エステーが即答。「上履き洗い」が面倒くさい原因はアレのせい
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目次/ INDEX
猫がトイレでうんちをした後、なぜか部屋の中を猛然と走り回る姿を見たことありますか?
通称「トイレハイ」と呼ばれるこの行動は、猫にとって珍しいことではありません。
猛ダッシュの他にも、親の仇のようにバリバリと爪を研ぐ、無我夢中でザックザックと猫砂をかく、「ナーーーオ!」と大声で鳴き叫ぶなど、猫によって色々なパターンがあります。トイレ後が多いですが、なかにはトイレ前にハイになるような子もいます。
初めて目にしたときには、飼い猫の突然の行動に驚いたという飼い主さんもいるかもしれませんね。
あまりに激しいと心配になってしまうかもしれませんが、トイレハイ自体は病気ではないので安心してください。もちろん個体差があるので、トイレハイを全くしない猫や時々しかしない猫もいます。
では、なぜ猫はトイレハイと呼ばれる状態になるのでしょうか?
猫がトイレハイになる理由についてはいくつかの説がありますが、科学的には解明されていません。猫がトイレハイになる理由として、一般的な説をまとめたので参考にしてみてください。
トイレハイの理由としてよくいわれるのが、野生時代の名残という説です。
現在ペットとして飼われているイエネコの祖先は、砂漠地帯を中心に生息する「リビアヤマネコ」という種のヤマネコです。リビアヤマネコはキジトラ猫によく似た外見で、群れをつくらず単体で狩りをして暮らしていました。
そんな野生時代、猫は外敵に狙われるリスクを避けるため、縄張りの中でも生活地点からできるだけ遠い場所でトイレをしていたといわれます。そして用を足し終えたら、その場からダッシュで離れることで身を守っていたのだとか!
心身が無防備になる排泄中は、野生動物にとって敵に襲われる可能性がある危険な瞬間。できるだけ遠くでサッと済ませ、素早く走り去る習性が残っているのではないか、というのが一般的によくいわれているトイレハイの理由です。
トイレ前後の慌ただしい状態は、少しでも早くその場を立ち去ろうと逸る気持ちの表れなのかもしれませんね。
また、おしっこよりもうんちの方が無防備な状態になるためか、ほとんどの猫はうんちのときだけトイレハイになります。うんちをした後やする前に心細げに鳴くのは、不安な気持ちの表れともいわれています。
ご機嫌のようにも見えるトイレ後のハイテンションは、そのような危険を避けて無事に用を足すことができた安心感から高揚しているとも考えられています。
猫の自律神経にまつわる体の仕組みも、トイレハイの理由として有力な説です。
排泄中の猫は副交感神経が優位に働き、リラックスしている状態です。しかし排泄後は交感神経が活発化するため、用を足した後はスイッチが切り替わるように興奮状態になるのではといわれています。
尿を貯めているときや緊張しているときも交感神経が優位に働くので、トイレ前のハイテンションについても同じ理由だといわれています。
ただし、副交感神経と交感神経の仕組みは猫特有のものではなく、他の動物にも当てはまるものです。そのため、もしこの理由が真実なら猫以外の動物でもトイレハイが起こることになります。
ちなみに、筆者は猫だけでなく犬と一緒に暮らしたこともありますが、飼い犬がうんちをした後にトイレハイのように興奮気味に走り出す姿を見ることもありました。
猫のトイレハイは、飼い主さんへのアピールだという説もあります。
無事に排泄した後に大声で鳴くのは、「うんちが出たよ!」と報告してくれているのかもしれません。報告する目的はかまってほしいからなのかトイレ掃除をしてほしいからなのかわかりませんが、普段からおしゃべりな猫なら有り得そうな説ですよね。
また、「汚れているから片付けて欲しい」と訴えるためトイレ周辺を執拗にかいたり大声で鳴いたりするような猫もいます。
トイレハイは、単に排泄後の爽快感からテンションが上がっているだけという説もあります。
するんと快調に便が出た後は人間もスッキリ爽快な気持ちになりますが、猫も同じ気持ちなのかもしれません。爽快感が突き抜けて興奮状態になり、トイレハイになってしまうのではといわれています。
猫がトイレハイになっているときは、具体的にどのような行動をするのでしょうか?
