするかで座り心地にも影響します。

簡単な椅子であれば木材で簡易的に作るだけでもいいですし、リビングやダイニングで使用するような椅子であれば布やスポンジなどを利用して座りやすく作るといいでしょう。

お尻の形状に合わせた座面

また、写真のようにお尻の形状に合わせて座面を加工してみても面白いです。

脚材

椅子の脚材

脚材は座面の下部にあり、椅子本体を支える大切な部位になります。脚材は太くて短いほど丈夫で安定するのに対して、細くて長いほどぐらつきが大きくなり安定性に欠けます。

ここのバランスはある程度経験であったり感覚的なところで決めてもいいのですが、DIYに慣れていない方だとわからないと思うので、そんな時は作例などからどのサイズの椅子で脚材の太さや長さを使っているのかを見て判断するといいでしょう。

背もたれ

椅子の背もたれ

椅子によって背もたれがある場合とない場合があります。

DIYで簡易的に作るのであれば当然ですが背もたれがない方が作りやすいです。

また、背もたれはもたれやすく斜めに角度を付けることもできます。このような加工はなかなか上級者レベルなので、まずは背もたれなしで作ってみる、もしくは脚材から直線に伸びた背もたれで作ってみると作りやすいです。

椅子の種類

椅子といってもデザインが無数にあり、いろんな種類があります。自分がDIYで作りたいのはどのような椅子でしょうか? 椅子は大きくは3種類に分けることができるのでどのような種類で分けることができるのかを紹介します。

チェア

ダイニングチェア

チェアはダイニングチェアやデスクチェアなど、椅子全般のことをいうことが多いですが、背もたれがある一般的な椅子のことをチェアと呼びます。

スツール

スツール

背もたれがなく、脚材と座面の構成で1人で座る用途で使われるのがスツールです。

スツールは長時間座る時などには向きませんが、座面がなくコンパクトなデザインが多いので洗面所などで短時間で座りたい時に使われることが多いです。

DIYでは作りがシンプルなので作りやすく、初めて椅子を作ろうと思っている方にもおすすめの種類となります。

ベンチ

ベンチ

スツールと一緒で背もたれがなく(一部背もたれがあるものもあります)、長さのある椅子をベンチと呼びます。公園などでよく見かける2、3人座れるサイズのものを思い浮かべていただくとわかりやすいと思います。

写真の作品はコンパクトなサイズですが、住居ではダイニングテーブルに合わせて2人が一緒に座ったりするのに使われることが多く、サイズ感も必然的に大きくなります。座面が長いので、強度や座面のデザインなどをしっかりと考慮して作る必要があります。

椅子作りDIYに使う工具と木材

ここでは通常椅子作りに使用する最低限必要な工具と木材を紹介します。自分でどんなものを作りたいか、どんな加工をしたいかによって、使う工具は変わってきます。そのため、ここでは「最低限」として紹介します。

椅子作りに使う工具

イスづくりに使う工具

  • ドリルドライバー、インパクトドライバー
  • 下穴用ビット
  • コーススレッド(ビス)
  • サンドペーパー
  • メジャー

椅子作りに最低限必要な道具は上記の5つになります。「DIYで作るんだからノコギリとかトンカチはいらないの?」と思う方もいるかもしれませんが、今では木材のカットはホームセンターでやってもらえます。しかも、自分で切るより素早く、きれいに、そして安価でやってくれます。

ただし、各木材の組み立ては必ず自分でやる必要があります。そのため、組み立てに必要な道具は揃えておく必要があります。組み立てにはネジ(ビス)を使って、ドリルドライバーなどの電動工具で締め付けます。「トンカチで釘を打って組み立てる」というイメージがある人もいるかもしれませんが、基本的にはネジでの組み立てになります。

椅子作りに使う木材

椅子作りに使用する木材はデザインなどで変わってきますが、椅子作りに使いやすい木材を一部紹介します。

野縁(のぶち)、垂木(たるき)

野縁と垂木

野縁と垂木は共に木造住宅の建築資材として使われる木材の名称になります。

CAINZでは野縁は30mm×40mm、垂木は45mm×45mmのサイズで販売してます。野縁と垂木は角材として重宝し、椅子の脚材だけでなく、並べることで座面としても使うことができます。作り方次第では野縁と垂木だけで椅子を作ることも可能です。

ツーバイ材、ワンバイ材

ツーバイ材、ワンバイ材

DIYでは王道の木材であるツーバイ材、ワンバイ材です。2×4材、1×4材とも表記し、海外のインチ単位で製材されている木材の種類です。材種は主にSPF材やホワイトウッドがあり、どちらも耐久性があり椅子作りに向いた材料です。ツーバイ材は、サイズが38mm× 89mmと野縁や垂木などに比べて大きいサイズなのでより頑丈な椅子作りに向いています。

カフェ板

カフェ板

カフェ板はなんといっても厚み30mmでかつ幅が 200mmという厚みがあり、幅の広いサイズ感が魅力的。また、材種が杉材で木材のナチュラル感が最大限発揮するこができます。長さを必要とするベンチの座面に使用するのがおすすめです。

