縄文時代の鍋料理が食べたくて、とりあえず土から鍋を作ることにした
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日本全域に生息し、山間部でも都心部でも姿を表すハクビシン。名称通り鼻に白い線が入っていることから「白鼻芯」と書き、かつては天然記念物に指定されるほど貴重な動物でしたが、現在では害獣・狩猟鳥獣として扱われています。
ハクビシンは人家の屋根裏などを生活拠点とすることがあり、一度棲みつかれると追い払うのが大変です。そこで今回は、そもそもハクビシンを寄せつけない対策や、棲みついたハクビシンを駆除するための方法を詳しく解説します。
ハクビシンは分類上、「食肉目ジャコウネコ科」に属します。かわいい見た目とは裏腹に凶暴さを見せることもあり、不用意に近づくと攻撃してくることもあります。さらに、頭が良いうえに運動神経も優れているため、捕獲・駆除するのは一筋縄ではいきません。ハクビシンと戦うためにも、まずは彼らの生態を理解しておきましょう。
顔 | ・鼻先から額にかけて白筋がある ・目の下や耳の前に白点模様 |
体色 | ・灰褐色 ・顔と四肢の下部は黒褐色 |
大きさ | ・全長:90~110cm ・尻尾:30~45cm ・体重:3〜4kg前後 |
足跡 | ・5本指 ・約縦横5cm |
鳴き声 | ・「キューキュー」「キャッキャッ」 ・威嚇時は「ガッ!」「グァッ!」 ※幼体の鳴き声は高い |
性格 | 臆病でおとなしいが攻撃性も備える |
特技 | ・木登り、綱渡り ※電線の上を難なくあるくバランス感覚 |
そのほか | 肛門付近に臭腺がある |
ハクビシンは昆虫、小動物、果実、野菜など何でも食べ、農作物はもちろん、人間の出したゴミも漁ります。昼に活動することもありますが、基本的には夜に活発になり、私たちが眠っている間に悪さをします。
行動範囲は半径1~5kmといわれており、野生動物にしてはさほど広くないといえるでしょう。しかし、それゆえに気にいった場所に執着する傾向が見られ、追い出しが不十分だと何度も戻ってくるしつこい性格の持ち主です。屋根裏や倉庫といった環境は洞窟などより安全かつ快適であり、食べ物(ゴミ)にも困らないことをハクビシンは理解しています。
ハクビシンは木登りが大得意で、細い枝先の果実なども難なく我が物とします。掘りや電線の上を自由に移動したり、電柱を素早く上り下りしたりと、大道芸人のようなバランス感覚を持っている点が驚異です。
ジャンプ力も1mほどと高く、ハクビシン対策用の策でも簡単に飛び越えてしまいます。
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の調査によれば、ハクビシンはタバコの箱程度の穴や隙間があれば侵入可能なようです。正方形では一辺が8cm、円形では直径9cm、長方形の場合は短辺が6cmで侵入できた実験結果があります。
侵入できるとわかれば何度でも訪問を試み、たとえ無理でも鼻先を入れて穴先を探査する好奇心を見せます。経年劣化が見られる築年数の古いご自宅は要注意といえるでしょう。
ハクビシンは年に1度しか出産しませんが、たった2か月という妊娠期間を経て1~3匹、多いときで5匹ほど産みます。子は10か月ほどで成体、つまり繁殖できる体になり、交尾・妊娠にして出産というサイクルを繰り返します。
ハクビシンに棲みつかれると爆発的にハクビシンが増え、「超大家族」を築かれかねません。ハクビシンの気配を感じたら、早急に対処することをおすすめします。
ハクビシンによって受けるダメージはさまざまで、ときに重大な損害や健康被害をもたらします。下記は代表的な例です。
夜行性のため私たちの休息の時間を妨げます。3~4kgあるハクビシンがドタバタと動き回る振動は軽いものではありません。一匹でも驚異なのに、複数匹いるときの騒音は相当なものでしょう。ストレスを抱え、不眠に陥る方もいます。
ハクビシンの糞尿で木材が痛み、耐久性が弱まる恐れがあります。さらに厄介なことに、ハクビシンには決まった場所で排泄する「ため糞」の習性があるため、トイレにされた場所の床が腐食すると糞尿が雨漏りのようにしたたり落ちるかもしれません。最悪の場合、床もろとも抜け落ちます。
また、糞尿にはサルモネラ菌やエルシニア菌といった病原菌がいることもあり、ハクビシンから人間に感染した事例はないとされていますが(日本獣医学会より)、油断はしないほうがよいでしょう。
