料理研究家・リュウジの簡単やばうまレシピ「キノコ柚子胡椒バターパスタ」
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ヤモリは「家守」や「守宮」とも書き、家を守ってくれる存在として親しまれてきました。見た目も愛くるしく、爬虫類のなかではトカゲと並んで人気者です。飼ってみたい方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ヤモリの上手な飼い方を初心者の方向けに解説します。飼育に必要なアイテムや注意点なども併せて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ヤモリは有尾目(ゆうびもく)ヤモリ科に分類される爬虫類の総称です。北海道以南に広く生息するニホンヤモリや、四国などにいるタワヤモリ、屋久島のヤクヤモリなどが日本固有種とされていますが、元は大陸からやって来た外来種とされています。
なお、イモリと間違えられることがありますが、イモリは両生類であり、まったく別の生き物です。
餌となる昆虫が多い森などで生活していますが、人家の近くも好み、木造家屋を中心とした建造物に棲み着くこともあります。寒さには弱いため北海道では見られず、本州の中部以南で確認されることが多いです。ただし、温暖化の影響により分布域が広がるかもしれません。
体長30cmを超える種類もいますが、基本的には10~20cm程度と小型です。背面にはウロコが見られ、脚裏には趾下薄板(しかはくばん)と呼ばれる極微細な剛毛が生えています。
一見イモリとの区別が付かないかもしれませんが、違いを比較するとかなり異なることがわかります。
ヤモリ | イモリ | |
まぶた | なし | あり |
爪 | あり | なし |
尾 | 側扁していない | 側扁している |
皮膚 | ウロコがあり、全体的に乾いている | 硬く、全体的に湿っている |
趾下薄板 | あるため垂直の壁などに吸着できる | なし |
ヤモリは肉食です。自然下ではワラジムシやハエ、コオロギなど自分より小さな生き物を食べています。人家の近くにいるヤモリはクモやゴキブリといった不快害虫も獲物とします。夜行性のため、日没後に餌を求めて動き出します。
「トカゲの尻尾切り」はトカゲの専売特許ではなく、ヤモリにもできます。外敵の驚異を感じれば、尾をおとりとしてその場から立ち去ります。約1か月で再生しますが、イモリほどの再生能力はなく、以前とはやや違った形になることが多いです。
なお、再生するにはそれなりの栄養が必要であり、ヤモリにとって簡単なことではないと考えられます。そのためか、外敵が去った後に自切した場所に戻り、切った尾を食べる個体もいます。
ニホンヤモリの場合、5月上旬から7月下旬になると繁殖・産卵期に入ります。メスは壁のすき間や天井裏などに10cm程度の卵を産み付け、1~3か月ほど経つと孵化するのが一般的です。孵化するときの温度が28℃程度であればオスが、それ以外ではメスが産まれやすいといわれています。
小さな体ながら寿命は長く、約5~10年生きる種類が多いです。たとえば、ペットとして人気のヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)の平均寿命は約15年です。お迎えすると長い付き合いになるでしょう。
ここでは、数あるヤモリのなかでもペットとしてお迎えしやすい種類をいくつか紹介します。カインズが展開するpetsone(ペッツワン)で取り扱っているヤモリもいるため、気になる種類はお気軽にお問い合わせください。
容姿の特徴 | ・全長8~10cm ・灰色の体色が基本 |
性格・性質 | ・臆病 |
寿命 | ・5~10年 |
値段 | ・1,000~2,000円 |
ニホンヤモリは北海道を除く本州、四国、九州地方に幅広く分布しているポピュラーなヤモリです。夜に窓ガラスや壁などにくっ付いている姿を見たことがある方もいるでしょう。実は外来種であり、江戸時代に中国や朝鮮半島から渡ってきたといわれています。
飼育は比較的簡単ですが、基本的には生き餌が必要です。性格は臆病で、ストレスを感じると鳴き声を出すことも。
希少種ではないため安価で販売されています。しかし、その気になれば誰でも捕まえられるせいか、ペットショップでの取り扱いは少ないかもしれません。
