【#多分私しかやっていない】海辺に落ちているものだけで食品サンプルを作っています
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暖かくなると池や水田の近くに現れるカエル。種類によっては、都市部の公園や人家の庭先で見かけることも珍しくありません。飼ってみたいと思う方もいるのではないでしょうか。
カエルはペット初心者でも育てられますが、オタマジャクシに比べると飼育難易度は上がります。そこで今回は、カエルの飼い方全般を注意点と併せて紹介します。一からカエルを飼う方、オタマジャクシからカエルを育てた方も、ぜひ参考にしてみてください。
カエルは両生類無尾目(むびもく)に属する生物の総称です。無尾目とは文字の通り「尾」がない生き物のことで、同じ両生類でも尾を持つ有尾目にはサンショウウオやイモリなどがいます。カエルは南極大陸を除く全大陸に分布しており、その数はおよそ7,000種。日本だけでも48種類が確認されています。
一般的に、カエルは5~6月頃に産卵し、卵からはオタマジャクシが生まれます。オタマジャクシは水中で生活し、成長過程で脚が生え、尾が体に吸収され、エラ呼吸から肺呼吸に変わります。これを変態と呼びます。オタマジャクシからカエルになるまでの期間は種類によって異なり、たとえばニホンアマガエルなら1~2か月ほどです。
成体になったカエルは陸上に上がることができますが、種類によってはそのまま水中で暮らすカエルもいます。
生活環境の主体を陸上に置くカエルを「陸生(地上生)」、樹木や草の上を好むカエルを「樹上生」、ほとんど水中から出てこないカエルを「水生」、地上と水場を行き来するカエルを「半水生」と区別します。
カエルをペットにするときは、飼うカエルの種類がどれに当たるかを理解していなければいけません。
カエルのほとんどは肉食性で、コオロギやハエ、ミミズといった昆虫を食べています。長い舌を素早く伸ばして獲物を巻き取るイメージが強いですが、そのように食事をするのは地上で暮らすカエルで、水生のカエルは前脚を器用に使って狩りをします。
寿命は種類によって大きく異なります。たとえばアマガエルの寿命は5~7年ですが、ウシガエルは10~15年も生きるといわれています。年齢を重ねるにつれ体色が変わる種類もいます。ただし、冬眠に失敗すると1年も経たずに死んでしまいます。
数いるカエルのなかでもペットとして人気の高い種類とその費用相場を紹介します。なお、日本に生息する種類であれば捕まえに行くという手もあります。
原産 | 日本 |
容姿の特徴 | ・体長3~4cm ・緑色~褐色 ・鼻から目にかけて黒線が見られる |
生活環境 | 樹上生 |
寿命 | 5~7年 |
値段 | 200~300円 |
アマガエルは比較的乾燥に強く、繁殖期を除くと水辺を必要としないため、都市部の狭い緑の上でもたくましく生きていけるカエルです。何でもよく食べ、人の手をあまり恐れないことから、カエルの飼育デビューに向いているでしょう。大きな飼育ケースを必要としない点もポイントです。
ただ、日本全国に生息しており、素人でも簡単に捕まえられるため、お店では取り扱っていないケースも多いです。
原産 | 日本 |
容姿の特徴 | ・体長6~18cm ・褐色や黄褐色が多いが環境によってさまざま ・背面にイボがある |
生活環境 | 陸生 |
寿命 | 7~10年 |
値段 | 1,000~2,000円 |
ニホンアマガエルと並び、身近でも見かけるカエルです。ニホンヒキガエルは見た目通り(?)丈夫で環境適応力が高く、のそのそと歩くため掃除などで飼育ケースから出すときも簡単に捕まえられます。
ペットショップで購入する場合は1,000~2,000円程度と安価なのもおすすめポイント。もちろん、自分で捕獲することもできます。
原産 | ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイなど (標高500m以下のパンパ地帯) |
容姿の特徴 | ・体長10~16cm ・鮮やかで奇抜な体色 ・ずんぐりむっくりしている |
生活環境 | 陸生 |
寿命 | 約10年 |
値段 | 3,500~3万円 |
目の上に角のような突起があるツノガエルの一種で、ベルツノガエルは体色が細かくて美しいと特に人気です。なかでも赤みの強い個体は「赤ベル」として親しまれています。体が丈夫なうえ、ほとんど動かないため、のんびりとお世話したい方に向いているでしょう。