屋根裏の断熱材を食いちぎってボロボロにし、寝床にすることがあります。断熱材が機能しなくなるため、真夏や真冬の快適さが失われてしまうでしょう。
また、ハクビシンは配線を噛み切る力も持っています。それだけでも大きな被害ですが、そこに糞尿がかかると配線がショートする危険性も。
ハクビシンがダニやノミといった害虫の運び屋となり、咳やくしゃみなどのアレルギー反応が出る方もいます。なかには疥癬(かいせん)という皮膚病にかかっている個体もおり、うかつに触れると人間だけでなく犬や猫でも感染します。発症すると全身に湿疹ができ、猛烈な痒みを伴うのが一般的な症状です。
本格的な駆除に駆り出す前に、まずは追い出す方法を考えましょう。ハクビシンにとって心地よくない、またはつけ入る隙がない環境を作れば、自然に出ていってくれるはずです。
ハクビシンにとってゴミはエサの宝庫です。糖度の高いものが大好きなので、ジュースの空き缶なども荒らします。また、家庭菜園をしていると間引いた作物を放置してしまいがちですが、それらも格好の標的となります。こまめに処分する、密閉できるゴミ箱を購入するなどし、そこに食べ物がないことを知らしめましょう。
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雑草が生い茂っている場所や落ち葉がたまっている場所も要注意です。警戒心が強いハクビシンにとっては良い隠れ家となるためです。建物周辺はきれいに掃除しておくことが大切です。
それでも近づいてきた場合でも、侵入口がなければ入り込めません。ハクビシンは小さな隙間があれば体を細めて潜り込んでくるため、侵入口となりそうな箇所はできるだけ封鎖します。
たとえば、劣化してできた屋根瓦の隙間や通風口の穴などは要注意です。通風口の穴には柵が設けているケースも多いですが、劣化しているとハクビシンに突破されます。きちんと強度を保っているか、定期的に点検したほうがよいでしょう。
ハクビシンがもっとも好む屋根裏には、高い木や雨どいをつたって侵入します。有刺鉄線や防獣対策用の返しを設置するのが効果的でしょう。高い木は剪定または伐採してしまう手もあります。
ハクビシンが嫌がるニオイを振りまいて遠ざける方法です。単にまくのではなく、ハクビシンが出入りする入口から遠い場所の、逃げ込むような狭い隙間などから順に散布して追い詰めるがコツです。
天敵であるアライグマやイタチのニオイが有効ですが、それらの動物でさえ嫌がるオオカミのニオイが効果的です。
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上記の商品はハイイロオオカミの尿を原材としています。ハクビシンの通り道と思われるエリアや、侵入してほしくない場所を囲うように3~6m間隔で設置してみてください。
ほかに、ニンニクや唐辛子、木酢液、ハッカ油といった刺激の強いニオイも苦手です。木酢液はハクビシンに山火事を連想させる効果があるといわれています。
屋内用には小袋に入った、置くだけの忌避剤が使いやすいでしょう。下記は天然のカプサイシンとゼオライトでできており、環境にも人にも配慮されています。
家庭菜園を守るなら、土にまくタイプの忌避剤もあります。ハクビシンのほか、アライグマ、モグラ、イタチ、ネズミといった害獣対策にもなります。直接手を触れたり、ニオイを嗅いだりするのは危険なので、作業をする際は手袋やマスク、保護メガネを着用してください。
超音波や威嚇音、光でハクビシンを撃退する方法もあります。それぞれを別で購入してもよいですが、一体となった便利な商品もあります。たとえば下記の「通せんぼくん」は、日中は超音波と威嚇音が作動し、日没後は夜行性の動物が警戒するとされているLEDフラッシュ点灯が加わる仕様です。
ちなみに、ハクビシンは超音波を感知するものの、特に嫌がる素振りを見せなかったという研究結果もあります(日本家畜管理学会・応用動物行動学会)。このことから、超音波単体で追い払うのは難しいかもしれませんが、威嚇音やLEDフラッシュを組み合わせることで効果を期待できます。
ハクビシンは警戒心が強く、大きな音を嫌がります。近くで花火や爆竹の音がなれば当然驚くので、追い出し効果を期待できます。必ずしも本物を用意する必要はありません。録音した音でも効果を見込めるでしょう。その意味では、オオカミの遠吠えの音声なども試してみる価値はあります。
