培養土とは何? 使い方や種類、おすすめ商品を解説!
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中国の高地を原産地とするハンカチの木は、枝にいくつものハンカチが揺れているような、ユニークな見た目の樹木です。
種から育てた実生(みしょう)のハンカチの木は、樹高が3mに到達するまで通常10年かかると言われています。この高さまで到達してはじめて、ハンカチのような苞(ほう)を見ることができるのです。
今回は、そんな希少価値の高い「ハンカチの木」の育て方をご紹介します。最近では気軽に育てられる園芸品種も登場していますので、ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。
ハンカチの木は、ミズキ科ダビティア属(ハンカチノキ属)の落葉広葉高木です。もともと中国の標高2000mほどの高地に自生していた植物で、特徴的な見た目の珍しい樹木です。
「ハンカチの木」という名は、白い2枚の苞がハンカチのように開いて揺れる様子から名づけられました。また、白いハトの群れがとまっているようにも見えるため、別名「ハトノキ」とも呼ばれます。
ハンカチの木の大きな特徴のひとつが、花びらのように見える「苞(ほう)」です。この苞が見られる開花時期は、5~6月頃。
苗から育てると開花まで約10年を要するうえ、日本国内ではまださほど広く分布している樹木ではありませんが、各地の植物園や寺院などで開花した様子を見ることができます。
ハンカチの木は、種をとってまくことはできますが、発芽率は芳しくありません。よって、苗から育てるのが一般的です。
ハンカチの木の苗のうち、国内で流通しているものの多くは、育てやすい「取り木」の苗です。このため、「実生」の苗よりは比較的育てやすいですが、開花するまでは長い月日を要します。
最近では、幼木の段階から開花する一才性の園芸品種「ソノマ」なども登場しています。すぐに開花を楽しみたいなら、園芸品種の苗を購入するのがオススメです。
ハンカチの木は、「鉢植え」でも「地植え」でも育てられますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
鉢植えは、夏場の直射日光や冬場の強風を避けるために鉢を移動させやすいというメリットがある反面、保水力に乏しいというデメリットがあります。
逆に地植えだと、保水力はあるものの、万が一移動させるとなると、大がかりです。地植えで育てる場合は、年間を通した気候や土壌の水はけを考慮したうえで、植え付ける場所を選びましょう。
地植えは、大きく育てられる楽しみもあります。十分なスペースが確保できる場合は、ぜひ地植えに挑戦してみてください。
ハンカチの木は、寒冷で空気中の湿度が高い気候を好みます。ただ、九州や四国で順調に生長し、開花したケースもありますので、温暖な地域でも地植え栽培が可能です。
日当たりや温度で注意するべき点は、夏場の西日と冬場の寒風を避けることです。
ハンカチの木は、大きな葉をつけます。西日や寒風が当たると、大きな葉から盛んに水分が放出されて、水切れを起こしていまいます。乾燥に非常に弱い樹木ですので、日当たりと温度だけでなく、空気中の湿度にも注意が必要です。
ハンカチの木は乾燥に弱いため、こまめな水やりを心がけましょう。
鉢植えの場合は、年間を通して用土が乾かないよう、季節に応じて日に1~2回の水やりを欠かさないようにしてください。葉水も有効です。
地植えでも、植え付け後まる2年が経過するまでは、水やりが必要です。根元や周辺の地面に、しっかりと水をまいてください。また、株元をマルチングすると、土壌の湿度を保つことができます。
ハンカチの木は、肥沃な土を好みます。また、土壌の水持ちと通気性の良さも重要です。
市販の庭木用の用土を使っても問題ありませんが、自作する場合は、赤玉土中粒:完熟腐葉土:バーク堆肥=1:1:1で配合したものを用いるとよいでしょう。
鉢の大きさや種類によって水持ちや通気性が変わりますので、適宜配合を調節してみてください。
おすすめの土
ハンカチの木には、化成肥料または有機質肥料を与えます。
まず植え付け時に、植え穴や鉢底近くの土壌に肥料を混ぜ込んで元肥を施します。
さらに、鉢植え・地植えそれぞれの適期に追肥を施します。鉢植えの場合は、3月頃に化成肥料を株元に置き肥します。地植えの場合は、1~2月頃に有機質肥料を株元に混ぜ込むとよいでしょう。
おすすめの肥料
ハンカチの木は、そのままでも樹形が乱れにくいため、基本的には剪定不要です。
鉢植えや庭のスペースが限られている場合に限り、伸びすぎた枝や葉の混みあった部分を刈り込んで樹形を整えます。スペースの限界がくる前に剪定しておくと、自然な樹形に仕上がりやすくなります。
ハンカチの木は、生育期に剪定すると、乾燥で弱ってしまいます。休眠期にあたる12~2月の間に剪定しましょう。
ハンカチの木の植え替えの適期は、休眠期から新芽が芽吹く直前の3月上旬くらいまでです。休眠期の12~2月に植え替えても問題ありませんが、3月上旬が最適です。
植え替えの際には、植え穴にしっかりと元肥を施します。こうすることで、植え替えのダメージからの回復と生育期に向けた生育が促されます。
ハンカチの木には、特に注意すべき病気はありません。しかし、庭木の大敵「カミキリムシ」には要注意です。
幹や枝に小さな穴があいていたら、中にカミキリムシの幼虫がいるかもしれません。カミキリムシの幼虫は、樹木の内側を食害して、枝を枯らしたり樹木全体を弱らせたりします。
カミキリムシの幼虫は、侵入穴から食べカスや糞を落とします。ハンカチの木の根元や枝元に、おがくずのようなものが落ちていたら、樹木の内部にカミキリムシがひそんでいるサインです。
侵入穴の中にいる幼虫を長い針金などで刺殺するか、専用の殺虫剤を使って駆除しましょう。
おすすめの殺虫剤
ハンカチの木は、木からハンカチを吊るしたような様子が目を引く、珍しい樹木です。乾燥が大の苦手ですが、水やりに注意しさえすれば、日本の環境下でも十分に栽培が可能です。
庭木やシンボルツリーとして、ぜひ取り入れてみてくださいね。