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テラリウムとは、ガラス容器などの中に植物をアレンジして栽培ができるようにしたもの。苔テラリウムは、苔を使ったテラリウムです。苔はあまり強い光がなくても育ち、室内でもグリーンを楽しめるのがいいところ。
空気中の湿度が高い環境を好む種類も少なくありませんが、ガラス容器などに入れて育てれば育てやすい上に、容器に入れてしまえば頻繁に水やりしなくてもよいのも嬉しいです。
インテリア性の高いグリーンとして注目が高まっている苔テラリウム、その作り方を専門店に教えてもらいました。
苔テラリウムのよいところは、手のひらサイズのコンパクトな大きさから始められる手軽さと、室内でも気楽に植物を楽しめることが挙げられます。小さな植物を室内で育てたいからと多肉植物を選んでしまうと、健康な状態では育ちません。
多肉植物やサボテンの多くは、もともとは明るくて比較的乾燥した場所で自生する植物です。しかし苔は、もともと樹木が茂る森林に生える草花の、さらに日陰で自生しているものも少なくありません。
そのため、強い光がない場所であっても健康な状態で育つことができる、室内栽培向きの植物だといえます。また、頻繁な手入れや水やり、メンテナンスをしなくても育てられることも大きなメリットです。
フタ付きのガラス容器に入れて育てていると内部の水分はすぐに乾いてしまうことがないため、毎日水やりをする必要はありません。また、フタをして室内の空気を遮断することで、容器内の環境が安定するため、日々細やかに手入れをする必要はありません。
適度な光が当たる場所に置いておいてあげれば、週に一回~月に1回程度フタを開けて中の様子を確認し、必要に応じて霧吹きで水を与えてあげれば健康な状態で育てることができます。
苔テラリウムはガラス容器など密閉した空間に作るため、さまざまな用土を配合してカビが生えないようにして、湿り気が多い状態でも苔が元気に育つものを使った方がよいでしょう。
小粒の赤玉土をベースにもみ殻くん炭やゼオライトを配合して作ることができますが、よい割合で配合されたものが苔テラリウムショップで販売されているので、そうしたものを活用するとお手軽です。
左から気孔石、溶岩石、レンガチップ
苔テラリウムには苔だけを植えつけても十分楽しめますが、高さがある素材と組み合わせることで、テラリウムの景色に奥行きや幅を生み出すことができます。
気に入った石があればそれを使ってもいいですし、苔テラリウムショップやアクアリウムショップではさまざまな風合いの石が販売されているので、そうしたものを利用してもよいでしょう。
上の石は左から気孔石、溶岩石、レンガチップです。大きさや風合い、色など気に入ったものを探してみましょう。
左から日光砂、日向土、富士砂、寒水砂
苔を張ったところを草原、それ以外のところを地面や岩場として表現するとイキイキとした風景を作ることができます。茶色の土のほか、白や黒などでアクセントを付けると、表現により幅ができます。
上の画像の化粧砂は、左から日光砂、日向土、富士砂、寒水砂です。各砂は園芸用に市販されているものをふるい分けて使うこともできます。
左から、マンネングサ、ヒノキゴケ、ホソバオキナゴケ
苔テラリウムなので、もちろん苔はマストアイテムです。植えつけるガラス容器はフタをしたりフタを少しだけ開けておいたり、あるいはフタをしないでおくことで、それぞれの苔にあった湿度に調節することができます。複数の種類の苔を使う場合は、好む湿度が近いものを選ぶようにしましょう。
今回使ったのは上の画像の左から、マンネングサ、ヒノキゴケ、ホソバオキナゴケです。いずれもそこそこ湿度がある環境を好み、比較的丈夫で増えやすい苔です。
苔テラリウムを作ったり、手入れしたりするときに使うものにはこのようなものがあります。
苔テラリウム作りをするときは土を湿らせて作業をしますが、その際に使います。また、できあがった苔テラリウムに水やりをするときにも使います。
写真のような細長いチューブ状の注ぎ口がついたタイプだと、狙った場所に水を注ぎやすいので便利です。洗浄ビンという名前でも販売されています。
苔を切りそろえるのに使います。伸びすぎた苔を切りそろえる際は、先端はやや細いハサミが使いやすいです。
注水ボトルよりさらに細かい場所にピンポイントで水を注ぐのに使います。
細かな場所に用土や化粧砂を入れるのに使います。先端があまり大きくなく、柄が長いものが使いやすいです。
苔を植えつけたり、ガラス容器の中を整えたりするのに使います。長さ15cm程度の大きさのピンセットが使いやすいです。そのほか、アクアリウム用の長さ30cm近いものや、先端が曲がっているものなどもあると便利です。
苔テラリウムの中全体を湿らせるときに使います。
ここからは苔テラリウムの作り方を、プロセスを追いながら紹介していきます。
「Feel The Garden」の後藤かおりさん
教えてくれるのは、苔テラリウムをはじめとするテラリウム専門店「Feel The Garden」の後藤かおりさんです。
苔テラリウム用土を、ガラス容器の深さの1/4~1/5ほど入れ、石を設置します。石を入れるときはどちらから観賞するかを決め、奥に設置するのが基本です。
しっかり固定するわけではないのでやり直しはききますから、失敗を恐れずに置いてみましょう。
土は容器に入れるときには乾いていた方がサラサラとしていて扱いやすいのですが、苔を植えるなどの作業をしていく上でそのままでは扱いにくいです。したがって、底に水がたまらない程度に水を注して、土を落ち着かせます。
土の表面に化粧砂を入れて大まかな地形を描いていきます。粒の大きな赤玉土や鹿沼土は大きな岩や石、白い寒水石は川や池などの水たまりを表現することができます。
ここでは取材時の作業の流れ上、先に紹介していますが、苔を植えつけてからでも構いません。実際の作業では、苔の植えつけと化粧砂を入れる作業を交互に繰り返しながら苔テラリウムを完成させていきます。
化粧砂は寒水石や富士砂などの細かいものはスプーンで、粒の大きな鹿沼土や赤玉土はピンセットで扱うと作業をしやすいです。
苔はテラリウム用に販売されているものを使います。そのままバラして植えてしまうと根づきにくい上に腰高になってしまいます。上の写真のように、根元の茶色い部分を半分ほどカットして使います。
苔をピンセットではさみ、土に植えつけていきます。ピンセットではさむ際には、苔を斜めに持つのではなく、ピンセットから苔がはみ出ないように真っ直ぐはさみます。
苔をはさんだピンセットを土に真っ直ぐ突き刺して植えつけます。苔を放すときにピンセットを大きく開きすぎてしまうと、植え穴が大きくなって苔がぐらついてしまいます。
ピンセットの開く幅が少ないと苔がピンセットにくっついてうまく植えつけることができません。指や割りばし、ほかのピンセットなどで苔を押さえ、静かにピンセットを引き抜いて植えつけましょう。
あらかじめどのような風景を作るかを大まかに考えておき、背の低い苔から植えつけます。
苔テラリウムの風景ができてきたら、フィギュアを置いてみましょう。フィギュアはネット通販で手に入れることができます。あまり大きくないフィギュアの方が、作品としてのまとまりがよくなります。
きれいに洗っていても、苔から虫やカビが発生することがあります。それを防ぐためにも、苔テラリウムができあがったら殺虫剤と殺菌剤を散布します。
園芸用の薬剤で、殺虫剤と殺菌剤が一つになったものも販売されています。清潔で有機質を含まないものを使えば、用土から虫やカビが発生することはほぼありません。