花粉症に怯えている。盲点だった手法で今年はバトルを仕掛けてみることにした
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目次/ INDEX
屋根裏をドタバタ駆け回る音、せっかく育てた作物の食害、家中に漂う耐え難い悪臭……。イタチの被害に頭を痛めている方は、今すぐにでも駆除したいのではないでしょうか。
そこでこの記事では、イタチの追い出しから駆除、再発防止までの方法を解説します。駆除業者への依頼を検討している方向けに、業者の選び方や費用相場についてもまとめました。
イタチは「ネコ目イタチ科イタチ属」に分類される哺乳類の総称です。日本でよく見かけるのは、在来種であるニホンイタチと、外来種のチョウセンイタチ(シベリアイタチ)の2種類です。このうち、人家に住み着き被害を与えるのはチョウセンイタチが多いといわれています。
種類 | ニホンイタチ | チョウセンイタチ |
顔 | 濃褐色の斑紋がある | 鼻・口・喉が白い |
体色 | 茶褐色~暗褐色 | 黄褐色 |
体長 | オス:30~37cm メス:20~27cm |
オス:28~39cm メス:25~31cm |
尾長 | オス:12~16cm メス:8~9cm |
オス:16~21cm メス:13~16cm |
体重 | オス:290~650g メス:110~180g |
オス:650~820g メス:360~430g |
生息地 | 日本全国の平野部~山間部 | 中国、朝鮮半島、台湾、シベリアなどの山地~低地 農村周辺や都市部にも出現する |
両者の違いは一目瞭然なので、見た目で間違えることは少ないでしょう。
イタチは雑食で食欲旺盛です。ネズミ、鳥類、ウサギ、昆虫などの動物を好んで食べます。北海道や伊豆諸島南部、南西諸島では、ネズミを捕食してくれる「害獣ハンター」として多数のニホンイタチが放されたこともあります(結果、地域の生態系へ被害を与えたとの報告も……)。
野菜や果実も大好きで、果樹園のみかんや柿などを食害します。生ゴミをあさる姿もよく確認されており、イタチにとって人家周辺は「餌だらけ」といっても過言ではありません。基本的には夜行性のため、人間が寝静まっている間に悪さをしでかす点も厄介です。
胴長短足で愛らしい見た目をしていますが、性格は獰猛です。小さいながらも鋭い爪と牙を隠し持っており、自分より大きな相手を捕食することもあります。人間を攻撃してくることもあるため、不用意に近づいてはいけません。
パワフルなうえに機敏で、おまけに器用です。木登りはお手の物であり、垂直の壁もよじ登れます。短時間であれば泳ぐこともでき、魚やザリガニを捕獲している姿も確認されています。
床下や天井裏にも難なく侵入できるのは、3cmの隙間があればすり抜け可能な柔軟性を持つためです。穴掘りも得意なので、フェンスで囲っても地面を掘って侵入してくることもありあす。
繁殖期は春です。メスは一度に3~10匹の子を産み、梅雨から夏頃まで子育てのために巣ごもりします。イタチは一夫多妻であると考えられており、オスは行動圏内にあるメスたちと交尾します。
子は生後約80日で母親と変わらない体格に育ち、秋頃に自立・分散します。1年も経つと立派な大人として繁殖活動ができます。イタチの寿命は1~2年と短くはありますが、繁殖能力が高いため、放置するとあっという間に増える点が厄介です。
イタチによって受けるダメージはさまざまで、ときに重大な損害や健康被害をもたらします。下記はその代表的な例です。
イタチは昼に行動することもありますが、基本的には夜行性です。寝静まっているときに屋根裏を走り回られるのは相当なストレスでしょう。不眠症に悩まされる方は少なくありません。
イタチの糞尿で家中に悪臭が漂うことがあります。決まったところで排泄する「ため糞」の習性を持つため、時間が経つほどニオイが強烈になります。糞尿から菌やダニ、ノミが繁殖することもあり、食中毒や皮膚アレルギーを引き起こす原因にもなります。
イタチが家の柱を引っかいたり、糞尿によるマーキングで木材にシミができたりした結果、建物の価値が著しく損なわれるでしょう。長い期間のため糞により板が腐食すると、最悪の場合抜け落ちてしまいます。
また、断熱材はイタチにとって「巣作りの素材」になることがあります。断熱材が機能せず、夏・冬を快適に過ごせなくなることもあるでしょう。
