角度によって色が変わる「色の三原色ゼリー」を作って色の美しさを味わう
リンクをコピーしました
目次/ INDEX
南国の雰囲気を感じさせる、大きなシダ植物を育ててみたくはありませんか?
そんな人におすすめのシダ植物がシマオオタニワタリです。熱帯アジア原産の植物で、国内でも沖縄などに自生しています。
シマオオタニワタリは新芽を食べることができ、沖縄ではおひたし、てんぷら、チャンプルーなどで食べられています。山菜がすくない島では貴重な山菜として重宝されています。
そこで今回は、シマオオタニワタリの育て方を紹介していきます。日本ではなかなか食べられない食材なので、ぜひチャレンジしてみてください。
シマオオタニワタリは熱帯アジア原産で、日本でも沖縄などの温暖な地域に分布している常緑性のシダ植物です。熱帯性のため暑さには強いですが、寒さには弱い性質があります。
チャセンシダ科アスプレニウム属の植物ですが、シマオオタニワタリはアスプレニウム属の中でも特に巨大化し、大きいものは2mにもなります。野生のシマオオタニワタリは絶滅危惧種に指定されているので大切に育てましょう。
また、シマオオタニワタリの新芽は、ワラビやゼンマイのように、てんぷらやおひたしとして食べられます。
シマオオタニワタリは「島大谷渡」とも書き、谷間や岩上に着生している姿が、シダが谷を渡っていると例えられたためです。観葉植物の「アビス」「アスプレニウム」「ニドゥス」として販売されている場合もあります。
シマオオタニワタリはオオタニワタリとよく似ています。葉裏に付いている胞子の付き方が違いますが、それ以外で判別するのは難しいでしょう。シマオオタニワタリは葉の半分程度までしか胞子がないのに対し、オオタニワタリは葉のふちまで胞子が付いています。
シマオオタニワタリは胞子で増えるため、種はありません。そのため、苗から育てます。
シマオオタニワタリを購入するときは、病害虫が付いていないか注意しましょう。病害虫が付いているシマオオタニワタリを購入してしまうと、枯れてしまうばかりか、他の株にうつしてしまう可能性があります。
沖縄のような温暖な地域では、屋外でも越冬できますが、冬に10℃を下回る地域では、鉢植えがおすすめです。
植え付けは生長期の5~9月が適期です。ただし、乾燥に弱いので夏に植え付けるときは猛暑日を避け、乾燥に注意しましょう。
植え付けから新芽が出るまでは、土が常に湿っている状態で管理します。
シマオオタニワタリは、シダ植物のため直射日光には弱く、強い日差しに当たると葉焼けを起こしてしまいます。そのため、強い日差しは避け半日陰で育てましょう。耐陰性があるので、室内でも育てられます。
夏に日向で育てる場合は、50%~75%程度の遮光が必要です。特に気温が高くなるにつれて葉焼けを起こしやすくなるので、35℃を超えるような猛暑では、日陰に移動させた方が良いでしょう。
遮光するには遮光ネットや寒冷紗を使うのが一般的です。室内で育てる場合は、レースのカーテン越しに日光に当てると、葉焼けも起こりません。
ただし、多少は日光に当たった方が元気に育ちます。そのため、気温が落ち着いている春や秋には半日程度日光が当たる場所に移動させると良いでしょう。
シマオオタニワタリは熱帯原産のため、暑さには強いですが寒さには弱い性質があります。
気温が15℃以下になると生長が鈍くなり、10℃以下になると枯れ始めます。最低気温が10℃以下になるようなら、室内の暖かい場所に移動させましょう。
ただし、エアコンの風が直接当たらない場所で管理します。エアコンの風が当たると葉が傷んでしまい、最悪の場合枯れてしまいます。
高湿度を好むため、明るい浴室でも管理できます。ただし、熱湯のシャワーに当たらないように気を付けます。また、カビが生えないように注意しましょう。
春から秋の生長期は、土の表面が乾燥したらたっぷりと水やりします。ただし夏の間は、午前中に水やりすると水が暖かくなって蒸されてしまうため、夕方~夜を待ってから水やりします。
