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※当記事は、カインズ面白事業部、面白法人カヤック、VUILDの3社合同による企画です。
あなたのまちに突如現れ、お店の軒先をDIY。お店の中でもなければ外でもない、まちとつながる軒先の可能性を追求するクリエイターチーム、その名も「軒先ハッカー」!
今回は神奈川県鎌倉市に登場。明日のくらしがもっと豊かになるDIYをお手伝いします。
軒先ハッカー(鎌倉編)のメンバーはこちら!
今回、軒先をハックする場所は、神奈川県鎌倉市の鎌倉駅近くにある食堂「朝食屋コバカバ」。すぐお隣のレンバイ(鎌倉市農協連即売所)から仕入れる鎌倉野菜など、四季折々の素材を生かした朝ごはんが評判。鎌倉の朝の拠点と言っても過言ではない人気店です。
朝食屋コバカバ
現場の下見に訪れた軒先ハッカーチーム。店主のUpponさんから、日頃の店舗の使い方や軒先の現状、店に接点のある人たちの特徴などを聞き取ります。
左から、コバカバ店主のUpponさん、建築家の三輪さん、オフィスプロデューサーでプロDIYerのやつさん、空間デザイナーの木村さん
早速、軒先ハッカーたちが、お店の軒先をぐるりとチェック。
店舗正面に、引戸の入り口。その右側にあるガラス張りの壁は、観音開きになって店舗の内と外をつなぐことができます。
入り口の左側には、入店の列を待つ人が腰掛けるベンチと植栽。
店舗の南側は、スーパーマーケットの駐車場に続く道路に面し、ガードレールで仕切られています。
北側は、ちょっとした空き地。板張りの壁面が路面から斜めに切り込んでいます。
北側の側面には、直径1メートルほどの特徴的な丸窓も。
店舗裏には、幅2メートルほどの川が流れています。
店舗視察を終えた軒先ハッカーたち。
「地元民と観光客の交わるスポットはどうか」「丸窓のデザインを生かして何かできないか」「自転車ラックなどガードレールを大胆に使ってみたい」「京都みたいに河床がほしい」などなど、さまざまなアイデアが飛び出しました。
さて、どんな軒先ハックになるのでしょうか?
数日後……。
軒先ハッカーたちがそれぞれアイディアを持ち寄り、コバカバ店主のUpponさんにプレゼンしていきます。
軒先ハッカーたちは全員、本業が建築関連であるだけに、どの案も本格的です。
まちに現れるアーチ型のふたつのドアの提案です。壁にドアが突如現れて、いつもは閉じているけれど開くと何かが始まる。
開いてみると飲食ができたり、本が入っていたり、子どもの作品が入っていてもいいと思います。
まちの本棚は見たことがあります。要らない本を持っていって、交換するっていう。あとは「鎌倉来ました」っていうインスタ映えする写真パネルとかもいいかも。
あ、思いついたんですが、覗き穴! 地元のアーティストの絵が見られる覗き穴、よくないですか?
鎌倉に遊びに来た人と会話できる、動かせるスナックを考えました。来た人と住んでる人が団欒できる可動型スナックです。
夏はビール、春は野点もできる、みんなで使うテーブル。椅子も中に収納できて、お隣のスペースにしまうことも可能です。
海外の絵が浮かびます。フランスの路上とか飲んでいる感じ。コロナの影響で路上使用に対して寛容な流れもあったので、市の理解を得て使えると良いですね。
南に面しているガードレールをハックする提案です。大きい波のような形状のファニチャー、海街の波の形状を意識しています。
使い方はベンチになったり、テーブルになったり、サーフボードを置いたり。高さも変えて用途多彩。買い物帰りの人や観光客がちょと座ってコミュニケーションが取れたら面白いかなと思います。
めっちゃオシャレですね! ガードレールにかぶせるのは最高だけど、OKかどうかはおいておいて(笑)。
箱根とか景観を大事にするまちはガードレールも木で覆ったりしていますよね。ガードレールって格好悪いから夢が広がります。
私は2つ考えてきました。ひとつ目は、角打ちスタンド。駐輪スタンドの上部が角打ちのテーブルになっているデザインです。コーヒー飲んだり、軽食をとったりできたらいいなという提案です。
そしてもうひとつは、子どものためのショップキットです。
え、この子ども向けの提案、最高です! 今、コバカバでは実際に子ども商店を開いていて、砂浜で集めた貝殻を10円とか20円で売ったりしてるんです。
存じ上げていて、この機会にちゃんとしたのを作ったらどうかなって。僕の中では名前は「小コバカバ」です。
子どもたちが商売するというのは、人のニーズに触れるということやコミュニケーションをとるという意味でも重要。近所の子とか学童の子とか、色々な子が商売できるといいな。ときめきました。
私が提案するのは、日替わりの軒先スナックです。対面型のミニマムな構成で交流が生まれる仕組みができればいいですね。看板、冷蔵庫、証明、DJブースとか、これ1台で全ての機能が満たされる。
昔の屋台コミュニケーションの現代版、小さいけれど人が集まってワイワイできる。まさに軒先を占拠するイメージで考えました。
鎌倉だと、スナックに占い師がいてもいいかも。暖簾に日替わりオーナーの職業が書いてあって、その仕事に興味のある人が立ち寄って話を聞くというのもいいですね。ドイツでは生涯学習が一般的ですし、いろんなことができていいですね!
