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【木工職人直伝】賃貸もOK!簡単なニッチ風飾り棚をDIY

クリエイター

斉藤 直斗

斉藤 直斗

住宅メーカーの元現場監督で、ものづくりをやりたい想いから、木工職人に転職した現役の職人さん。仕事の合間でDIYや家づくりに関してのWebライターとしても活動しています。ここでは主にDIYに関してタメになる内容をお伝えしています。記事に使われている画像は自宅の作業部屋で撮影。作業部屋を作るほどDIYが大好きです!

壁を有効活用しつつ、見た目もおしゃれなニッチ棚。憧れはあるけれど、壁に穴を開けたりなど大掛かりな作業に抵抗がある方もいるのでは? しかし、壁に大きな穴を開けることなく、ニッチ棚のようにおしゃれな棚を取り付けられる方法があるんです。

その名も、「賃貸でも取り付け可能なニッチ風飾り棚」。今回は、現役の木工職人でもある斉藤が、実際のDIY作業風景を交えながら飾り棚の作り方やポイントを解説します。

この作品のポイントは以下の2点。

  • 壁を傷付けることなく、賃貸でも取り付けが可能
  • ニッチ収納のような壁を上手く活かした壁面の棚

DIY初心者の方でも作りやすい、易しい難易度の作品です。ぜひ最後まで読んでみてください! 

賃貸に取り付けるニッチ風飾り棚とは

そもそもニッチとは

飾り棚

「そもそもニッチって何?」と疑問が浮かんだ方も多いのではないでしょうか。 ニッチとは「壁をくり抜いて壁の中を収納とする空間」のことを指します。

主に持ち家など、収納の工夫で壁内に設けることが多いです。ちなみに上の写真が実際のニッチ棚。壁の中を上手く収納として活かしていると思います。

当然ですが、賃貸の壁は穴が開けられないことが多いですよね。なので、今回の作品はあくまでニッチ「風」。壁に穴を開けたりすることはしないけれど、ニッチのような収納であったり、飾り棚としての役目を持つのがニッチ風飾り棚です。

ニッチ風にする工夫は奥行きがポイント

飾り棚ニッチ風のイメージ

「壁に穴も開けずにニッチ風とは、具体的にどうやるんだ?」と思った人もいるのでは? 一般的にニッチというのは壁の中に収納があるので、棚として室内側に出てくるスペースはそれほどありません。

ニッチ風飾り棚は、棚の奥行きがポイント。奥行きをギリギリまで無くした棚にして、ニッチのようなスッキリとしたデザインを持ちつつ、最低限の収納力を持ったニッチ風の飾り棚ができます。つまり、「壁に穴を開けたり傷を付けたりしない代わりに、奥行きを最小限とした飾り棚」というイメージです。

ちなみに、必要最低限といっても小物や本などを飾る奥行きはあるのでご安心を!

この記事を読むと作ることができるもの

制作したニッチ風飾り棚

制作したニッチ風飾り棚

こちらは実際に制作したニッチ風飾り棚です。木材は主に桐材を使用し、塗装はオイルステイン、壁への固定には賃貸に使用可能な壁を傷付けない金具を使用しています。

材料は全てカインズで揃えることができるので、同じものを作ろうと思っている方はカインズで購入するのがオススメです。

制作するニッチ風飾り棚のサイズ

このニッチ風飾り棚のサイズは上の写真のように縦30cm×横60cm×奥行きが6cmとなっています。

30cmの高さがあれば、雑誌などのサイズ感ですと立て掛けることが可能です。

DIYに使用する道具、工具

DIYに使用する工具など

ニッチ風飾り棚を作るのに使用する木材や道具、工具を紹介します。

使用する木材

木材

まずは使用する木材をご紹介。木材は主に下記の3種類を使用します。

  1. 桐の板材
  2. ベニヤ
  3. 角材

桐の板材

桐材は杉やSPF材などと比べると、とても軽量です。ニッチ風飾り棚は賃貸でも使用できるピンを刺して固定をするフックを使用します。

このフックは耐荷重があるのでなるべく棚本体は軽い方がいいです。木材自体も軽量の方がよいということもあり、今回は桐材を使用することにしました。

ベニヤ

背板(裏に取り付ける板)を取り付けた方が裏の壁が見えなくなるので、ニッチの見た目もよくなります。ベニヤもなるべく軽量なものがいいので2mmのベニヤを使用しました。

ニッチ風飾り棚のサイズは、このベニヤのサイズがちょうどいいサイズだったので、ベニヤはカットせずにこのままのサイズで使います。

角材

角材は8mm角の細いものを使用。これはニッチの転び止めとして取り付けます。これがあることで、小物を飾ったときの落下防止や本を立てるときの滑り止めとして役立つことでしょう。

 

使用する道具

使用する工具類

次に使用する道具を説明していきます。ニッチ風飾り棚で使用する道具は下記の10種類です。

  1. オイルステイン
  2. 刷毛
  3. ウエス
  4. サンドペーパー(#240)
  5. ペーパーホルダー
  6. 木工用ボンド
  7. 極細ビス
  8. 丸釘
  9. 吊り金具
  10. 石こうボード用フック

