湿気取りには重曹がおすすめ! 除湿剤の作り方や再利用術をご紹介
リンクをコピーしました
花と葉をびっしりつけて、ツルを伸ばしながら旺盛に成長する「ナスタチウム」は、ポイントをつかめば育てるのは難しくなく、鉢でも地植えでも気軽に育てることができます。
暑さと寒さに弱いものの、温度管理に気をつければ11月上旬頃まで美しい花も楽しむことができます。一株でも十分楽しめますが、たくさん植えて迫力ある姿を楽しむのもおすすめです。
この記事では、ナスタチウムを育てる環境やお手入れの方法、気をつけたい病気や害虫などを紹介します。
ナスタチウムは、赤や黄色の花をたくさん咲かせる一年性植物です。ハスに似た葉っぱをつけることから、金蓮花(きんれんか)とも呼ばれています。
ハーブとして食用もでき、ピリ辛の葉をサラダにしたり、デザートのトッピングに花を飾ったりと、食卓に彩りを添えてくれます。
また、「コンパニオンプランツ」としての役目もあります。コンパニオンプランツとは、作物の近くに植えるだけで害虫を遠ざけてくれる植物で、白菜やキャベツ、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜との相性は特に良いです。
ナスタチウムは、種から育てるのが一般的です。3月〜4月が種まきに適した時期ですが、発芽には20℃前後の地温が必要なため、育苗ポットは室内で管理した方が良いでしょう。
種は外側が硬い殻で覆われているので、種まきの前日に水につけておくと発芽率が上がります。
育苗ポットに数粒の種を置き、深さ1cm〜2cmまで指で押し込み、土をかぶせます。適温であれば7日ほどで発芽するので、発芽したら日中だけ屋外に出して管理しましょう。
葉が2〜3枚出てきたら元気な株を選んで、ほかの株は間引きます。
間引きは、新芽同士の接触を避けて苗の成長を促す大切な作業ですので、必ず行いましょう。株元でカットするか、優しく土から引き抜いてください。
ナスタチウムは、鉢植えでも地植えでも育てられます。どちらも育苗ポットで発芽させ、4月〜5月に植え付けを行います。霜(しも)の心配がある場合は、もう少し遅めでも大丈夫です。
鉢植えの場合は、5号〜6号鉢に1苗植え付けます。鉢が大きすぎると根腐れの原因になるので注意しましょう。地植えの場合は、苗と苗のあいだを20cm〜30cmあけて植え付けを行ってください。
元肥として緩効性肥料を少量混ぜ込んでおくと元気に成長してくれます。窒素分が多い肥料を与えると、葉ばかりが増え花が咲かない原因になるので、肥料選びは慎重に行いましょう。
ナスタチウムは、日当たりの良い場所を好みます。ただ、高温と真夏の直射日光が苦手なので、地植えで管理している場合は、遮光ネットで日差しを弱めてあげます。鉢植えの場合は、真夏だけ「明るい日陰」に移動してください。
夏はナスタチウムにとって休眠期です。一時的に成長が止まったり、元気がなくなったりしますが、秋になると再び旺盛に成長していきます。
ナスタチウムは乾燥に強い植物で、水を少なめに管理するのがポイントです。特に夏場に水をあげすぎると、茎が間延びしてヒョロヒョロの弱々しい株になります。鉢で栽培している場合は、土が完全に乾いてからたっぷり水をあげるようにしましょう。
地植えの場合は、根付いたらほとんど水やりの必要はありません。晴天が続き、あまりにも土が乾燥している時は与えても良いでしょう。
水やりをしすぎて根腐れを起こすと、その株は生き返ることはありません。水のあげすぎには注意が必要です。
ナスタチウムには水はけの良い土が必要です。市販の培養土を使う場合は、水はけを改善するためにパーライトを2割ほど混ぜて使ってください。通気性と排水性に優れた「ハンギングバスケットの土」を使っても良いです。
自分で配合する場合は、赤玉土5・ピートモス3・パーライト2の割合で混ぜ合わせると、ナスタチウムに適したバランスの良い土が作れます。
ナスタチウムは元肥と追肥が必要です。
植え付け時には元肥として緩効性肥料を土に混ぜ込み、花が咲く6月頃から追肥として液体肥料を与えます。追肥は10日〜2週間に一度与えてください。
液体肥料は、水やりと同じように株元に散布するものが多いですが、葉に散布する場合もあるので、使い方を守って与えましょう。
また、夏はナスタチウムは休眠期に入るため肥料は必要ありません。少し気温が下がる9月〜10月頃に液肥を再開しましょう。
ナスタチウムは葉や花が増えると、株元の通気性が悪くなり蒸れやすくなります。そのため、梅雨が明ける7月下旬を目安に、切り戻しをしてあげると良いでしょう。
切り戻しの方法は、茎を1/3程度の長さに切り揃えるだけです。大胆にカットしても新しい葉が次々と出てくるので心配いりません。むしろ、秋にキレイな花を咲かせるには切り戻しは必須作業と言えます。また、カットした葉や花は食用としても楽しめます。
種から無農薬で育てたナスタチウムは問題なく食べられますが、園芸店で苗を購入した場合は、農薬が使われているため、購入後1ヶ月以上あけてから食べるようにしましょう。
ナスタチウムは一年草のため植え替えの必要はありませんが、苗を購入した際にポットから鉢に植え替える必要があります。
土をすべて崩す必要はないので、購入時の根の形を保ったまま新しい鉢に植え替えましょう。根の先端を軽くほぐしてあげるとスムーズに根付いてくれます。
ナスタチウムは「挿し芽」で増やせます。挿し芽は、高温多湿の時期を避け、6月頃に行うのが一般的です。
【ナスタチウムの挿し芽の手順】
ナスタチウムは「立ち枯れ病」にかかりやすいです。立ち枯れ病は、葉が黄色く変色し、最終的には茎が腐って枯れてしまう病気です。高温多湿の時期に多く発生します。
感染力が強いので、放置すると他の株にまで病気が広がります。立ち枯れ病が発生したら、病気にかかった株を抜き取るか、薬剤を散布して病気の拡大を防ぎましょう。
間引きや剪定を行って、株元の通気性を良くすることで、病気の発生を防ぐことができます。
ナスタチウムには「ハモグリバエ」がつきやすいです。ハモグリバエは、葉の中に卵を産みつけ、孵化した幼虫が葉を食い荒らします。被害を受けると葉に白い線が入り、見た目がいちじるしく悪くなります。
一般的な駆除方法は殺虫剤で、被害を見つけたら早めに対処することが大切です。あらかじめ防虫ネットで覆うと被害を防げる場合があります。
ナスタチウムは、赤や黄色の花をたくさんつける一年性の植物です。見て楽しむだけでなく、食用やコンパニオンプランツとしての使い方もできます。
水はけの良い土で育て、直射日光に当てずに乾燥気味に育てるようにしましょう。肥料は10日〜2週間に一度ほど液肥を施し、切り戻しを行って株元の通気性を確保することが大切です。
これらのポイントを守って育てれば、たくさんの美しい花を咲かせてくれるでしょう。鉢でも地植えでも手軽に育てられるので、ぜひ挑戦してみてください。