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ハエトリグサ(ハエトリソウ)の育て方|冬の越し方や種からの育て方も解説

クリエイター

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監修者:岩瀬勲

監修者:岩瀬勲

珍奇植物専門店びざーるBotanicalすとあーShield 代表。前職はペット関連に携わっていたが、特にウラボシ科の植物に興味を示し、自己研究で胞子の培養を研究。植物全般に範囲を広げ店舗を開業するに至った。希少種のウラボシ科の培養研究を現在も続けている。

ユニークな姿のハエトリグサ(ハエトリソウ)は、ついつい触ってみたくなる「食虫植物」です。葉の内側にある蜜腺から甘い蜜を出して昆虫を呼び寄せ、まつ毛の生えた二枚貝のような「捕虫葉」で捕獲して栄養にしています。

他の植物とはひと味違ったおもしろみがあるハエトリグサですが、実は育てるのは難しくありません。ここでは、初心者でも育てられるよう、水のやり方や、植え替えの方法などの育て方を詳しく解説していきます。

ハエトリグサ(ハエトリソウ)はどんな植物?

黒い背景のハエトリグサ

ハエトリグサは北アメリカの湿地帯原産の食虫植物です。トゲのついた貝殻のような葉を素早く閉じ、虫などの獲物を捕食し栄養にします。

食虫植物は根以外からも栄養を摂取する珍しい植物で、獲物を捕獲するための袋状の葉を持つウツボカズラや、粘着性の葉で捕虫するモウセンゴケも有名です。

ハエトリグサは虫を食べる"食虫植物"

食虫植物であるハエトリグサ

ハエトリグサは栄養分の少ない湿地帯に生息している植物です。そのため、養分を根以外から摂取する必要があり、獲物を捕食するという驚くべき進化を遂げたと考えられています。

ハエトリグサの「捕虫葉」は、葉の中にある三本のヒゲ状のセンサーに昆虫などの獲物が触れると、わずか0.5秒という素早さで葉を閉じます。

獲物を捕らえたら、葉の内側で消化液を分泌し、タンパク質を栄養素として吸収します。昆虫以外に、ナメクジなども捕食します。

でも、虫を食べなくても大丈夫

ハエトリグサは、虫を食べなくても光合成によってエネルギーを得て生きることができます。原生地の湿地帯では、土壌の栄養が乏しく根からの吸収が難しいため、補助的に昆虫を捕食して栄養を補います。しかし、観賞用として水苔や土で育てる場合には、虫を食べる必要はありません。

ちなみに、ハエトリグサは葉を閉じる際に分泌液を使って動かします。獲物がいない状態で何度も葉を閉じると、この分泌液が消耗し、葉が黒くなって枯れてしまう原因となります。触って反応を見たくなるかもしれませんが、ハエトリグサにとっては大きな負担となるため、絶対に触れないようにしましょう。

ハエトリグサの育て方

直射日光のよく当たる場所で咲くハエトリグサ

ハエトリグサを育てる場所

ハエトリグサは明るい場所を好む植物で、春・秋・冬の午前中であれば直射日光の当たる環境でも問題ありません。ただし、真夏は強い日差しを避け、風通しの良い半日陰に置くことが適切です。室内で育てる場合は、日光がよく入る窓際を選びましょう。

湿地帯が原生地のため、常に用土を湿った状態に保つ必要があります。地植えには向かないため、鉢植えでの管理が一般的です。夏は鉢内の温度が上がりすぎると酸欠を起こす恐れがあるため、水やりは夕方から夜に行い、用土や水が温まりすぎないよう注意しましょう。

夏は、鉢に熱がこもりすぎるとよくないので、半日陰に置きましょう。日光で水が温まらないよう、水やりを夕方から夜にかけて行うのも大切です。

冬は休眠期に入るため、見た目が枯れたように感じることがありますが、-5℃程度の寒さまで耐えることができます。この時期も日光を十分に当て、用土を湿らせて管理してください。

  • 明るく風通しのいい場所を好む
  • 夏場は半日陰に置きましょう
  • 地植えはできない

ハエトリグサの水やり

ハエトリグサは湿地の植物のため、葉の保水力が弱く、乾燥が苦手です。他の植物と同じ水やり方法では、すぐに乾燥して枯れてしまいます。

おすすめの管理方法は、浅めのお皿に1~2cmほどの水を張り、そこに鉢を置く「腰水栽培」です。ただし、暖かい時期は水が腐りやすいので、定期的に交換しましょう。

冬季はハエトリグサの休眠期ですが、その間も乾燥させないように注意が必要です。休眠期のハエトリグサは枯れたように見えますが、変わらず管理しましょう。

  • 湿地の植物なので乾燥が苦手
  • 水を張った皿に鉢を置いて湿度を保つと効果的

ハエトリグサを育てる土

ハエトリグサが咲く土のアップ

ハエトリグサは、肥料成分の少ない土か、水苔で育てましょう。

水苔の場合は、水苔だけで育てます。土で育てる場合は、保水性・通気性が大切です。赤玉土小粒・鹿沼土小粒・ピートモス・ココチップを等量配合するか、市販の食虫植物用の土を使いましょう。