容姿の特徴 | ・全長18~25cm ・豹のような斑模様(品種によりバリエーション豊富) |
性格 | ・基本的には温厚でおとなしい |
寿命 | ・10~15年 |
値段 | ・5,000円~10万円 |
ヒョウモントカゲモドキは、トカゲのような特徴を持つヤモリです。豹のような模様からレオパードゲッコーとも呼ばれ、ヤモリやトカゲ愛好家には「レオパ」と略され親しまれています。
飼育や繁殖が比較的容易であり、改良品種がたくさんいるのも特徴。全身がイエローの品種や白豹のような品種、またブリーダーが15年以上もかけて作り出したとされる「ブラックナイト」と呼ばれる希少種までさまざまです。珍しい色や柄であるほど価格が上がります。
性格は優しく温和な子が多いですが、個体差があり、なかには好奇心旺盛で活発な子もいます。お迎えした子がどんな性格を持っているのか、飼育しながら見極める楽しさもあるでしょう。
詳しくは、ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)の飼い方とは? 初心者はここだけ押さえる!をご覧ください。
容姿の特徴 | ・全長20~35cm ・薄いグレーにオレンジの斑点模様 |
性格 | ・勇ましい |
寿命 | ・約5年 |
値段 | ・2,000~2万円前後 |
トッケイは中国東南アジア全域に生息するヤモリです。鳴き声が「トッケイ!トッケイ!」と非常に特殊なことから、鳴き声そのものが呼び名になりました。別名「オオヤモリ」と呼ばれる大きな体と派手な体色も特徴です。
丈夫で飼いやすく、価格もノーマルタイプであれば2,000円程度でお迎えできます。少々値が張っても珍しい子をお迎えしたい方は、1~2万円以上の予算が必要です。
ただ、全体的に気性の荒い子が多いためハンドリングには向きません。また、ヤモリのなかでは鳴き声が大きいほうで、繁殖期は激しく鳴くこともあります。静かに飼いたい方はほかの種類をおすすめします。
容姿の特徴 | ・全長10~12cm ・全身緑の体色と目のような模様 |
性格 | ・初めは警戒心が強い |
寿命 | ・5~10年 |
値段 | ・8,000~1万円前後 |
ヨツメヒルヤモリは、マダガスカル島 に広く分布するヒルヤモリ属の一種です。両前脚近くの側面に目のような模様が見られることから、「ヨツメ」という名前が付いたといわれています。鮮やかな体色に浮き立つようなデザインで、独特のかわいらしさがあると評判の種類です。
ヒルヤモリの仲間のため昼行性であり、紫外線ライトを用意する必要はありますが、人間の活動時間に合わせて飼育できます。生き餌のほかに昆虫ゼリーも食べ、おやつを与える感覚も楽しめるでしょう。お迎えした当初は警戒心が強く、オドオドしているかもしれませんが、環境に慣れれば人懐っこくなる子も多いです。
容姿の特徴 | ・全長15~20cm ・茶色系の体にトゲトゲのウロコ |
性格・性質 | ・基本的にはおとなしい |
寿命 | ・約15年 |
値段 | ・約1万円~3万円 |
オウカンミカドヤモリは、オーストラリアの東部・ニューカレドニアの島々に生息しています。体表に鳥の冠羽のような突起物が見られ、これが冠のように見えることから「オウカン」と名付けられました。英名ではクレステッドゲッコーと呼ばれ、日本では「クレス」という略称で親しまれています。
樹上棲のため、ある程度の高さのあるケージと木の枝が必要です。おとなしく、あまり動かないことから、まったりと鑑賞したい人やハンドリングしたい方に向いているでしょう。ただし、尻尾を押さえるとびっくりして怒ることがあるので注意してください。
価格は幼体で1万円~1万5,000円、大きな個体は2~3万円することもあります。日本ではレオパードゲッコーに次ぐ人気者なので、ペットショップで見かけたら早めに決断したほうがよいかもしれません。
容姿の特徴 | ・全長20~25cm ・茶褐色の体と大理石のような模様 |
性格・性質 | ・おとなしいが個体によりさまざま |
寿命 | ・約10年 |
値段 | ・2万円~2万5,000円 |
ガーゴイルゲッコーは、頭部にあるツノ状の突起や大理石のような体表が特徴のヤモリです。怪物のような見た目をかたどった建造物に似ていることが名前の由来で、確かに一見すると獰猛な種類のように見えます。
