私たちは「正しい消毒」ができていなかった? 研究歴30年超えサラヤ所長「手を振って乾燥はNG」
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コロンとした球体の苞(ほう)が印象的な千日紅。千日紅は、春から秋にかけて長期間楽しめる植物です。真夏の暑さに強いため、夏の花壇や庭を彩りたい方に向いています。
千日紅は切り花としても人気があります。花壇や庭で育てたものを切り花にして、花瓶に飾れば2度楽しめるでしょう。ドライフラワーにしても色あせないため、ドライフラワーに挑戦してみるのもおすすめです。
ここでは、千日紅の栽培方法について詳しく解説していきます。増やし方や病気・害虫についても紹介していくので、千日紅を初めて育てる方もぜひ参考にしてみてください。
千日紅は、ヒユ科センニチコウ属(ゴンフレナ属)の一年草もしくは多年草です。ゴンフレナ属の植物は、アジアやアフリカなどの熱帯地方とアメリカ南部から南米にかけて100種近くが知られています。
花のように見える球体の部分は、葉の一部が変化した苞(ほう)です。苞は赤、白、ピンクなどさまざまな色があり、苞の隙間からは小さな花が咲きます。
千日紅の花言葉は「永遠の恋」「色あせぬ恋」。仏花として用いられることの多い千日紅ですが、ドライフラワーやフラワーアレンジメントとして活用するのもおすすめです。
千日紅は、苗もしくは種まきから育てます。いずれもホームセンターや園芸店で購入できるため、ぜひチェックしてください。
苗は初夏になると店頭に並びます。苗を選ぶ際は、根元がグラグラしないものを選びましょう。ポットに根が回りすぎているもの、葉色が黄ばんでいるものは避けてください。少しでも早く花を咲かせたい場合は、蕾のついている苗を選びます。
千日紅は発芽率が良いため、種まきから育てるのもおすすめです。発芽適温は20〜25度ほどで、種まきの適期は5月頃となります。4月に種をまくと咲かない可能性があるため注意しましょう。
千日紅は、鉢植えと地植えのどちらでも育てられます。鉢植えやプランターで育てるとコンパクトで可愛らしい印象に、庭で育てると見栄えがして庭先を華やかにしてくれます。
植えつけは5〜8月頃に行い、地植えの場合は株と株の間を20〜30cmほど開けて植えつけましょう。鉢植えの場合は、6号鉢に1株程度が目安となります。
鉢植えや地植えで育てたものを切り花にするのもおすすめです。千日紅は切り花にしても長持ちするため、主に仏花として人気があります。自宅に仏壇がある方は特に重宝するでしょう。
千日紅は、日当たりと風通しが良い場所を好みます。日光が不足すると花つきが悪くなるため注意しましょう。日当たりと風通しに注意すれば、他に育てる上での注意点はほとんどありません。
千日紅は、夏の暑さや乾燥に強い植物です。原則として一年草として扱われますが、ファイヤーワークスやキバナセンニチコウなど一部品種については冬越しが可能です。
ファイヤーワークスは土が凍っても冬越しが可能ですが、キバナセンニチコウに関しては3℃を下回らないように管理しましょう。冬越しが可能な品種でも耐寒温度は異なります。
千日紅は乾燥を好む植物なので、水のやりすぎに注意が必要です。地植えの場合は、基本的に水やりは必要ありません。ただし、長期間降雨がない場合は水やりを検討します。
鉢植えやプランターの場合、土地の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えます。千日紅は多湿が苦手なため、雨の日は鉢を軒下などに移動させるのがおすすめです。
千日紅は水はけの良い土を好みます。地植えの場合、まず小石などを取り除き、下から掘り返して日光消毒をしておきましょう。
植えつけの2週間前になったら、石灰を混ぜて酸性の土を中和し、水はけを良くするために腐葉土や軽石などを混ぜます。植えつけの1週間前になったら、化成肥料を少量混ぜておくと良いでしょう。
鉢植えの場合、草花用培養土を利用するのが手軽です。自分で配合する場合は、一例として「赤玉土小粒6:腐葉土3:川砂1」を混ぜ合わせ、緩効性肥料を加えます。
おすすめの土
原則として、千日紅に追肥は必要ありません。葉色が薄く勢いがないと感じた時は、薄めた液体肥料多肥を与えます。
千日紅は多肥にすると葉が茂り、花つきが悪くなるため注意しましょう。
長期間楽しめる千日紅は、茎が伸びすぎてしまったり、花が枯れたりした時に切り戻しを行います。株全体の大きさが3分の1から半分程度になるまでカットします。この際、わき目芽が出ている部分を落とさないようにしてください。
切り戻し剪定の適期は6〜9月頃です。切り戻しをすると花つきが良くなり、病気や害虫も予防できます。
一般的な千日紅は一年草なので、原則として植え替えは不要です。株が大きく成長しすぎた、鉢穴から根がはみ出している、根詰まりを起こしているなどの場合は植え替えを行いましょう。
冬越しが可能な品種に関しては、5〜6月頃に植え替えを行います。軽く根についた土を落とし、新しい土に植え替えます。
千日紅は、種まきや挿し木で増やすことができます。花が枯れた後に苞を外すと、綿毛に包まれた種があるため採取しましょう。採取した種は乾燥させ、封筒などに入れてから冷蔵庫で保存しておきます。
種まきの適期は5月頃です。綿がついたままだと発芽しにくいため、綿毛がついたままの種と砂を混ぜるように手でも揉み、綿毛を取り除きます。
挿し木の適期は、春から初夏にかけてです。若い茎を10cmほど切り取って、切り口を1時間ほど水に浸けておきます。茎を挿木用培養土のポットに挿し、日陰で乾燥しないように管理します。根が出てきたら鉢や花壇に植え替えましょう。
千日紅がかかりやすい病気には、立ち枯れ病があります。立ち枯れ病とは、カビの一種である糸状菌に感染することで株が枯れてしまう病気です。病気が疑われる部分はすぐに取り除きましょう。
立ち枯れ病にかかった場合は、多湿、深く植えすぎた、根元が安定していないなどの原因が考えられます。水はけや風通しが良い土地で育て、長く伸びた株は支柱で支えるなどの予防策が有効です。
千日紅につきやすい害虫は、ハダニやナメクジなどです。特につきやすいのはハダニで、夏に高温多湿の環境が続くと発生しやすくなります。葉の裏側について汁液を吸うと、葉が枯れてしまうことがあるため対策が必要です。
葉に白い斑点のようなものができていたらハダニが発生しているサインなので、早めに薬剤を散布して駆除します。葉の裏側に霧吹きで水をかけることを習慣化すると、ハダニの発生を防げます。
おすすめの殺虫剤
千日紅はコロンとした形が可愛らしく、庭や花壇に咲いていると華やかな印象になります。鉢植えで育てると、より可愛らしい印象になるでしょう。花壇や鉢植えで楽しむだけでなく、仏花やドライフラワーとして利用できる点も魅力です。
千日紅は非常に丈夫な植物なので、日当たりや多湿に注意すれば、初心者でも比較的簡単に育てられます。発芽率が良いため、種を採取しておいて翌年楽しむのも良いですね。この記事を参考に、自宅で千日紅の栽培を始めてみてください。