椅子作りDIYの手順

それではここからは椅子をDIYで作る大まかな手順を紹介します。

1.デザイン、サイズを決める

椅子のデザイン案

まずはどんな椅子を作りたいのかを決めます。SNSを利用したりして自分の作ってみたい作例を集めてみるとデザインを決めやすいです。また、作った椅子はどこで使用するのか、誰が使うのかを考えて、サイズ感を決めるといいでしょう。

DIYは既製品と違い、細かい寸法を自分で決めることができます。つまりは自分でオーダーメイドすることができるということ。例えば背が高い人が使うなら一般的なサイズより大きめに作ればいいし、お子様向けなら小さいサイズで作ればいいということです。

DIYは自分でサイズを決めることができるので、使いやすいデザインやサイズで作りましょう。

2.材料買い出し

ホームセンターのDIYコーナー

デザインやサイズなど案が固ったら、実際に材料を買いに行きましょう。とはいっても、いきなりホームセンターなどに買いに行っても、たくさんの木材や道具の中から何を買っていいのかわからないと思います。

そこで、おすすめなのが「何も買わずに下見に行くこと」。ホームセンターでは何も買わず下見だけに行ってもいいんです。デザインやサイズを決める時に一度下見をして、どのような木材が売っているのかを調べておくと、より具体的に案を考えることができます。

3.DIYで実際に作る

イスづくりに使用する木材

材料、道具を揃えたらさっそく作っていきましょう!

作る手順に決まりはありませんが、基本的な大まかの手順としては以下の順になります。

  1. 木材のカット
  2. 木材のサンディング
  3. 組み立て
  4. 塗装

事前に決めたサイズに合わせて木材をカットし、全体をサンディング(研磨)をして表面をきれいに仕上げます。その後組み立てて、塗装や金具などの取り付けがだいたいの椅子作りの流れになります。

この工程の中にも、細かく分けると下穴を開けたり、角の面取りをしたりと作業は多々あります。ここらへんの細かい内容は実際に作例毎の作り方のようなものを探して参考にしてもいいし、ご自身でどう作っていくのかを一から考えても面白いと思います。

僕がDIYの初心者の頃はどちらかというと、レシピ通りに作るというよりは自分の頭の中でイメージや作業の流れを組み立ててDIYをやることが多かったですね。もちろん自己流でやろうとする方が失敗する確率は高いですが、こっちの方がDIYとしては楽しいかなと思います。

椅子作りDIYのポイント

最後に、椅子を作る時のポイントをお伝えしておきます。

おそらくみなさんこんなところでつまづくだろうな、と予想して先にお伝えします。

脚が長い場合は補強を入れる

椅子の脚

脚が長い椅子を作る場合は脚同士を繋ぐ補強を入れましょう。

脚が長いとそれぞれがぐらつきやすくなってしまい、座っている時も安定感がない椅子になってしまいます。なので、おすすめとしては足を置きやすい位置に補強として横の部材を入れておくと、ぐらつきを抑えるだけでなく足置きのある椅子として座りやすくなります。

ガタガタする場合の対処法

椅子の基本は脚材が4本で構成されています。なので、どれか一本でも長さが違ってくるとガタついてしまうんです。市販の椅子ならこんなことはないですが、自分で作る椅子ならガタつく可能性がありそうですよね。そんなガタつきの対処法を2つお伝えします。

長さを揃える

ガタつくということは4本の脚材の長さが揃っていないということです。

単純に長い脚を切って揃えればガタつきは直りますが、数mm単位での微調整となるとノコギリでは切れない場合もあります。そんな時は、サンドペーパーを床に貼り付け(両面テープなどを使用し)そこに椅子の脚を擦ることで微妙な調整をすることができます。

フェルトを貼る

家具用のフェルト

もう1つの方法は家具用のフェルトを貼ることです。フェルトを貼ることで、脚材によるフローリングの傷や凹み防止につながるだけでなく、フェルトがクッションの役割をしてくれます。そのおかげで、微妙な長さの違いぐらいならガタつくことがなくなります。椅子を作ったら家具用のフェルトを貼るようにしましょう。

角の面取りで使いやすくする

角の面取り

椅子は座るための家具なので、触れた時の安全性や触り心地といった点を考慮しましょう。

例えば、購入した木材はほとんどが角が鋭くなったままです。この状態で椅子を作っては触った時に手を切ったり怪我をする原因にもなるし、子供向けの椅子ならなおさら危ないですよね。そのため、手で触れる部分、座面などは特に木材の角を面取りしておきましょう。

簡易的にはサンドペーパーで削ることで面取りをすることができますし、よりきれいに、精度よく面取りしたいのであれば、鉋(かんな)などの手工具やトリマーといった電動工具を使う方法があります。

ポイントを押さえれば自分なりのデザインにDIYできる

椅子の作り方の基本を木工職人が解説

今回は初心者向けにDIYで椅子を作る方法を解説しました。DIYには正解はありませんが、だからこそ、この記事の内容は椅子作り全般に共通する内容を紹介しました。

もし自分で椅子をDIYで作る場合は、この記事の内容を思い出しつつ、自分なりのデザインや作り方を考えて作ってみてください。みなさんのDIYに少しでも役に立てば幸いです。

※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります

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