オイルステイン、刷毛、ウエス

塗料はオイルステインを選びました。塗料は自分で気に入ったものを塗るといいでしょう。

ちなみにオイルステインや水性ステインといったステインという塗料は、木材にしっかりと色を付けることができるので、簡単に好みの色合いに仕上げやすいです。

ただ、厚く塗料を塗ると濃くなりすぎてしまうので、ウエス(布切れ)などで拭き取りながら塗装した方がいいでしょう。

サンドペーパー、ペーパーホルダー

木材は表面を研磨しないと、荒れていたりバリが出てしまったりすることも。そのままでは触ったときに危ないし、塗装をしたときも塗りムラになってしまいます。木材は丁寧にサンドペーパーで研磨をしましょう。

#240というのはサンドペーパーの荒さのことで、240は木材に対して一般的に使われる荒さです。

お好みで、#320、#400などより細かい番手を使用してもいいですね。

木工用ボンド、極細ビス、丸釘

桐の板材を組み立てるときは、木工用ボンドと極細ビスを使用。ボンドとビスを併用した方がガチっと固定されます。

桐材の厚みが13mmと薄いため、割れ防止のために使用するビスは極細。丸釘や背板のベニヤを止めるためです。

吊り金具

フックをニッチ風飾り棚に固定するために金具を取り付ける必要があります。この金具はカインズオリジナル商品で黒いアイアン風のデザインが気に入って購入しました。

石こうボード用フック

壁を傷付けない賃貸用の作品なので、壁の固定にはネジなどを使った方法が選択できません。今回のDIYでは細いピンで取り付ける石こうボード用のフックを使用します。

このような商品には耐荷重が記載されているので、作るものに合わせて商品や取り付ける数を調整するとよいでしょう。

使用する工具

インパクトドライバーなど

ニッチ風飾り棚で使用する工具類については、下記の4種類を使用しました。

  1. インパクトドライバー
  2. ジグソー
  3. トンカチ
  4. クランプ

インパクトドライバー

ビスを締めるときにインパクトドライバーを使用します。桐材は柔らかいので無理に電動工具を購入する必要はなく、少し大変になってしまいますが手締めでもやることは可能です。

ジグソー

桐材をカットするときに使用しました。こちらも同じく、ジグソーを使わずノコギリで代用して切ることもできます。

ニッチ風飾り棚の作り方

作り方:概要

DIYのニッチ風飾り棚

ニッチ風飾り棚について、大まかな完成までの工程が以下です。

  1. 木材のカット
  2. 木材のサンディング
  3. 木枠の組み立て
  4. 背板の取り付け
  5. 完成したニッチ風飾り棚を塗装
  6. 金具の取り付け
  7. 壁に賃貸用フックの取り付け

工程ごとに解説していきます。

作り方①:木材のカット

桐の板材をカット

まずは、桐の板材をカット。今回のニッチ風飾り棚は買ってきたベニヤのサイズに合わせて制作しました。

ベニヤのサイズは30cm×60cm。そして桐材の長さは60cm。つまり、ベニヤと桐材の長さが同じなので、短い方だけ桐材を切ればいいということです。

桐材は木材の中でも柔らかく切りやすいため、ノコギリで切ることもできます。今回はカインズから販売されているプライベート商品のジグソーを使用してカットしました。

プライベート商品のジグソーを使用してカット

切る長さはベニヤの短い方が30cmで桐材の厚さが1.3cmなので。計算すると、30-1.3×2=27.4です。

つまり、「27.4cm」これが縦板分の切る長さということ。切り間違えないように気を付けてくださいね!

作り方②:木材のサンディング

木材のサンディング

木材を切り終えたら、組み立てる前にサンディングをします。組み立ててからやると、角が上手くサンドペーパーに当たらないので、先にやった方がいいですね。

使用するサンドペーパーは#240を使用しましょう。

作り方③:木枠の組み立て

ボンドの塗布

組み立てにはボンドとビスを使って固定

それでは木板を組み立てていきましょう。組み立てにはボンドとビスを使ってガッチリ固定。

まずはボンドを塗って木材と木材を合わせます。

下穴を開けてビス打ち

下穴を開けてビス打ち

次に下穴を開けましょう。板の端にビスを打つので、下穴を開けないと木板の割れる可能性が高くなります。ここはサボらずにしっかりと穴を開けてください。

しっかりと穴を開ける

極細ビスの太さは2.6mmなので、下穴の大きさは1.8〜2.0mmがいいでしょう。

作り方④:背板の取り付け

背板の取り付け

木枠の裏に背板となるベニヤを貼り付けます。ベニヤと木枠との固定方法は、ボンドと釘です。

ベニヤの固定には釘

ベニヤの固定にはビスでなく釘。釘の方がベニヤに複数箇所に打ち込むのでビスより釘の方が早いし楽なんです。

木枠を組んだときにも共通していますが、もしボンドがはみ出たら水で拭き取っておいてください。ボンドがはみ出たまま硬化すると、後の塗装時に塗りムラの原因になってしまいます。

