日傘のスキをなくしたら妖怪っぽくなった話
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目次/ INDEX
ドジョウは金魚やグッピーのようなきらびやかな外見は持ちませんが、愛嬌のある顔がかわいいと一定の人気があります。一度は飼ってみたいという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ドジョウに詳しいオイカワ丸さんにコメントを頂きつつ、ドジョウの上手な飼い方を紹介します。一般的に、ドジョウは水質にうるさくなく、他の魚への攻撃性もないため、初心者の方でも飼いやすい観賞魚です。とはいえ、餌を食べるスピードが遅いなど、知っておきたい注意点もいくつかあります。
お迎えしたドジョウが元気で暮らせるよう、事前にしっかりと情報収集をしておきましょう。
ドジョウは、コイ目ドジョウ科に分類される淡水魚の総称です。漢字では「泥鰌」と書くのが一般的ですが、「鰌」「鯲」の一文字でもドジョウと読むことがあります。ドジョウ(マドジョウ)、カラドジョウ、シマドジョウ、アジメドジョウなどの仲間があり、世界に230種ほどが知られています。また、近縁なグループにフクドジョウ科やアユモドキ科があります。
種類にもよりますが、ノーマル種ともいえる「ドジョウ(以後ここではマドジョウ)」は日本各地の田んぼや河川、池、沼、用水路などの泥底部で暮らしています。
夜行性で、日差しが強い日は日陰や泥中に隠れていますが、雨が降ると活発に泳ぎ回ることが多いです。冬になると泥底に潜り込んで越冬します。
「ドジョウヒゲ」という言葉があるように、口周りに特徴的なヒゲが生えています。数はドジョウの種類によって異なり、たとえばマドジョウは左右合わせて10本、シマドジョウの仲間は6本です。この口ヒゲで味や匂いを感じることができます。
目は他の魚と比べても小さめで、「つぶら」という表現がぴったりでしょう。水中での活動は口ヒゲに頼っているので、あまり目は良くないようです。
体表が厚い粘液に覆われているのも特徴です。触れるとヌルヌルするため、外敵からの攻撃をかわせます。また、病原菌や乾燥から体を守る作用もあります。ウロコは小さいだけで、ないわけではありません。
一般的に20cm以下の種類が多く、マドジョウは12~15cmほどですが、シマドジョウの仲間では5cmほどで成熟する種類もいます。
マドジョウはエラ呼吸のほか、皮膚呼吸も腸管呼吸もできます。腸管呼吸とは、腸を介して酸素を取り込む呼吸法のことです。マドジョウは低酸素になると水面に上がって空気を飲み込み、腸を通して酸素を取り込んで、余った空気をお尻から泡として出します。これを「ドジョウのおなら」と呼ぶこともあります。
雑食で何でも食べます。イトミミズやアカムシはもちろん、低層にある藻類やその分解物なども泥とともに吸い込んで食べます。飼育下では、水槽の底に落ちた他の魚の餌も選り好みせずに食べることが多いです。
一般的には4月下旬~6月下旬までが産卵期ですが、8月まで伸びることもあります。マドジョウでは成熟したオスが成熟したメスの腹部に巻き付き、その瞬間に産卵・放精が行われ授精します。授精卵はそのままばら撒かれ、底質の泥などにまみれて発生します。
水温25℃程度では1~2日で孵化します。繁殖は主に夜間に行われますが、雨天時には昼間に行われることもあるようです。
■生活サイクルの目安
産卵期 | 4月下旬~8月頃 |
孵化から稚魚 | 5月中旬~9月頃 |
未成魚 | 8月中旬~翌4月頃 |
成魚 | 4月下旬~ |
マドジョウは最大15年ほど生きますが、野外では2~3年で死亡する個体が多いようです。また、シマドジョウの仲間の寿命は飼育下では3~6年ほど、野外では1~3年ほどで、環境や種類によって大きく異なります。もちろん、個体差もあります。
一口にドジョウといってもさまざまな種類がいます。ここでは、ペットとして飼いやすいドジョウの種類と販売価格の目安を紹介します。
