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猫の年齢は見た目でわかる? 歯や目から見分ける方法【獣医師監修】

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古江 加奈子

古江 加奈子

パーク動物医療センター副院長。福岡県獣医師会、福岡市獣医師会、日本獣医がん学会に所属。言葉の話せない動物を治療するうえで、動物たちに聞く代わりに飼い主から沢山のことを聞き、飼い主とのコミュニケーションを最重視するドクター。

見た目でチェック! 猫の年齢の見分け方

外見から猫の年齢を見分ける

年齢がわからない猫の年齢を見た目で判断するには、いくつかのポイントがあります。外見から猫の年齢を見分ける方法についてまとめたので参考にしてみてください。

※猫種や育った環境、食べ物などによって個体差があるため、必ずしも全ての猫にあてはまるわけではありません

歯で見分ける

歯で年齢がわかる

猫の年齢を見た目で判断するにはまず、歯を見る方法があります。猫の乳歯は生後約3~4週間で生えはじめ、生後約2ヶ月で生え揃います。まだ乳歯が生えていないのであれば、大体生後2週間以内の赤ちゃん猫だということがわかるでしょう。

乳歯が抜けて永久歯が生えはじめるのは生後3ヶ月頃からで、生後6~8ヶ月くらいまでに全ての歯が生え変わります。

成猫の場合はこの永久歯の色がポイントで、生え揃ったばかりの真っ白い歯をしている場合はまだ1歳前後である可能性が高いです。少し黄ばみがあるのであれば2~3歳くらい、歯石が溜まりはじめていれば3歳以上で、黄ばみや歯石が多く見られるほど年をとっていると判断されます。

老猫になるにつれ歯の摩耗が目立つようになり、歯が抜けたり、歯肉炎になる猫も多くなります。そのような歯の状態の猫であれば恐らく7歳は超えているでしょう。

ただし、野良猫や外暮らしの猫は歯の老化も早いため、上記の見方があてはまらない場合もあります。まだ若くても歯石が溜まっている子などもいるので、年齢判断のひとつの目安と考えてください。

目で見分ける

目で年齢を見分ける

子猫は生後1週間程で目が開き、生後2週間くらいで視力がつきます。目の前でものを動かした時に目の焦点が合っているようなら、生後2週間は経過していると考えて良いでしょう。

目が開いてからしばらくの間は「キトンブルー」と呼ばれる子猫特有のきれいな青い色をしています。生まれたばかりの仔猫は虹彩表面にしか色素沈着が認められず、成長と共にメラニン色素が虹彩の中に沈着することで色が変わっていきます。個体差はありますが、生後1~2ヶ月くらいの間に本来の目の色に変わるため、子猫の目がキトンブルーであればまだ生まれてから1~2ヶ月程度ということになります。

若い猫は鮮やかな目をしていて目ヤニもさほどありませんが、老化がはじまった猫は目が曇り、目ヤニも多くなります。ぼんやり白く霞みがかったような目をしていて、目ヤニや涙目が目立つようなら11歳以上の老猫である可能性が高いでしょう。

被毛で見分ける

被毛で年齢を見分ける

子猫や若い成猫の被毛にはツヤがあり、触ると柔らかく、ふわふわしています。シニア世代になると次第に被毛のツヤがなくなり、パサパサ・ゴワゴワとした触り心地になっていきます。老化によって毛の色が薄くなったり、部分的に白髪が現れることもあります。

ただし、野良猫や外に出る飼い猫の場合、完全室内飼いで頻繁にブラッシングをしているような猫と比べると被毛がパサパサしていることも多いです。特に野良猫は食事や暮らしている環境が飼い猫とは大きく異なるため、若い猫でも栄養状態が悪くなり、美しい被毛をキープすることが難しくなります。

体型や体重、顔つきで見分ける

体型や体重、顔つきで見分ける

生後半年以内の子猫はまだ体全体が小さく、人間の子供と同じように体に対して頭が大きい見た目をしています。目・鼻・口の距離が短いため、顔つきも大人の猫と比べると幼く見えるでしょう。

