八百屋歴10年のプロが指南。新鮮でおいしい産直野菜を選ぶコツ
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秋から春にかけて小さくかわいらしい花を咲かせるビオラ。色とりどりの花が、寒い時期の庭を美しく彩ります。
ビオラをきれいに咲かせるために欠かせないのが「剪定」です。剪定というと、樹木に施すイメージが強いかもしれませんが、ビオラのような花にも必要なお世話です。
ここでは、ビオラの剪定方法を詳しく紹介します。剪定に適した時期や部位ごとのやり方、コツや注意点も取り上げますので、ぜひ参考にしてビオラを健康的に育ててください。
ビオラはスミレ科スミレ属の小さな花です。原産地はヨーロッパ・西アジアで、11〜6月頃の寒い時期にたくさんの花を咲かせます。花の色も豊富で、白や紫、赤、黄色、青のほかにも、複色の種類もあります。
ビオラはパンジーにそっくりです。実はビオラとパンジーは同属の植物で、学術的な違いはありません。2つを区別するのは花の大きさです。花の大きさが5cm以上のものをパンジー、4cm以下のものをビオラと呼ぶことが多いです。
ただ人工交配によって、5cm以上の大きなビオラも作られており、大きさだけでの判別は難しくなりました。ビオラとパンジーを間違えないためには、購入時にラベルなどをしっかり確認しましょう。
ビオラには「摘心」「切り戻し」「花がら摘み」の3種類の剪定が必要です。それぞれ、ビオラの生長に合わせて適宜施していきます。
まず、生長初期のころに「摘心」を行います。秋に植え付けた苗がしっかり根付いたころを見計らって、茎の先端を摘んでください。
茎が伸びてきたら「切り戻し」をします。冬と春を中心に、伸びすぎた茎や傷んだ茎、生長の悪い茎を見つけたときに、随時切りましょう。気温が高い時期の切り戻しはビオラを弱らせますので避けてください。
開花期には「花がら摘み」が必要です。咲き終わった花を見つけたら、その都度摘み取りましょう。
ビオラは生長初期に「摘心」を行います。摘心とは、茎の先端の芽を摘み取る作業です。ピンチ、芯止めと呼ばれることも。株元に葉が2〜3枚残る程度に摘みましょう。しっかり摘心することで、ビオラの花数を増やせます。
茎が伸びてきたころに「切り戻し」をしましょう。切り戻しとは、徒長した茎を適切な長さに切る作業です。切り戻しをすると、株全体にバランスよく養分がいきわたりますし、風通しもよくなって丈夫に育ちます。
切り戻しは、切る茎をしっかり見極めるのが大切です。伸びすぎて色の悪い茎や、傷んだ茎、生長の悪い茎などを取り除きましょう。わき目(茎と葉の付け根部分に生える新しい芽)は摘み取らないよう注意してください。
株が茂っている場合は、風通しがよくなるように株全体をすきます。育ちすぎた株は、1/2〜1/3ほどのボリュームに切り戻すこともできます。切り戻しをした後は、最低でも3週間ほどビオラを休ませてください。
開花期は「花がら摘み」をします。花がら摘みとは、咲き終わった花を摘む作業です。新しい花芽に栄養を回せるので、花数も増えてビオラを長く楽しめます。見た目もよくなりますし、カビや病気の予防にもつながりますので、忘れずに行いましょう。
ビオラの花がら摘みは、咲き終わった花を茎ごと摘み取ります。先端の花の部分だけではなく、茎を根元から取ってください。
「タイミングを逃さないこと」がビオラ剪定のコツです。摘心は苗が育ち始めたころから行い、切り戻しは茎が徒長してきたときに、花がら摘みは枯れた花を見つけたときに随時行います。ビオラをよく観察して、適切なタイミングで剪定しましょう。
切り戻しは、行う時期によってコツがあります。冬の切り戻しは、株全体を半分の高さにするよう切ります。花数を増やすために、節のすぐ上を切りましょう。わき目は切り取らないよう注意します。
春の切り戻しは、徒長した茎などをこまめに切り取ります。ビオラは暑さに弱いため、気温が高くなる6月以降の切り戻しは避けましょう。どうしてもする場合は、気温が低い日に行ってください。
剪定に使う道具は清潔にしておきましょう。剪定にハサミを使う場合、他の植物にも使っていると、病気を媒介させる恐れがあります。剪定した後のハサミは、消毒用エタノールなどで消毒しておくと安心です。水で洗い、乾かした後に消毒しましょう。
またビオラの茎は柔らかいため、ハサミを使わなくても手で剪定できます。茎を優しくひねるだけでうまく摘み取れますよ。剪定しない茎まで摘んでしまわないよう、1本ずつ丁寧にちぎりましょう。
摘心をしなかった場合、ビオラの花数はあまり増えません。一部の茎だけが伸びてしまい、新芽が伸びなくなるのが原因です。株も横に生長せず、ひょろひょろと長いビオラになってしまうでしょう。
切り戻しをしないと、株が茂って茎同士が込み合ってしまいます。放っておくと、ひあたりや風通しが悪くなり、病害虫発生の原因になります。特に湿気が高くなると、「うどんこ病」にかかりやすいので注意しましょう。
花がら摘みをしないと、ビオラが消耗してしまいます。咲き終わった花を放っておくと種になろうとし、そこに栄養やエネルギーが集中するためです。次の花が咲きにくくなり、寿命を縮める可能性も。カビや病気の原因にもなり得るので、見つけたらすぐ取り除きましょう。
ビオラを丈夫に育てるためには、ビオラの性質をよく知り、適切な環境を用意しましょう。
ビオラは寒さに強い花です。反面、暑さには弱いため、気温が高いときの植え付けは避けましょう。植え付けの適期は10〜11月頃です。
ビオラは、よく日の当たる場所で育てるとたくさんの花を咲かせます。できるだけ日当たりがよく、そして風通しもよい場所で育てましょう。水やりは午前中に行い、土が乾いていたらたっぷりと与えます。
肥料は、ビオラの花が咲き始めたら与えるといいでしょう。月に2~3回ほどの頻度で、薄めた液体肥料を与えます。
ビオラは生長に合わせて適切な剪定を行いましょう。生長初期には「摘心」を行い、十分育ってきてからは「切り戻し」を適宜行います。密になっている部分や、傷ついた茎など、余分な茎を切り取ってください。開花期は「花がら摘み」を忘れずに行います。
「摘心」も「切り戻し」も「花がら摘み」も、ビオラを健康的に育てるために欠かせない作業です。ビオラの様子を見ながら、必要なときに確実に行いましょう。剪定をしないと、病害虫の被害に合ったり、うまく栄養が行き届かなくなったりと、ビオラの寿命を縮めてしまいます。
ビオラの剪定は、1つ1つの作業は難しくないため、タイミングにさえ注意すれば初心者の方でもスムーズに行えるでしょう。適切に剪定を施して、冬の庭に美しいビオラを咲かせてくださいね。