しかし性格はおとなしいほうで、動きも遅いためハンドリング向きのヤモリといえます。体調や気分など周囲の環境により色が変わるという特徴もあり、鑑賞していて楽しいでしょう。オスとメスであれば多頭飼いも可能です。
価格は体色の品種によって差がありますが、2万~2万5,000円程度が相場でしょう。対面販売が義務付けられている個体なので、爬虫類専門店でないと出会えないことが多いです。
容姿の特徴 | ・全長約9cm ・茶色系の体にヘルメットのような頭部 |
性格・性質 | ・物怖じせず人慣れしやすい |
寿命 | ・約5年 |
値段 | ・約1万5,000~3万円 |
ヘルメットゲッコーは、その名の通りヘルメットを被ったような頭部をしているヤモリです。ウリ科の植物にも似ていることから「ウリボーヤモリ」と呼ばれることもあります。大きな頭とずんぐりむっくりした体、その割に短い脚とほぼ二頭身というシルエットが非常に愛らしく、ペットとしての人気を確立しています。
見た目と同じく動きはのろく、ニホンヤモリのように垂直の壁に登るような芸当はできません。飼育ケージ内の低い木に登る程度の活動範囲で、脱走の心配はほかのヤモリと比べると少ないでしょう。
物怖じせず、人間をさほど怖がらないためハンドリングにも応じてくれます。寿命が平均5年程度と、少々短命なところが懸念点です。温度や湿度など、飼育環境に気を付けないと5年を待たず亡くなる恐れもあります。
ニホンヤモリとはじめとする身近なヤモリであれば、野生の個体を採集することも可能でしょう。ただし、一昔前に比べると豊富にいるとはいえず、地域によっては絶滅危惧種Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に指定しているかもしれません。採集を実行する前に、必ず自治体のホームページや窓口で確認してください。
手軽に入手するならペットショップがおすすめです。カインズが展開するpetsone(ペッツワン)でも、大人気のヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)をはじめとする各種類を販売している店舗があります。
ここでは、最も入手しやすいニホンヤモリを例に解説します。
ニホンヤモリを捕まえるのに適した時期は梅雨明けの7月から9月下旬頃までです。気温が下がると越冬の準備に入り姿をくらますため、夏のほうが探しやすいでしょう。
ヤモリが活発になる日没以降、虫が集まりそうな場所や、光のある場所を探してみましょう。公園などの街灯近くのほか、自動販売機やコンビニエンスストアの壁に張り付いていることもあります。
見つけたら虫取り網で捕まえるのもよいですが、ペットボトルトラップを仕掛けて捕獲するのもおすすめです。作り方は次のとおりです。
ヤモリは吸着性のある脚裏でペットボトルをよじ登ることができますが、入り口が狭いと簡単に出られません。ヤモリが出没しそうな場所に複数個作って仕掛けると成功率が上がるでしょう。捕まえたヤモリは虫かごなどに入れて持ち帰り、早めに飼育ケージに入れてあげてくださいね。
ここでは、代表種としてニホンヤモリの飼育に必要なアイテムを紹介します。一般的に必要なもの、あると便利なものは下記の通りです。
ヤモリは脱走にチャレンジするため、蓋付きの容器が必要です。蓋がきちんと締まるのであれば、水槽でもプラケースでも構いません。
大きさは、ヤモリより一回り余裕のあるサイズがおすすめです。ニホンヤモリは8~10cmほどなので、20cm×20cm程度の容器であれば問題ないでしょう。ただし、多頭飼育の場合はさらに大きな容器を用意しないと、喧嘩が勃発する恐れがあります。
ニホンヤモリをはじめとする夜行性のヤモリは、昼間は狭くて暗いところに隠れています。したがって、飼育容器の中にも隠れられる場所を用意してあげると、ヤモリが安心できます。トイレットペーパーの芯や植木鉢のかけらなどでも代用できますが、シェルターとして販売されている商品もあり、見栄えも良いです。
流木を入れてもよいでしょう。木の隙間が隠れ家になるうえ、気が向いたときに登り降りできるなど、立体的な運動がしやすくなります。
ヤモリの水分補給のため、また飼育容器内の湿度を保つため、定期的に霧吹きをしてあげましょう。1日1~2回吹きかけておけば、壁面などに付いた水滴を舐めて喉を潤します。
床材は必須ではありませんが、キッチンペーパーを敷いておくと掃除が楽になります。
