平成ギャルの、ガラケーを「デコる」技術。「デコ電」の歴史と作り方を専門家に教わった
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花や実の付き方がほかの植物とは一味違う「ジャボチカバ」。幹から直接実をつける姿がなんともユニークな植物です。
しかし、日本での流通量は少なめで、見たことがないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ジャボチカバの上手な育て方や、簡単な増やし方を解説しています。個性的な熱帯果樹を育ててみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ジャボチカバはブドウ(巨峰)によく似た紫色の実を幹に直接実らせる、珍しい特性をもった果樹です。
ブラジル原産で、日本では沖縄で多く栽培されています。現地では10m近くまで育ちますが、一般的な大きさは2〜3mほどです。
果実は肉厚で弾力があり、甘くてジューシー。「ブラジリアングレープ」や「木葡萄(きぶどう)」と呼ばれることもあります。
高い抗酸化作用をもつ「ポリフェノール」が豊富に含まれていて、その量はブルーベリーを上回るほどです。
苗を植えてから実がつくまで5〜6年かかりますが、「1度植えれば孫の代まで収穫できる」と言われるほど丈夫で、長期間にわたって実を楽しむことができます。
収穫後はすぐに味が落ちてしまうので、店頭に並ぶことはありません。人とは違う個性的な果樹を育ててみたい方におすすめの植物です。
ジャボチカバは苗から育てるのが一般的です。苗は園芸店やネット通販で購入でき、4号ポットから10号ポットまでさまざまな種類の中から選択できます。
成長が遅いため、小さい株から育てると実をつけるまでに5〜6年はかかります。少しでも早く実を食べたい方は、できるだけ大きい株を選ぶようにしましょう。
また、果実から種を採取すれば種からでも育てられます。1ヶ月ほどで発芽しますが、実がなるまでに10年はかかると言われています。
ジャボチカバを初めて育てる方は、苗から育てた方が良いでしょう。
鉢植えで育てるのが一般的です。春から秋にかけては屋外で栽培し、冬は軒下や室内で管理します。植え付けに適した時期は4月〜6月です。
冬でも氷点下にならない地域では地植えでも育てられますが、寒さ対策は必須です。霜にあたらないように温室などを利用しましょう。
ジャボチカバは熱帯植物のため高温多湿が大好きです。
春から秋は日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。栽培に適した気温は20〜30℃で、日差しが足りないと実つきが悪くなります。
10℃を下回るようになったら室内に移動し、よく日が当たる窓際に置きます。
関東から西の比較的暖かい地域では、年間を通して屋外栽培が可能です。冬は霜に当たらないように軒下に移動し、ビニールや温室で囲って保温してください。
ジャボチカバは乾燥が苦手なため、水は多めに与えます。
土の表面が乾きはじめたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷり与えましょう。とくに夏場は水をたくさん吸収するので、水切れを起こさないよう注意してください。
夏場の水やりは、朝か夕方の涼しい時間に行います。日中の暑い時間に水を与えると、土の中が高温になり根を傷めてしまいます。
冬は成長が緩やかになるため、水も控えめにします。まったく与えないと根が枯れてしまうので、乾燥させすぎないように注意し、適度に水を与えましょう。
地植えの場合は、降雨のみで問題ありません。あまりにも日照りが続き、土が乾燥している場合は水を与えてください。
ジャボチカバは水はけが良い弱酸性の土を好みます。pH5.5〜pH6.0に調整された用土を使いましょう。市販の「果樹や庭木用の培養土」が使いやすいです。
用土を自作する場合は、赤玉土(小粒)と腐葉土を7:3で混ぜ合わせた用土が適しています。アルカリ性の用土は、生育不良の原因になるので使わないようにしましょう。
肥料はチッ素・リン酸・カリを含んだ有機肥料を、春から秋にかけて3〜4回与えます。
化成肥料は肥料成分が強すぎて肥料焼けを起こしやすいので避けたほうがよいでしょう。骨粉入り油かすがおすすめです。
肥料を与える際は株の周りに円を描くように溝を掘って散布します。肥料が1ヶ所にかたまらないようにバランスよく撒いてください。散布後は土をかぶせ、水やりをして完了です。
ジャボチカバは細かい枝をたくさん出して成長するため、定期的な剪定が必要です。
剪定することで日当たりや風通しが良くなり、成長が促進されたり病害虫の予防になったりします。適期は3〜11月で、枝が込み入ってきたらその都度行いましょう。
剪定のポイントは、幹に日が当たるように刈り込むことです。
ジャボチカバは幹に実がつくため、幹に日を当てる必要があります。また、太い枝にも実がつくので、間違って切り落とさないように注意しましょう。
ジャボチカバは緩やかに成長するため、頻繁な植え替えは必要ありません。
目安は2年に1度ですが、株が小さいうちは比較的成長しやすいので、1年に1度行っても良いです。植え替え頻度が少なすぎると、根詰まりを起こして成長が止まってしまいます。
植え替えの適期は4〜6月で、気温が20℃以上になったら行ってください。
植え替えの際はできるだけ根鉢を崩さずに古い鉢から取り出し、ひと回り大きい鉢に植え替えます。果樹や庭木用の培養土、または赤玉土(小粒)と腐葉土を7:3で混合した用土を使用しましょう。
ジャボチカバは「挿し木」で増やせます。挿し木とは、茎の先端を切り取って発根させる方法で、種から育てるのが難しい植物に多く用いられる方法です。4〜9月の成長期に行いましょう。
ジャボチカバの発根には時間がかかるので、あきらめずに栽培を続けましょう。
なお、種からでも増やせますが、果実を収穫するまでに10年近くかかるため、上級者向けの栽培方法といえます。貴重な種が手に入ったら、ぜひ種からも育ててみてくださいね。
ジャボチカバがかかりやすい病気はありませんが、アブラムシやカイガラムシなどの害虫がつくことがあります。
アブラムシは主に新芽に寄生して汁を吸う害虫で、株を弱らせたり、他の病気を引き寄せたりと大きな被害をあたえます。
殺虫剤で比較的簡単に駆除できますが、次から次へと発生するので、定期的な駆除が必要です。殺虫剤を使いたくない場合は、ガムテープでくっつけたり、牛乳を吹きかけて窒息させる方法もあります。
カイガラムシは枝や幹に寄生し汁を吸う害虫で、硬い殻で覆われているのが特徴です。殺虫剤が効きづらいため、歯ブラシや濡れティッシュでこすり落として駆除します。
葉が密集して風通しが悪い場所に発生しやすいので、こまめに剪定を行い、枝や幹によく風が当たるようにしましょう。
おすすめの殺虫剤
ジャボチカバは花や実をつける姿がとてもユニークで、甘くてジューシーな果実はとても人気があります。
実がつくまでは時間がかかるものの「1度植えれば孫の代まで収穫できる」と言われるほど長寿命の果樹です。
肥料と剪定を欠かさず行い、日当たりと風通しのよい環境で育てれば、誰でも簡単に育てることができます。お店に並ぶことはない貴重な果実を、あなたの手で育ててみませんか。