家庭菜園の野菜や果実を食い荒らされたり、ペットや家畜が襲われたりと、イタチがおよぼす食害も深刻です。ゴミをあさられ、家の周囲に生ゴミが散乱する被害も確認されています。そのゴミでほかの害獣や害虫が集まる二次被害も起こり得るでしょう。
イタチが感染症の運び屋となり、さまざまな健康被害をおよぼす恐れがあります。また、追い払おうと不用意に近づいた結果、噛まれたり引っかかれたりして怪我をした方もいます。外傷だけ済めばよいですが、傷口から感染して鼠咬症を引き起こすと、意識障害や嘔吐、発疹といった症状が表れます。
駆除へ乗り出す前に、まずは追い出す方法を考えましょう。イタチにとって心地良くない、またはつけ入る隙がない環境を作れば、自然に出ていってくれるはずです。追い出すだけでなく、二度と寄せ付けない対策も必要です。
イタチは嗅覚が発達しており、ニオイに敏感です。イタチが嫌がるニオイを振りまけば、近寄りたくない場所だと認識してくれます。
忌避剤を屋内に設置する際は、イタチの侵入口から外側に向かうように置くのがコツです。屋外の場合は、入ってほしくない場所を取り囲むように設置するとよいでしょう。
肝心の忌避剤ですが、効果的なのは害獣専用の商品です。害獣忌避剤はオオカミの尿やニンニク、カプサイシンといった刺激臭を原材としており、イタチに恐怖感・緊張感を与えます。
小袋に入った、置くだけの忌避剤もあります。屋内用には次の商品が使いやすいでしょう。
家庭菜園を守りたいなら、土にまくタイプの忌避剤が役立ちます。イタチのほか、アライグマ、モグラ、ネズミといった害獣にも効果を発揮します。直接手を触れたり、ニオイを嗅いだりするのは危険なので、作業をする際は手袋、マスク、保護メガネを着用してください。
虫除けに使われる木酢液や、殺菌作用のあるクレゾール石けん液、刺激臭のする調理酢なども追い出し効果を期待できます。どれもホームセンターやドラッグストアなどで入手なので、手始めにこれらから試してみてもよいでしょう。
イタチは基本的に夜行性のため、まぶしく光る場所を嫌がります。天井裏や床下にイタチがいることがわかったら、害獣撃退用の点滅ライトを当ててやりましょう。
イタチが出没する場所に設置し、一晩中点灯させておいても構いません。乾電池式でも、連続動作時間の長い商品を選べば数日は持つでしょう。省エネを求めるなら、人感センサーライトがおすすめです。
周囲にCDをぶら下げておけば、光が乱反射してさらなる威嚇効果を発揮します。なお、チカチカと点滅する光であれば効果を期待できるため、クリスマスツリー用の電飾でも代用できます。
超音波でイタチを威嚇するのも一つの手段です。下記の「通せんぼくん」は、日中は超音波と威嚇音が作動し、日没後は夜行性の動物が警戒するとされているLEDフラッシュ点灯が加わる仕様です。
ただし、イタチは超音波に対して鈍感だともいわれており、気にしない、あるいは聞き慣れてしまう個体もいるかもしれません。超音波単体で追い払うのは難しいケースがあるからこそ、威嚇音やLEDフラッシュの組み合わせに効果を期待できます。
野生動物は警戒心が強く、大きな音を嫌がる傾向があります。花火や爆竹の音、あるいは天敵の鳴き声などを聞けば、驚いて遠くへ逃げてくれるかもしれません。下記のような音と光を組み合わせた追い出しアイテムであれば、より効果を期待できるでしょう。
自治体によっては煙が出るタイプの殺虫剤(燻煙剤)を勧めています。確かに、大量の煙が出ること、イタチが嫌う石油系のニオイがすることから、うまくいけば追い出せるでしょう。
しかし、イタチに子がいる場合はおすすめできません。パニックになった親イタチが、子供を煙のこない壁の隙間などに突き落とすケースがあるためです。子供のイタチは自力で壁を登ってこられず、そのまま死亡した結果、死骸が腐食して病原菌や害虫が集まってしまいます。
壁の中の死体を探し出すのは一苦労で、穴を空けるために想定外の支出を伴うかもしれません。燻煙剤は足跡の大きさや数、鳴き声などをよく確かめてから使用しましょう。
せっかくイタチを追い出しても、容易に侵入できる状態だと「マイホーム」に帰ってきます。イタチは小さな隙間があれば体を細めて潜り込んでくるため、侵入口となりそうな箇所はできるだけ封鎖しましょう。
屋根や床下の隙間はもとより、壁の亀裂や基礎コンクリートの通気口なども狙われやすい場所です。通風口の穴に設けている柵も、劣化していると強行突破してくるイタチもいます。目の細かい金属製のネットや網で補強しましょう。必要なサイズに切断でき、強度も期待できるパンチングメタルもおすすめです。