健康な猫であれば生後1週間ほどで体重が200g程度になり、生後1ヶ月で約500g、生後3ヶ月で1.5kg程度まで成長します。成猫の平均体重は大体3~5kg程度といわれますが、猫種などによって個体差があるため、同じ年齢で体重が数kg違うこともあります。

活動的な若い猫は筋肉のつきがよく、張りのある体をしています。3~6歳くらいまでは太りやすい時期なので、なかにはふっくらして肉付きが良い体型の猫もいるでしょう。年をとるにつれ徐々に筋肉が衰えはじめ、11歳を過ぎる頃になると体全体の張りがなくなり、頬がこけたり骨ばったような体型になります。

その他 性格の変化や行動もポイントになる

性格の変化や行動もヒントに

外見以外に、性格の変化や行動も猫の年齢を見分けるポイントになります。

【生後0~12か月】子猫

生後2週間~2ヶ月くらいまでは「猫の社会化期」といって、体験したことを吸収して性格が形成されていく時期だといわれています。この時期は、いろいろなものや人に触れさせておくことで人間に慣れて飼いやすい猫になるといわれているため、とても大切な時期です。口の周りや足先などを触る習慣をつけておくと、成猫になったときに歯磨きや爪切りのようなお手入れがしやすくなります。

1歳くらいまでの子猫はとにかく好奇心旺盛で怖いもの知らず。何でも口に入れたり追いかけまわしたりと落ち着きがないことがほとんど。小さいおもちゃやビニール、ひもなどの誤飲にも注意が必要です。十分な免疫が備わっていないので、ウイルスや細菌、寄生虫などの感染には気を付けましょう。

一般的には生後6~10か月ごろになると初めての発情を迎えるといわれています。避妊手術を検討している場合には、初めての発情前が良いとされているため、発情の時期を意識してしっかり予定を組んでおきましょう。

【1~6歳】成猫

1歳半を過ぎるとそれぞれの個性がではじめ、無邪気な子猫から自立した成猫へと成長します。性格が落ち着くのも1歳半頃からであることが多いといわれます。甘えん坊で遊び好きのタイプや、マイペースで群れないタイプなど性格によって行動は様々ですが、7歳くらいまでは最も体力がある年齢のため基本は活動的に過ごします。猫によっては夜中にテンションが上がって大運動会をしたり、まだまだやんちゃな行動をすることもある年齢です。

1歳を過ぎたらフードも子猫用から成猫用に変えてあげる時期です。肥満にならないよう、あげ過ぎに注意したり運動不足にならないよう適度に遊んであげたりしましょう。

【7~歳】高齢猫

7歳を超えると心身共に落ち着きが見られる時期に入ります。もともとやんちゃだった猫もこの頃には穏やかな性格になっていることが多く、1日のほとんどの時間をのんびり過ごします。11歳を過ぎると食欲も落ち着き、青年期のように活発に動きまわることはあまりなくなります。フードは高齢猫(シニア)用に変えて、定期的に体調のチェックをしてあげるようにしましょう。

体の衰えが見られるようになったら、段差を少なくして負担を減らしたり、肥満にならないように適度に運動ができるようなサポートをしたりするような工夫が必要になります。

愛猫が長生きするために心がけたいこと

大切な猫にはいつまでも健康で元気に、少しでも長く生きてもらいたいものですね。そのためには飼い主の方の日々の心掛けが重要です。ここでは猫が健やかに生活する上で大切な基本的なお世話について解説します。

毎日の食事は年齢や体形に合わせて選ぶ

猫のごはん

猫の毎日の食事には、主食として「総合栄養食」を与えます。このフードとお水をあげれば、猫に必要な栄養素が摂取できるというものです。 ペットフードの売り場を見るとたくさんの種類が並び、どれを選べばよいか迷ってしまうかもしれません。必ず年齢や体型に合わせて選んであげるようにしましょう。ドライフードかウェットフードかは好みで選んで問題ありません。しかし、お水をあまり飲んでくれない猫にあげるフードを選ぶならウェットフードをあげるようにして、水分補給もできるようにしてください。