転び止めの取り付け

転び止めの取り付け

そして、取り付けの最後に転び止めとなる角材を取り付けます。この角材はボンドで固定しました。

取り付けの最後に転び止めとなる角材を取り付け

ボンドが硬化するまでの間はクランプ(木材を挟んで固定できるもの)を使用して圧着し、ズレないように放置しておきます。

作り方⑤:完成したニッチ風飾り棚を塗装

好みの塗料で塗っていく

ここまできたら、仕上げ作業に入っていきます。まずは組み立てた飾り棚を、好みの塗料で塗りましょう。今回はオイルステインを使いました。使用色はエボニーブラックです。

塗料は他にも、ペンキ系の塗料やワトコオイル、ニスなど色々な種類があるので好みの塗料を使ってみてください。ちなみに、前回の記事ではワトコオイルという塗料の塗り方を解説しています。よろしければこちらの記事を参考にどうぞ。

今回はオイルステインを使用

ステインとは着色剤という意味で、木材に色付けをするのが得意な塗料です。塗る濃さや重ね塗りで、仕上がりも変わってくるので、事前に試し塗りをしておくとよいでしょう。

ステインはしっかり乾かないと壁などに塗料が移ってしまうケースもあるので、乾燥時間は長めに取っておいてください。

全体的に厚めに塗布

今回はより濃い色合いにしたかったので、厚めに全体を塗装。

イメージよりも薄ければ重ね塗りをしようかと思っていましたが、一回塗りでもしっかりと色が付いたので、今回は一度塗りにしました。

作り方⑥:金具の取り付け

金具の取り付け

オイルステインが乾いたら、背板側に吊り金具を取り付けます。ここに使用するビスは、完成時は見えないので、適当に余っていてサイズが合うものを使用しました。

このときにも下穴を開けて、割れ対策を行ってください。これでニッチ風飾り棚の完成! 次は壁に取り付けていきます。

作り方⑦:壁に賃貸用フックの取り付け

完成したニッチ風飾り棚を、壁に取り付け

それでは完成したニッチ風飾り棚を、壁に取り付けていきましょう。まずは、石こうボードに取り付けることができるフックを、壁に取り付ける必要があります。

フックを取り付けるには少しコツがいるので、解説しておきます。

マスキングテープを壁に貼り付け

まずはマスキングテープなどの壁紙を傷めないテープを、フックを付けるであろう大体の位置に貼り付けます。

飾り棚を実際に壁に当てる

次に飾り棚を実際に壁に当ててみて、先に取り付けた金具の位置をマスキングテープに写します。

もし、水平器をお持ちであれば、飾り棚の水平を見てから位置を出すといいでしょう。

位置を出したらそこにフックを付けよう

位置を出したらそこにフックを付ければいいというわ。フックの付け方は商品ごとに記載されているので、ここでは省略します。

壁にニッチ風飾り棚を取り付けて完成

フックにニッチ風飾り棚を取り付ければ完成

フックが付け終われば、フックにニッチ風飾り棚を取り付けて完成! 壁に穴を開けずとも、小物や本などを飾る棚を壁に取り付けることができました。

飾り棚にDIY関連の本を飾る

試しにDIY関連の本を飾ってみました。どうでしょう? いい感じではないでしょうか。

プラスワンのテクニック:仕上げにニスを塗ってもいい

飾り棚の作業ワンシーン

完成まで塗装はオイルステインのみでしたが、よりオススメなのが仕上げにニスを塗ること。ステインは着色剤ということで、木材を保護する役割はなく、むしろステインが飾ったものに色移りしてしまう可能性があるんです。

ニスを塗ることで、色移りを防ぐだけでなく表面を保護する効果が見込めます。

油性ニス

ちなみに、ステインでしっかりと着色した後なので、ニスの色はクリアを選んでください。また、使ったステインは油性なのでニスも油性を選んだ方が相性がいいです。

賃貸に取り付けられるニッチ風飾り棚の作り方:まとめ

飾り棚をDIY

今回は賃貸でも取り付けができるニッチ風飾り棚を解説しました。

このサイズで紹介した材料(全てカインズで揃う)を使って作れば、ベニヤをカットする手間や木板をカットする工程が少なくて済みますので、比較的初心者でも作りやすい作品といえます。

改めて工程を振りかえっていきましょう。以下の手順で作っていけばOKです。

  1. 木材のカット
  2. 木材のサンディング
  3. 木枠の組み立て
  4. 背板の取り付け
  5. 完成したニッチ風飾り棚を塗装
  6. 金具の取り付け
  7. 壁に賃貸用フックの取り付け

これからDIYを初めてみたい方は、ぜひニッチ風飾り棚に挑戦してはいかがでしょうか!

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