ペットショプでは2,500円ほどで販売されていますが、珍しい体色の個体は1万円を超えることもあります。ただ、ツノガエルとしてはお迎えしやすい価格帯といえます。
原産 | ブラジル、アルゼンチン、パラグアイなど (標高700m以下のチャコ地帯) |
容姿の特徴 | ・体長7~12cm ・カラーバリエーションが豊富 ・ベルツノガエルに比べると切れ長の輪郭 |
生活環境 | 陸生 |
寿命 | 約10年 |
値段 | 3,000~6,000円 |
ベルツノガエルと並んで人気の高いカエルです。茶褐色と緑色の組み合わせを基本とし、さまざまな個体が確認されています。
ベルツノガエルと同じく頑丈で、活発に動くタイプではないため、毎日頻繁にお世話する必要がありません。餌を与える頻度も週2回程度で十分です。価格が3,000~6,000円とお迎えしやすいのもおすすめポイントです。
原産 | オーストラリア |
容姿の特徴 | ・体長10cm ・緑色~褐色が環境により変化 |
生活環境 | 樹上生 |
寿命 | 10~15年 |
値段 | 3,000~5,000円 |
わずかな水を求めて人家のトイレに潜り込むこともあることから「家雨蛙」と名付けれられたカエルです。カエルのなかでは長寿なほうで、20年以上生きる個体もいるほど。年齢を重ねると容姿が変わる(目の下や鼓膜の肉などが垂れ下がる)のも特徴です。
人をあまり恐れず、接し方を間違えなければハンドリング(手乗り)もできることから、コミュニケーションを取りたい方におすすめです。ただし過度な触れ合いはストレスになるので注意しましょう。
原産 | メキシコ南部~中央アメリカ、南アメリカ北部 |
容姿の特徴 | ・体長5~8cm ・大きな赤い目 |
生活環境 | 樹上生 |
寿命 | 5年 |
値段 | 8,000~1万5,000円 |
その名の通り真っ赤な目が特徴的なカエルです。ほんの一瞬でも敵をためらわせるために目を赤くする道(進化)を選んだといわれています。毒々しい体色ですが、毒は持っていません。
見た目のインパクトが凄まじく、欧米を中心に人気のある種ですが、初心者の方には飼育難易度が高め。価格は高ければ1万円を超えます。
原産 | アメリカ大陸全般 |
容姿の特徴 | ・体長3~8cm ・色鮮やかな警戒色 |
生活環境 | 陸生(一部樹上生) |
寿命 | 約10年 |
値段 | 1万5,000~3万円 |
ヤドクガエルはヤドクガエル科に含まれるカエルの総称で、コバルトヤドクガエルやモウドクフキヤガエルなどがいます。名称からして毒を持つことがわかりますが、ペットとして販売されているヤドクガエルに毒はなく、安全に飼育できます(毒を生成するための餌を食べていないため毒を持つ術がありません)
非常に色鮮やかでサイズも小さいため人気の種ですが、ヤドクガエルを育てるには熱帯雨林を模した準自然環境(ビバリウム)を飼育ケージ内に用意しなければなりません。
ペットショップで購入する手もありますが、アマガエルやヒキガエルであれば身近な淡水域に行けば捕まえられます。ここでは、もっとも簡単なアマガエルを採取する方法を紹介します。
オタマジャクシから育ててみたいという方は、オタマジャクシの上手な飼い方は?餌や飼育水からカエルになるまでの注意点をご覧ください。
カエルが活動できる3~11月の間に、水田や池、森林などで幅広く見かけます。特に田植え時期の水田では出会える確率が高いです。
必要なもの・あったほうが便利ものは次の通りです。
素手で捕まえる手もありますが、アマガエルにも皮膚毒はあるため、手袋や軍手をしたほうが安心です。手に傷などがある場合は必ず手袋をしましょう。タモ網を使うとより簡単に捕獲できます。
水の中に逃げることもあるため長靴もあったほうがよいでしょう。持ち帰るまでの保管ケースは虫かごで代用できます。
カエルは風景に溶け込んでいるため、注意深く地面を探す必要があります。草が生い茂っている辺りは特に重点的にチェックしてみましょう。
見つけたら慌てず、そっと近づいて網ですくいます。素手の場合は、後ろから挟み込むようにして覆いましょう。カエルが前にしか飛べない習性を逆手に取り、壁のようなところに追い込むのも良い作戦です。
なお、アマガエルに限らず、カエルは微量の皮膚毒を持っています。カエルを触った手で目をこするといった行為は止めましょう。手袋や軍手をしていても同じです。