追い出した個体が帰ってこなくても、ゴミの管理が甘いと別のイタチが呼ってくる可能性が高いです。家庭菜園で間引いた作物を放置している場合も危険。人間にとってはゴミでも、イタチにとってはごちそうです。
イタチの餌となりえるものはこまめに処分するか、密閉できるゴミ箱を購入するなどして対策しましょう。
小鳥やハムスターなどの飼育ケースをベランダなどに置いている場合は、ペットそのものが「餌」となる恐れがあります。日光浴をさせる際は、目の届く範囲でさせてください。
敷地内に野鳥が巣を作り、子育てしている場合も要注意。イタチがヒナや卵を狙いにくるかもしれません。野鳥のヒナや卵は捕獲許可なしに処分できないため、専門業者に相談するとよいでしょう。
イタチの追い出しが難しければ捕獲・あるいは駆除に乗り出すしかないでしょう。しかし、イタチは鳥獣保護法の管理下にある動物です。行政の許可なく捕獲等をすると1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
さらに、捕獲可能なのはニホンイタチのオスとチョウセンイタチだけであり、ニホンイタチのメスは非狩猟鳥獣です。メスはオスよりも体色が濃く、大きさは半分~2/3程度しかありません。害獣監視カメラで撮影するなどし、犯人の正体を突き止めておきましょう。
お住まいの地域の役所に申請し、許諾を得ましょう。原則として、申請者が狩猟免許を所持しており、必要に駆られている場合にのみ許可されます。
ただし狩猟期間中であれば、通常の申請ルートをたどらずとも捕獲可能なケースがあります。猟期は毎年11月15日~翌年2月15日ですが、北海道では9月15日~翌年2月末日であり、都道府県によって延長または短縮している年もあります。諸々の条件を確認する意味でも、必ず自治体に問い合わせましょう。
一般的に、イタチの駆除に必要な書類は次の通りです。
申請から許可が下りるまで1か月ほどかかることもあるため、早めに手続きしましょう。
イタチを捕まえるには、小型動物用の「箱わな」という捕獲器を設置するのが一般的です。箱わなはホームセンターなどで購入できますが、自治体や保健所が貸し出しているケースもあるため、捕獲許可を得る際に問い合わせておくとよいでしょう。
自分で用意する場合は、イタチのサイズに適したものを用意してください。アライグマやイノシシといった中・大型用では、トラップが作動しなかったり、網の隙間からイタチが逃げ出したりする恐れがあります。
上記は箱わなの一つ「餌式」です。イタチが餌に食いついたり、引っ張ったりすると扉が閉まるタイプです。
こちらは「踏み板式」と呼ばれるタイプです。捕獲器内の板を踏むと扉が閉まる仕組みです。
箱わなをやみくもに仕掛けても、イタチの警戒心をあおるだけです。設置前に次のことを再確認しましょう。
これらを知っておくことで、状況に合わせた対策を練ることが可能です。基本的には、ハクビシンが通ったと思われる場所に起きましょう。一度通ったルートを何度も通る習性があるため、足跡がないか注意深く観察してみてください。
捕獲器の入り口付近に「寄せ餌」を、捕獲器内に「食わせ餌」を置きます。イタチは動物性たんぱく質を好むため、小魚や鶏肉が適しているでしょう。唐揚げやフライドチキンなど脂っこいものには目がないのも特徴です。
入り口付近の寄せ餌は、イタチの警戒心を和らげるためのトラップです。「捕獲器内は安全だ」と認識するまでは泳がせておき、食わせ餌を口にするようになった段階で扉が閉まるよう設定しましょう。
一度で捕まえようとせず、2~3回は食わせ餌を食べさせるのがコツです。毎日点検し、餌が古くなっていたら新鮮なものに交換しましょう。
イタチの捕獲に成功したら、申請者自身が適切な方法で処理しなければなりません。
一つは「放獣」です。箱なわごと遠くの山や緑地帯まで運び、逃してやります。適当な場所に放つと近隣の方が被害に遭うかもしれないため、どこへ逃がすかは自治体の指示に従ってください(捕獲申請時に指示されることが多いです)。
もう一つは殺処分です。炭酸ガスや電気ショック等を用い、死体は現場に埋却するか、可燃ゴミとして廃棄するのが一般的です。自治体によってルールが異なる場合もあるため、詳細を確認しておきましょう。
なお、殺処分はできるだけ苦痛を与えずに行うことが重要です。害獣とはいえ、動物を殺めることに耐えられない方もいるでしょう。どうしても難しければ、専門業者に相談してみるのも一つの手です。