土で育てる場合、植え替えは2~3年に1度で良いですが、水苔は傷みやすいので毎年植え替える必要があります。

  • 水苔か肥料成分の少ない土で育てる
  • 市販の食虫植物用の土もある

ハエトリグサにおすすめの水苔

ハエトリグサの越冬

ハエトリグサは、秋から冬にかけて毎年3〜5ヶ月間の休眠期に入ります。

休眠の準備は秋に始まり、多くの葉が黒く変色して枯れたように見えるのが特徴です。このため、枯れたと勘違いされることもありますが、これは正常な状態です。

寒さに強い植物で、冬は日の当たる寒冷地での管理が適しています。室内が暖かい環境では休眠しにくくなるため、-5℃程度までは耐えられますが、凍結には十分注意が必要です。

ハエトリグサの植え替え・増やし方

鉢に入ったハエトリグサ

ハエトリグサの植え替え(用土・水苔)

ハエトリグサの植え替えは、休眠期の12月〜2月頃に行います。これは、休眠期のほうが株を傷めずに植え替えしやすいためです。

土に植える場合、植え替えは2~3年に一度で十分です。まず、根についている土を丁寧に洗い流し、枯れた葉や腐った根を清潔なハサミで切り取ります。その後、鉢にネットを敷き、鉢底石を約2cm入れた上で土を入れ、植物を植え付けていきます。

水苔に植える場合、植え替えは毎年行います。まず、根をきれいに洗い、鉢にネットを敷いて鉢底石を約2cm入れます。水苔は水に浸して吸水させ、軽く絞ってから使用します。数日前から水に浸して準備しておくと、さらに扱いやすくなるでしょう。次に、根を水苔で包み、鉢に入れます。隙間には水苔を詰め、しっかりと固定してください。

  • 植え替は12月〜2月の休眠期に行う
  • 土で育てているなら2~3年に一度、水苔で育てているなら毎年植え替える

エトリグサの増やし方(種まき・株分け)

ハエトリグサは、種まき、または株分けによって増やすことができます。

種から育てる場合は、やや難易度が高く、時間もかかります。親株に成長するまでにおよそ3~4年を要します。5~6月頃に白い花が咲いたら、咲き終わった花から種を採取し、すぐに蒔くことで発芽率を高められます。水やりは親株と同じ方法で問題ありません。

株分けは、12月から2月の植え替え時に行います。この時期には球根が毎年2~5個増えるため、指で軽く押して切り離すか、清潔なハサミでカットします。1株に葉が3枚程度つくように分けるのがポイントです。その後は鉢に植え替えて育ててください。

  • 花から採取した種はすぐに蒔く
  • 株分けは植え替えと同時に行う

ハエトリグサの病気・害虫

捕食能力のあるハエトリグサ

捕食能力のある食虫植物だからといって、害虫がつかないわけではありません。被害は多くありませんが、アブラムシやハダニがつくことがあります。

また、ハエトリグサはほとんど病気になりませんが、アブラムシが原因で炭そ病にかかることがあります。

アブラムシ

春先にはアブラムシが多く発生し、風通しの悪い場所では葉につきやすくなります。アブラムシが排出する老廃物が原因で炭そ病などの病気を引き起こすこともあります。増殖が速いため、見つけ次第、薬剤を使用して早めに駆除することが重要です。

ハダニ

乾燥や風通しの悪い環境ではハダニが発生しやすく、特に高温になる夏場は注意が必要です。葉にクモのような糸を張り、大量に増殖して葉から吸汁するため、株が弱ってしまいます。アブラムシ同様、増殖が速いため、見つけたら速やかに薬剤で駆除しましょう。

ナメクジ

ナメクジは葉を食害する害虫です。見つけた際には速やかに取り除く必要があります。ハエトリグサが分泌する蜜は昆虫だけでなくナメクジも引き寄せることがあり、真冬以外の時期には特に発生しやすいため注意しましょう。

また、ナメクジが葉の中で捕食された場合、消化不良を引き起こし葉と共に腐敗することがあるため、発見次第、葉ごと取り除くのが望ましいです。

ハエトリグサにおすすめの殺虫剤

※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。

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