カエルは種類によって「樹上生」「陸生(地上生)」「水生・半水生」と暮らし方が違うため、生活スタイルに適した環境を用意してあげなければいけません。共通して必要な飼育グッズと、生態に合わせて必要なグッズとを分けて紹介します。
カエルの種類に関係なく必要なグッズは次の通りです。
カエルの大きさに合わせた水槽やプラケースを用意します。気密性の高いものであれば湿度管理が楽になります。
陸生以外のカエルは高くジャンプするため、脱走防止の観点から十分な高さがあることも重要です。ニホンアマガエルでも30cm以上近く飛ぶことがあります。もちろん、蓋も必要です。水槽と別売りの場合は蓋も併せて購入しましょう。
床材は腐葉土、砂利、水苔、新聞紙、発泡スチロール、スポンジ、レンガ、ブロックなど幅広くあります。カエルの種類はもちろん、湿度管理やメンテナンスの手間を考えて選択します。詳細は後述します。
樹上生、水生(半水生)のカエルにとって水は必須です。陸生のカエルは土から水分を吸収しますが、土が乾燥しているとなすすべがないため、万が一のために用意します。
カエルに与える水は水道水を使用しますが、念のため塩素は抜いたほうがよいでしょう。バケツに入れ半日~1日外に出してカルキを抜く方法もありますが、市販の中和剤を使えば時間を短縮できます。
日本の冬は変温動物であるカエルにとって寒すぎるため、放っておくと冬眠してしまいます。「冬眠する生き物だから当然」と思うかもしれませんが、飼育下の冬眠管理は難しく、最悪の場合死にいたります。
保温器具を使って飼育適温(20~25℃程度)を保てば、冬眠する必要がなくなります。
餌はハエ、蛾、コオロギといった生きた昆虫が必要です。水生のカエルはメダカなどの小魚を与えます。生き餌を自分で育てる飼い主さんもいますが、それはそれで管理が大変なので、慣れないうちは専門店で購入するとよいでしょう。
どうしても生き餌が苦手という方は、カエルやトカゲ用の人工飼料を使う手もあります。しかし個体や種類によって好みがあったりと、少々手を焼くかもしれません。
「ツリーフロッグ」と呼ばれる樹上生のカエルには「登り木」を用意しましょう。枝木のほか、観葉植物など生きた植物が最適です。植物の葉の裏は樹上生のカエルにとってシェルター代わりにもなります。
ただ、カエルの尿で枯れることがあるため、定期的に葉を洗う、あるいは新しいものへの交換が必要です。また、生きた植物にはある程度の光が必要なので、簡単なものでよいので照明器具も準備しましょう。観賞魚用の蛍光灯を代用する方もいます。
樹上生のカエルにも水は必要なので、身体の大きさに合わせた水溶気を用意しましょう。タッパや多少の深さがあるお皿などでも構いません。飼育環境内に水があることで乾燥予防にもなります。
陸生のカエルにとって床材は大切です。土や小石、水苔、砂利など川辺にあるようなものを用意しましょう。土は赤土や黒土、腐葉土などで構いませんが、有機質のものはカビの発生に注意が必要です。
陸生のカエルはお腹から水分を吸収するため、土が湿っていれば水場はなくても構いません。ただ、万が一の乾燥に備える意味では水場があったほうが安心です。カエルのサイズに合わせた水溶器を準備しましょう。
ここでは水生・半水生をひとくくりにしていますが、必要とする水量はまったく異なります。
水生のカエルは1日のほとんどを水中で過ごすため、熱帯魚を飼育するイメージに近いです。半水生のカエルは、その名の通り陸地と水場を行き来するため、両者が1:1になるようレイアウトを組んであげる必要があります。
川を再現するように、水の下に砂利や水草、コケ付きの石などを入れてやるとよいでしょう。水だけを入れるより水質が安定します。水温を安定させるためのヒーターもあるとなおよいです。
砂利、レンガ、ブロック、カメ用の浮島などを組み合わせて足場を作ります。もう半分はすべて水場にします。水場から陸地へとスムーズに移動できるよう、なだらかな境界線を作ってあげましょう。
必須アイテムではありませんが、アクアリウムを再現する意味で、流木や浮き草も入れてあげるとカエルの居心地が良くなるでしょう。半水生のカエルにはなくても構いません。
寒さが厳しくなる季節は水中の温度を快適に保つために必要です。
カエルの上手な飼い方はカエルの生活スタイルによって大きく異なります。特に、飼育ケージ内のレイアウトは大切です。必要なものを過不足なく用意し、過ごしやすい環境を整えてあげましょう。
レイアウトについては必要なカエルを飼うために用意するもので触れているので、ここではそのほかに気遣ってあげたい点を中心に解説します。