猫のニーズに合った生活環境をつくる

のニーズに合った生活環境

猫が生活しやすい環境づくりも大切なことです。例えばお部屋を清潔に保ったり、温度や湿度の管理をしたりはもちろんですが、猫の習慣や性格に合わせた環境づくりをしてあげてください。

環境づくりには以下のようなポイントを押さえておきましょう。

  • お気に入りの爪とぎを用意する
  • キャットタワーを設置したり家具の配置を変えたりして、三次元の遊びができるようにする
  • 猫の体にフィットするくらいの落ち着ける隠れ家を用意する
  • トイレは頻繁にきれいに掃除しておく
  • 高い場所から窓の外が見られるような場所をつくる 猫が良く通る場所にお水を複数個所置く

適度に運動できるようにする

猫とおもちゃ

猫には狩猟本能があるため、適度な運動や遊びで満足できるようにしてあげましょう。狭い室内で十分に動き回ることができないとストレスが溜まって体調を崩してしまうこともあります。スペースに余裕がない場合でもおもちゃを使って運動量を増やすこともできますので、飼い主さんと一緒に遊んでストレスをためないようにしてあげてくださいね。 年齢別におすすめの遊び方やおもちゃをご紹介します。

子猫

子猫は好奇心が旺盛なので、動くものに飛びついたり噛みついたりして遊びたがります。ストレスなく成長を促して骨や筋肉を鍛えるために、噛んだり飛び跳ねたりできるおもちゃで遊ぶのがおすすめです。

子猫より少し小さめか、同じくらいの大きさのぬいぐるみを与えると、抱え込んでキック・パンチして遊んだりできます。フェルトやコットンなどでできたおもちゃは、葉が生え変わる時期でかゆみが気になる子猫でも口を傷つけずに遊ぶことができておすすめです。

成猫

子猫の時期を過ぎて落ち着きが出てくるころですが、一番体力があり活発な時期でもあります。激しく運動できるようにボールを転がして遊んだり、猫じゃらしで狩りをする気分を味わせてあげたりするのもよいでしょう。

高齢猫

7歳を超えて高齢になった猫は、活発だった子も落ち着いてきて穏やかな性格になってきます。あまり遊びに興味を示さなくなりますが、健康維持のために適度に体を動かすようにしてあげましょう。

マタタビの匂い付きのおもちゃはリラックス効果があり、適度な刺激を与えてくれます。他にも、少し低めのキャットタワーを用意して、猫じゃらしのようなおもちゃで誘導しながら遊ばせてあげるのもおすすめです。

見た目や行動に現れる猫の老化のサイン

猫の老化のサイン

年を重ねるにつれ体の様々な機能が衰え、元に戻らなくなるのが「老化」です。

一般的に、猫は7歳からがシニアの入り口といわれています。7歳~10歳頃はまだ中年期と呼ばれる年齢ではありますが、体力や運動能力、内臓機能などに変化が見えはじめる時期でもあります。

飼い猫が7歳近くなったらこれまで以上に見た目や行動の変化を注意深く観察し、老化のサインを見逃さないようにしましょう。

【シニア期に現れる猫の老化のサイン】

・運動量が減った、よく寝るようになった
・食事量が減った
・やせてきた
・体の張りがなくなった、皮がたるんできた
・被毛のツヤがなくなってきた
・歯に黄ばみが出てきた、歯が茶色くなった
・口臭が気になりはじめた
・目ヤニが増えた
・爪が太くなった、爪がしまえなくなった

シニア猫のために気をつけたいこと

シニア猫のために気をつけたいこと

人間と同じく、猫の老化にも個体差があります。近頃は20年以上生きる猫も珍しくなく、7歳を過ぎても毛艶が良く若々しい見た目を保っている猫もたくさんいます。

しかし、一見若々しくても免疫力や体力は加齢と共に着実に低下していることを忘れないでください。

定期的に健康診断を受けよう

飼い猫がシニア期に突入したら見た目や行動の変化に気を配るだけでなく、定期的に動物病院で健康診断を受けるなどして、体の異常を早期発見することが重要です。特に内臓機能の衰えは見た目だけでは判断しきれないこともあります。

