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ハーブの木質化を防ぐには? コツは正しい時期の正しい剪定

スタッフ

カインズ How to 園芸編

カインズ How to 園芸編

カインズ・スタッフ自らが実践した情報満載。動画で見る「カインズ How to」の園芸関連のコンテンツを文字起こししています。

香りや風味づけなどの食用に限らず、鑑賞やリラックスなど用途が幅広い、ハーブ。ヨーロッパの山野に自生している野草なので、大半は育てやすいものばかりです。しかし、適切な管理を怠ってしまうと、上部にだけ花が咲くようになったり、根元が木のように固くなってしまう「木質化(もくしつか)」の可能性を持っています。

この記事では、初心者の方にもわかりやすく、ハーブの木質化を防ぐ方法について詳しく解説。いつまでも美しくおしゃれな見栄えを保てるように、ハーブの剪定のコツをお伝えします。

ハーブの「木質化」とは?

ハーブの「木質化」とは?

ハーブの木質化とは、最初は緑色だった茎が茶色に変色し、木のように硬くなることで枝や葉が生えなくなることを言います。決して病気などではなく、年月が経つにつれ、木質化は自然に起こってしまいます。ですが、どのハーブもすべて木質化してしまうわけではありません。

どんなハーブが木質化するのか? 詳しく見ていきましょう。

木質化するのは「大本類」

ハーブには、大きく分けると

  • 草本類
  • 木本類

の2種類があります。

草本類にはミントやカモミール

草本類を代表するミントは、小さく丸みをおびた葉をつけ爽やかな香りが楽しめる代表的なハーブです。地下茎を伸ばしながらあっという間に増殖し、一度根を張ってしまうと駆除にとても苦労します。地植えは避けて、プランターでの栽培がおすすめです。

木本類にはローズマリーやタイム、セージなど

木本類を代表するのはローズマリー。青や薄紫花などの小さな花をたくさんつける可愛らしさが印象的ですが、放っておくと樹木としてぐんぐん成長していきます。木質化することは順調に生長している証拠なのですが、見た目が悪くなったり、収穫しづらくなるなど不便さが生じます。

上記のように、ミントやカモミールは「草本類」、ローズマリーやタイム、セージなど樹木の仲間は「木本類」に分類されます。そして、木本類に分類される植物は木質化が避けられないのです。

木質化が起こる原因は「リグニン」

木質化が起こる主な原因として、植物の体内にあるリグニンと呼ばれる物質が増えることで起こるとされています。

リグニンは、木に多く含まれており、植物の細胞のすき間を埋めて強固にする細胞壁成分。植物がリグニンを生成することを「木化」といい、この作用で草を木のような丈夫な組織に変化させ、大きな樹体を支えたり、微生物や虫に強い状態を生みだしているのです。

ハーブの木質化は放置NG!

ハーブの木質化は放置NG!

木本類の植物が木質化してしまうのは自然な現象なので、植物にとって悪いことではありません。どんなにきちんとお世話をしていても、年数が経つといずれは木質化が始まります。ですが、そのまま放置しておくことは避けましょう。

木質化したハーブはどうなる?

大きくなりすぎて通気性が悪くなる

木質化したハーブの手入れをしないと、植物が勝手な方向にどんどん枝分かれしながら成長し、大きくなりすぎてしまいます。特に立性の植物の場合、2mにまで広がるものもあり、葉が増えすぎて通気性が悪くなります。

枯れたり新芽が出にくくなる原因に

ハーブは湿気や蒸れが苦手なので、通気性が悪いと枯れる原因に。また、「木質化していく=株と茎部分が古くなっている状態」でもあるため、柔らかい新芽が出にくくなってきます。

木質化したハーブは、3年以上ほったらかしにしておくと回復は難しいと言われているので、正しい時期にこまめに手入れをしていくことが重要です。

ハーブの木質化は「剪定」で要対策

ハーブの木質化は「剪定」で要対策

ハーブが木質化してきたら、適切な方法で「剪定」をします。剪定とは、不要な枝葉などを切り落とすことを言います。

剪定は梅雨入り前までに

例えば、ローズマリーの場合は花が咲き終わって半月〜ひと月ほど経った梅雨入り前の5月~6月頃が剪定の時期としてベストです。真冬や真夏の剪定は、回復できず枯れてしまう可能性があるため避けましょう。

剪定の方法は2通り

ハーブの木質化を防ぐためには次の2通りの剪定方法がおすすめです。

  1. 切り戻し
  2. 摘心

剪定方法を使い分けて株を健康に保つことができれば、木質化を遅らせたり、木質化したハーブを若返えらせることもでき、より長きにわたってお気に入りのハーブを育て続けることができるでしょう。

【ハーブの木質化を対策】①切り戻し

【ハーブの木質化を対策】①切り戻し

最初に紹介するのは「切り戻し」という剪定方法です。切り戻しとは、木質化した枝を切り、根本から新たな枝を生えさせる作業で、全体の木質化を遅らせる効果があります。切り戻すことで全体の姿も整えることができるでしょう。

<用意するもの>

  • 剪定バサミ

<手順>

まずは、ハーブの茎が15cm以上あることを確認しましょう。株が成長しきれていないまま剪定すると、ハーブが枯れる原因になります。剪定の仕方は、おおよそ草丈の3分の1程度残して切ります。古くなり、葉が枯れている枝は、根本から切ってOKです。

ローズマリーの場合、花が終わって花がらが残っている箇所の1cm下あたりを切りましょう。

<剪定のポイント>

  • 木質化した部分を切らず、必ず葉を残しましょう。切った後にも葉が残っていなければ、新芽が生えてこず、枯れる原因になります。
  • 清潔な剪定バサミを使いましょう。ハサミが汚れていると切り口から雑菌が入り、病気になる可能性があります。清潔な状態にして使用しましょう。

【ハーブの木質化を対策】②摘心

【ハーブの木質化を対策】②摘心

次に紹介するのは「摘心(てきしん)」です。摘心(てきしん)とは、茎や枝の先端の芽をカットする方法です。ピンチ、芯止めとも呼ばれます。摘心することで、新しい茎の生長やわき芽の発生を促すことができます。

<用意するもの>

  • 剪定バサミ

<手順>

若い芽が出ている枝を探します。枝の先端にある芽を、1〜2cmの長さでカットします。

<ポイント>

  • 株が小さいものやプランターに植えている場合は、料理などの収穫で使うときに、摘心を意識して剪定する程度でOKです。
  • 大きく生長したものや地植えの場合は、一斉に摘心することで全体の形を整えましょう。
  • 摘心後にある程度株が大きく生長しなければ、次の摘心ができなくなってしまいます。過度な摘心は植物を弱らせてしまうため注意しましょう。

ハーブの木質化と上手く向き合おう!

ハーブの木質化と上手く向き合おう!

ハーブの木質化とは、最初は緑色だった茎が茶色に変色し、木のように硬くなることで枝や葉が生えなくなることを指しています。また、ローズマリーやセージなど一部のハーブが木質化することがわかりました。木質化によってハーブが枯れてしまうことを防ぐためには、

  1. 切り戻し
  2. 摘心

上記の2つの剪定方法から木質化への対策をおこなうことをおすすめします。

ハーブの木質化は自然現象ですが、正しい時期に正しい方法で生育を管理してあげることで、長く健康を保つことができますよ。若々しく元気なハーブを育てることで、料理やアロマ、薬草などさまざまな用途でハーブを楽しんでくださいね。

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