湿度を保持するために土を敷く手もありますが、虫が湧きやすくなること、あまり細かいものだとヤモリが歩きにくくなることなど、注意点もあります。
ニホンヤモリは寒さが苦手で、気温が下がってくると冬眠準備に入ります。自然な行為ではありますが、飼育下での冬眠は失敗する危険性があり、初心者向きとはいえません。パネルヒーターなどで飼育適温(18〜28℃程度)を保ち、冬眠させないほうが無難でしょう。
ニホンヤモリには生き餌が必要です。コオロギ、レッドローチ、デュビア(アルゼンチンモリゴキブリ)など、小さな昆虫(ヤモリの頭の半分程度)を与えるのが一般的です。ミルワームもよいですが、コオロギなどより皮膚が厚く、消化しにくいといわれています。栄養もさほど高くないため、たまのおやつ程度に与えるとよいでしょう。
また、健康面を考え、餌には粉状のカルシウム剤を添加するのがおすすめです。カルシウムが不足すると「クル病」という危険な病気にかかるため注意しましょう。
なお、生き餌なので餌入れは必須ではありませんが、ミルワームはお皿に入れると逃げにくくなります。
ピンセットは生き餌をつかむときに使用します。慣れないうちはピンセットを怖がるかもしれませんが、何度か使用するうちに慣れてくれるでしょう。生き餌をつかみ、顔の前まで持っていくと食いついてくる個体が多いです。
引き続きニホンヤモリを例とし、ヤモリの上手な飼い方のポイントを絞って紹介します。
ヤモリの頭程度の大きさでないと食べられないため、必要に応じてサイズを調整してください。頻度は3日に1度、量は2~3匹程度で問題ありません。生き餌が逃げてヤモリが苦戦している場合は、後ろ脚を取ってから与えます。
なお、どうしても生き餌に抵抗がある方は、冷凍昆虫や乾燥昆虫など、加工された餌にチャレンジしてみてください。解凍したりお湯でふかしたりとひと手間かける必要がありますが、昆虫に慣れるきっかけになるかもしれません。
それでもダメだという方は、人工飼料を試してみてもよいでしょう。ヤモリが興味を示してくれない恐れはありますが、人工飼料での餌付けが絶対に不可能なわけではありません。
飼育容器は定期的に掃除しましょう。餌の食べ残しはもちろんですが、ヤモリのフンをそのままにしておくのは不衛生です。また、霧吹きで壁面に水を吹きかけていると、白く汚れて中が見えにくくなります。
中にヤモリがいるとメンテナンスがしにくいため、待機用のプラケースなどを用意するのがおすすめです。念のためキッチンペーパーや新聞紙を敷き、ヤモリがいるシェルターごと移動させましょう。
待機用といわず、飼育容器を2つ用意しておき、メンテナンスのたびに容器をスイッチするという方もいます。確かに、ヤモリの移動も一度で済み、ストレスを与えることも少ないでしょう。
ハンドリングはニホンヤモリにとってストレスになり得ますが、適切に行えば大きな問題ありません。1日も早く慣れてくれるよう、次の点を意識しましょう。
ニホンヤモリは基本的に臆病です。人に触られて喜ぶ動物ではないことを念頭に入れ、少しずつ日数をかけて触れ合っていきましょう。
ヤモリに限らず、本来冬眠する生き物を飼育するときは「冬眠させるべき」「させないほうが無難」と意見が分かれます。
正解はありませんが、飼育下で上手に冬眠させるには多少の知識や経験だと考えてください。例えば、冬眠前は長い冬を越すために十分な栄養が必要である一方、きちんと排泄させなければいけません。気温が下がって活動が緩やかになり、食べた餌を排泄しないまま何か月も経つと危険な状態になります。
以上から、初心者の飼い主さんは冬眠させないほうが安全といえるでしょう。パネルヒーターなどで適温を保ち、春や夏と同じように活動させてあげてはいかがでしょうか。
ニホンヤモリの繁殖期は3~7月です。この期間に健康状態の良いオスとメスを飼っていれば、交尾をしてくれる可能性が高いでしょう。産卵が近づいたメスのお腹には、卵のシルエットがはっきり見えることがあります。
通常、一度の産卵で約1cmの卵を2個生みます。シェルターなどに産み付けるため、シェルターごと別の容器へ移動させましょう。そのまま母親ヤモリと一緒にしておくと食べられてしまうかもしれません。もし壁面などに産み付けたら、母親ヤモリを別の容器に移してください。
