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昭和の時代には「庶民の憧れ」だった団地も、今は老朽化し、誰も見向きもしない不人気物件に成り下がってしまった観がある。
だが、今回登場してくれるtakeさんがDIYリメイクした部屋を見れば、その見事なギャップ萌えに驚くことだろう。
DIYを始めたのは1年半前だというが、昭和な匂いがプンプンする団地の部屋から生活感がみるみる抜けて、見違えるような素敵な部屋になっていったという。
彼はいかにしてDIYにハマったのか? それによってどんな変化が訪れたのか? じっくり話を聞いてみよう。
上の写真に見るように、takeさんが住む部屋は「ナチュラル・アンティーク」をコンセプトにした、カフェの実店舗のようなゴージャスな部屋なのだが、建物自体の外観を見た人は、「まさかこの建物にこんなオシャレな部屋があるとは!」と驚くに違いない。
見ていただこう。こちらがその外観、および玄関の様子である↓
そう、何とも昭和な匂いのする「ザ・団地」なのである。
takeさんはいかにして「ギャップ萌え」という言葉にふさわしい、この素敵な団地インテリアを始めたのだろうか?
「この団地には12年前くらいから住んでいるんですけど、DIYを始めたのはつい最近、去年(2020年)の6月のことでした。洗濯機を動かしたら、ランドリーラックのネジがはずれて傾いてしまったのがきっかけです。新しいラックを買うためにネットで検索してみると、DIYで手作りしている人がいて、『自分もやってみようかな』という気になったんです」
1×4材を10枚ほどホームセンターで買ってきて、「失敗してもいいや」という軽い気持ちで作り始めた。
ネットで見たランドリーラックには引き出しはついていなかったが、自分流にアレンジしてつけてみることに。
「ラックの上の籠にはドライヤーやひげ剃り、替えのシャンプーなどを入れて、タオルもきれいに畳んで収納しました。すると、自分でも驚くほど生活感が消えて、『DIYっておもしろい!』ということに気づいたんです」
初めてのDIY作品。記念すべきランドリーラック。
リビングを飾るゴミ箱、テレビ台、リビングラック。コンセプトを「ナチュラル・アンティーク」で統一した、調和のとれたデザインが印象的。
以後、takeさんは「家の中の生活感を消す」ことをミッションに、DIY三昧の日々に突入することになる。
ランドリーラックの次に目をつけたのは、古くなったテレビ台である。
「テレビ台は既製品のものを使っていたんですけど、木目のプリントシートがはがれて古くさい感じがしたものですから。本物の木材で作れば、古くなっても味が出てくるだろうと思って、自作してみることにしました」
現在、配送ドライバーの仕事をしているtakeさんだが、20代のころにはカーラッピングのデザインと施工をする会社を起業した経験があり、もともと美的な審美眼を持っていたのだろう。「ナチュラル・アンティーク」をコンセプトに作り上げたテレビ台は、実に満足のいく出来だったという。
「テレビ台を思い通りに作れたので、今度はゴミ箱、次はリビングラックという具合に作り続けて、リビングは見違えるようにきれいになりました」
中でも自信作は、テレビ台の左に位置する長方形の棚(ゴミ箱)である。
「外側から見ると単なる棚にしか見えないかもしれませんが、ゴミ箱は下の段のいちばん大きい引き出しの中に収納されていて、蝶番で固定されている上の段のトビラを押してゴミを捨てることができます。観光地のホテルなんかに置かれているダストシュートをイメージして作りました」
テレビ台の上の飾り棚にも、takeさんオリジナルのアイデアが活かされている。
「1×4材の両端にズボンのベルトを引っかけて吊しています。古い団地なので、前に住んでいた人があけた穴とかキズが壁にたくさんあったりするんですけど、そういうものを自分から増やそうとは思いませんでしたから、シンプルでスッキリした見栄えになるように心掛けました」
ズボンのベルトで吊されたテレビ台の上の飾り棚。落ち着いた雰囲気で、takeさんのセンスの高さがうかがわれる。
カフェのカウンターをイメージした作った書斎の机と椅子。「座っても、立っても使える」のが大事なコンセプト。
takeさんが次に手掛けたのは、書斎の机と椅子。DIYの設計図を書いたり、事務仕事をするスペースで、たまに気分転換のために食事をしたりするプライベートスペースだ。広ければ広いほどいい。そこで、左右で180㎝ほどの余裕を持った広さに設定して製作した。
工夫したのは、机の広さだけではない。通常であれば机と椅子の床からの高さは、「机70㎝・椅子50㎝」で設計するものだがtakeさんはこれを20㎝高くしたのだ。