高齢の猫がかかりやすい病気として一般的なのが、腎臓病(腎不全)や尿路結石などの泌尿器疾患、甲状腺機能亢進症や糖尿病などの内分泌疾患、心臓病や腫瘍などです。他にも歯周病や関節炎、皮膚疾患なども老年期に注意したい病気です。

年齢に合わせたフードをあげる

健康維持のためには、年齢に合わせた栄養バランスと消化の良いフードを用意してあげることも大切です。噛む力が弱くなった老猫なら、ウェットやスープタイプのフードに変えてあげるのも良いでしょう。

負担にならないような工夫やケアが大切

運動能力が低下しはじめたら、キャットタワーの高さやトイレ、爪とぎの位置などを見直してあげてください。可能であれば若いうちからオーラルケアやブラッシングを習慣化しておくと、シニア期の変化に備えることができます。

他には、爪切りも若いうちから習慣化させておきたいことのひとつです。歳をとって猫が爪とぎをしなくなると、爪が太くなって巻き爪になってしまうことがあります。ひどくなると肉球に刺さってしまうこともあり、市販の爪切りでは切ることが難しくなってしまうため、そうならないためにも普段から爪切りに慣れさせておきましょう。

「うちの猫はまだまだ元気だから」と高をくくらず、日々の健康チェックをしっかり行い、状況に応じて飼育環境を見直すことをおすすめします。

ギネス記録は38歳と3日! 猫の平均寿命の変化

猫の平均寿命は何歳?

猫の年齢の世界記録は何歳だと思いますか?

ギネスブックに認定されている世界最長寿の猫はなんと38歳と3日、人間でいうとおよそ170歳にもなるのだとか!

現在はすでに亡くなってしまいましたが、アメリカのテキサス州に暮らしていたメスの猫だったそうです。長生きの猫が増えているとはいえ、30歳を超える猫はまだまだ珍しいですよね。

一般社団法人日本ペットフード協会が公開しているデータによると、2021年の室内飼い猫の平均寿命は16.22歳、外に出ることもある猫の平均寿命は13.75歳ということ。

2021年の飼い猫全体の平均寿命は約15.6歳と、10年前に比べると1.3歳程度伸びていますが、室内飼いの猫と外に出る猫の平均寿命には一貫して差があります。

厳しい環境下にある野良猫だけでなく、普段から外に出る猫は室内だけで過ごす猫に比べると健康リスクが高くなり、完全室内飼い猫の方がおよそ2~3歳長生きしているというデータもあります。

人間でいうと何歳? 猫の年齢換算めやす

猫は生後半年で人間でいう10歳程度まで成長するといわれ、およそ1年半で20歳くらいになります。2年で24歳くらいになり、それ以降は1年に4歳ずつプラスして年をとるような計算です。

猫は生後約6ヶ月~10ヶ月で青年期を迎え、交尾による繁殖が可能になります。活動的な成猫期を過ぎた7年目以降は一般的にシニア猫扱いになります。

11年目以降になると本格的な高齢期に突入し、前述のような老化のサインが顕著に現れはじめます。15年目以降は人間でいう75歳過ぎにあたるため、猫の寿命としては長寿といえるでしょう。「もう良い歳のおじいちゃん、おばあちゃんなのだな」という意識を忘れず、ささいな変化にも気がついてあげられるようにしたい年齢です。

猫の年齢を人間の年齢に換算したときの目安として一覧表にまとめたので参考にしてください。

猫の年齢を人間の年齢に換算

※室内飼いの猫の場合の目安です

猫の年齢に合わせたケアをしてあげよう

猫の年齢は、見た目や行動から推測することができます。ただし、外で暮らしていた猫や野良猫から生まれた子猫など、猫によっては一般的な見分け方があてはまらないこともあります。もし年齢のわからない猫を保護した場合などは自己判断せずに、まずは獣医師さんに相談してみてくださいね。

飼い猫には年齢に合わせたケアを行って、健康と長寿のサポートをしてあげましょう。

※猫種や育った環境、食べ物などによって個体差があるため、必ずしも全ての猫にあてはまるわけではありません
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。

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