春の花30選|3月・4月・5月に咲く種類や育て方を一覧で解説
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何年か続けて作物を栽培していると「土が硬くなってきたなぁ……」と感じることはありませんか?
これは、畑自体が「痩せた土地」になっている可能性があります。痩せた土地では、水や肥料をいくらあげても植物はうまく育ちません。
そんな土壌にはバーク堆肥がおすすめです。バーク堆肥には土壌を豊かにしてくれる微生物がたくさん生息しており、土を元気にしてくれます。たくさんの野菜が実っていた頃の土を取り戻すために、バーク堆肥を使ってみませんか?
バーク堆肥とは、伐採した樹木の皮を堆積して、粉砕・発酵・熟成させた堆肥のことです。植物性堆肥に分類され、鶏ふんや牛ふんなどの動物性堆肥よりも土壌改良効果が高いのが特徴です。
樹皮は発酵にとても時間がかかるため、発酵促進剤として米ぬかや鶏ふんなどの有機物を混ぜて発酵させます。発酵促進剤として入れる鶏ふんなどの副資材によって若干の栄養分が含まれますが、肥料効果はほとんどありません。畑に散布する際は、別で肥料を与える必要があります。
樹木から作られる有機質の土壌改良材で、人にも環境にも優しく、有機栽培を目指す人には適した資材と言えるでしょう。
バーク堆肥は、土の保水性と保肥力を高める効果があります。
「腐植」という言葉をご存じでしょうか? 腐植とは、動植物の死体を微生物が分解してできる、黒色のサラサラした土のことです。完熟の堆肥をイメージすると分かりやすいかもしれません。
腐植には水や肥料を強力に保持する力があり、植物が必要とした時だけ水や養分を供給できます。そのため、腐植が豊富な土壌では根腐れや肥料切れが起こりにくく、上手に作物を育てることができます。
バーク堆肥は他の土壌改良材よりも腐植を多く含んでいるので、特に保水性と保肥力に優れた資材と言えるでしょう。
通常、有機物は土壌に混ぜ込むと微生物によって速やかに分解されますが、バーク堆肥は分解に時間がかかります。その理由は、バーク堆肥にはリグニンという有機物が含まれているからです。リグニンは、発酵が進むほど分解されにくい特徴があります。
「分解されにくい」ということは、土の中で微生物が長期にわたり活動することを意味し、結果的に土壌改良効果が長く続くのです。
また、バーク堆肥を分解しようとあらゆる種類の微生物が土の中に集まってきます。すると、病害虫や連作障害を改善する微生物も集まってきて、より安定した土壌が作られるという仕組みです。
バーク堆肥は土壌改良に優れた効果を発揮しますが、大量に与えすぎると「窒素飢餓」を引き起こすデメリットがあります。窒素飢餓とは、本来植物が消費するはずの土壌の窒素を微生物が食べ尽くしてしまって起こる障害です。
有機物は、使用量を守って散布すれば微生物の数が適正に保たれ、窒素飢餓が起こることはありません。しかし、過剰に散布すると必要以上の微生物が集まってきてしまい、土壌の窒素まで奪ってしまうのです。
特に、バーク堆肥のような分解されにくい資材は、長期間にわたって分解が続くので、窒素飢餓が起こりやすくなります。バーク堆肥を与える際は、与えすぎに注意することと、窒素を含んだ肥料をしっかり与えるよう心がけましょう。
家庭菜園で使う場合は、1㎡あたり10リットル、1坪あたり30リットルを目安に散布します。散布後は、地中30cmくらいまで掘り返すイメージで耕しましょう。
プランターの場合は、全体量の2〜3割を混ぜ込みます。すぐ植え付けても問題ありませんが、馴染むまで時間がかかるので、植え付けの2週間前には終わらせておきましょう。
バーク堆肥は乾燥すると水を弾く性質があります。土に混ぜ込んだ後は、植え付けまで水を切らさないよう注意してください。
バーク堆肥は、マルチング材としても利用できます。マルチングとは、作物を育てるウネをビニールや敷きワラで覆う栽培方法です。日光を遮断して雑草を防止したり、日差しを集めて作物を保温するのが主な目的で、泥はねによるカビ菌の付着を防ぐ効果もあります。
マルチングの方法は、バーク堆肥を株元に3〜5cmの厚みで敷き詰めるだけです。厚めに敷き詰めれば、太陽の光は土壌に届かず雑草は生えません。もし雑草が生えてしまっても、フカフカなバーク堆肥であれば、簡単に除去できます。
また、マルチングを行えば、作物を霜の被害から守ってくれます。春先や寒い季節には重宝してくれるでしょう。
バーク堆肥と腐葉土の違いは以下の通りです。
バーク堆肥と腐葉土は、どちらも優れた土壌改良資材です。どちらを使っても問題ありませんが、保水性と保肥力を求めるならバーク堆肥を使い、通気性と排水性を求めるなら腐葉土を使うと良いでしょう。
苦土石灰とバーク堆肥は同時に使うことができます。その理由は、バーク堆肥には肥料分がほとんど入っていないからです。
肥料分が入っている堆肥を一緒に使うと、苦土石灰の石灰分と反応して、アンモニアガスを発生させ植物の根を枯らしてしまいます。肥料分を含む資材を使う際は、苦土石灰を散布してから1〜2週間あけてから使用しましょう。
また、苦土石灰とバーク堆肥は同時に使えますが、苦土石灰は効果がでるまでに時間がかかるので、散布後2週間ほどあけてから植え付けを行ってください。
牛糞堆肥とバーク堆肥は混ぜて使用しても大丈夫です。牛糞堆肥にはバーク堆肥よりも多く肥料成分が入っているので、土壌改良と肥料補給を同時に行いたい時に役立ちます。
ただし、発酵が未熟の堆肥は使わないようにしましょう。発酵が未熟なものを使うと、土に混ぜ込んでから発酵がはじまるため、植物の根に有毒なガスや発酵熱が発生します。
また、窒素飢餓を起こす可能性もあるので、必ず完熟の牛ふんとバーク堆肥を使ってください。
完熟の見分け方は、色・匂い・手触りです。完熟の堆肥はアンモニア臭がせず、黒褐色でサラサラした触感になります。強い匂いやベトベトした手触りの場合は、使用しないほうが良いでしょう。
バーク堆肥の原料は樹皮なので、腐葉土と違い集めるのが大変です。分解スピードも遅く、数年単位で時間がかかります。少し難易度は高めですが、自作の堆肥で野菜作りに挑戦してみてくださいね。
※米ぬかは発酵促進剤として使用しますが、鶏糞を使っても良いです。
※放置期間中は、1ヶ月に1度ほど中身を攪拌して微生物を活性化させましょう。
バーク堆肥は分解されにくい性質を持ち、そのおかげで土壌改良効果が長い間続きます。与えすぎによる窒素飢餓に注意すれば、とても簡単に良い土が作れる園芸資材です。バーク堆肥を使ってフカフカの土壌を作ってみてくださいね。