車の下から飛び出し選手権 全国大会2023
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近年「和ハーブ」が注目されています。和ハーブは食べ物としてはもちろん、薬としても古くから日本で親しまれてきました。ハーブと聞くと、バジルなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。和ハーブにはどんなものがあるのでしょうか。本記事では和ハーブとは何かに加え、いくつか代表的なものをご紹介します。
和ハーブとは、昔から日本で親しまれてきた有用植物のことです。一般社団法人和ハーブ協会によると、「日本原産で江戸時代以前から自生していた植物」を和ハーブであると定義しています。
有名なのはシソ、ヨモギ、サンショウ、ミツバなど。そのほかにも、ユズやショウガも和ハーブです。日本で育ったものを指すため、どれも聞き馴染みがあるのではないでしょうか。和ハーブは、海外のものと比べると香りや風味がマイルドなのが特徴です。
和ハーブは、食用だけでなく漢方薬として使われることも。例えば、どくだみを乾燥させたものは十薬と呼ばれており、利尿作用や解熱・解毒などの効果があるとされています。そのほかにも、カキオドシは糖尿病予防に効果があるとされるほか、子どもの「疳の虫を取る」としてカントリソウとも呼ばれています。このように古くから薬としても日本での暮らしに馴染み深いのが、和ハーブなのです。
和ハーブのなかでも、「ドクダミ」「ゲンノショウコ」「センブリ」は日本三大薬草といわれています。ドクダミは解熱や解毒、動脈硬化の予防に。ゲンノショウコは下痢止めに。センブリは食欲増進や消化促進に効果があるとされてきました。また、「カキドオシ」「ウラジロガシ」「タラノキ」を含んで「日本六大和薬」とも呼ばれています。
シソ科の一年草で、広卵形をした葉が特徴的なシソ。青じそ、赤じそ、ちりめんじそがありますが、よくスーパーで見かける「大葉」は青じそのみを指します。シソは日当たりのいい場所で育てるのがマスト。日光量が少ないと葉の色や香りが悪くなってしまいます。ただ、あまり強い日光が当たると葉が固くなるので、加減が必要です。
そんなシソは、発汗・解熱作用のほか胃腸を整える作用などが期待できます。食べ方のバリエーションも豊富で、刺身のつまとして出ることもあれば、肉と合わせて巻いて焼いたり千切りにして料理の彩に使ったり、薬味に使ったりすることが可能です。日常生活に最も取り入れやすい和ハーブのひとつだといえるでしょう。
ヨモギは河川の土手や山野に生える多年草で、特有の香りがあります。その名の通りヨモギ餅の材料です。ヨモギは万能ハーブと呼ばれていて、整腸作用や傷口の炎症を抑えるなどの効能が期待できます。乾燥した葉の裏の綿毛はお灸にも使われることがあり、万能ハーブと呼ばれているのも納得ですね。
ヨモギは、よもぎ餅や天ぷら、おひたしなどにして食べるのがおすすめ。春が旬なので、春に採れたものを下茹でなしで天ぷらにすると、香りを存分に楽しむことができます。
2〜5mほどに成長するため、シンボルツリーとして育てられることが多いクロモジ。庭木として育てるなら、半日陰〜日陰になる場所に植え付けるのがおすすめです。養命酒にも使われているクロモジは、整腸作用や咳止めなどの効能が期待できます。また、昔の人はクロモジを煎じて湿疹などを落ち着かせていました。
なお、クロモジはお茶として楽しむことができるほか、ジェノベーゼソースなどに使うこともできますよ。
スギナはツクシの葉の部分を指す名称で、ツクシが枯れたあとに生えてきます。ツクシは10〜20cmほどしか成長しませんが、スギナは30〜40cmになることも。薬として親しまれてはいるものの、繁殖能力が高く手入れが大変です。
スギナは、利尿作用や代謝促進などの作用が期待できます。天ぷらにしても美味しいですが、粉末状にしてふりかけとして楽しむのがおすすめ。抹茶のような甘い香りが楽しめますよ。