自治体によっては煙が出るタイプの殺虫剤(燻煙剤)を勧めています。確かに、大量の煙が出ること、ハクビシンが嫌う石油系のニオイがすることから、うまくいけば逃げていきます。ハクビシンが近くにいなければ効果は見込めませんが、侵入口を特定できているなら、その付近で炊いてみるとよいでしょう。
ただし、ハクビシンが子連れの場合は逆効果になることがあります。パニックになった親ハクビシンが、子供を煙のこない壁の隙間などに突き落とすケースがあるためです。子供のハクビシンは自力で壁を登ってこられず、親ハクビシンも救出できずで、そのまま壁の中で死亡します。結果、子供のハクビシンの死骸は腐敗し、病原菌や害虫を誘引することに。
燻煙剤を炊いた後、壁の中から「キュー、キュー」と聞こえたら、子供のハクビシンがはまっているかもしれません。ハクビシンか子連れかどうかを判断するのは難しいですが、足跡の大きさや数、鳴き声などで憶測は可能です。子供のハクビシンの声は大人より甲高いのが特徴です。
自分で追い払えないとき、追い払っても戻ってくるときは、いっそのこと捕獲あるいは駆除するしかないと思う方もいるでしょう。しかし、ハクビシンは鳥獣保護法の管理下にある動物です。許可なく捕獲等をすると1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
狩猟期間中は許可なく捕獲できるケースもありますが、基本的にはお住まいの地域の役所に申請し、許諾を得なければいけません。また原則として、申請者が狩猟免許(わな免許)を所持しており、必要に駆られている場合にのみ許可されます。
申請に必要な書類は自治体によって変わります。下記はその一例です。
申請から許可が下りるまで1か月ほどかかることもあるので、早めに手続きしましょう。
箱わなをやみくもに仕掛けても、賢いハクビシンは捕まりません。捕獲できるどころか警戒心をあおる恐れもあります。成功率を上げるためにも、もう一度現状把握をしましょう。
これらを再確認することで、状況に合わせた対策を練ることが可能です。また、建物の被害度を事前に把握しておくことで、捕獲後の清掃・処理がはかどります。
いよいよ箱わなを設置します。捕獲器となる「箱」はホームセンターなどで購入できますが、自治体や保健所が貸し出ししているケースもあります。
捕獲器は大別すると「エサ式」と「踏み板式」があります。ハクビシンがエサに食いついたり、引っ張ったりすると扉が閉まるタイプがエサ式、捕獲器内の板を踏むと扉が閉まるタイプが踏み板式です。下記の商品は踏み板式です。
ハクビシンが通ったと思われる場所に起きましょう。一度通ったルートを何度も通る習性があるため、足跡がないか注意深く観察してみてください。
捕獲器の入り口付近に「寄せエサ」を、捕獲器内に「食わせエサ」を置きます。エサは、ハクビシンが大好きな果実などが適していますが、トウモロコシなどでも構いません。ジャムを塗ると捕獲率が上がるという声もあります。
この段階では、ハクビシンが箱わなの中に入ってエサを食べても扉が閉まらないようにしておきます。ハクビシンは警戒心が強いため、「捕獲器内は安全だ」と認識するまで泳がせておくという戦略です。
箱わな内の「食わせエサ」は、段階を追うごとに少なめにします。2~3度繰り返しても食べているようなら、ハクビシンが入ったら扉が閉まるように設定しましょう。
後は捕獲できるのを待つだけです。ハクビシンは夜行性なので、日没から日の出くらいまでに罠にかかる傾向があります。
ハクビシンの捕獲に成功したら速やかに役所に報告し、その後の対処法を聞きましょう。基本的には殺処分と死体処理をする流れになりますが、どこか遠くの山などに逃がす「放獣」を指示している自治体もあります。また、自治体や駆除業者が引き受けてくれることもあります。
捕獲者自身が対応するよう指示された場合は、炭酸ガスや電気ショック等を用い、死体は現場に埋却するか、可燃ゴミとして廃棄するのが一般的です。可燃ゴミとして処理する場合は市区町村の規定に従ってください。
ちなみに、ハクビシンではなくアライグマ(特定外来生物)がかかった場合は自治体が対応してくれる可能性が高いです。
別のハクビシンがやってくるかもしれないため、ゴミの消去や侵入口の封鎖など、ハクビシンに付け入るスキを与えていた箇所を改善します。
