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「風情」という花言葉がぴったりな、優しい色の花を咲かせるスカビオサ。日本ではマツムシソウと呼ばれることが多く、鉢物だけでなく切り花としても大変人気がある植物です。
暑さは苦手ですが、鉢植えにして日陰に置けば日本の気候でも十分育てられます。
ここではスカビオサの育て方を解説しています。日当たりや水やりの方法、増やし方まで紹介していますので、スカビオサ栽培の参考にしてくださいね。
スカビオサは青や紫の優しい色の花を咲かせる「スイカズラ科」の植物です。アフリカやヨーロッパが原産で、日本には1種、世界には約80種が生息しています。
マツムシが鳴く頃に咲く花として、日本では「マツムシソウ」の名前で知られており、俳句の秋の季語として古くから詠まれてきました。
花の大きさは3〜7cm、中央には小さい花が無数に集まり、それを囲うように放射状に花びらが広がっています。
開花時期によって「春咲き」と「秋咲き」に分けられますが、1年で何度も花を咲かせる「四季咲き」の品種も多くあります。
暑さにめっぽう弱く、多年草の品種でも日本の気候に耐えられずに1年で枯れてしまうことも珍しくありません。暑い日本の夏を乗り切れるかが、スカビオサ栽培のポイントといえるでしょう。
スカビオサは、苗と種のどちらからも栽培可能で、いずれも園芸店やネット通販で購入できます。
春咲きタイプは10月、秋咲きタイプは4月が植え付けの適期です。元気な株を選んだ方がその後の成長が良いため、葉をたくさん出している苗を選ぶようにしましょう。
根がよく張っている場合は、軽くほぐしてから植え付けます。根が少ない場合は、根鉢を崩さずに植え付けてください。
種から育てる場合は、10月頃に種まきをします。
気温が高すぎると発芽率が下がるため、15〜20℃まで気温が下がってから植え付けを行いましょう。適正な環境であれば、1週間ほどで発芽します。
スカビオサは「鉢植え」で育てた方が良いでしょう。その理由は、暑さが苦手なため夏の直射日光の下では生きられないからです。鉢植えであれば簡単に日陰に移動でき、スカビオサが好む環境で栽培できます。
一方、年間を通して比較的涼しい地域では地植えができる場合もあります。敷きワラで株元を覆って地温を低く保つなど、暑さ対策を行い栽培しましょう。
スカビオサは涼しくて日当たりの良い環境を好みます。
春と秋はよく日が当たる風通しの良い場所に置き、梅雨から夏が終わるまでは雨の当たらない日陰で管理します。
とくに真夏の暑さで枯れることが多いため、花台やスノコを利用して地面からの熱をさえぎり、温度を低く保つよう心がけましょう。
耐寒性はあるので冬でも屋外で問題ありません。ただ、土の中が凍るような気温では枯れることがあります。軒下に移動したり、マルチングしたりして凍結を防いでください。
スカビオサは乾燥には強いですが加湿が苦手です。
土の表面がしっかり乾いてから、たっぷり水やりをしましょう。生育期に水切れすると花付きが悪くなるため注意が必要です。
水を与える際は葉に水がかからないように株元に水を与えます。葉の上に水分が残ると、蒸れが原因で葉が枯れることがあります。
水やりに適した時間は朝や夕方の涼しい時間で、冬だけは暖かい日中が良いでしょう。
地植えをしている場合はときどき雨が降っていれば水やりは不要です。日照りが続き、乾燥が激しい時だけ水やりをしてください。
スカビオサは水はけのよいアルカリ性の土を好みます。すでにpHが調整されている、市販の「草花用培養土」が使いやすいでしょう。
ただし培養土はあまり水はけが良くないため、腐葉土と赤玉土(細粒)を混ぜて、水はけを改善しておくことをおすすめします。
また、赤玉土(小粒)・軽石砂・腐葉土を4:4:2で混ぜ合わせた自作の用土でも問題なく育てられます。
地植えにする場合は植え付けの1〜2週間前に苦土石灰を散布し、土壌を中和しておいてください。同時に、腐葉土や堆肥を混ぜ込んでおけば、肥料としての効果もあります。
スカビオサには春と秋の2回肥料を与えます。
緩効性の化成肥料を株元に置肥するだけでOKです。頻繁に与えたり、与える量が多すぎると、草丈が伸びすぎて倒れやすくなります。
夏と冬は休眠期に入るため、肥料は必要ありません。
スカビオサの剪定は主に「花がら摘み」です。
花がら摘みとは咲き終わったまま散らずに残っている花を摘み取る作業のことで、見た目の改善や病害虫の予防につながります。
また、花がら摘みをしないと栄養が分散され、ほかの花の成長が悪くなります。通気性の改善にも役立つので、花がら摘みは必ず行いましょう。
スカビオサには「一年草」「二年草」「多年草」の品種があり、植え替えが必要なのは多年草の品種です。
2年に1度の植え替えが理想的です。植え替えの頻度が少ないと、根詰まりが原因で花が咲かなくなります。
植え替えの適期は、3〜4月または9〜10月です。古い鉢から丁寧に取り出し、ひと回り大きい鉢に植え替えてください。
地植えの場合は、基本的に植え替えの必要はありません。
ただ、植え付けから3〜4年すると徐々に生育が悪くなってくるため、株分けを兼ねて植え替えをし、株のリフレッシュをはかりましょう。
スカビオサは「挿し芽」と「種まき」で増やせます。いずれも3〜4月、9〜10月に行います。
切り取った際に切り口を数時間水に浸しておくと発根率があがります。
発芽には15〜20℃の気温が必要です。気温が高すぎると発芽しないので、適切な時期に種まきしましょう。
病気には強い植物ですが、まれに「灰色カビ病」にかかることがあります。
灰色カビ病とは、湿気が多い時期に発生するカビが原因の伝染病です。葉の表面にシミのようにカビが発生し、症状が進むと最後には枯れてしまいます。
発生初期であれば薬剤を使用してもいいですが、感染した箇所を切り取ってしまうのが、もっとも効果的な方法です。
花がら摘みをして日当たりと風通しよく管理すれば十分予防できるので、こまめな管理を心がけましょう。
スカビオサにはアブラムシがつくことがあります。
アブラムシは主に植物の新芽の汁を吸う害虫で、真夏以外の比較的穏やかな気候の時に多く発生します。
アリを引き寄せたり病気の発生源になったりと、2次被害をもたらすことも多いため、見つけ次第早急に駆除しなければいけません。
日当たりと風通しの良い場所に置き、1匹でも見つけたらガムテープやピンセットで駆除するようにしましょう。
スカビオサは世界に約80種が生息するスイカズラ科の植物で、日本では昔から「マツムシソウ」の名前で親しまれてきました。
ほとんどの品種は暑さが苦手で、1年で枯れてしまうことも珍しくありません。ただ、栽培自体は難しくなく、夏の置き場所に気をつければ、誰でも簡単に育てられます。
この記事を参考に上手に夏を越し、スカビオサを長く楽しんでくださいね。