生息地 | 日本全土 |
体長 | 12~15cm |
性格 | おとなしい |
寿命(飼育下) | 5~10年 |
価格相場 | 3匹で400円~ |
単に「ドジョウ」と呼んでいるのは、いわゆる「マドジョウ」のことを指していることが多いです。ただし、正式な名前(標準和名)は「ドジョウ」です。日本全土に分布しており、主に水田やため池、水路などの流れのほとんどない、泥底の環境を好みます。古くから食用としても利用されてきました。
国内のドジョウのなかでは最大級で、稀に20cm以上に達する個体もいます。体色はオリーブ色に茶褐色の模様があるのが基本ですが、黒色が強い個体や、模様が細かい個体など、育った環境や地域によって異なるのが特徴です。かつては東アジアに広く分布すると思われていましたが、最近の研究で複数の種類が含まれていることがわかっています。中国大陸産と日本産も、形態や遺伝子が大きく異なります。
食用に養殖されている個体が多く流通しており、観賞魚店では安価で売られていることが多いです。また、自分で捕獲することも可能なので、地域によっては減少しているものの、探してみるのもよいでしょう。
オイカワ丸さん
ドジョウ(マドジョウ)は水質の悪化や高水温にも強く、初心者でも飼育がしやすい淡水魚飼育の入門編といえます。ただし、地域によって遺伝子の特徴が異なることから、一度飼育し始めたら最後まで責任をもって飼育し、決して野外に放流してはいけません。
写真はチュウガタスジシマドジョウ
生息地 | 本州、四国、九州のほぼ全域(地域によって種類が違う) |
体長 | 5~15cm |
性格 | おとなしい |
寿命(飼育下) | 3~5年 |
価格相場 | 3匹で500円~ |
体の側面の斑紋が縞模様のように見えることから名付けられた、主に川に生息するドジョウです。細長い体に3対6本のヒゲがあるのも特徴です。
シマドジョウの仲間は国内では本州、四国、九州にかけて20種類ほどが知られており、地域によって生息する種類は異なります。観賞魚店ではオオシマドジョウやヒガシシマドジョウ、チュウガタスジシマドジョウなどがよく売られています。
オイカワ丸さん
シマドジョウの仲間は比較的丈夫ですが、一部の種類は高温にやや弱く、長く飼うには水をきれいに保つ、餌を十分に与えるなど少し工夫が必要です。もちろん、一度飼育しはじめたら最後まで責任をもって飼育し、買ってきた個体をその辺の川に放すことは絶対にやめましょう。
生息地 | - |
体長 | 12~15cm |
性格 | おとなしい |
寿命(飼育下) | 5~10年 |
価格相場 | 3匹で3,000円~ |
ヒドジョウは黄色く明るい体色が特徴のドジョウです。ドジョウ(マドジョウ)の突然変異(色彩変異)で、流通しているのはブリードによって作出・養殖された個体が多いです。黄色変異の他に、白色変異やまだら模様などの品種もあります。また、ヒドジョウとしてドジョウ(マドジョウ)とは別種の、カラドジョウの色彩変異個体が売られていることもあります。
性質はドジョウ(マドジョウ)と同じで育てやすいうえ、鮮やかなイエローであることから、鑑賞のしがいがあると人気です。価格の相場は1匹1,000~1,500円ほどですが、場合によってはより高値で販売されています。
生息地 | 本州(中部~近畿地方) |
体長 | 7~10cm |
性格 | おとなしい |
寿命(飼育下) | 4~5年 |
価格相場 | 3匹で1,500円~ |
アジメドジョウは日本の固有種で、主に北陸、中部、近畿地方の上流~中流域に生息しています。雑食性ですが、藻類食性が強いことが知られます。その名前は「味女」とも書くことから、「おいしくて姿も美しい」という意味があるともいわれています。食用魚類として漁獲もされています。
外見はシマドジョウに似ていますが、体はより細長く、はっきりとした黒いラインが入っているのが特徴。唇は分厚く半月形の吸盤状になっており、3対のひげは非常に短めです。
