リンクをコピーしました

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • もっと見る

電子レンジ料理の草分け、スケーターの「ゆでパスタ調理ケース」開発秘話

メーカー

大丸潤二

大丸潤二

2011年に入社し商品部へ配属後、在庫管理及び物流センターで出荷業務を経て2013年に東京営業所営業部へ配属。キャラクター商材、アイデアキッチングッズなどの販売を手がけている。

電子レンジだけでパスタが茹で上がる

自宅でパスタを茹でる際、1人分や2人分では鍋に水を入れて沸騰させて、途中でかき混ぜたり吹きこぼれに注意したりするのが面倒だ。

そんな声を受けて、奈良県にあるスケーター株式会社は13年ほど前に「ゆでパスタ調理ケース」をリリースした。現在は使う人も増えているが、当時は画期的な商品だった。スケーター営業部の大丸潤二さんに開発の背景を聞いた。

「当時は電子レンジ調理器が注目されるようになった頃で、幅広い世代に対して電子レンジで簡単に美味しく作れる容器の開発を進めました。パスタを茹でるための適切な水の量、加熱時間の設定のため何度も繰り返して調理を行い、多種類の電子レンジに対応できる使い方の表記に苦労したのを覚えています」

容器に水と乾麺を入れてレンジで加熱するだけで茹で上がる「ゆでパスタ調理ケース」は見事にヒット。蓋に湯切り穴とパスタの量が計れる計量穴を付けたのも、利便性が増して大きく支持を集めた。

実はこのスケーター株式会社、もともとは家庭用品メーカーではなく万年筆メーカーだった。

万年筆で培った技術を活かしてプラスチック業界へ

スケーター社外観

奈良県にあるスケーター株式会社の外観

スケーターという社名に込められている思い。それは、スケーターのようにすらすら滑る万年筆を提供したいというものだ。大丸さんにスケーター社の沿革を聞いてみた。

「弊社は1938年、万年筆のメーカーとして大阪市で創業されました。1950年に株式会社として設立された際は、スケーター万年筆株式会社という社名でした。ところが万年筆を使用する人の減少に加えて、外国製の安価なものが出回り、窮地に立たされてしまいます」

そこで、当時専務だった現会長の鴻池良一氏が万年筆のパーツを金型から起こして成形する技術を活かし、プラスチック事業部を立ち上げた。これがスケーター社にとって大きな転機となる。

「文具メーカーの下請けから始まり、60年代にプラスチック製の弁当箱を手掛けたことをきっかけに家庭用品分野に進出しました。70年代には女性向けのプラスチック容器、キャスミンが大ヒット。以後、プラスチック製の家庭用品メーカーとして認知されていきます。1990年には奈良に移転し、完全なファブレスメーカーになり、今に至っています」

中華まんケースの発想をご飯炊きに応用

中華まんケース

蒸気で炊くという発想の中華まんケース

プラスチックを得意とする家庭用品のメーカーとして、スケーターが自信をもって送り出した商品に「電子レンジ専用スチームご飯メーカー」がある。

容器を外容器と内容器の二重構造にし、容器内で蒸気を循環させてご飯をムラなくふっくらと炊きあげるのが特長。ご飯だけでなく、肉や野菜のおかず調理にも使用できる優れものだ。大丸さんはこの開発背景をこう振り返る。

「当時、すでに電子レンジを使ったご飯容器はあったので、弊社はワンランク上の美味しさを追求した開発を目指しました。精度の高いモデルを作り、ご飯が美味しく炊き上がるため、外容器に入れる水の量と加熱時間の設定のための実験を繰り返して現在の商品にたどり着きました」

電子レンジを使ったご飯メーカーは、ベタついたご飯ができやすかった。

目を付けたのが、同社の中華まんケース。すでにあった蒸気で炊くという発想をご飯メーカーに活かしたのだった。その結果、炊飯器とほぼ変わらないご飯ができるアイテムが誕生。これもまた同社を代表するようなヒット商品になった。

楽カジを実現しながらポイントをSNSで発信

SNSイメージ

Instagramでは世界観を重視した投稿に注力

カインズが力を入れている、家事を楽にしてくれる「楽カジ」というテーマ。スケーターが開発した「ゆでパスタ調理ケース」も「電子レンジ専用スチームご飯メーカー」もこの楽カジというテーマにぴったりマッチしている。

「ゆでパスタ調理ケースは本当に時短調理に使えます。水から沸騰させて乾麺パスタを入れて、約10分も火を使うのはかなり手間ですよね。それが夏だったら、せっかく冷やした部屋も熱で暑くなってしまいます。パスタメーカーなら排熱なく2人前が5分程度でできあがりますし、湯切りもそのまま洗い流せるのでザルの洗い物も一つ減ります。私はそれも楽カジだと思っています」

現在、スケーターは楽カジを実現する質の高いアイテムを開発することに加えて、企業認知度を上げる取り組みに力を入れている。特にSNSの活用はこの時代、必要不可欠なツールになっているようだ。

「広報担当によると、Instagramにおいては世界観を重視した投稿を行っています。同時にアンバサダーマーケティングも実施。Twitterでは店舗でのスケーターコーナーをツイートしています。今後はもう少しユーザーに近いライトな投稿もしたいということで、広報でも試行錯誤を続けています」

3層構造が主流のなか13層構造のマスク

最近はコロナ禍をきっかけに「スペシャルコットンマスク」を開発した。ガーゼなので肌に優しく、ベタつきがないのが特長だ。これはあるシーンを見かけたことで誕生した。大丸さんはこう語る。

「身の回りにマスクを2枚使っている人がいました。外側は不織布で、内側に肌に優しい素材を使ったマスクをしていたんです。それを一枚にできないか?というところからスタートしています。マスクって3層構造が普通なのですが、このコットンマスクは13層構造を採用。肌荒れ防止をしながらウイルスカット効果も最大限に高めています」

消費者に役立つ、質の高い商品を生み出し続けるスケーター。最後に今後の展望を聞いた。

「もっと企業認知度を上げたいというのがありますね。スケーターと言えば、多種多彩な家庭用品を作っているメーカーと多くの人に認識してもらえるようになりたいです。SNSへの取り組みもその一環。フォロワーさんを始め、YouTuberさんやインフルエンサーさんと一緒に色々なことに挑戦したいと社として考えています。そして、今後は海外にもスケーターブランドを展開していければと思っております」

※となりのカインズさんには、お取引メーカー様が記事を投稿したり、オウンドメディアの記事を転載したりすることも可能です。詳細は、となりのカインズさん編集部までお問い合わせください。

loading

関連するキーワード

となりのカインズさんをフォローして最新情報をチェック!

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Instagram
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

RELATED関連する記事

POPULAR人気の記事

  • Daily
  • Weekly

広告掲載について

NEWS LETTER ニュースレター

Webライター・イラストレーター募集

取材のご依頼や情報提供はこちらから