「BARのカウンターくらいの高さをイメージしました。机の高さは床から90㎝もあります。そうすると、椅子を机の下に収納すれば、立ったままで設計図を引いたり、DIYの作業をするのにちょうどいい高さになるんです」
書斎の机と椅子を作った後は、パソコンデスクを製作した。もちろん、床から90㎝という高さは書斎の机と同じである。
「プリンターも、生活感が出てしまうアイテムのひとつだと思うんですが、これはパソコンデスクの足下に置いて、なるべく目立たないようにしました」
数々のDIY作品を生み出す中、工具をどのように収納するかも「生活感撲滅運動」を推進するtakeさんの課題だった。その解答として彼が考えたのが「DIY工具の専用棚を作ってインテリアに馴染ませる」という方法だった。
「電動ドライバーは、20数年前に買ったものを使っていましたが、DIYにハマった直後に壊れてしまいました。そこで、ブラック&デッカーのものを新調したんです。最初に1台買って、間もなくして2代目も購入しました。電動ドライバーは、先端のパーツを取り替えることでネジ締めと穴あけに使っていますが、2台持ちすることによって2つの作業を同時に行うことができるようになります。その時短効果は格別でしたね」
ネジ締めと穴あけといった簡単な作業でも、takeさんが住む団地では「騒音」になってしまう。かつて作品の完成を焦って午後11時ごろまで作業していたとき、翌日に団地内の廊下に「ノコギリ音、ドリル音で眠れませんでした」という貼り紙を見て恐縮したという。以来、夜中の作業は控えて、電動工具の使用は日中だけに控えたそうだ。
takeさんいわく「左上は長男、右下は次男。長男にはドリルで穴あけ、次男坊にはビス打ちを頑張ってもらいます」とか。
こちらがリメイクシートを貼った状態の冷蔵庫。これでも結構きれいに見えるのだが…
takeさんが続いて手をつけたのは、キッチンのリメイク。冷蔵庫が古びて生活感をかもし出し始めたのを目ざとく見つけたのだという。
「冷蔵庫は長年の使用でヘコんだり、キズがついたのでリメイクシートを貼ってごまかしていたんですが、あまり気に入っていませんでした。そこで、『ちょっと冒険してみようか』という気になって、冷蔵庫全体を木箱の中に隠してしまうというアイデアを思いついたんです」
木箱の中にすっぽり収まった状態の冷蔵庫。す、素晴らしい!
冷蔵庫から出る生活感を完全に消し去ることに成功したtakeさんは、これをきっかけにキッチン全体にも手を入れていく。
「調理器具や食器、調味料といった生活感で出てしまうキッチン用品をきれいに収納する棚を作って、まるで雑貨屋さんの店頭に立っているかのように並べました。それから、天井近くの吊り棚には黒板をつけて、チョークアートにも挑戦してみました」
こうして生まれ変わったキッチンの様子。右端の吊り棚の取っ手に流木を使用するなど、細かいところにもこだわりがうかがえる。
トイレのドアにつけられたルームナンバーは「1010」。左側には記念すべきDIY第1号のランドリーラックが見える。
さて、現在のtakeさんは、家全体のコンセプト作りにも力を入れているとか。
「この部屋は、バス・トイレ、和室のベッドルーム、キッチン、リビングそして書斎の5つのパーツで構成されていますが、それぞれの入り口にルームナンバーをつけて、いろんな個性を持った人が住むシェアハウスのように見えるといいなと思っています。最近では、部屋に遊びに来た友だちが『うわっ、すごい部屋だな』と驚く顔を見るのが快感になっています」
DIYでお部屋のリメイクを始めて1年半、takeさんの生活や心境には、どんな変化があったのだろうか?
「何よりうれしい変化は、家で過ごす時間が快適で楽しくなったことです。心にゆとりがうまれ、気持ちが豊かになったような気がします。ひとり暮らしですから、物を散らかしても文句を言う人はいません。気をつけていないと散らかり放題になってしまいますが、『ここは自分が作った部屋なんだ』という自覚がありますから、自然と整理整頓の気が働くんです」
どうやらtakeさんは、DIYリメイクという、いいことづくめの「一生の趣味」を見つけてしまったようだ。
さて、そんなtakeさんに「ホームセンターの上手な使い方」をアドバイスしてもらおう。
「僕はホームセンターに行くと、DIYコーナーだけじゃなくて、その他の売り場も見ることにしています。というのも以前、木材の値段が高騰して『うわっ、この値段じゃ買えないなぁ』と思って帰ろうとしたとき、ふと気を変えてアウトドアコーナーを見てみたことがあるんです。すると、バーベキューとか焚き火用の薪が安く売っていて、『使えるんじゃないか』とひらめいたんです。実際、トイレのトイレットペーパーホルダーとか、飾り棚とか、いろいろ作って600円でずいぶん楽しめました」
お手製トイレットペーパーホルダー
アウトドアコーナーで600円で購入した薪で作った作品たち。