昔から山菜として親しまれてきたミツバは、江戸時代から栽培されている数少ない日本を原産地とする植物です。お吸い物や煮物など、食べ方のバリエーションがとっても豊富。ミツバには栄養素が豊富に含まれており、消化促進や便秘解消などが期待できます。
ミツバは乾燥を嫌うので、生育期である春〜秋にかけては水切れが起きないよう水やりをしなければなりません。また、連作もNGで、新しく育てる場合は新しいプランターを使うようにしてください。
今でこそ食用としてのイメージが強いわさびですが、じつは始めは薬草として使われていました。わさびは、なんと遡ること飛鳥時代から薬草として親しまれ、鎌倉時代頃には食材として使われるように。その効能は幅広く、血栓予防から抗酸化作用、殺菌・抗菌作用などが期待できるとされています。
ワサビをプランターで育てる場合は、保水性のある野菜用の培養土で育てるのがおすすめです。とはいえ、基本的には乾燥に弱いため地植えで育てたほうがよいでしょう。
春になるとスーパーでも目にすることのある、ウド。日本では平安時代から山菜として親しまれてきました。ウドの根茎を生薬にしたものを独活(どくかつ)といい、根の部分は和羌活(和羌活)として使われています。十味敗毒湯や駆風解毒散、疎経活血湯などさまざまな漢方に配合されているのも、特徴のひとつです。
ウドの食べ方としては、茎部分は酢味噌和えやきんぴら、葉の部分は天ぷらや味噌汁にするのがおすすめ。少し苦味があって、山菜らしい風味を感じることができますよ。
食用としてのイメージが強いショウガも、和ハーブのひとつ。ショウガは、吐き気の緩和や消化促進などの効能が期待できるといわれています。ショウガは日光が十分当たらない半日陰のような場所でも育ちますが、連作には向いていないので気をつけましょう。
ご存じの通り、ショウガの食べ方は和ハーブのなかでもかなり豊富です。すりおろして薬味や味付けとして使ったり、佃煮や酢漬けとしていただいたり。とくに新生姜は辛味がマイルドなので、子どもでも食べやすいですよ。
日本三大薬草のひとつであるドクダミは、生薬名を十薬といいます。殺菌作用があることから、昔から化膿止めとして使われてきました。そのほか、高血圧予防や利尿作用など、たくさんの効能が期待できる十薬の名にふさわしい植物です。
繁殖能力が非常に高いため、地植えしてしまうと一面ドクダミだらけになってしまうことも。ドクダミを育てる場合はプランターや鉢植えを使うのがおすすめです。ドクダミは日光を好むため、できるだけ日当たりの良い場所で育てましょう。そうすることで、花の付きも葉の色味も良くなりますよ。
センブリも日本三大薬草のひとつです。罰ゲームとしてセンブリ茶が使われることがあるので知っている方もいるかもしれませんが、とにかく苦いのが特徴。良薬口に苦しといいますが、「千回振っても苦い」ことから、センブリという名前がつけられたほどです。
センブリは消化不良や食欲不振など、胃腸の調子を整える薬草として、古くから親しまれてきました。かつては栽培は難しいとされていましたが、1年目は半日陰、2年目からは日光に当てるようにすることに加え、とにかく乾燥しないようにすれば育てることが可能ですよ。
ドクダミ・センブリと並んで日本三大薬草なのが、ゲンノショウコ。効能としては下痢止め・整腸作用などがあります。飲めばすぐに効くことから「現に証拠が現れる」、すなわち「現の証拠」が植物名の由来です。白もしくは紅紫色の花をつけますが、薬効の差はないとされています。
ゲンノショウコは育て方も簡単なので、園芸初心者にもおすすめです。乾燥に弱いため、保水性の高い土を使うのがおすすめで、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげてください。
和ハーブについて、代表的なものをご紹介してきました。日本で育ち、江戸時代から薬としてや食糧として使われてきた和ハーブは、現代でも民間薬や漢方薬として使われています。耳馴染みのある植物も多かったのではないでしょうか。
どれも日本が原産の植物のため、意識して見てみるとありとあらゆるところに和ハーブが自生しているはずです。ぜひ見つけてみてくださいね。