ハクビシンによる糞尿や食べかすは病原菌や害虫を誘引するため、入念な清掃・消毒・殺菌が大切です。床が腐敗している場合は防腐処理も必要でしょう。
長年の被害が蓄積していると、駆除よりも駆除後の清掃のほうが大変かもしれません。精神的に厳しい場合は、掃除だけを専門業者に依頼する手もあります。ただ、駆除とのセットでしか受注していない場合もあるため、詳細を相談してみるとよいでしょう。
自分ではできそうにない場合や、うまく捕獲できない場合は害獣駆除業者への依頼を検討してはいかがでしょうか。カインズリフォームのくらしサポートでも対応しています。一般的に、プロに依頼した場合の流れを簡単に解説します。
まずは状況把握のための現地調査です。被害はどの程度か? どこからやってくるのか? どこを巣にしているのか?などを徹底的に調べあげた後、ハクビシンの追い出し、捕獲、侵入経路の遮断に関する提案が行われます。
駆除の仕方自体は個人で行う方法とそう変わりません。薬を散布して追い出すか、罠を設置して捕獲・駆除します。しかし、プロの業者には深い専門知識と技術、あるいは洗練された道具があり、個人で行うより迅速・着実な成果を期待できます。
ハクビシンが寝床にしていた場所は糞尿による汚れやダニ、ノミ、その他害虫が繁殖している恐れがあるため、清掃・消毒も念入りに行います。
なお、大切なのは再び侵入させないことなので、侵入経路・侵入口を封鎖することも怠りません。登ったりくぐったりが得意なハクビシンの習性を利用し、フェンスやネット、電気柵を併用してブロックすることもあります。
ハクビシンが登りやすい木や雨どいへの対策、床下の隙間など状況に応じた対策を講じます。
費用は被害状況に応じた作業内容や施工面積によって変動しますが、基本料金から捕獲器の設置、侵入口の封鎖、清掃・消毒作業までを含めて5~7万円前後が相場のようです。なかにはアフターサービスとして延長保証を設けている業者もあります。
なお駆除業者選びは、費用だけでなく、実績、スキル、評判などを加味した総合点で決めることがおすすめです。自治体によっては良心的な駆除業者のリストを持っていることもあるので、参考にするのもよいでしょう。
「ハクビシンはなぜ増えた?」「ペットにはできる」など、ハクビシンの駆除にかかわるちょっとした疑問にQ&A形式でお答えします。
A.ハクビシンの繁殖を間接的に手助けしているのは電線だといわれています。電線をたどって人家に侵入し、そこを生活拠点とすればエサ(生ゴミなど)に困らず、屋外では出くわす恐れのある天敵からも身を守れるというわけです。もともと適応力に優れ、繁殖能力も高いため一気に増えたのではないかというのが一つの見解です。
A.結論からいうと可能ですが、おすすめはしません。
まず、野生鳥獣をペットとして飼うことは鳥獣保護管理法によって原則「不可」ですが、病気やケガをしている個体を保護する目的でなら許可されることがあります。ただし、自治体によっては禁止しているケースもあるため、必ず担当窓口に問い合わせましょう。
無事に飼えたとしても、幼獣から世話をしない限り人になつく可能性は低く、糞尿をはじめとする衛生面の管理が大変です。異臭がすると近所迷惑になるかもしれませんし、捕まえた個体が人間に感染する病原菌を持っている可能性もあります。ハクビシンが病気をしたときに診てくれる獣医師も少ないでしょう。
A.足跡で判別する場合は、肉球から指までが途切れなくついているかどうかを確認してください。途切れのない、細長い足跡ならアライグマ、指の跡が離れているならハクビシンである可能性が高いです。
自分でできるハクビシン対策は、エサとなるゴミを放置しないことや、侵入経路を絶つことです。忌避剤をまく、超音波やLEDランプなどで威嚇するといった手段も効果を望めるでしょう。
それでも撃退できない場合は、自治体の許可をもらって自分で駆除するか、専門の業者に依頼するかの二択になります。業者選びは費用だけでなく、信頼や実績、現地調査での説明の分かりやすさなど、総合点で判断しましょう。ハクビシン駆除はカインズリフォームのくらしサポートでも承っていますので、お気軽にご相談ください。
※専門家・有識者のみなさま
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