野外で10年以上生きた個体も確認されていますが、高水温と水の汚れに弱く、一般的に飼育が難しいドジョウです。長期間の飼育には水槽用クーラーを用いて水温を20℃前後に維持することに加えて、餌もプレコフードなど植物成分の多く含まれたものを与える必要があります。
※
生息地 | 東南アジア |
体長 | 10~12cm |
性格 | やや臆病 |
寿命(飼育下) | 5~10年 |
価格相場 | 3匹で800円~ |
クーリーローチは東南アジアに分布する熱帯魚のドジョウです。
オレンジ〜薄赤茶の明るい体色に黒の縞模様があり、国内に生息するドジョウに比べると色鮮やかです。模様には個体差もあるため、鑑賞性を求める方はお気に入りの子を探す楽しさもあるでしょう。また、同じ名前で別の近縁種が扱われていることもあります。いずれも、やや臆病な性格をしていることから、複数匹で飼育するのがおすすめです。
他の小型魚との混泳は可能ですが、意外と食いしん坊であり、稚エビなどクーリーローチより小さな生き物は食べられてしまう恐れも。
生息地 | 本州(東北地方から近畿地方) |
体長 | 4~6cm |
性格 | おとなしいが他個体にまとわりつくことがある |
寿命(飼育下) | 3~5年 |
価格 | 3匹で2,000円~ |
フクドジョウ科に分類され、近畿から東北地方にかけて分布するドジョウの仲間です。流れが緩やかな小川や湧水のある環境を好む傾向があり、中層から水面近くをよく泳ぎます。これは、ドジョウのなかでは珍しく発達した浮き袋を持つためです。
名前の由来は、吻(口周辺)が尖っておらず、仏様のように優しい顔立ちをしているからという説があります。愛嬌もたっぷりで人気のドジョウですが、餌を欲しがって同居魚にしつこくまとわりつくことがあります。また、近年の開発工事等で居場所を追われ、環境省レッドリストで絶滅危惧種・IB類に選定されています。
オイカワ丸さん
ペットショップで購入することは可能ですが、各地で保護活動が行われている貴重な種です。高水温にやや弱く、きれいな水を好むことから、飼育は初心者にはあまりお勧めできません。
生息地 | 北海道、外来種として宮城県、福島県など |
体長 | 15~17cm |
性格 | 基本的にはおとなしい |
寿命(飼育下) | 3~4年 |
価格相場 | 3匹で2,000円~ |
フクドジョウ科に分類され、主に北海道に分布するドジョウの仲間です。外来種として本州のいくつかの河川に定着しています。水が冷たく流れのある岩礫の隙間を好んで隠れ住んでいます。幼魚の頃は細く小さいものの、成長するにつれて大ぶりになっていき、全長が20cmを超える個体もいます。
高水温が苦手なので、飼育の際は水槽用クーラーが必須です。25℃以下の水温を保つ必要があるでしょう。水の汚れも苦手で、飼育は上級者向けでしょう。基本的にはおとなしい性格をしていますが、場合によっては同居魚にまとわりつくことがあります。
マドジョウであれば身近な水路や川に生息しているため、自分で採集したドジョウを飼うのもよいでしょう。
水路や小さな川のように、幅が狭くて流れが緩やかな場所はドジョウの仲間を捕まえやすく、最も狙い目です。
大きな川や湿地でも捕獲可能ですが、どこにでもいるわけではないため、やや難易度が上がります。大きな川で探す場合は中~下流域で、流れが緩やかな岸際や河川敷の水たまりのような環境を当たってみましょう。
湿地では水深5~10cmほどある場所がおすすめです。他の水生生物もいればドジョウもいる確率が高いでしょう。
田んぼもドジョウが好む条件がそろっていますが、私有地であり必ず管理者がいるため、無断で採集してはいけません。農家の方に相談して、許可が得られてから採集しましょう。
捕獲の仕方は、泥が溜まっている場所や水草の茂みなどに隠れている個体を、タモ網に追い込むのが基本です。泥や砂ごとすくいとる方法も有効です。