二度とイタチに狙われないよう、イタチを寄せ付けない環境を作りましょう。ゴミの消去はもちろん、侵入口になり得る箇所は徹底的に封鎖します。
イタチの糞尿や食べ残しは病原菌や害虫を誘引するため、入念な清掃・消毒・殺菌が必要です。ため糞で床が腐敗している場合は防腐処理も必要でしょう。
自分ではできそうにない場合や、うまく捕獲できない場合は害獣駆除業者への依頼を検討してもよいでしょう。ここでは、駆除業者の費用相場や選び方、依頼した場合の流れを簡単に解説します。
まずは状況把握のための現地調査です。被害はどの程度か? どこからやってくるのか? どこを巣にしているのか?などを徹底的に調べあげた後、イタチの追い出し、捕獲、侵入経路の遮断に関する提案が行われます。
駆除の仕方自体は個人で行う方法とそう変わりません。薬を散布して追い出すか、罠を設置して捕獲・駆除します。しかし、プロの業者には深い専門知識や洗練された道具があり、個人で行うより迅速・着実な成果を期待できます。
再発防止策も念入りに行ってくれます。イタチの糞尿掃除はもちろん、ダニ、ノミ、その他害虫が繁殖しないよう、殺菌・消毒も徹底してくれるでしょう。
事前調査で侵入経路は特定できていることがほとんどのため、侵入口を封鎖することも怠りません。フェンスやネット、電気柵を併用してブロックすることもあります。
費用は被害状況に応じた作業内容や施工面積、または難易度によって変動するのが一般的です。イタチが何匹いるかによっても変わりますし、出動するスタッフの人数によっても変わります。
基本料金から捕獲器の設置、侵入口の封鎖、清掃・消毒作業までを含めて5万円程度で済むこともあれば、10万円以上かかることもあるでしょう。
駆除業者の実力にはバラつきがあります。費用が安い業者は魅力的ですが、その場しのぎのような作業をする業者も現実にいます。
費用だけでなく、実績、スキル、評判などを加味した総合点で決めましょう。必ず複数社の見積もりを取り、明細の内訳を確認・比較することも大切です。きちんとした業者であれば、作業内容やアフターフォローについて詳しく説明してくれるはずです。
自治体が良心的な駆除業者のリストを持っていることもあるため、参考にするのもよいでしょう。
イタチの駆除にかかわるちょっとした疑問にQ&A形式でお答えします。
A.命の危険を感じたときに出す、ある意味「起死回生の策」ですから、相当なものだと思ってください。衣服に付くと数日間は悪臭が取れないかもしれません。捕まえたイタチに近づく際は、最後っ屁を浴びてもよい服を選びましょう。
捕獲後の移送中に車の中でされる危険もあります。箱わなごと被せられる大きなダンボールを用意して入れるか、袋やシートで覆うなど、何からの対策を練ることをおすすめします。
A.「キーッキーッ」「キャッキャッ」といった甲高い声はイタチである可能性が高いです。イタチはあまり鳴きませんが、威嚇時や求愛行動時はこのような声で鳴くことがあります。小さく弱々しい声であれば、子供のイタチが親イタチを呼ぶ声かもしれません。
周囲に糞や足跡がないかも確認してみてください。6mm程度の細くねじれた糞があれば、やはりイタチである可能性が高いです。また、イタチの足跡は5本指で、先端には爪痕も残ります。大きさは2~3cm、足跡と足跡の間隔は30~40cm前後です。
A.はい。イタチは冬眠しません。雪の中にトンネルを掘り、活発に活動します。そのため、イタチ被害は季節を問わず続く恐れがあります。
A.天敵であるイタチがいなくなることで、ネズミが増える可能性は確かにあります。しかし、ネズミよりもイタチによる被害のほうが深刻ではないでしょうか。ニオイ、騒音、食害などは、多くのケースでイタチのほうが酷いです。イタチもネズミも両方が住み着かない、あるいは侵入できない環境を作ることをおすすめします。
自分でできるイタチ対策は、侵入経路の特定と封鎖、餌となるゴミの清掃・管理、超音波やLEDランプなどでの威嚇です。忌避剤をまくのも有効でしょう。
それでも撃退できない場合は、自治体の許可をもらって自分で駆除するか、専門の業者に依頼するかの二択になります。放っておくと被害が蓄積していき、家屋の損傷や健康被害に発展しかねません。できる限り早めに対策を打つことをおすすめします。
※専門家・有識者のみなさま
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