気温が15℃以下になると生長が鈍化してきます。生長が鈍化すると水分をあまり必要としなくなるので、水やりの頻度を減らしていきましょう。
冬の間は、土の表面が乾燥してから2、3日後に水やりをすれば十分です。乾燥気味に管理することで、シマオオタニワタリの樹液の濃度が上がり、寒さに耐えられるようになります。
水分が足りないと落葉するので、落葉が続くようなら水やりの回数を増やしてあげます。
シマオオタニワタリは葉に水をスプレーする(葉水をする)と元気になります。葉水は害虫予防の効果や、葉に付くホコリの除去にも役立ちます。葉が大きくホコリが付きやすいので、葉水後にティッシュペーパーなどで拭いてあげるとより効果的です。
シマオオタニワタリは着生植物のため土がなくても、何かに活着させることで育てられます。屋外なら庭木などに、室内ならコルクや焼き板に着生させると良いでしょう。根のまわりはミズゴケを使って保湿します。
土で育てる場合は、高湿度を好むため、水持ちの良い土を使います。自分で配合する場合は、赤玉土小粒7、腐葉土3で配合します。
土ではなく、ミズゴケをバークチップ、ヤシ繊維のベラボンなどでも育てられます。
シマオオタニワタリの栽培におすすめの土・ミズゴケ
肥料は与えなくてもよいのですが、肥料を与えた方が良く育ちます。
肥料を与える場合は、5月から9月の生長期に与えます。生長期以外に与えると肥料を吸収できずに、肥料焼けを起こす可能性があるので注意しましょう。
肥料は10日に1回液体肥料を与えるか、2ヶ月に1回緩効性の化成肥料を与えます。
シマオオタニワタリの栽培におすすめの肥料
シマオオタニワタリは特に剪定をする必要はありませんが、枯れてきた葉を取り除くことで、風通しが良くなり病害虫を予防できます。
シマオオタニワタリは大きく育つ植物なので、鉢植えの場合植え替えをしないと根詰まりを起こしてしまいます。そのため、2, 3年に1回は植え替えを行いましょう。
植え替えの適期は生長期の5~9月です。植え替え前よりひと回り大きい鉢に植え替えます。
小さい鉢で育てると、株が大きくならずコンパクトに育てられます。コンパクトに育てたい場合は、植え替えの際に根の量を減らして、植え替え前と同じ大きさの鉢に植え替えましょう。
シマオオタニワタリには種がありませんが、胞子で増やせます。葉裏に胞子ができるので、柔らかいブラシなどで胞子を集めましょう。
集めた胞子は湿らせたミズゴケにまき、なるべく湿らせた状態で管理します。2週間ほどすると発芽しますが、発芽したての株は乾燥に弱いので、ミズゴケをしっかり湿らせておくことが重要です。
シマオオタニワタリは病気に強く、特別気を付ける病気はありません。
一方で、シマオオタニワタリにはハダニ、アブラムシ、カイガラムシが付きます。いずれの害虫も吸汁して栄養分を吸い取るため、最悪の場合枯れてしまうことがあります。見つけたら駆除しましょう。
ハダニやアブラムシは水分に弱いため、定期的に葉水をすることで予防になります。カイガラムシは身体にワックスを分泌するため、水や薬剤をはじいてしまいます。カイガラムシを見つけたら、ブラシなどを使ってこすり落としましょう。
屋外で育てた場合には、ナメクジ、ダンゴムシ、バッタなども食害してきます。1匹でも大きな被害が出るので、見つけたらすぐに駆除しましょう。防虫ネットで予防するのも効果的です。
シマオオタニワタリの害虫対策におすすめのアイテム
今回はシマオオタニワタリの育て方について紹介してきました。
シマオオタニワタリは熱帯アジア原産のシダ植物で、暖かい地域に自生しています。そのため、寒さと乾燥には弱い性質があります。温度管理と、直射日光、水やりに気を付けて育てましょう。
増やすときは胞子を使います。種とは違い個人でやるのは難しいかもしれませんが、増やしたい人はチャレンジしてみましょう。
上手に育てることができれば新芽を収穫して食べることができます。沖縄以外の地域ではほとんど自生していないので、自分で育てていないと食べられない食材です。
山菜のように調理できるので、ぜひチャレンジしてみてください。