色々な職種の人、そして中高生とか多世代のまちの人と関わる機会、普段は会わないレイヤーの人たちが出会える機会が作れるといいと思いました。最初はビクビクしてたんですけど、みなさんの提案を聞いていて、すごくワクワクしました。
……軒先ハッカーたちのプレゼンを受け、コバカバ店主のUpponsさんが選んだのは、ヤマダさんのアイデア「Kids Shop Kit」。
この案をベースに、軒先ハッカー全員でブレストを重ね、木村さんを中心にデザインを進めていくことにしました。
議論とデザインを重ねること数日……。
軒先ハッカーたちがDIYすることに決めたのが、この「大人も子どもも使える屋台」です。
「大人も子どもも使える屋台」の正面から見たイメージ
おもちゃの積み木のようなかわいいデザインですが、組み方次第で大人も子どもも満足できる本格的な屋台に変身します。
「大人も子どもも使える屋台」の使用イメージ
組み合わせ方によって、大人も子どもも使える可変式の屋台です。
デザインが決定し、軒先ハッカーたちが向かったのはカインズ町田多摩境店。
豊富な資材の品揃えはもちろん、「ShopBot」という大型切削機が備えつけられていて、データから彫刻やカットの加工ができるDIYの聖地です。
必要な資材を道路を挟んで向かいにあるカインズ町田多摩境店資材館PROで購入し、木材パーツを切り出していきます。
【購入した材料リスト】
資材館から木材を運び出し、店内でDIY作業が可能な「Cainz DIY Square」に向かいます。
こちらが、木材パーツの切り出しに使うShopBotが置いてある「Cainz DIY Square」。
ShopBotは、カインズの5店舗(鶴ヶ島店、広島LECT店、名古屋堀田店、町田多摩境店、東大阪店)に設置されています。誰でも利用することは可能ですが、ShopBotの入稿データは自分で用意する必要があります。
今回の「大人も子どもも使える屋台」の切削用データは、VUILDさんに制作を協力してもらいました。
ShopBotに切削用データを入稿し、木材を切り出していきます。
どんどん切り出していきます。
切り出すことおよそ3時間半……。
ShopBotで切り出した木材パーツの総数は50点以上。
そして、コバカバさんへのお届け当日……。
「大人も子どもも使える屋台」のパーツの組み立ては、面白法人カヤックの敷地内で実施します。サンダーで仕上げのヤスリがけを行い、インパクトドライバーでビスを打ちつけ、台座やボックスパーツを拵えます。
軒先ハッカーチームで作業すること5時間余り。ついに「大人も子どもも使える屋台」が完成しました!
面白法人カヤックからコバカバまでみんなで完成品を運びます。
コバカバに到着。
え、かわいい! 想像以上に素敵です!
屋台を見たUpponさんの開口一番の感想に、軒先ハッカーたちもひと安心。
しばらくすると、近所の子どもたちもワイワイ楽しそうに集まってきて、自然と小さな箱椅子に座ったり、売り子さんのポーズをとってみたり……。
この「大人も子どもも使える屋台」は、子どもと一緒に楽しみながら組み立てられます。もちろん、大人用の屋台に組み替えもできますし、屋台として商品を並べるだけでなく、内棚のストック機能も盛り込んであります。ビジュアルのかわいさに機能性も追加しました。
パーツでバラバラになって箱としても使えるんですね! 子どもたちと一緒に色塗りしたいです。地元のアーティストに声をかけて色塗りワークショップを開催しても良いし、本当に素敵です!
軒先からまちへと広がり人をつなげる屋台。初めての軒先ハックは大成功!!
軒先ハッカー、鎌倉のまちに足跡を残す鮮烈なデビューです。
わたしのまちの軒先をハックしてほしいという方、軒先ハッカーに興味がある方は、ぜひお問い合わせください。
屋台企画・デザイン・設計:軒先ハッカーのみなさん
企画協力:朝食屋コバカバ(鎌倉)
企画・プロデュース:面白法人カヤック(鎌倉)
企画・設計協力:VUILD
文・写真:中村早紀(鎌倉)
コバカバは鎌倉のメインストリート「若宮大路」に面しているので、観光客の人もよく来てくれます。
一方で地元に根付くレンバイ(鎌倉市農協連即売所)のそばにあるので、立地上、井戸端会議しているおばあちゃんなんかも見かけます。