猫によって違いますが、共通点は普段よりもテンションが高くなるということです。走る・鳴く・暴れるなど、よくあるトイレハイの行動パターンをまとめました。
トイレハイの行動で多いのが、トイレの前後に猛ダッシュをするというものです。
トイレをした直後に部屋の中をダッシュで駆け回る、勢いよくキャットタワーに駆け上るなどの行動は、猫がトイレハイになっている可能性が高いでしょう。なかには興奮からアドレナリンが放出され、しっぽを膨らませながら猛然と走り回るような子もいます。
特にうんちをした後に多い行動ですが、稀にうんち前にダッシュでトイレに駆けこむような子もいます。
走り回って物にぶつかったり家具を倒したりすることもあるので、あまりに激しい場合はケガ防止のため落ち着くまで見守ってあげてくださいね。
大きな声で鳴くのも、トイレハイになっている猫によく見られる行動です。
何かを訴えるように激しく鳴き喚くような猫もいるので、びっくりしたことがある飼い主さんも少なくないでしょう。こちらもうんち後によく見られる行為ですが、うんちをする前だけ普段とは違った不安そうな声で鳴く猫もいます。
大抵は少し経てば興奮がおさまって静かになりますが、いつまでも鳴き続けているときや鳴き声に異常性があるときは何か異変が起きている可能性も。猫の様子や鳴き方によっては不調のサインかもしれないので注意が必要です。
病気の可能性があるトイレ前後の行動については後ほど詳しく解説しているので、そちらを参考にしてください。
ものすごい勢いで爪とぎをするのも、猫のトイレハイによくある行動です。
用を足した後にトイレからダッシュで飛び出してきたと思ったら、まるでうっぷんを晴らすように無心でガリガリと爪とぎをする飼い猫の姿はストレスが溜まっているんじゃないかと心配になってしまうほど。興奮から毛が逆立っていたり、イカ耳になっていることもあります。
なかには、ダッシュ→爪とぎ→ダッシュ…としばらく繰り返すパターンもあります。ある程度気が済んだら止めるので、危険がない限りは気にせず見守ってあげましょう。
トイレを終えた後、一心不乱に砂をかくのも猫のトイレハイに見られる行動の1つです。
必要以上に激しく砂をかくため、トイレハイのたびに部屋の中に猫砂がまき散らされて困っているという飼い主さんもいるでしょう。砂をかくトイレハイはうんちをした後であることがほとんどで、おしっこのときにはあまり見られません。
早く自分の排泄物を隠したいと思っている可能性もあるので、そういったときはできるだけすぐにササッとうんちを片付けてあげると良いかもしれませんね。
他の行動ほど多くはありませんが、トイレハイになって人やおもちゃを噛む猫もいます。
そういった場合は怒りや攻撃のために噛んでいるわけではなく、興奮のあまりじゃれついているケースがほとんどです。猫を撫でようと差し出した手にじゃれつかれたり、猫の横を通った時に足を掴んで噛みつかれるような場合、下手にかまうと噛み癖がついてしまう恐れがあるので気をつけましょう。そもそも噛まれるような行動はとらないようにして、毅然とした態度で知らんぷりすることです。噛まれても騒ぎ立てず、他の部屋に移動するなどして「噛んでもかまってもらえない」と思わせましょう。
噛まれて困るものは出しておかず、蹴りぐるみや噛みついても良い猫用おもちゃを用意しておくと良いでしょう。
基本的に猫はすぐに気分が変わる動物なので、興奮している間は放置するのが1番です。トラブルがない限りは放っておいて、落ち着いたらかまってあげるくらいで大丈夫です。
もともとトイレハイをしない猫はいますが、日常的にトイレハイになる猫を完全にやめさせるのは難しいでしょう。本能的なものなので、走り回ってうるさいからといって叱るのはNGです。
もし飼い猫のトイレハイに困っているのであれば、トイレハイになる理由として考えられている原因を取り除くことで行為が軽減されるかもしれません。
トイレハイが野生時代の習性からきているのなら、排泄物をすぐに片付けることで自分のニオイが消えて安心する可能性があります。トイレは猫のリラックススペースからできるだけ離れたところに置いて、静かで安全な環境を作ってあげると良いでしょう。
上下運動ができるキャットタワーを設置したり、日頃からおもちゃで遊んで体力を消耗させておくのも1つの手です。
とはいえ、何をしてもトイレハイの癖が治らない子はいるので、「そういう習性なんだな」と思っておおらかな気持ちでいることが大切です。
猫はトイレに何かしらの不満があるときにも、トイレハイのような行動をとることがあります。
飼い猫が用を足した後、逃げるように一目散にトイレから飛び出してきたことはありませんか? 一見トイレハイにも見える行動なので、勘違いしてしまうこともあるかもしれません。
うんちに砂もかけず、一刻も早く嫌いな場所から立ち去りたいといわんばかりに飛び出してくる場合はトイレハイではない可能性もあります。
トイレから体を出していたり、周辺を不必要にかくのもトイレが気に入らないときに猫がやりがちな仕草です。ただし、踏ん張るときの癖でフチに足をかけてしまうような猫もいます。
できるだけ近寄りたくない気持ちのときはトイレに行く回数が減り、もよおしている場合でもトイレに出たり入ったりとためらうような動作を見せることがあります。
トイレに不満があると排泄を我慢してしまう猫は少なくないため、トイレの環境を整えることは健康の上でも重要です。猫のトイレ環境について詳しくは他の記事で紹介しているので、そちらも参考にしてみてくださいね。
■猫トイレはコミュニケーションツール! 花王が20年『ニャンとも』を作り続けてわかったこと
■トイレを失敗しがちな猫に試したい! 愛猫にトイレをしつけた簡単な方法
■猫トイレのおすすめ10選! 初心者向けに選び方を分かりやすく解説!