一般的に、卵は1~2か月、長くても3か月ほどで孵化します。乾燥に注意し、3日に1度は霧吹きをかけるなどして飼育容器内を加湿しましょう。無事にベビーが孵化したら生体と同じく生き餌を与えますが、赤ちゃんヤモリが食べられるくらいのサイズの昆虫が必要です。SSサイズのコオロギやレッドローチがよいでしょう。もちろん、カルシウム剤もかけてから与えてください。
ニホンヤモリもほかの爬虫類と同じく、かかりやすい病気があります。くる病や脱皮不全がその代表ですが、注意すべきはそれだけではありません。いつも元気なニホンヤモリがぐったりしていたり、餌の食いつきが悪かったりする場合は、体調の異変を疑ってください。ここでは、ニホンヤモリを飼育するうえで注意したい病気について解説します。
くる病にかかると食欲不振になり、動きも遅くなります。壁に張り付けなくなったり、顎が外れてしまったりと症状が進行し、やがて死に至ります。原因はカルシウムやビタミンD などの不足による栄養障害なので、日頃の食生活が大切です。
栄養失調やストレス、保温のしすぎなど、複合的な要因が積み重なって起こることが多いです。脱皮がうまくできず体表に残ると、尻尾や指先が壊死する恐れがあります。保湿し、まずは様子を見ることをおすすめしますが、ヤモリが自力で解決できない場合は獣医師に相談しましょう。
その名の通り、ビタミンBの不足で起こる栄養障害です。ヤモリの動きが鈍くなるのが特徴ですが、腹部がパンパンに膨らんだり、麻痺や痙攣が起こったりすることも。栄養バランスの良い食生活をさせてあげましょう。
十分な水分を与えていないと脱水症状を起こし、衰弱します。ヤモリは水飲み場から水を飲まず、壁面や流木についた水滴を飲むことが多いため、霧吹きするのを忘れないようにしましょう。
なお、万一のあげ忘れを考えて水飲み場を用意するのも一案ですが、ニホンヤモリが飲んでくれるとは限りません。また、水はこまめな交換が必要です。
手荒いハンドリングで驚いたときなどに尾を自切することがあります。自切はヤモリにとって「何でもない行為」ではなく、相応のエネルギーを使うものです。失ったエネルギーを補給できるよう、いつもより多めに餌を与えましょう。
ここでは、ヤモリを飼うにあたってよく湧く素朴な質問にQ&A形式でお答えします。
A.体臭はほとんど臭いませんが、糞尿や食べ残しの餌が元で室内が臭くなることはあります。空気清浄機を点けるか、こまめに掃除するかで対応しましょう。不衛生な飼育環境は病気やストレスの原因になるため、常に清潔な状態を心がけることが何よりの予防です。
A.集団で飼育しているヤモリが一斉に鳴き出したらうるさいかもしれませんが、基本的に、1匹単位の鳴き声は小さくてかわいらしいものです。騒音トラブルの心配はいらないでしょう。ちなみに、ニホンヤモリは「キュウ」などと鳴きます。
A.健康状態が良い子を選ぶことが第一です。体型のバランスは良いか、手足や指が欠けていないか、尾の形がいびつでないか(自切した後がないか)などをチェックするとよいでしょう。
体色や個体差があり、ヤモリの種類によっては良しあしの判断が難しいこともありますが、白っぽく濁っていたら脱皮前の状態である可能性が高いです。やや神経質になっている個体が多いため、理解したうえでお迎えしましょう。
可能であれば、餌の食いつきは見ておきたいところ。元気な個体は勢いよく餌を食べるので、拒食に悩む心配が減ります。ピンセットを怖がらないかなど、人慣れしているかを見極めるポイントにもなるでしょう。
今回はニホンヤモリの飼い方を中心に紹介しましたが、ほかのヤモリでも基本的な飼育方法は同じです。ただ、昼行性のヤモリには紫外線ライトなどの照明器具も必要なので、忘れずに用意してください(ニホンヤモリには必要不可欠ではありません。)。
ヤモリは人家に棲む害虫を食べてくれる益獣ですが、飼ってみると臆病で繊細であり、強い存在とはいえない生き物です。ペットとしてお迎えしたのであれば、今度は飼い主さんがヤモリを守ってあげましょう。
ニホンヤモリやヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)をはじめとするヤモリは、カインズが展開するpetsone(ペッツワン)でも販売している店舗があります。ヤモリを飼ううえでわからないことや不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。
※専門家・有識者のみなさま
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