採集したドジョウはバケツか大きめのプラケースに入れましょう。自宅に連れ帰る際の注意点として、酸素不足と水温上昇が挙げられます。
ドジョウは酸欠に強い魚ですが、採集した場所から自宅まで2時間以上かかる場合は、念のためエアポンプを入れたほうが安全です。乾電池式や充電式が使いやすいでしょう。
運搬中も高水温にならないよう注意してください。「車内のエアコンで冷やす」「冷凍飲料のペットボトルをドジョウがいるバケツに入れる(※ただし冷えすぎないように注意)」などして対策するとよいでしょう。
オイカワ丸さん
なお、採集中も日の当たるところに放置しない、欲張って容器に魚を入れ過ぎない、などの注意が必要です。入れ過ぎた魚やエビが死んで、急速に水質が悪化してドジョウも死んでしまうことがあります。
■飼育アイテム一覧
ドジョウの大きさに合わせて用意しますが、お迎えしたときより大きく育つ可能性があるため、40~60cm水槽がおすすめです。大きいほうが混泳もさせやすく、水温や水質も安定しやすいメリットがあります。
下記は後述する上部式フィルター(ろ過装置)や水質調整剤がセットで付いている水槽です。
なお、ドジョウは低層を泳ぐとはいえ、飛び跳ねることもあるためふたは必須です(紹介した商品にはふたも付いています)。
ろ過フィルターで水質の悪化を防ぐのに役立ちます。もっとも、基本的には頑丈なので他の魚ほど慎重になる必要はありません。
フィルターには「投げ込み式」「上部式」「底面式」など種類があり、それぞれ特徴も違います。
水槽の大きさや飼育するドジョウ、魚の数に合わせて選ぶとよいでしょう。参考までに、下記は投げ込み式フィルターでよく選ばれている商品の一つです。
飼育水は水道水で問題ありませんが、塩素(カルキ)の除去が必要です。バケツなどに水を入れて半日~1日野外に置いておくか、水質調整剤を使いましょう。
水質調整剤は、カルキをはじめ魚にとって有害な物質をスピーディに取り除いてくれる便利なアイテムです。ただし入れすぎはよくないため、適量を守って使用してください。
ドジョウは底砂に潜る習性があるため、底砂は敷いてあげましょう。おすすめは、小さくて丸い田砂、飼育魚用の川砂、大磯砂などです。粒が大きいとドジョウが潜りにくく、また角があると皮膚が擦れて傷つく恐れがあるためです。
オイカワ丸さん
ただし、あまり厚く敷くと底砂の中が腐敗することがあるので、通常は1~2cmほどで十分です。
クーリーローチなど、暖かい地域出身のドジョウにとって日本の冬は過酷です。命を落とす危険があるため、ヒーターで25℃程度の温度を保ってあげましょう。ヒーターは一般的な水槽用ヒーターで問題ありません。
日本に生息しているドジョウであれば四季の変化に対応できますが、極端な暑さや寒さからは守ってあげたほうが体調は安定します。特に35℃以上の高水温が続く夏場では水槽用冷却ファンを、温度変化が激しい春や秋、また水が凍ってしまうほど寒い冬場ではヒーターの設置を検討してもよいでしょう。
ドジョウが安心して休憩できるよう、岩、流木、土管などで隠れる場所を作ってあげましょう。1匹で飼育する場合でもあったほうが落ち着きます。
水草を入れるのもよいですが、ドジョウは底砂を掘り返すため、水面に浮かべるタイプ(アナカリスなど)か、石や流木に活着するタイプ(ウィローモスやアヌビアスナナなど)を選びましょう。
水草を使用する場合は照明も設置しましょう。水草の育成だけでなく、ドジョウのバイオリズムを整えるのに役立ちます。特別なものは必要なく、水槽の大きさに合ったものが一つあれば十分です。タイマーと接続して、決まった時間にオン/オフするのもよいでしょう。
ドジョウは何でも好き嫌いなく食べてくれることが多いですが、おすすめは「ランチュウベビーゴールド」という人工餌です。また、「ドジョウの主食」はその名の通りドジョウ専用のタブレットタイプの餌で、ドジョウに必要な栄養が計算されています。