猫のトイレハイは、通常であれば特に心配いらない行為です。しかし、一見トイレハイのように見える行動が、実は不調を抱えているサインであることがあります。
体に不調があると、排泄中の痛みや不快感からいつもと違う鳴き声で鳴いたり、痛みによるストレスから普段よりも攻撃的になるようなケースがあります。
飼い猫の様子がいつもと違うと感じたら排泄物をチェックして、下痢や軟便、血尿などをしていないか確認しましょう。鳴き声に異常性がある、体を触ると痛がる、元気がない、食欲がないなど、排泄時以外の様子も併せて観察し、異変があるようなら早めに動物病院を受診してください。
猫はもともと泌尿器系の病気にかかりやすい体質をしています。膀胱炎や尿石症などの下部尿路疾患は、猫によく見られる泌尿器系の病気です。主な症状は頻尿(トイレに行く回数は増えるのに少ししかおしっこが出ない)や血尿、落ち着きがなくなったり、痛みから排尿中に大声で鳴くような猫もいます。
泌尿器系疾患を放置してしまうと症状が悪化し、最悪の場合は命にかかわることもあります。
早急な治療のためには、普段から飼い猫の様子をよく見て異常性や異変に一早く気づくことです。トイレハイとの違いを見分けるためにも、元気なときの鳴き方や動作、排泄物の量や状態などを今一度確認しておくことをおすすめします。
トイレハイを含め、排泄行動には猫の本能にルーツがあることも多いです。トイレにまつわる猫の習性や、よくある疑問をまとめました。
A. 外敵に自分の情報を悟られないためと考えられている
排泄後、特にうんちをした後に一生懸命砂をかけて隠そうとする行動は、多くの猫に見られます。これは、外敵から身を守るために排泄物の臭いを消そうとする習性だといわれています。
猫は排泄物から様々な情報を読み取ることができるので、そのままにしておくと個体の特徴や居場所を特定されるリスクがあります。敵に情報がバレると命取りになる危険があるため、本能からトイレの後に砂をかけると考えられているんです。
A. 猫の祖先が砂漠地帯に生息していたためと考えられている
猫の祖先であるリビアヤマネコは現在もアフリカ北部や中東の砂漠地帯を中心に生息しています。
遠い祖先が砂で用を足していたことから、猫も本能的に砂を敷いたトイレが合っていると考えられているんですね。
ただし、なかには砂ではなくペットシートの上を好んでトイレをするような猫もいます。恐らく少数派ですが、筆者が昔飼っていた猫がそうでした。子猫の時にトイレにペットシートだけを敷いていたのが習慣になり、大人になっても生涯「ペットシート派」として過ごしていました。
A. 健康な成猫だと1日2~5回程度が目安
健康な成猫の場合、排尿は2~3回程度、排便は1~2回程度が一般的です。
個体差があるので一概にはいえませんが、1日5回以上おしっこをしている・または1日1回しかしない場合は泌尿器系のトラブルである可能性もあります。注意して猫の様子を観察し、気になることがあれば早めに動物病院へ連れて行きましょう。
うんちの頻度も猫によるので、1日おきでも問題がないようなケースもあります。回数と併せて固さや量、トイレ中や普段の猫の様子などをチェックしてみてください。
固くて水分のないうんちが少ししか出ていないようだったり、排便中に苦しそうな様子が見られたら便秘の可能性もあります。かかりつけの獣医師などに相談し、早めにアドバイスを受けましょう。
色々と謎が多い猫の「トイレハイ」。なぜトイレ後にやたらとテンションが高くなってしまうのか、本当の理由は未だ明らかになっていません。
ただし、多くの猫が同じような行動をとることから、本能に備わっているものだというのが一般的な見解です。
鳴き声がうるさいことや猫砂を部屋中に巻き散らかされることもあるかもしれませんが、そこも猫の個性だと思って温かい目で見守ってあげてくださいね。