カエルが活動しやすい温度は20~25℃です。夏は直射日光に注意し、冬は低温対策をしてあげてください。
温度だけでなく湿度も大切です。一般的には70%前後の環境が心地よいといわれています。しかし個体差もあるため、カエルの様子を見ながら調節する必要があるでしょう。「水溶気に浸かっている時間が長い」「湿った土の上でじっとしている」といった場合、飼育ケージ内が乾燥している可能性が高いです。
飼うカエルの種類によって餌の量を調整しましょう。カエルは餌を与えれば与えるだけ食べる傾向があり、過食は人間と同じで病のもとです。
一般的に、大人のカエルに毎日の餌やりは必要ありません。2~3日に1回、1週間に1~2回の食事が適している場合もあります。成長期かどうかによっても変わるため、ペットショップで購入する場合はスタッフに質問するとよいでしょう。
床材の交換や水替えなど、飼育ケージ内の清掃は定期的に行いましょう。床材はもちろん、レイアウトとして入れている流木や観葉植物もカエルの糞尿で汚れることがあります。
ただし、大々的な掃除を頻繁に行うとカエルが落ち着かないため、汚れがひどいケースを除けば、2~3週間に1度程度のペースでも問題ありません。
飼育下のカエルは温度調節をして冬眠させないほうが無難ですが、自然の摂理に従って冬眠させたい方もいるでしょう。その場合は、
が大切です。難しいと感じた場合は、カエルの飼育適温を保って冬眠させないことをおすすめします。
ここでは、ついやってしまいがちなカエルの誤った飼い方を紹介します。お子さんが知らずにしてしまうケースもあるため、大人の飼い主さんが目を光らせておく必要があります。
カエルを購入するのではなく捕まえてきた場合、せっかく捕まえたのだから捕まえた分だけ飼いたくなるかもしれません。
しかし、大きさや成長段階が異なるカエルを同じ飼育ケース内に入れるのは喧嘩の元です。空腹状態だと共食いが起こる恐れもあります。
どうしても複数匹を一つの飼育ケースで飼いたい場合は、互いのテリトリーを守るために大きめのケースを用意し、隠れ家となる場所もたくさん作ってあげましょう。また、餌やり時は一匹ずつに行き渡るよう、直接与えます。
30℃を超える夏の日でもカエルは活動できますが、昨今に見られるような猛暑日が続くと危険です。体調を崩して衰弱することもありえるため、飼育ケースをクーラーが効いている部屋にさせる、小型の冷却装置を設置するなど、何らかの対策をしてあげてください。
カエルの飼い方というより、飼うにあたっての注意点になりますが、大切なことです。
カエルの捕まえ方でも述べた通り、カエルは表皮から微量の毒を出すことがあります。触ったところで人体に影響を及ぼす心配はほとんどありませんが、何らかのトラブルで体内に入る恐れがあります。よくあるのは、カエルを触ったその手で目をこする行為です。
カエルと触れ合った後は手洗いを徹底しましょう。
カエルを飼う過程で生じるちょっとした疑問にQ&A形式でお答えします。
A.お世話をしてくれる人間を「特別な存在」と認知して態度を変えることはないでしょう。さみしい話ですが、犬や猫とは違うので仕方ありません。
ただ、毎日の触れ合いの結果「敵ではない」と思ってくれることは十分にあります。警戒心を解いてくれれば手に乗せることも可能なので、気長にコミュニケーションを取ってみてください。
A.金魚やメダカといった小魚はカエルの餌になる可能性が高いです。カエルのサイズによっては食べないまでにしても、興味本位で噛み付くことはあるかもしれません。どちらにしろ、小魚にとっては驚異の存在なので、混泳はおすすめしません。
ちなみに、オタマジャクシと金魚・メダカを混泳させるとオタマジャクシが捕食されることがあります。
A.前脚に注目します。オスの親指の付け根には「婚姻瘤(こんいんりゅう)」と呼ばれる指ダコのようなものがあります。
体の大きさや鳴き声で区別する方法もありますが、種類や個体差があり、カエルに詳しい方でも違いを断言するのは困難でしょう。
カエルは生態によって飼い方が異なり、必要なアイテムやお世話の仕方が異なります。どのカエルも基本的には生きた昆虫を食べるため、虫嫌いな方には厳しいかもしれません。
白輪さん
捕まえてきたカエルなら元いた場所に放す手もありますが、購入したカエルを自然に放すのはNGなので、最後まで責任を持ってお世話してください。困ったことがあれば、購入したペットショップのスタッフに相談する手もあります。