粒状になっている川魚の餌やザリガニの餌も食べるため、専用フードでないと育てられないことはありません。ただし、人工餌については沈むタイプを選ぶことが重要です。
また、パンくずや米、かつおぶし、ゆでたカボチャやホウレンソウなど日々の残り物でも食べてくれるでしょう。こうした餌を与える場合は、水質の悪化に注意します。
たまには自然界で口にしている餌を与えるのもおすすめ。ミジンコやイトミミズ、アカムシなどはアクアショップのほか、釣具店で購入できます。生き餌が苦手であれば冷凍加工してある商品をチョイスしてはいかがでしょうか。
ドジョウが快適に過ごせるよう、飼育上のコツや注意点を解説します。安全でストレスのない生活をさせてあげましょう。
餌の頻度は1~2日に1食です。食べるスピードが遅いので、30分程度で食べ切れる量を与えるのが目安ですが、タンクメイトに餌を横取りされるなど、実は餌にありつけていないケースがあります。
なお、ドジョウは基本的に大食漢ですが、お迎えしてしばらくは餌を食べず、環境に慣れるまでじっとしていることがあります。野外採集した個体であれば、人工飼料を餌だと認識しないこともあります。その場合はイトミミズや冷凍アカムシなどを与え、徐々に人工飼料に移行していくとよいでしょう。
ドジョウは低層を泳いでいるかと思いきや、突如ジャンプして飛び出してしまうことがあります。
上記のような原因が考えられますが、定かではありません。
わずかな隙間でも飛び出すため、水槽にふたは必須です。特に水槽の角の部分にあいている穴は、上に物を置くなどしてふさいでおいたほうがよいでしょう。
ドジョウは生命力の強い魚ですが、水合わせを怠ってはいけません。特に野外採集したドジョウはある程度の慎重な水合わせが必要です。また、水温の低い清流にいるような種類のドジョウの仲間は、急激な水温や水質の変化で死んでしまう恐れがあります。
■水合わせの手順
ドジョウを「水槽の掃除屋さん」としてお迎えする方もいるでしょうが、ドジョウ自身が水槽内を汚さないわけではありません。むしろドジョウはよくフンをし、目視しにくい場所(底砂やレイアウト素材の下)などに溜まっていることがあります。そのため、定期的な清掃が欠かせません。
底砂は砂とゴミとを分別するのが手間なので、水換えと掃除を同時にできるクリーナーを使うのがおすすめです。
ドジョウの多くは丈夫で病気にかかりにくいですが、とはいえ水温の変化が大きかったり、お世話を怠っていたりすると体調を崩します。ドジョウに限らず、魚は一度病気にかかると治療するのが困難なケースがあるため、毎日よく観察して異変がないかチェックしてください。
もし次のような症状が見られたら病気の疑いがあります。
症状 | 主な原因 | 対策 |
餌に興味を示さない | 水温・水質が合っていない 水が汚れすぎている |
少量の水換えを行って様子見する |
体を石や流木にこすりつける | ストレス 寄生虫の可能性 |
水換えで様子見する 症状が進行する場合は薬浴もしくは塩水浴 |
体に小さな白い点々ができる | 白点病(ウオノカイセンチュウによる感染) | 初期段階であれば水換えで様子見 症状が進行する場合は薬浴もしくは塩水浴 |
体に白い綿のような水カビが付着する | 水カビ病(真菌類による感染) | 塩水浴 |
オイカワ丸さん
ドジョウの仲間は塩水浴で調子を取り戻すことも多いです。別途、治療用のプラケースやバケツを用意し、0.5%ほどの塩水(水1リットルであれば約5グラムの塩を溶かしたもの)を入れて、病気の個体をいれます。用いる塩は海水から作られた海塩がよいでしょう。治療中はヒーターで水温を一定(25℃程度)に保つのがよいです。
ドジョウの多くは温和な性格をしており、他の魚と一緒の水槽と飼えます。しかし、混泳相手によってはドジョウが襲われたり、ストレスの原因になったりする恐れがあります。また、餌を食べるスピードが遅いため、口が大きく餌を食べるのが早い魚とは、一緒に飼育しないほうがよいでしょう。
