【勘違い】防虫剤を正しく使っている人は4人に1人だけ。ムシューダ担当が教える間違いの原因とは?
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目次/ INDEX
夏に勢いよく鮮やかな花を咲かせる「モナルダ」。紅茶のアールグレイの香りづけに使用されるベルガモットオレンジのような爽やかな香りをもつことから、別名「ベルガモット」とも呼ばれます。
モナルダは、生育旺盛で育てやすく、観賞用から食用までさまざまな用途で活躍するハーブです。今回は、そんなモナルダの栽培の始め方から、栽培に適した環境、手入れの仕方、気をつけるべき病気までを解説します。
モナルダは、北米東部に自生する、シソ科モナルダ属の多年草。草丈は約60~120cmです。
モナルダの特徴のひとつが、初夏から秋にかけて開花する色鮮やかな花。基本種の炎のような花色と独特な花の形から、和名では「タイマツバナ」とも呼ばれます。交雑種も多く、ピンク、紫、白など、さまざまな花色の品種があります。
葉や茎には、レモンとミントを混ぜたようなベルガモットオレンジの芳香があり、別名「ベルガモット」とも呼ばれています。観賞用だけでなく、ドライフラワーにしたりティーにしたりと、さまざまな用途があります。
モナルダの葉や花には、ややピリッとした辛みがあります。この風味を生かして、若葉や花をサラダや料理の風味づけに使うこともできます。また、モナルダのティーには消化促進の薬効があると言われています。ただし、妊娠中は摂取しないよう、注意してください。
モナルダは、「種まき」でも「苗」からでも育てられます。
種まきから始める場合は、3月上旬から4月下旬にかけて、育苗ポットに種をまいて発芽させます。1つのポットに約3粒を目安にまくとよいでしょう。
まず、育苗ポットの土の表面に、指先で3ヵ所浅いくぼみをつけます。続いて、それぞれのくぼみに1粒ずつ種をまきます。
小粒の種なので、折り目をつけた紙に種を置き、爪楊枝の先などで1粒ずつ流し入れるとよいでしょう。種をまいたら軽く土をかぶせ、ジョウロでやさしく水をやります。
「苗」から育てる場合は、5~8月に苗が出回り始めます。苗選びのポイントは、健康そうな苗を選ぶことです。
健康な苗かどうかを判断するには、節と節の間が間延びしていないか、葉の表面に白い粉のような斑や虫などがついていないかをチェックするとよいでしょう。
モナルダは、「鉢植え」でも「地植え」でも育てられます。
植え付けの適期は、4月上旬~5月下旬頃です。植え付ける際は、根を傷めないよう、育苗ポットからそっと取り出して素早く植え付けます。
生育が旺盛なので、鉢植えには大きめの鉢を選んでください。また、寄せ植えの場合は、ミントなど草勢の強いハーブと組み合わせるとよいでしょう。
地植えにすると、こぼれ種から発芽して色とりどりのモナルダを楽しめる一方で、繁殖力や生育力の弱い他の植物の生育を阻害します。モナルダを植え付ける際は、他の植物と十分な距離を確保しておきましょう。
モナルダは、日当たりのよい場所を好み、耐暑性も耐寒性も高い植物です。
ただし、真夏の直射日光は避けてください。直射日光や水切れによって株が弱ると、うどんこ病にかかる恐れがあります。
7~8月は特に注意して、直射日光を避け、風通しを確保するようにしてください。
モナルダは、乾燥が苦手です。水切れを起こさないよう、水やりは欠かさないようにしてください。
鉢植えで育てる場合は、3月下旬~5月にかけての生育期と6~9月の開花期、基本的に朝夕1回ずつの水やりをします。年間を通して、用土が乾ききる前に水やりしてください。
水やりの際は、鉢底から水が沁みだすくらいたっぷりの水を与えます。このとき、鉢底にたまった水は根腐れの原因になってしまいますので、必ず捨てておきましょう。
地植えの場合は、植え付け後しばらくは朝夕の水やりが理想的ですが、根が張った後の水やりはほとんど必要ありません。ただし、真夏の高温乾燥が続くような時期は、気温が下がる早朝か夕方を見計らって、たっぷりの水を与えてください。
モナルダを育てるには、やや湿り気があり、かつ水はけのよい土壌が適しています。
市販の草花用の用土やハーブ用の用土を使用しても問題ありませんが、自作する場合は、赤玉土小粒:腐葉土=7:3の配合で配合するとよいでしょう。
おすすめの土
モナルダは、栄養分を多く必要とするハーブであるため、肥料が欠かせません。特に、3月下旬〜5月の生育期に肥料切れを起こすと、株全体が弱り、枯れたり病気にかかったりします。植え付け時や植え替え時に元肥を施すとともに、適時に追肥も施しましょう。
まず、植え付け時に、元肥として根元に緩効性化学肥料を混ぜ込みます。さらに、株全体を剪定したタイミングで株元に追肥して、株を回復させましょう。
おすすめの肥料
モナルダの剪定は、開花後に収穫を兼ねて、株元から刈り取ります。
葉は、開花直前の若い葉が柔らかく、もっとも芳香性が高いです。サラダに使う場合などは、茎の先端近くについている若い葉を収穫するとよいでしょう。
株元から収穫した茎や葉は、乾燥させてドライハーブにすると重宝します。紅茶にプラスすると、ピリッとした爽やかな風味が加わります。ただし、妊娠中は飲用を避けましょう。
モナルダは、生育旺盛なハーブです。鉢植えだとすぐに根詰まりを起こしてしまいますので、年に1回は株分けを兼ねた植え替えを行いましょう。植え替えの適期は、春(3~5月)または秋(9~10月上旬)です。
地植えでも、地下茎を成長させながらどんどん伸びます。同時に、株全体の力は弱まり、病気にかかりやすくなります。植え替えの適期に株分けすることで、株の回復を図るとよいでしょう。
ベルガモットのハーブティーを楽しむ場合は、モナルダの花が咲く6~8月頃に、花と葉の両方を収穫します。また、葉はお香やアロマオイルの原料としても使われます。
ハーブティーには2つの楽しみ方があります。新鮮な風味を楽しめる「フレッシュハーブティー」なら、洗ったモナルダの葉と花に熱湯を入れて蒸らすだけです。
たくさん収穫できたら、ザルなどに広げて天日干しして「ドライハーブティー」にしておくと、長く楽しめます。
モナルダがかかりやすい病気は、うどんこ病です。日照不足や風通しの悪い環境で発生しやすく、6~9月は要注意です。
うどんこ病は、その名のとおり、葉の表面にうどんの粉をまぶしたようなカビが生える病気です。放置していると、株全体や他の植物にも広がりかねません。
早期発見できれば、薄めたお酢や重曹のスプレーで治癒できます。り患した葉は早めに取り除き、必ず処分しておきましょう。
うどんこ病に使える殺菌剤
モナルダは、丈夫で生育旺盛な植物です。生育期と開花期の水切れとうどんこ病に注意しさえすれば、初心者でも簡単に育てられます。
花色の異なる品種を隣接して植えておくと、交雑してさまざまな花色を楽しめます。見た目にも楽しく、用途も豊富なモナルダを、ぜひハーブガーデンに取り入れてみてください。