ここでは、ドジョウのタンクメイトとしてよく検討される魚との相性を紹介します。
金魚は水槽の中層~上層を泳ぐため、ドジョウとは遊泳層が異なります。水質の変化に比較的強く、ドジョウの生活環境に寄せた水質で飼っても問題ありません。また、ドジョウと同じ雑食性であることから、餌選びが簡単です。
注意点として、金魚は口が大きく餌を食べるスピードが早いので、ドジョウの餌を横取りしてしまう恐れがあります。また、あまりに小さなドジョウは金魚が攻撃する恐れがあります。反対に、ホトケドジョウは餌を欲しがってまとわりつくので、金魚のストレスになることがあるようです。
メダカもドジョウとは遊泳層が異なるうえ、水質の変化に比較的強い魚です(改良品種では例外もあります)。食性も同じ雑食性で、メダカ用の餌だけでドジョウを飼うことも可能です。口が小さく、餌を食べるのも遅いので、ドジョウのタンクメイトとしては適した魚の一つでしょう。
注意点としては、ドジョウが大きすぎたり、数が多すぎたりするとメダカのストレスになる恐れがあります。
同じく川に生息している肉食性でない魚であれば、ドジョウとの混泳が可能です。特に相性が良いのは、モツゴ、タナゴの仲間、カマツカといった、比較的餌を食べるのが遅い魚です。
また、種類の異なるドジョウ同士でも、過密飼育にさえ気をつければ喧嘩することはほとんどありません。
熱帯魚でも、中層から上層を泳ぐタイプであれば混泳できます。おすすめは、グッピー、アカヒレ、プラティ、ネオンテトラ、ラスボラといった温和な小型魚です。熱帯魚との混泳は水景が華やかになり、鑑賞性を高めたい方におすすめです。
ただし、水質・水温ともに熱帯魚に合わせてあげる必要があります。特に日本の冬は寒すぎるため、ヒーターの導入が欠かせません。
ドジョウと同じくクリーナーとして活躍するエビですが、遊泳層がバッティングするため互いにストレスを受ける可能性があります。また、ビーシュリンプやミナミヌマエビといった小型のエビは、ドジョウに食べられてしまうことがあります。
ヤマトヌマエビなど、ある程度大きく活発に動く種類であれば混泳は可能でしょう。スジエビやテナガエビの仲間はドジョウを襲う危険性があり、隠れ場所となる土管や岩陰の取り合いになるケースも想定できます。
エビと混泳させたい場合は、体格が近い個体を選んだうえ、隠れ家となるレイアウト素材をたくさん入れてあげましょう。
ヒメタニシや石巻貝といった貝類も、ドジョウとの良いタンクメイトになります。
ドジョウの仲間の飼育は比較的簡単で、特にマドジョウや下流域に生息するシマドジョウの仲間であれば四季の変化にも対応できます。雑食なうえ、他の魚の食べ残しも食べてくれるため、タンクメイトとしてお迎えするのもよいでしょう。
ドジョウの種類にもよりますが、水槽は40~60cmなど余裕のあるサイズがおすすめです。稚魚は5cmほどでも、成長すると30cmを超えるケースもあります。
なお、クリーナーとしての過剰な期待は禁物です。ドジョウ自体がよくフンをするため、「ドジョウをお迎えしたばかりに水質が悪化した」という事態はありえます。また、ドジョウ自体は餌を食べるのが遅いため「気づいたときには痩せている」という事態になりかねません。混泳させる・させないにかかわらず、定期的なチェック・メンテナンスは怠らないようにしましょう。
最後に……何らかの事情で飼育するのが難しくなっても、野外に放すのは絶対にやめてください。
オイカワ丸さん
ドジョウに限らず飼っている生き物を野外に放すことは、地域の環境を壊すきっかけになり、放たれた生き物もかわいそうです。飼えなくなってしまった場合はペットショップなどで引き取ってくれることもあるため、まずは相談してみましょう。マナーを守って、ドジョウの飼育を楽しんでみてください。
※以外の写真はオイカワ丸さんご提供
オイカワ丸さん
ただし、飼育下で繁殖させることはかなり難しいです。